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著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「お酒を飲んだ翌日、ほうれい線が急に濃く見える気がする」
「最近、飲む頻度が増えてから顔が老けた気がする」

そんな違和感を抱えて、ネットで検索された方も多いのではないでしょうか。

実際、お酒を飲んだ翌日に顔がむくんだり、肌の調子が悪く感じたりして、いつもよりほうれい線や口元の老け感が目立つことはあります。

ただし、ここで大切なのは、「お酒を飲んだ翌日に老けて見えること」と「飲酒によって皮膚そのものの老化が進むこと」は分けて考えることです。

飲酒後の顔には、むくみ、睡眠への影響、生活リズムの乱れなどが重なり、一時的に老けて見えることがあります。

一方、習慣的な多量飲酒については、顔のしわやボリューム変化など、いくつかの顔面老化所見との関連を示した研究もあります。

東京リンクルクリニックは、ほうれい線治療を専門とする美容皮膚科です。

この記事では、お酒を飲むとなぜ老けて見えるのか、アルコールと肌老化について医学的に分かっていること、そして飲酒とほうれい線の関係を美容皮膚科医の視点から解説します。

この記事を読んでわかること

  • お酒を飲んだ翌日に老けて見える理由
  • アルコールと肌老化について分かっていること
  • 飲酒でほうれい線が濃く見える理由
  • 禁酒すればほうれい線は改善するのか
  • 飲酒を控えても残るほうれい線への対策

生活習慣を見直してもほうれい線が消えない方へ

すでに皮膚に「溝」が形成されている場合、飲酒を控えるだけでは改善できないことがあります。当院では、現在のほうれい線の状態について無料メール相談も行っています。

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お酒を飲むと老ける?飲酒と肌老化の関係

結論からいうと、お酒を飲んだからといって、一晩で皮膚そのものが老化するわけではありません。

飲酒翌日に「急に老けた」「ほうれい線が濃くなった」と感じる場合は、まず一時的な顔のむくみや睡眠への影響などを考えます。

一方で、長期的な飲酒習慣については少し話が変わります。

18〜75歳の女性3,267人を対象とした国際的な横断研究では、多量飲酒は上顔面のしわ、目の下のむくみ、口角周囲の変化、中顔面のボリュームロス、血管の目立ちなど、複数の顔面老化所見と関連していました。

ただし、この研究は「飲酒している人」と「顔面老化所見」の関連を調べた横断研究です。そのため、アルコールが直接これらの変化を引き起こしたと証明した研究ではありません。

つまり、

「お酒を飲めば必ず老ける」と断定することはできない一方、多量飲酒を続けることが若々しい肌を保つために有利とは言いにくい、というのが現時点での適切な捉え方です。

▶︎[ほうれい線ができる原因を詳しくみる>]

参考文献:Goodman GD, Kaufman J, Day D, et al. Impact of Smoking and Alcohol Use on Facial Aging in Women: Results of a Large Multinational, Multiracial, Cross-sectional Survey. J Clin Aesthet Dermatol. 2019;12(8):28-39. PubMed

飲酒翌日にほうれい線が濃く見える理由

「昨日までこんなに濃くなかったのに」と感じても、ほうれい線の構造が一晩で急激に変化したとは限りません。

飲酒翌日にほうれい線が目立つ場合には、主に次のような要素が重なっていると考えられます。

①顔がむくみ、ほうれい線の影が強く見える

お酒を飲んだ翌日に、まぶたや頬がむくんだ経験がある方は多いと思います。

飲酒時にはアルコールだけでなく、塩分の多い食事を一緒に摂ることも多く、水分バランスや翌朝の顔の状態にはさまざまな要素が影響します。

頬がむくんでボリュームや輪郭が変わると、頬とほうれい線との高低差による「影」が普段より強く見えることがあります。

この場合は、皮膚の溝そのものが一晩で深くなったわけではありません。

▶︎[顔がむくむとほうれい線が目立つ理由をみる>]

②肌の乾燥によって細かな線が目立つ

飲酒した翌日は、「肌が乾燥している」「化粧のりが悪い」と感じる方もいます。

ただし、アルコールの利尿作用だけを理由に「飲酒すると皮膚が脱水して、ほうれい線が深くなる」と単純化することはできません。

飲酒量、水分摂取量、食事、室内環境、睡眠など、複数の要因によって翌朝の肌状態は変わります。

乾燥によって皮膚表面の細かな線が強調されることはありますが、保湿で改善できるのは主に表面的な変化です。

すでに形成されたほうれい線の「溝」が、保湿だけで消えるわけではありません。

▶︎[乾燥肌ではほうれい線が目立つ理由をみる>]

③飲酒によって睡眠の質が変化する

「お酒を飲むとよく眠れる」と感じる方もいます。

確かにアルコールによって寝つきが早くなることはありますが、睡眠全体で見ると話は別です。

2024年に発表された系統的レビュー・メタ解析では、飲酒によってREM睡眠の開始が遅れ、REM睡眠時間が減少するなど、睡眠構造への影響が確認されています。

つまり、「寝つきがよい=質のよい睡眠が取れている」とは限りません。

飲酒した翌日に顔全体が疲れて見える場合には、こうした睡眠への影響も無視できません。

▶︎[寝不足だとほうれい線が目立つ理由をみる>]

