
著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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鏡を見たとき、口元にくっきり入ったほうれい線にドキッとしたことはありませんか。
「一度気になり始めたら、ずっとそこに目がいってしまう」「消したいけど、いくらかかるんだろう…」
──そんな不安を抱えながら、このページにたどり着かれた方も多いと思います。
ほうれい線治療は「何を選ぶか」で、かかる費用も、効果の出方も、持続期間も大きく変わります。
高い施術が必ずしも“正解”ではありませんが、安さだけで選んでしまうと
「何度も打ち直しが必要になって、結局高くついてしまった」というケースも少なくありません。
この記事では、ほうれい線治療を専門とする美容皮膚科医の立場から、
- ほうれい線はどこまで「消す」ことができるのか
- そのためにどのくらいの費用を見ておくべきか
- 治療ごとの費用対効果・コスパの違い
を、できるだけわかりやすく、具体的な価格帯も交えながら解説していきます。
目次
まず結論|ほうれい線を消す費用はどれくらい?

結論を先にまとめると、ほうれい線にかかる費用は次のイメージです。
- 軽度〜中等度のほうれい線なら、数万〜十数万円の注入治療で「ほぼ目立たなくする」ところまで行けることが多い
- 深く刻まれたほうれい線や、骨格の要素・たるみが強いタイプでは、20万円以上かかるケースもある
- 化粧品やエステに長年投資するよりも、自分に合った治療に絞って受けた方が、トータルの費用を抑えやすい
大切なのは、「いくらかけるか」だけでなく、
その費用を“どの治療に”“どのタイミングで”かけるかという視点です。
このあと、タイプ別・治療別に、具体的な費用感とコスパの違いを解説していきます。
ほうれい線は「完全に消す」のは難しいが、費用次第でここまで変えられる
ほうれい線は「溝」と「たるみ」が重なった構造的な悩み
ほうれい線は、“皮膚の表面にできた1本のしわ”ではありません。
鼻の横から口元にかけてできる「溝」と、その上に覆い被さる頬のたるみが作り出す、立体構造の変化です。
年齢とともに、頬の脂肪が下がり、骨格のボリュームも少しずつ減っていくことで、
この「溝+たるみ」の程度が進行し、線がくっきりして見えるようになります。
この構造そのものにアプローチしない限り、「消す」のは現実的には難しいのが正直なところです。
セルフケアでできること・できないこと

