
著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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普段は気にしてなかったのに、写真や動画で自分の横顔や斜めからの角度を見た瞬間、
「え、こんなにほうれい線あったっけ?」と驚いたことはありませんか?
正面ではそこまで目立たないのに、横からの角度では一段と老けて見える。
それは、単なる“しわ”ではなく、立体構造の段差とその影によるものです。
鼻の脇から口元にかけて皮膚が折れ曲がったことによる段差に光が落ち込み、影として現れる──
つまり横顔のほうれい線は「線」ではなく「構造」によって濃く見えているのです。
この記事では、ほうれい線治療を専門とする美容皮膚科医の立場から、
横顔でほうれい線が目立つ原因と、その構造に合わせた最適な改善法を解説します。
「正しい順番でアプローチする」ことで、自然な若々しさを取り戻すことができます。
目次
横顔でほうれい線が目立つ3つの主な理由
① 頬のたるみがつくる“段差”が影を生む
年齢とともに顔の骨格が萎縮し、皮膚や脂肪を支える靭帯がゆるみ、頬が下がることで口元にたるみが覆い被さります。
このとき、頬とほうれい線の境目に段差ができることで、横の角度から見た際に影が目立って見えるのです。
頬の脂肪が多い人は光を遮って影ができやすく、逆に痩せ型では皮膚が沈み込んで溝が出やすい──いずれも構造的な段差が原因です。
② 鼻翼基部(小鼻の横)のくぼみ
鼻の横にある「鼻翼基部」がくぼんでいると、横顔では特に、小鼻の脇やほうれい線の上部の影が強調されます。
この部位はアジア人では骨格的にくぼみやすい傾向があり、もともとの特徴に加えて、加齢による皮下脂肪の減少や靭帯のゆるみによっても、くぼみがさらに際立ちやすくなります。
その結果、ほうれい線の上半分が段差のように強調され、横顔で影が目立って見える原因となります。
③ 頬の厚み(骨格・脂肪・皮膚)の張り出し
たるみがないのに影が深く見える場合は、頬の厚みそのものが段差を強調していることが多いです。
頬骨の位置が高い人や頬の脂肪が多い人ほど、ほうれい線の上部の張り出しが強く、横顔では特に段差が強調されて見えます。
横顔のほうれい線は“立体構造”のしわ。セルフケアでは改善できない理由

横顔で目立つほうれい線は、単なる肌表面のしわではなく、内部の支え(骨格・脂肪・靭帯)の歪みが原因。
つまり「構造的なしわ」であり、スキンケアやマッサージといった表面的なケアでは届きません。
むしろ摩擦によって皮膚が伸び、たるみを悪化させることさえあります。
このタイプを改善するには、支えを再構築する美容医療が必要です。
中でも効果的なのが「注入治療」。
ほうれい線の溝や凹みに直接アプローチして浅くすることで、横顔でも段差の目立ちにくい“なめらかな肌”に近づけます。
治療の優先順位|「まず溝を埋める」→「次に引き上げる」

