
著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「ほうれい線を薄くしたくて、毎日マッサージをしています。」
「強く押したり、頬を持ち上げたりすれば、ほうれい線は少しずつ消えていきますか?」
診療でも、このようなご質問をいただくことがあります。
インターネットやSNSでは、リンパを流す方法、頬を持ち上げる方法、ツボを押す方法、口の中からほうれい線を押す方法など、様々なマッサージが紹介されています。
実際に試してみて、「マッサージをした後は少しほうれい線が薄くなる」「顔がすっきりすると、ほうれい線も目立ちにくくなる」と感じたことがある方もいらっしゃるでしょう。
その感覚が、すべて間違っているわけではありません。
顔のむくみや軟部組織の状態などによっては、マッサージ後に顔がすっきりし、結果としてほうれい線が一時的に目立ちにくく見えることがあります。
ただし、ここで知っておきたいのが、マッサージで一時的に見え方が変わることと、ほうれい線そのものが改善することは同じではないということです。
東京リンクルクリニックは、ほうれい線治療を専門とする美容皮膚科です。
実際の診療では、「何か月もマッサージを続けているのに変わりません」「もっと強くやった方がいいのでしょうか」とご相談いただくことがあります。
そのような方を診察すると、マッサージの方法や回数が足りなかったのではなく、そもそもマッサージでは変えにくいものが、ほうれい線を目立たせていたということは珍しくありません。
では、ほうれい線マッサージには何が期待できて、何は期待できないのでしょうか。
この記事では、マッサージ後にほうれい線が薄く見えることがある理由から、肌に負担をかけにくい正しいやり方、避けたいマッサージ、そして続けても変わらない場合に考えたいことまで解説します。
この記事を読んでわかること
- ほうれい線マッサージにはどこまで効果が期待できるのか
- マッサージ後にほうれい線が薄く見える理由
- 肌に負担をかけにくいマッサージのやり方
- 避けたいマッサージ方法
- マッサージを続けても変わらない場合に考えたいこと
マッサージを続けてもほうれい線が変わらない方へ
「毎日マッサージをしているのに変わらない」「自分のほうれい線はセルフケアで改善できるのか知りたい」という方は、無料メール相談もご利用いただけます。
お写真からほうれい線の状態を確認し、院長が一通ずつご返信しています。
ほうれい線マッサージにはどんな効果が期待できる?

ほうれい線マッサージについては、「効果がある」「意味がない」と両極端に考える必要はありません。
顔のむくみなどがほうれい線の見え方に影響している場合には、マッサージ後に顔がすっきりし、ほうれい線が一時的に薄く見えることがあります。
顔の状態はいつも一定ではありません。睡眠や体調、飲酒などによってむくみが強くなると、頬や口元の見え方が普段と変わることがあります。
マッサージによって顔の皮膚血流が一時的に増加することを示した小規模な研究もあります。また、マッサージ前後で顔の形態に一時的な変化が確認された研究もあります。
そのため、「マッサージした直後は少しほうれい線が薄く見える」という感覚自体を、すべて否定する必要はありません。
ただし、そこで変化しているものが何なのかを分けて考えることが大切です。
一度皮膚に形成されたほうれい線の溝や、頬との高低差、鼻横の骨格的なくぼみなどを、外から揉んだり押したりして元の状態へ戻すことはできません。
つまり、マッサージによって一時的にほうれい線が薄く見えることはあっても、それだけでほうれい線そのものを消せるわけではありません。
「マッサージをすると少し薄く見える」ことと、「ほうれい線そのものが改善する」ことは、分けて考える必要があります。
参考文献:Miyaji A, et al. Short- and long-term effects of using a facial massage roller on facial skin blood flow and vascular reactivity. Complement Ther Med. 2018. PubMed
参考文献:Nishimura H, et al. Analysis of morphological changes after facial massage by a novel approach using three-dimensional computed tomography. Skin Res Technol. 2017. PubMed
マッサージで変わる可能性があるのは主に一時的な見え方