保湿や美容液、美顔器などのセルフケアは、
乾燥による小じわを和らげる・肌のキメを整えてメイク映えを良くするといった点では意味があります。
一方で、ほうれい線の本体である「溝」「骨格」「脂肪の位置」までは変えられません。
これらの立体構造を動かすには、
といった美容医療の力が必要になります。
費用をかけるなら「どこに投資するか」が重要
限られた予算の中で結果を出すには、
「とにかく安く」「とりあえず強い治療を」ではなく、
- 短期間だけでいいから、とにかく今すぐ消したいのか
- 数年単位で、できるだけ長くキープしたいのか
- なるべく自然で、周囲にバレない仕上がりを優先したいのか
といった自分の優先順位に合った治療だけに絞って費用を投じることが大切です。
このあと、「タイプ別」「治療別」に必要な費用感を具体的に見ていきましょう。
まずチェック|あなたのほうれい線タイプと、だいたいの費用目安
【軽度】笑ったときだけ・うっすら影が出るタイプ(数万〜十数万円目安)
笑ったときや、光の加減によってうっすら線が見えるくらいの「軽度」のほうれい線は、
骨格やたるみの問題よりも、皮膚のハリ低下や表情の癖による影響が大きいタイプです。
この場合は、
- 少量のヒアルロン酸注入
- グロースファクターで土台から早めに整えておく
- ハイフや高周波で軽く引き締める
といった治療で数万円台〜十数万円台の予算で済むことも多く、
「将来の深いほうれい線を予防する」という意味合いも大きくなります。
【中等度】真顔でも常に溝が見えるタイプ(十数万〜20万円目安)
表情や光の条件に関わらず、常にほうれい線のラインが見える「中等度」のほうれい線は、
まずは溝の深さにアプローチすることで効率的に改善につなげることができます。
- ヒアルロン酸で溝を適切な量だけふくらませる
- グロースファクターで真皮のコラーゲンを増やし、土台から持ち上げる
- 必要に応じてハイフや高周波でたるみを軽く引き締める
といった組み合わせを行うため、
両側でだいたい十数万円〜20万円台を目安に考えておくと良いでしょう。
【重度】くっきり深い溝・たるみが強いタイプ(20万〜数十万円以上が目安)
深く刻まれた溝や、頬のたるみが明らかな「重度」のほうれい線は、注入量も増え、
場合によってはリフトアップ治療(糸リフト・フェイスリフト)も併用が必要になります。
- 頬のボリュームを支え直すヒアルロン酸注入
- たるみを上方向に引き上げるリフトアップ治療
- 長期的なハリを出すグロースファクター治療
などを組み合わせると、
トータルで数十万円〜の予算が必要になることもあります。
▶︎[深いほうれい線の治療法をみる>]
年代・骨格・脂肪量で変わる「必要な治療」と「費用レンジ」
同じ年代でも、骨格がシャープで皮下脂肪が少ない方と、
頬がふっくらしている方では、必要な治療も費用も変わります。
• 20〜30代:軽度〜中等度の方が多く、予防も兼ねて少ない費用からスタートしやすい
• 40代:老化の影響が現れ、注入治療を中心に必要に応じてたるみ治療の併用で、中〜やや高額帯になるケースも
• 50代以降:溝・たるみともに進行していることも多く、注入治療+リフト系の併用で費用も上がる傾向
「何歳だからいくらくらい」というよりも、
実際のほうれい線の深さや顔全体のバランスで診断し、費用をシミュレーションすることが重要です。
美容医療でほうれい線を「消す・改善する」主な治療と費用相場
ヒアルロン酸注入|1回の費用・本数・持続期間
ヒアルロン酸注射は、ほうれい線治療の中でも即効性が高い代表的な治療です。
- 費用の目安:1ccあたり6〜10万円
- 必要な本数:軽度で1本前後、中等度〜重度で2本以上必要になることも
- 持続期間:半年〜2年程度(製剤差や個人差あり)
その場で溝がふっくらし、「その日から変化を実感したい」という方には向いています。
一方で、入れすぎると不自然なふくらみや違和感が出やすく、定期的な打ち直しが必要になるというデメリットもあります。
グロースファクター治療|コラーゲン再生による長期改善と費用の考え方
グロースファクター(成長因子)注入は、
真皮層のコラーゲンを増やし、肌の土台から持ち上げていく治療です。
- 費用の目安:ほうれい線両側で18万円(当院)
- 効果の出方:1〜6ヶ月かけて徐々に変化
- 持続:数年〜10年以上(生活習慣などにより個人差あり)
ヒアルロン酸のような即効性はありませんが、
“自身のコラーゲン”が増えることで、表情に馴染んだ自然な若返りが期待できるのが特徴です。
トータルで見ると、「何度も打ち直す費用」を抑えられるため、
中〜長期的なコスパに優れた治療といえます。
ボトックス注射|表情じわタイプに有効なケースと費用

笑ったときだけ深い線が出る「表情じわタイプ」のほうれい線には、
ボトックス注射が有効なケースもあります。
- 費用の目安:1回あたり1〜数万円
- 表情筋の動きを弱めることで、笑いじわの刻み込みを予防
- 効果の持続:3〜6ヶ月程度
ただし、ほうれい線の多くは「溝+たるみ」が原因であるため、
適応になるケースは限られる点には注意が必要です。
ハイフ・高周波|たるみ・美肌目的の治療と料金帯

ハイフ(HIFU)や高周波、レーザー治療は、
皮膚〜皮下組織を引き締め、たるみを軽減する目的で用います。
- 費用の目安:全顔1回で4〜10万円前後
- 効果の出方:数ヶ月かけてじわじわ
- 持続:半年〜1年程度(機種・出力・ショット数により差あり)
ほうれい線単独というよりも、
「顔全体のたるみとセットで改善したい」という方に向いています。
ほうれい線の“溝”には直接効かないため、注入治療との併用が基本です。
糸リフト・フェイスリフト:外科系リフトアップの費用相場と適応

皮膚の下に溶ける糸を入れたり、切開により皮膚や筋膜を引き上げて
頬全体を上方向に引き上げる治療です。
- 糸リフト:15〜40万円前後
- フェイスリフト(切開手術):40〜150万円以上
と費用は高めですが、特に重度のたるみには効果的です。
ただし、「たるみは上がるが、溝そのものは残る」ことが多く、
ほうれい線の段差を整える注入治療との併用が理想的です。
▶︎[ほうれい線に対する糸リフトの効果の限界をみる>]
▶︎[フィスリフトに併用すべき治療法をみる>]
脂肪注入・貴族手術など、より高度な若返り治療の費用