参考文献:Gardiner C, Weakley J, Burke LM, et al. The effect of alcohol on subsequent sleep in healthy adults: A systematic review and meta-analysis. Sleep Med Rev. 2025;79:102030. PubMed

長期的な飲酒は肌老化を早めるのか

ここは、「毎日お酒を飲んでいると、将来老けやすくなるのか」と気になっている方が最も知りたいところだと思います。

アルコールと皮膚老化については、酸化ストレスや炎症などさまざまなメカニズムが研究されています。

ただし、人の顔について、

「飲酒 → コラーゲン減少 → 頬の脂肪減少 → ほうれい線が深くなる」

という一方向の流れが、そのまま証明されているわけではありません。

顔の老化には、加齢、紫外線、喫煙、体重変化、骨格、遺伝的要因、ホルモン、皮膚の状態など多くの要素が関係しています。

そのため、飲酒だけをほうれい線の直接的な原因として扱うのは適切ではありません。

一方で、先ほど紹介した3,267人の女性を対象とした研究では、多量飲酒と複数の顔面老化所見との関連が確認されています。

また、飲酒が睡眠へ影響することも分かっています。

こうしたことを考えると、肌老化をできるだけ抑えたいのであれば、習慣的な多量飲酒を避けることには十分意味があると考えられます。

アルコールと老化を考えるときに知っておきたい3つのこと

アルコールと老化について検索すると、「酸化するから老ける」「コラーゲンが破壊される」など、非常に強い表現を見かけることがあります。

ここでは、もう少し慎重に整理してみましょう。

①アルコール代謝と酸化ストレス

アルコールは体内で代謝される過程でアセトアルデヒドなどを生じ、酸化ストレスに関わる反応も起こります。

酸化ストレスは皮膚老化研究でも重要なテーマの一つです。

ただし、ここから「お酒を1杯飲むたびに皮膚のコラーゲンが壊れ、ほうれい線が深くなる」と考えるのは飛躍があります。

飲酒量や頻度、その他の生活習慣を含めて考える必要があります。

②飲酒と炎症

大量・慢性的なアルコール摂取は、全身の炎症やさまざまな健康問題との関連が研究されています。

一方で、これも「飲酒による炎症が直接ほうれい線を作る」と証明されているわけではありません。

ほうれい線は皮膚だけでなく、骨格、脂肪、支持組織、表情による皮膚の折れ曲がりなど、複数の要因によって形成されます。

③飲酒そのものだけでなく生活習慣全体を見る

実際の生活では、飲酒だけが単独で存在しているわけではありません。

お酒を飲むと就寝時間が遅くなる、塩分の多い食事が増える、睡眠が乱れるなど、ほかの生活習慣も一緒に変化することがあります。

そのため美容の観点では、「アルコールだけを悪者にする」のではなく、飲酒量・食事・睡眠・紫外線対策・喫煙・体重変化などをまとめて見直すことが大切です。

▶︎[ほうれい線と食事・栄養の関係をみる>]
▶︎[ほうれい線の正しいセルフケア方法をみる>]

禁酒すればほうれい線は改善する?

「お酒が老化に関係するなら、禁酒すればほうれい線も消えるのでは」と思うかもしれません。

ここは、ほうれい線の状態によって答えが変わります。

飲酒翌日だけ目立つなら、見え方が改善する可能性はある

飲酒した翌朝だけ顔がむくみ、ほうれい線の影が濃く見えている方であれば、飲酒量や飲む頻度を減らすことで、翌朝の見え方が変わる可能性はあります。

睡眠への影響が減ることで、「飲んだ翌日の疲れた顔」が気になりにくくなる方もいるでしょう。

すでにできた「溝」は禁酒だけでは消えない

一方、真顔でもほうれい線が残っている場合は別です。

当院では、皮膚が折れ曲がることで形成された構造的な変化を「溝」、その溝の表面に長年の表情筋の動きによって刻まれた表層の変化を「折れ癖」と考えています。

すでにこうした変化が形成されている場合、禁酒や食生活の改善は今後の肌を守るという意味では大切ですが、生活習慣を変えるだけで現在の溝そのものをなくすことには限界があります。

▶︎[ほうれい線の折れ癖について詳しくみる>]
▶︎[ほうれい線ができる原因を詳しくみる>]

お酒を楽しみながら肌老化をできるだけ防ぐには

美容のために「一滴もお酒を飲んではいけない」と考える必要はありません。

大切なのは、飲酒量や頻度を含めて、自分の生活全体を見直すことです。

飲みすぎを習慣化しない

今回紹介した顔面老化の研究でも、問題になっていたのは主に多量飲酒です。

「肌にいいお酒」を探すよりも、まずは飲みすぎを習慣化しないことの方が現実的です。

飲酒後の水分を極端に制限しない

翌朝むくむのが嫌だからといって、水分摂取を極端に減らす必要はありません。

アルコールだけでなく、一緒に食べるものや塩分量なども含めて調整しましょう。

寝酒として使わない

アルコールは寝つきを早めることがありますが、正常な睡眠構造を乱す可能性があります。

「眠るために毎晩飲む」という習慣は、睡眠の観点からもおすすめできません。

▶︎[睡眠不足とほうれい線の関係をみる>]