例えば、「朝と夜でほうれい線の見え方が違う」「飲酒した翌日は顔全体が重く見える」という方では、その日の顔の状態によってほうれい線の印象まで変わることがあります。
このような場合、やさしくマッサージした後に顔がすっきりし、結果としてほうれい線が目立ちにくく感じられることはあります。
つまり、マッサージで変わりやすいのは、ほうれい線そのものというより、その日の顔の状態によって変化する「見え方」の部分です。
一方で、真顔の状態でもいつも同じ場所に線が残っていたり、頬を手で持ち上げても線そのものが残ったりする場合には、むくみだけが原因とは考えにくくなります。
このようなほうれい線に対して、マッサージの力を強くしたり、回数を増やしたりしても、期待する変化が得られるとは限りません。
マッサージで変わらないものは、力を強くしても変わりません。
「もっと強くやれば効くはず」と考えるのではなく、まず何が変わっていて、何が残っているのかを見ることが大切です。
ほうれい線マッサージの正しいやり方|やさしく行うのが基本

「では、ほうれい線が気になるときには、どんなマッサージをすればいいですか?」と聞かれることがあります。
マッサージを行うのであれば、ほうれい線の溝を力で伸ばすことを目的にするのではなく、肌へ余計な負担をかけず、顔をやさしくすっきりさせることを意識してみてください。
特別な「ほうれい線消しマッサージ」があるわけではありません。
だからこそ、強く押すことよりも、肌をこすらないことの方が大切です。
乳液やクリームを使い、摩擦を減らす
乾いた肌を指で何度もこすると、摩擦が加わりやすくなります。
マッサージをする場合には、乳液やクリームなどを使用し、指が肌の上を無理なく動く状態で行います。
「たくさんこすった方が効く」と考える必要はありません。
フェイスラインや頬はやさしく触れる

フェイスラインや頬を触る場合も、指の腹を使ってやさしく行えば十分です。
「老廃物を押し流そう」と強い力を加えたり、痛みを感じるほど押したりする必要はありません。
マッサージ後に赤みや痛みが残るほどの力は避けましょう。
頬を強く持ち上げない

ほうれい線を改善する方法として、頬を下から上へ繰り返し押し上げるマッサージが紹介されることがあります。
確かに、頬を手で持ち上げている間は、頬とほうれい線の高低差が小さくなり、影が薄く見えることがあります。
しかし、手を離した後も頬の位置そのものが長期的に上がるという意味ではありません。
「頬を上の位置へ戻す」ことを目的に、強い力で何度も引き上げる必要はありません。
ほうれい線を直接こすらない

特に避けたいのが、「線を伸ばそう」とほうれい線の上を何度も往復してこすることです。
皮膚に形成された溝を、外からこすって平らにすることはできません。
ほうれい線を消そうとして皮膚を強く引っ張ったり、押し広げたりする必要もありません。
ツボ押しや口の中からのマッサージは別の記事で詳しく解説

ほうれい線対策としては、顔のツボを押す方法や、口の中から指でほうれい線周辺を押す方法もよく紹介されています。
こうした方法についても、「押せばほうれい線の溝そのものが消える」と考えるのではなく、何を目的に行うのかを分けて考えることが大切です。
ツボ押しと口の中から行うマッサージについては、それぞれ専用の記事で詳しく解説しています。
▶︎[ほうれい線に効くツボはある?効果と注意点を見る>]
▶︎[口の中からほうれい線を押すマッサージの効果を見る>]
ほうれい線対策で避けたいマッサージ方法

ほうれい線がなかなか変わらないと、「もっと強くやった方が効くのでは」と考えてしまうかもしれません。
しかし、ほうれい線を目立たせている皮膚や脂肪、骨格などの構造は、外から強く押すことで元へ戻るものではありません。
痛いほど強く押す
マッサージは、痛いほど強く行えば効果が高くなるものではありません。
特に「ここをほぐせばほうれい線が消える」と考えて、同じ場所を強く押し続ける必要はありません。
ほうれい線を何度もこする
皮膚を繰り返し強くこすると、赤みや刺激につながることがあります。
特に敏感肌の方や、炎症・色素沈着が起こりやすい方では注意が必要です。
変化がないから回数を増やす
数週間、数か月続けてもほうれい線が変わらない場合、「まだ回数が足りないのでは」と思うかもしれません。
しかし、マッサージでは変えられない原因が残っているのであれば、回数を増やしても根本的な解決にはなりません。
「痛いほど効いている」「強く流した方がほうれい線が消える」と考える必要はありません。
また、ニキビや湿疹などの炎症がある部分も、無理にマッサージしない方がよいでしょう。
ほうれい線のために肌の状態を悪くしてしまっては本末転倒です。
血流を良くすればコラーゲンが増えてほうれい線が改善する?