横顔で目立つほうれい線を効率的に改善するには、「引き上げる前に、まず溝をなだらかにする」ことが大切です。
多くの人が「たるみ」と聞くとハイフや糸リフトに手を伸ばしがちですが、段差の凹み部分が残ったままだと、影は消えません。
光の反射を均一にするには、まず“谷”を埋めることが必要なのです。
理想的な順番は次の通りです:
1️⃣ まず、溝を埋めて段差をなだらかに整える
2️⃣ その上で、必要な場合は引き上げ・引き締めで補強する
このステップを踏むことで、横顔全体のラインが自然に整い、「若々しく違和感のない顔立ち」が実現します。
横顔で目立つほうれい線の主な治療比較表
横顔でほうれい線が目立つ原因は「溝」と「影」。
そのため、どの治療が“溝を埋めるのか”“引き上げるのか”を整理して理解することが大切です。
以下では、主な美容医療を「即効性・持続・改善度」で比較します。
|
治療法 |
即効性 |
持続 |
改善度 |
|
グロースファクター |
△(1〜6ヶ月) |
◎(数年~10年以上) |
◎ |
|
ヒアルロン酸注入 |
◎(即日) |
⚪︎(半年~2年) |
◎ |
|
ハイフ/高周波 |
⚪︎(即日〜数ヶ月) |
△(数ヶ月〜半年) |
△ |
|
糸リフト |
◎(即日) |
△(数ヶ月~1年) |
⚪︎ |
|
脂肪吸引 |
△(数週~数ヶ月) |
◎(長期) |
⚪︎ |
※「改善度」とは「ほうれい線の溝が浅くなる度合い」を示しています。
溝を埋める代表的な治療法
まず、横顔でできた“段差の谷”をなだらかに整えることが最優先です。
表面を引き上げるよりも、内側から支える治療を優先することで、光の反射が均一になり、影が自然に消えていきます。
1. グロースファクター治療|真皮を再生し折れ曲がりを戻す
ほうれい線の溝を根本的に改善できる治療が、グロースファクター注入です。
皮膚内で線維芽細胞を活性化し、コラーゲンやエラスチンを自ら増やす再生治療。
膨らませるのではなく、“皮膚の折れ曲がりを内側から支えて立ち上げる”ことで段差を解消します。
時間をかけて肌のハリや弾力が改善していくため、横顔でも自然で、笑顔にもなじみやすいのが特徴です。
さらに、持続性が高く、1回の施術で数年〜10年以上の効果が期待できる点も大きな特長です。
▶︎[グロースファクター治療の詳細をみる>]
2. ヒアルロン酸注入|ボリューム補充で溝を埋める
即効性を求める方に選ばれやすい治療法です。
しかし、横顔の角度では“入れすぎ”による不自然さ(もっこり感)が出やすいため、注入量と注入層の微調整が重要になります。
当院では、横顔全体を“滑らかな一つの曲線”として捉え、鼻翼基部〜口角にかけてバランスをとるように注入しています。
必要最小限の量でほうれい線の段差を整えることを重視しています。
▶︎[ほうれい線のヒアルロン酸注入の詳細をみる>]
「引き上げ・引き締め」でたるみを改善する補助治療
段差を整えたあとは、皮膚全体のたるみを引き上げ、余分な影が出にくい状態へと仕上げていく工程です。
このステップの治療は、あくまでも“補助的な役割”として行うのが理想的です。
まず溝をなだらかにした上で、必要に応じて引き上げや引き締めを組み合わせることで、より自然で若々しい横顔が完成します。
1. ハイフ(HIFU)・高周波|たるみの予防・軽度引き締め

皮膚やSMAS層を熱照射により引き締め、コラーゲン生成を促す治療。
軽度なたるみには効果的で、ほうれい線周りやフェイスラインをすっきり見せます。
ただし、ほうれい線の“溝”そのものを浅くする効果はありません。
▶︎[ハイフだけでほうれい線が消えない理由をみる>]
2. 糸リフト|たるみを手軽に短期間リフト

吸収糸を用いた物理的なたるみの引き上げ治療。
即効性はあるものの、引き上げの効果は数ヶ月〜1年と短期間であるため、あくまでも「補助治療」の一つとして行うのが得策です。
▶︎[糸リフトのほうれい線に対する効果と限界をみる>]
3. 脂肪吸引(メーラーファット・ナゾラビアルファット除去)|ボリュームによる影を軽減

頬の余分な脂肪がほうれい線に段差や影を作っている場合に有効。
ただし脂肪を取りすぎると皮膚が余り、たるみが悪化してかえって影が深くなるため、施術者の技術力と経験が仕上がりを左右する重要なポイントとなります。
▶︎[ほうれい線部分の脂肪吸引の詳細をみる>]
まとめ|横顔の印象を変える最短ルート
横顔でほうれい線が目立つ理由は、それが「肌表面の単なるのしわ」ではなく「立体構造のゆがみ」によるものだからです。
この“段差=影”をなくすには、まず溝を埋め、次に必要に応じて引き上げを行うこと。
それが、最も自然で若々しい横顔に戻す近道です。
グロースファクター治療は、皮膚を根本から再生し、長期的に「影の出にくい肌」を作る唯一の方法。
笑っても不自然にならず、10年先の肌まで見据えた再生医療的アプローチです。
当院はほうれい線治療を専門に行っており、患者様のご状態やご希望に応じて、最適な治療法をご提案いたします。
無料カウンセリングも実施しており、お寄せいただいたご相談メールには、本記事を執筆している院長の私がすべて丁寧にご返信いたします。
ほうれい線でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。





