
著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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鏡をのぞくたびに、ふと気になる口元の影。
「最近、ほうれい線が深くなってきた気がする」
「根本的に治す方法を知りたい」
そう感じて、このページにたどり着いたのではないでしょうか。
ほうれい線治療の情報は、いまや世の中にあふれています。
ヒアルロン酸、ハイフ、糸リフト…。
どれも“ある程度”の改善はできますが、本当の意味での「根本治療」を語る記事は意外と少ないのが現実です。
この記事では、ほうれい線治療を専門にしている美容皮膚科医として、
「何をすれば本当に治せるのか」を、できるだけシンプルに、しかし専門性を損なわずにお伝えしたいと思います。
それでは最初に、根本治療として何が正解なのか、その結論から見ていきましょう。
目次
ほうれい線の根本治療は「グロースファクター」+必要に応じて「フェイスリフト」
ほうれい線は、単なる線に見えて、実際には 2つの構造から成り立っています。
① 頬のたるみが作る影(立体的な皮膚や脂肪の重なり)
② 皮膚が折れ曲がってできた溝
この2つが重なって見えているのが、いわゆる「ほうれい線」です。
そのため、本当の意味での根本治療は次のように整理できます。
● たるみに対して → フェイスリフトが根本治療
● 溝に対して → グロースファクターが根本治療
とてもシンプルです。
ただし、年齢相応のたるみの方であれば、
まず優先すべきはグロースファクターです。
フェイスリフト単独でほうれい線が解消するケースは実はほとんどなく、
結局は“溝”への注入が必要になります。
逆に、グロースファクター単独で治療後に十分満足されるケースはとても多いのです。
次章で、なぜそう言い切れるのかを専門的に説明します。
▶︎[ほうれい線に特化したグロースファクター治療の詳細をみる>]
ほうれい線は「たるみの影」と「溝」の複合構造
ほうれい線の正体を一言で表すなら、「凹凸が重なった立体構造」です。
まず、頬が下がると、小鼻の横から口角の横あたりに影が落ちます。
これが「たるみ由来の影」です。
さらに、長年の表情や皮膚のハリ低下によって、
皮膚が折れ曲がり「溝」が刻まれていきます。
影と溝が重なると、線は深く、長く見えます。
そのため、影と溝を正しく分けて治すことが何より大切です。
「たるみ」に対する根本治療=フェイスリフト

たるみを根本から引き上げるには、フェイスリフト(外科的な切開リフト)が最も確実です。
皮膚だけではなく、SMAS層(筋膜)まで持ち上げることで、
頬の重さを物理的に引き上げ、影が薄くなります。
ただし、ここで一つ誤解しやすい点があります。
フェイスリフト単独では「ほうれい線の溝」はほぼ改善しません。
たるみのよる余分な影は減りますが、皮膚に刻まれた溝までは治せないのが事実です。
そのため、どれだけ上手なフェイスリフトをしても、
最終的にグロースファクターなどの注入治療が必要になることが多いのです。
▶︎[ほうれい線のフェイスリフトの詳細をみる>]
▶︎[リフトアップ手術だけでほうれい線は改善しない理由をみる>]
「溝」に対する根本治療|4つの選択肢と、その最適解
ほうれい線の「溝」に対する根本治療はいくつかあります。
以下で一つずつ整理していきます。
①グロースファクター(真皮再生)
グロースファクターは、真皮の細胞を刺激し、コラーゲンを再生する治療です。
皮膚そのものの折れ曲がりが戻るため、
表情にも自然になじみ、仕上がりが非常に自然です。
1度の治療で長期的に効果が続き、
折れ癖の強いほうれい線も改善が期待できる点が最大の強みです。
現時点で「溝の根本治療」として最も理にかなっています。
②鼻翼基部プロテーゼ(鼻横のくぼみ補正)
鼻翼基部にシリコンを挿入することでくぼみを半永久的に底上げする治療です。
骨格の凹みが強い方には特に有効で、
