
著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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産後、ある日ふと鏡を見て、
「あれ…こんなにほうれい線あった?」
「出産前より、明らかに口元が老けて見える気がする…」
そんな違和感に、胸がざわっとしたことはありませんか。
妊娠・出産・育児という大きな変化の中で、
自分のことはどうしても後回しになりがち。
気づけば、スキンケアもほったらかし、
鏡を見る時間すらほとんど取れていなかった——
そんな中で突然気づく「顔の変化」は、とても不安になりますよね。
「このまま戻らなかったらどうしよう」
「もう年齢のせいなのかな…」
と、余計に不安が膨らんでしまう方も少なくありません。
ですが、結論からお伝えすると、産後に目立ち始めたほうれい線は、
一時的に“悪化して見えているだけ”のケースが非常に多いのです。
その理由と、「戻る場合」「戻りにくい場合」の違い、
そして今の自分でもできる現実的な対策を、わかりやすく解説します。
目次
産後のほうれい線は「老化」ではなく、複数の条件が重なって目立つ

まず知っておいていただきたいのは、
産後にほうれい線が目立ったからといって、
急激に老化が進んだわけではないということです。
多くの場合、
- 産後特有の体の変化
- ホルモンバランスの急激な変動
- 生活リズムの変化
- 肌の回復力の一時的な低下
これらが同時に重なった結果、
「急に悪化したように見える」状態に陥っているのです。
産後に「口元だけ急に老けた」と感じるのはなぜ?

産後のご相談でとても多いのが、
「顔の中でも、口元が特に老け込んだ」という声です。
ほうれい線は、「乾燥」「キメの乱れ」「ハリや弾力の低下」
といった要素の影響を強く受ける部位です。
つまり、体調や生活の変化が真っ先に現れやすい場所でもあります。
そのため、実際の老化による構造変化以上に
「一気に老けた」という印象を持ちやすくなるのです。
▶︎[ほうれい線ができる原因を詳しくみる>]
産後に起こりやすい変化と、ホルモンバランスの影響
産後のほうれい線を語る上で欠かせないのが、
ホルモンバランスの急激な変化です。
妊娠中は、エストロゲンという女性ホルモンの分泌量が高い状態が続きます。
エストロゲンには、
- 皮膚の水分量を保つ
- コラーゲン生成を助ける
- 肌のハリ・弾力を維持する
といった、肌にとって非常に重要な働きがあります。
ところが出産を境に、このエストロゲンは急激に低下します。その結果、
- 肌が乾燥しやすくなる
- ハリ・弾力が一時的に低下する
- 皮膚がしぼんだような質感になる
といった変化が起こりやすくなります。
特にほうれい線は、皮膚が薄く、動きが多く、ハリの低下の影響を受けやすい部位です。
そのため、ホルモン低下の影響が「線」として目に見えやすく現れるのです。
これは「老化が進んだ」のではなく、
ホルモン環境が一時的に変わったことによる見え方の変化だと理解してください。
「今悪化して見えるほうれい線」は戻る可能性がある?

ここが一番気になるポイントだと思います。
実は、産後に気になり始めたほうれい線の多くは、
一年ほどは、まだ定着しきっていない“戻りやすい段階”にあります。
- 保湿すると少し目立たなくなる
- 寝起きや笑った後に付く跡も時間が経てば戻る
- 日や時間帯によって見え方が違う
こうした特徴がある場合、
時間経過と適切なケアで改善する可能性は十分にあります。
▶︎[寝起きにほうれい線が目立つ理由を見る>]
▶︎[夕方になるとほうれい線が目立つ理由をみる>]
▶︎[笑った後に残るほうれい線の重症度分類をみる>]
産後いつから悪化して、いつになったら元に戻る?

産後0〜3か月|ほうれい線が最も目立ちやすい時期
産後まもなくは、ホルモンバランスが最も大きく変動する時期です。
そこに、
- 睡眠不足
- 授乳や育児による体力消耗
- ストレス・自律神経の乱れ
が重なり、肌の回復がどうしても遅れがちになります。
この時期のほうれい線は、皮膚そのものが薄くなったように感じたり、
しわが刻まれやすくなったように見えたりしますが、
その多くは「乾燥」や「ハリの低下」によるものです。
産後3〜12か月|ほうれい線が元に戻る人と戻りにくい人の分かれ道
生活が少しずつ落ち着いてくる一方で、
- 疲労が慢性化している
- 自分のケアは後回しのまま
という状態が続くと、肌の回復が追いつかず、
ほうれい線がそのまま定着して残ってしまうことがあります。
この時期に最低限の対策をしているかどうかが、
戻りやすさの大きな分かれ道になります。
ほうれい線が悪化しても自然に戻る人の共通点
自然に薄くなっていく方の多くは、
- 肌への強い刺激を避けている
- 保湿だけは続けている
- 睡眠や栄養を十分に摂っている
という共通点があります。
「何か特別なことをしている」よりも、
悪化させない最低限の行動をしていることがポイントです。
産後のほうれい線が悪化して見える主な2つの原因
①乾燥・キメの乱れで“しわっぽく見える”タイプ