マッサージについて調べていると、「血行を良くするとターンオーバーが促進される」「コラーゲンやエラスチンが増える」「表情筋が鍛えられてリフトアップする」といった説明を見かけることがあります。
確かに、顔のマッサージ後に皮膚血流が一時的に増加したことを示す研究はあります。
一方で、血流が一時的に増えたことと、ほうれい線を形成している溝や顔の構造が改善することは別の話です。
顔の運動やマッサージなど、外科的治療を行わない機械的な若返り方法については様々な研究がありますが、系統的レビューでも、研究数や対象者数が限られ、方法も統一されていないことなどから、美容効果について確かな結論を出すには十分なエビデンスがないとされています。
また、マッサージは筋力トレーニングでもありません。
外から筋肉を押すことと、筋肉が自ら収縮して負荷を受ける運動は異なります。そのため、「表情筋を揉めば筋肉が強くなり、頬が持ち上がってほうれい線がなくなる」と考えるのは適切ではありません。
参考文献:Van Borsel J, et al. The effectiveness of facial exercises for facial rejuvenation: a systematic review. Aesthet Surg J. 2014. PubMed
参考文献:Efficacy of Conservative Techniques for Mechanical Facial Rejuvenation: A Systematic Review. Aesthet Surg J Open Forum. PubMed
マッサージを続けても変わらない場合に診察で見ること

実際の診療では、「半年くらい毎日マッサージしています」「動画を見ながら頬を持ち上げています」「かなり強くやっていますが、ほうれい線がなくなりません」とご相談いただくことがあります。
このような場合、マッサージの方法が間違っていたとは限りません。
詳しく診察すると、そもそもマッサージでは変えられないものが、ほうれい線を目立たせていることがあります。
例えば、頬を手で持ち上げてみると、頬との高低差による影がかなり薄くなる方がいます。
しかし、その状態でも細い線が残る場合には、皮膚が折れ曲がることで形成された溝や、その表面に長年の表情筋の動きによって刻まれた折れ癖が関係している可能性があります。
反対に、皮膚の溝はそれほど深くなくても、頬の厚みや位置によって高低差が大きくなり、線そのものより影が強く見えている方もいます。
鼻横の骨格的なくぼみが強く、その部分から影が続いていることもあります。
近年の解剖学的なレビューでも、ほうれい線の形成には皮膚だけではなく、脂肪組織の厚みの違いや下垂、筋肉の付着など、複数の要因が関係すると整理されています。
つまり、同じ「ほうれい線」に見えていても、目立たせているものは一人ひとり異なります。
そのため、マッサージを続けても変わらない場合には、さらに強く揉むのではなく、何が残っているのかを考えることが大切です。
参考文献:Hong GW, et al. Why Do Nasolabial Folds Appear? Exploring the Anatomical Perspectives and the Role of Thread-Based Interventions. Diagnostics. 2024;14(7):716. PMC
マッサージで変わらないほうれい線は原因から治療を考える
マッサージを続けても変わらないからといって、すぐに美容医療が必要というわけではありません。
まず大切なのは、何を改善すればほうれい線の見た目が変わるのかを確認することです。
例えば、皮膚に形成された溝が目立つ場合には、皮膚そのものへアプローチする治療が選択肢になります。
当院では、このようなほうれい線に対してグロースファクター治療をご提案することがあります。グロースファクターは、皮膚のコラーゲン生成などを促すことで、ほうれい線の溝を徐々に改善していく治療です。
ヒアルロン酸のように大きなボリュームを加えて持ち上げるのではなく、皮膚側から自然に溝を浅くしていくことを目的としています。
一方、頬との高低差による影が大きい場合には、必要に応じてリフトアップ治療を検討することがあります。ただし、頬を持ち上げて影が改善しても、皮膚に形成された溝までなくなるとは限りません。
また、鼻横の骨格的なくぼみが強い場合には、ヒアルロン酸などで土台となるボリュームを補うことが選択肢になる場合もあります。
「ほうれい線にはこの治療」と一つに決めるのではなく、マッサージでは変えられなかったものが何なのかによって、必要な治療は変わります。
▶︎[ほうれい線のグロースファクター治療の詳細を見る>]
▶︎[マッサージでは変わらないほうれい線の「溝」を改善する方法を見る>]
▶︎[たるみを治せばほうれい線も薄くなる?詳しく見る>]
マッサージ以上に大切にしたい日常のセルフケア
「マッサージだけではほうれい線そのものを消せないのであれば、何もしなくていいのでしょうか?」
そういうわけではありません。
ほうれい線が気になる方には、強いマッサージを繰り返すよりも、日常的な保湿と紫外線対策を大切にしていただきたいと考えています。
保湿や紫外線対策だけで、一度形成されたほうれい線の溝を消すことはできません。
それでも、乾燥や紫外線による皮膚への負担をできるだけ減らし、皮膚の状態を整えておくことには意味があります。
「できてしまった溝を力ずくで伸ばす」よりも、「これから皮膚に加わる負担を減らす」ことをセルフケアの目的にする方がよいでしょう。
▶︎[マッサージ以外も含めたほうれい線のセルフケアを見る>]
よくある質問