脂肪注入や、鼻翼基部を高くする「貴族手術(プロテーゼ)」など、
より外科色の強い治療もあります。
- 脂肪注入:30〜60万円前後
- 貴族手術:30〜60万円前後
と費用は大きくなりますが、
「全体の輪郭も含めて若返りたい」「土台からボリュームを出したい」という方には選択肢となります。
ただし、ほうれい線部位は脂肪の定着率があまり高くないため、
十分な改善を得るには複数回の注入が必要になるケースも少なくありません。
一方で、貴族手術はプロテーゼのズレや感染などのリスクも伴います。
そのため、まずは注射による治療から検討する方が現実的なことが多いです。
▶︎[ほうれい線の脂肪注入の詳細をみる>]
▶︎[貴族手術の詳細をみる>]
治療別「費用×効果×持続」の早見表|コスパ重視で選びたい人へ
【比較表】ヒアルロン酸・グロースファクター・機械・リフトアップ
ざっくりとしたイメージは次の通りです。
|
治療法 |
即効性 |
持続性 |
コスパ |
改善度(溝への効果) |
|
ヒアルロン酸 |
◎ |
〇(半年~2年) |
△ |
◯~◎(刻まれじわには効果が乏しい) |
|
グロースファクター |
△ |
◎(数年~10年以上) |
◎ |
◎(真皮のハリを底上げし、自然に浅くなる) |
|
ハイフ・高周波 |
〇 |
△(数ヶ月~半年) |
△ |
△(たるみには効くが、溝自体は変化なし) |
|
糸リフト |
◎ |
△(数ヶ月~1年) |
△ |
△(たるみには効くが、溝はほぼ変わらない) |
|
切開リフト |
〇 |
◎(長期) |
〇 |
〇(たるみには著効するが、溝自体は残る) |
このイメージを頭に置いておくと、
「自分はどこにお金をかけるべきか」が整理しやすくなります。
短期集中で一気に「消したい」人に向く治療・費用帯
「来月の結婚式までに」「大事な商談が続く時期に」など、
短期間で見た目を変えたい場合は、
- ヒアルロン酸注入中心
- 必要に応じてハイフや高周波で引き締め
といった組み合わせで、
10万〜20万円台前後のご予算を見ておくと、現実的なプランが組みやすくなります。
できるだけ長く・自然に保ちたい人に向く治療・費用帯
「多少時間がかかってもいいので、長く自然に保ちたい」という方には、
- グロースファクター治療
- 定期的なハイフ・高周波でたるみケア
といった“土台から整えるコース”がおすすめです。
初回に改善につながりやすいグロースファクター治療を受けておくことで、
その後のメンテナンス費用を抑えやすくなります。
トータル費用を抑えたい人が避けるべき“遠回りコース”
コスパの面でもったいないのは、
- 安さだけで選んだ注入治療を何度も繰り返す
- キャンペーン価格のクリニックを点々とする
- クリームやエステに数十万かけた後に、結局美容医療に踏み切る
といった“遠回りコース”です。
最初に信頼できる美容皮膚科・美容外科を選び、
治療計画と費用のシミュレーションを一緒に立てることで、
結果的にトータル費用を抑えやすくなります。
まとめ|ほうれい線の費用は「どこにお金をかけるか」で大きく変わる
ほうれい線は、溝・たるみ・骨格・脂肪など複数の要因が重なってできるため、
スキンケアだけで「消す」ことは難しい一方、
美容医療を使えば 影を浅くして若々しく見せることは十分に可能です。
費用の目安は、
- 注入治療(ヒアルロン酸・グロースファクター):10〜20万円前後
- 機械や糸リフトの追加:+5〜30万円
- 外科治療(脂肪注入・貴族手術・切開リフト):数十万円〜
と幅がありますが、大切なのは
「安い治療・高い治療を選ぶこと」ではなく、「自分の原因に合った治療に絞ること」 です。
同じ予算でも、
原因診断が適切であれば 治療回数・費用を最小限に抑えながら、見た目の変化は大きくできます。
当院は「ほうれい線治療専門クリニック」として、
原因の診断から治療設計まで、ほうれい線に特化したカウンセリングを行っています。
もし「自分の場合は何が適しているのか」を迷われている場合は、
一度ご相談いただければ、肌・骨格・脂肪・真皮の状態を総合的に診て、
最適な根本治療をご提案いたします。
メールでの無料カウンセリングも実施しており、お寄せいただいたご相談メールには、
本記事を執筆している院長の私がすべて丁寧にご返信いたします。
ほうれい線でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。