小鼻横の影が薄くなり、ほうれい線上部が目立たなくなることがあります。
ただし、プロテーゼは骨格の補正が得意な治療で、
皮膚に刻まれた浅い溝やほうれい線の下部には効果が出にくいです。
また、ズレのリスクや経年交換の必要性も念頭におくべきです。
▶︎[鼻翼基部プロテーゼの詳細をみる>]
③脂肪注入(ボリューム補充)
自己脂肪組織を溝に注入し、脂肪が定着した場合は半永久的な改善効果が望める治療法です。
顔全体の脂肪量が少なく、頬が痩せている方には特に相性が良く、
注入部位がふっくらするため、輪郭に若さが戻ります。
しかし、深部にボリュームを補う方法であるため、
ほうれい線の浅いしわ(真皮に刻まれた溝)には効果が及びません。
また、ほうれい線はよく動く部位であるため脂肪の定着率が低く、
十分な仕上がりまでに複数回の注入が必要となるケースがほとんどです。
④ジュブゼン(最新の真皮再生治療)
CO₂と高分子ヒアルロン酸を交互に注入し真皮を刺激する新しい治療です。
凹み改善を狙うコンセプトは優れており、今後期待される分野です。
ただし、日本では導入間もないためデータが乏しく、
しこりや過形成のリスク、実際の効果の持続性など、慎重な扱いが必要です。
総評|なぜグロースファクターが最も合理的なのか
プロテーゼはあくまで骨格の補正が得意で、
脂肪注入はボリュームの追加には向いているものの、
浅いしわや折れ癖といった、皮膚表面の「線そのもの」には届きません。
ジュブゼンは将来性のある新しい治療ではありますが、
現時点では長期的なデータがまだ十分ではなく、
安定した根本治療として語るには材料が少ないのが実情です。
一方で、皮膚表面に刻まれたしわ、深く残る折れ癖、
真皮のハリ不足といった「ほうれい線そのもの」に直接作用し、
構造そのものを立て直せるのがグロースファクターです。
だからこそ、
溝の根本治療としてまず選ぶべき治療は、グロースファクターだと言えます。
▶︎[ほうれい線に特化したグロースファクター治療の詳細をみる>]
【優先順位】まずどの治療からすべきか?

ここまでの結論をまとめると、優先順位は明確です。
① 溝に対するグロースファクターを優先
理由:溝はフェイスリフトでも治らず、最終的にほとんどのケースで注入治療が必要になるため
/ グロースファクター単独で満足される方が非常に多いため
② たるみが強い場合はフェイスリフトを併用
理由:影の影響が大きい場合、引き上げと溝の治療を合わせると効果が最大化するため
非常にシンプルです。
グロースファクターで実際にどう変わるのか
グロースファクターの魅力は、
“皮膚の折れ曲がりが自然に元の状態に戻る”という点にあります。
たるみで影が強い方でも、溝の部分が改善すると、
ほうれい線の印象は薄く目立ちにくくなります。
時間とともに真皮が再生し、
「1〜6ヶ月かけてじわじわと変化していく」という点も特徴です。
人工的に膨らませるのではなく、自分の肌質が変わることで
自然に若返るという実感を得られる方が多い治療です。
まとめ|今のあなたに必要な“本当の根本治療”とは
ほうれい線は、影と溝の複合構造。
どちらをどれだけ治療するかで、結果は大きく変わります。
ただし結論はとてもシンプルです。
● まず溝に対するグロースファクターを優先する
● たるみが強い方はフェイスリフトを組み合わせる
この2つを押さえるだけで、
ほうれい線は無理なく、自然に、根本から改善します。
当院はほうれい線治療を専門に行っており、
患者様のご状態やご希望に応じて、最適な治療法をご提案いたします。
もし「自分の場合はどちらが適しているのか」を迷われている場合は、
一度ご相談いただければ、肌・骨格・脂肪・真皮の状態を総合的に診て、
最適な根本治療をご提案いたします。
無料カウンセリングも実施しており、お寄せいただいたご相談メールには、
本記事を執筆している院長の私がすべて丁寧にご返信いたします。
ほうれい線でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。