飲酒を控えてもほうれい線が消えない場合

生活習慣を整えることは、肌の健康を保ち、これからの老化をできるだけ抑えるために大切です。

しかし、セルフケアと、すでに形成されたほうれい線を治療することは別の問題です。

飲酒を控え、保湿や睡眠にも気をつけているのに真顔でもほうれい線が残る場合には、何が線を作っているのかを確認します。

皮膚に形成された「溝」にはグロースファクター

皮膚が繰り返し折れ曲がることで形成された溝に対して、当院で中心的に行っているのがグロースファクター治療です。

グロースファクターは、ヒアルロン酸のように大きなボリュームを加えて形を作る治療ではありません。

皮膚のコラーゲン生成などを促すことで、皮膚側からほうれい線の溝を自然に浅くしていくことを目的としています。

また当院では、現在ある溝を改善するだけでなく、皮膚のハリを改善することで、将来的にほうれい線がさらに深くなるのを予防することも大切な目的と考えています。

効果は徐々に現れ、最大化するまでには1〜6か月程度かかります。

▶︎[グロースファクター治療の効果・持続期間・リスクを詳しくみる>]

鼻横の骨格的なくぼみにはヒアルロン酸が適することもある

ほうれい線上部の「影」が強く、その原因が鼻横の骨格的なくぼみにある場合には、ヒアルロン酸が適することがあります。

また、深い溝であればヒアルロン酸によってある程度浅くできることもあります。

一方、浅い溝にはヒアルロン酸での改善に限界があり、溝の表面に刻まれた「折れ癖」には基本的に効果を期待しにくいという違いがあります。

▶︎[ほうれい線のヒアルロン酸治療についてみる>]

よくある質問

お酒を飲むと本当に老けますか?

お酒を飲んだからといって、一晩で皮膚そのものが老化するわけではありません。

ただし、飲酒翌日のむくみや睡眠への影響によって一時的に老けて見えることがあります。また、多量飲酒と複数の顔面老化所見との関連を示した研究もあります。

そのため、「1回飲めば老ける」と考えるのではなく、飲酒量や頻度、生活習慣全体で考えることが大切です。

お酒を飲むとほうれい線は深くなりますか?

飲酒した翌日にほうれい線が濃く見えても、溝そのものが一晩で深くなったとは限りません。

むくみによる影や肌状態、睡眠などによって、もともとあるほうれい線が強調されている可能性があります。

禁酒すると顔は若返りますか?

飲酒によるむくみや睡眠への影響が大きかった方では、お酒を控えることで顔の見え方が変わる可能性があります。

ただし、すでに形成されたしわやほうれい線の溝が、禁酒だけですべて元に戻るわけではありません。

お酒の種類によって老化しやすさは違いますか?

美容目的で「この種類なら老化しない」といえるお酒はありません。

ワインなどに含まれる成分だけに注目するよりも、アルコール量、飲む頻度、食事、睡眠などを含めて考える方が現実的です。

ほうれい線が気になるならお酒をやめるべきですか?

ほうれい線だけを理由に、すべての方が完全に禁酒する必要があるとは考えていません。

まずは飲酒した翌日に顔がどう変わるかを確認し、飲みすぎが続いているのであれば量や頻度を見直すとよいでしょう。

一方、飲酒の有無にかかわらず真顔でも溝が残っている場合には、生活習慣とは別にほうれい線そのものへの対策を考えます。

まとめ|お酒と老化の関係は「翌日の変化」と「長期的な習慣」を分けて考える

お酒だけを悪者にせず、今あるほうれい線の状態を見極めることが大切です

お酒を飲んだ翌日に「急に老けた」「ほうれい線が濃くなった」と感じても、ほうれい線の溝そのものが一晩で急激に深くなったとは限りません。

むくみや睡眠への影響などによって、もともとあるほうれい線の影が一時的に強調されていることがあります。

一方で、習慣的な多量飲酒と複数の顔面老化所見との関連を示す研究もあり、肌老化をできるだけ抑えたいのであれば、飲みすぎを避けることには意味があります。

ただし、ほうれい線には飲酒だけでなく、皮膚、脂肪、骨格、頬の位置、表情による折れ曲がりなど、さまざまな要因が関係しています。

生活習慣を整えても真顔で残る「溝」は、禁酒や保湿だけで消すことには限界があります。

東京リンクルクリニックでは、ほうれい線を一本の線として見るのではなく、皮膚に形成された溝、鼻横の骨格的なくぼみによる影、頬の厚みやたるみなどを確認したうえで治療を考えています。

「お酒のせいなのか、それともすでにほうれい線ができているのか分からない」という方も、お気軽にご相談ください。

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