毎日マッサージすればほうれい線は消える?
マッサージ後に顔がすっきりし、一時的にほうれい線が薄く見えることはあります。
ただし、毎日マッサージを続けることで、皮膚に形成された溝や骨格的なくぼみ、頬との高低差そのものが少しずつなくなっていくわけではありません。
変化がないからといって、さらに強くこすったり回数を増やしたりする必要もありません。
ほうれい線マッサージは何分くらいやればいい?
「何分行えばほうれい線に効果が出る」という医学的に確立された時間はありません。
長時間行うほどほうれい線が改善するわけでもないため、時間や回数を増やすことより、肌に摩擦や痛みを与えないことを優先してください。
口の中からほうれい線を押すマッサージは効果がある?
口の中からほうれい線を押すことで、皮膚に形成された溝や骨格的なくぼみそのものを改善できるという十分な医学的根拠はありません。
一時的に口周りの感覚が変わったり、すっきりしたように感じたりする可能性はありますが、ほうれい線そのものを改善することとは分けて考えた方がよいでしょう。
ほうれい線のツボ押しには効果がある?
ツボを押すことでリラックスしたり、一時的にすっきりしたように感じたりすることはありますが、皮膚に形成されたほうれい線の溝や骨格的なくぼみをツボ押しでなくすことはできません。
ほうれい線を消そうとして、痛みを感じるほど強く押す必要もありません。
マッサージをしない方がいい人は?
ニキビや湿疹、赤みなどの炎症がある場合や、摩擦によって肌トラブルが起こりやすい場合には、無理にマッサージをする必要はありません。
マッサージによって痛みや赤みが続く場合も中止してください。
セルフケアだからといって、続けなければならないものではありません。
マッサージでほうれい線が悪化することはある?
マッサージをしたからといって、それだけで必ずほうれい線が深くなるわけではありません。
ただし、強くこすったり引っ張ったりすることで赤みや刺激などの肌トラブルにつながることがあります。
「効かせよう」と力を強くするのではなく、肌への摩擦をできるだけ避けることが大切です。
まとめ|ほうれい線マッサージは効果の範囲を知ってやさしく行うことが大切

ほうれい線が気になると、「毎日マッサージすれば、少しずつ薄くなるのでは」と期待する方も多いと思います。
マッサージによって顔が一時的にすっきりし、結果としてほうれい線が薄く見えることはあります。
そのため、ほうれい線が気になる方にとって、マッサージがすべて無意味というわけではありません。
ただし、一度皮膚に形成された溝やその表面の折れ癖、頬との高低差による影、骨格的なくぼみそのものを、マッサージでなくすことはできません。
実際の診療でも、長くマッサージを続けていた方を診察すると、マッサージが足りなかったのではなく、最初からマッサージでは改善しにくいものが残っていたということがあります。
だからこそ、変化がないからとさらに強く揉む必要はありません。
ほうれい線マッサージは「力で線を消すもの」ではなく、期待できる効果の範囲を知ったうえで、肌に負担をかけずやさしく行うことが大切です。
それでもほうれい線が気になる場合には、マッサージを続けることだけにこだわらず、自分のほうれい線を何が目立たせているのかを確認してみると、次に必要な対策が見つかりやすくなります。
マッサージを続けてもほうれい線が変わらない方へ
「マッサージを続けても変わらない」「美容医療が必要なのか分からない」「自分の場合は何を改善すればほうれい線が薄くなるのか知りたい」という方は、無料メール相談もご利用いただけます。
お写真からほうれい線の状態を確認し、院長が一通ずつご返信しています。