産後は皮脂分泌や水分保持力が低下しやすく、
肌表面がくしゃっとしぼんだような状態になります。
その結果、
- 笑うと線がくっきり残る
- 小じわが目立つ
- 化粧ノリが悪い・ヨレやすい
といった変化を感じやすくなります。
②ハリの低下で“影が濃く見える”タイプ

皮膚のハリが弱まると、
頬から口元にかけてゆるみやもたつきが生じ、
ほうれい線部分の影が強調されて見えるようになります。
写真を撮ったときや夕方の時間帯に特に目立つ場合は、
このタイプが関与していることが多いです。
産後は①②の変化が同時に起こりやすい
産後は、乾燥やエストロゲン低下による皮膚の菲薄化・ハリの低下などが同時に起こり、
「しわっぽさ」と「頬のゆるみによる影」が同時に強調される状態になります。
そのため、「急にひどくなった」と感じやすいのです。
忙しいママでもできる現実的な対策と、避けたいNG行動

ここからは、「正直、そんなに時間は取れない…」という方に向けて、
最低限これだけは意識してほしいことをまとめます。
まず「これだけはやってほしい」最低限の対策
一番大切なのはとにかく「保湿」です。
新しい化粧品は必要ありません。
- いつもの化粧水とクリームでOK
- いつもより少し多めに
- 擦らず、手のひらで温めながら押さえるように
これだけでも、乾燥由来のほうれい線は和らぎやすくなります。
▶︎[肌タイプ別の正しいスキンケア方法をみる>]
▶︎[乾燥肌ではほうれい線が目立つ理由をみる>]
忙しくてもできる現実的なケアの考え方
産後のほうれい線対策で大切なのは、
ホルモンバランスが不安定な時期であることを念頭におくことです。
この時期に、
- 即効性を求めすぎる
- 攻めすぎるケアをする
とかえって肌の負担になります。
「保護する」「回復を待つ」
この意識が、結果的に一番の近道です。
逆に、これをやると戻りにくくなるNG行動
避けてほしいのは、
- 強いマッサージや摩擦
- 乾燥を放置したままのケア
- 「そのうち戻るだろう」と完全に放置すること
産後の肌はとても不安定です。
刺激を与えすぎるほど、ほうれい線は定着しやすくなります。
▶︎[表情筋トレーニングの注意点をみる>]
▶︎[ほうれい線の正しいセルフケア方法をみる>]
セルフケアで足りないと感じたら|美容医療を考える前に知っておきたいこと

まずは「今のほうれい線が戻る段階か」を見極める
産後にほうれい線が気になっても、
すぐに何かを治療する必要はありません。
まず大切なのは、
「今はまだ戻る途中なのか」
「少しずつ定着し始めているのか」
を見極めることです。
それが分かるだけでも、不安は大きく軽減されます。
目安としては、
- 日や時間帯によって見え方に差がある
- 保湿すると少し目立たなくなる
- 常にではなく光の加減によって気になる
このようなケースは、
自然回復によって自然と元に戻る可能性が高いです。
産後すぐに美容医療を急がなくていい理由と、考えるべきタイミング
産後まもなくは、ホルモンバランスがまだ安定しておらず、
肌状態や顔の構造も回復の途中にあるケースが非常に多い時期です。
そのため、この段階で
「早く何とかしなきゃ」
「今すぐ治療しないと戻らないかも」
と焦って判断してしまうと、
- 本来は必要のない治療を選んでしまう
- 変化が安定せず、満足度が下がる
といった結果につながることもあります。
美容医療は、「今すぐ治すための手段」ではありません。
まずは、「自然に戻る余地があるか」
「セルフケアで見え方が少し整うか」
を見極めることが大切です。
その上で、
- 日や時間帯による差がほとんどない
- 保湿しても見え方が全く変わらない
- 光や照明の加減によらず常に目立つ
といった状態が一定期間続く場合に、
必要な選択肢として検討する——
それくらいの距離感で十分です。
まとめ|産後のほうれい線は「焦らず戻す」が正解

産後のほうれい線は、
「ホルモンバランスの急激な変化によって一時的に悪化して見えているだけ」
というケースが非常に多くあります。
大切なのは、「今は回復途中にいるだけかもしれない」と知ること。
焦らず、刺激を避け、最低限のケアを続ける。
それが、産後のほうれい線に対する
最も現実的で、後悔の少ない向き合い方です。
当院はほうれい線治療を専門に行っており、メールでの無料カウンセリングも実施しております。
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ほうれい線でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。