

著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「ハイフでたるみが引き上がった!」
SNSや美容系サイトでそんな口コミを目にし、気になっている方も多いのではないでしょうか?
マスク生活が終わり、ふと鏡に映るフェイスラインの緩みにドキッとした経験。
「切らずに若返る方法があるなら試してみたい」と思うのは、ごく自然な感情です。
実際、ハイフ(HIFU)は「切らないリフトアップ」として美容医療の中でも非常に人気の高い施術ですが、一方で、
- 「期待したほどの効果がなかった」
- 「むしろ頬がこけた気がする」
といったネガティブな声も存在します。
なぜ、これほど評価が分かれるのでしょうか?
それは、ハイフが“効きやすい人”と“効きにくい人”が明確に分かれる施術だからです。
この記事では、美容皮膚科医の立場から、ハイフのメカニズム・適応・効果の限界・他治療との違い・リスク・アフターケアまで、後悔のない選択のために必要な知識を丁寧に解説します。
目次
ハイフとは?|仕組みと効果のメカニズム
ハイフ(HIFU=High Intensity Focused Ultrasound)とは、高密度の超音波を一点に集中させることで、皮膚の深い層(SMAS筋膜・脂肪・真皮)に熱エネルギーを届ける施術です。
表皮を傷つけずに内部にアプローチできるため、肌の土台を引き締める“切らないリフトアップ”として人気を集めています。
この熱刺激によって、
- コラーゲンの再生
- 組織の熱収縮
- 筋膜のタイトニング
が同時に起こり、フェイスラインの引き締め・ハリの改善・たるみの予防といった効果が得られます。
ハイフが効くたるみ・効かないたるみとは?
ハイフの効果を最大限に活かすには、「どんな状態に向いているか/向いていないか」の見極めが非常に重要です。
たるみにはさまざまな原因があり、すべてに対してハイフが有効とは限りません。
適応を誤ると「全然変わらなかった」と後悔することになりかねません。
◯ハイフが効果を発揮しやすい状態
- 顔全体の軽度のたるみ
- 頬やフェイスラインのもたつき
- 皮膚のハリの低下によるゆるみ
このような「まだ皮膚に余裕がある段階」では、ハイフによる引き締め効果で自然な若返りが期待できます。
✕ ハイフだけでは改善が難しい状態
- 頬の脂肪が減少して皮膚が余っている
- 骨格が痩せて皮膚や脂肪の下垂が目立つ
- 皮膚に深く刻まれたしわや溝
このような場合は、ハイフによる“引き締め”だけでは限界があり、注入治療や外科治療との併用が必要です。
よくあるご相談|「ほうれい線にはハイフが効きますか?」
ほうれい線はたるみの代表的なサインとして、多くの方が気にされる部位です。
ここでは、ハイフとほうれい線の関係性を詳しく見ていきましょう。
◯ ハイフで改善が期待できるのは“影”タイプのほうれい線
- 頬の脂肪のボリュームが目立ち、光の加減で強調されるほうれい線
- 頬の位置が少し下がり、軽度のたるみによって影ができ始めたほうれい線
この場合は、ハイフによる引き締め効果や、皮膚の位置が若干戻ることで見た目の印象が改善されます。
▶︎[影?溝?しわ?自分はどれ?ほうれいのタイプ分類をみる>]
✕ “溝”や“しわ”タイプはハイフだけでは改善が難しい
- 明確な溝やしわ、皮膚の折れ込み
- 骨の萎縮や脂肪の減少など構造的変化を伴うほうれい線
このような「すでに形成されてしまったほうれい線」には、真皮再生やボリューム回復を行う注入治療(グロースファクターやヒアルロン酸)が必要となります。
他の治療との違い|ハイフ vs グロースファクター vs ヒアルロン酸
「自分にとって最適な治療法はどれ?」と迷われる方のために、代表的な治療法を比較します。
比較項目 |
ハイフ |
グロースファクター |
ヒアルロン酸 |
主な作用 |
筋膜を引き締める |
真皮を再生する |
凹みを埋める |
変化の出方 |
2~3ヶ月後にピーク |
1~6ヶ月で改善 |
即時的な変化 |
効果の持続 |
約3~6ヶ月 |
数年~10年以上 |
約6ヶ月~2年 |
向いている症状 |
軽度のたるみ・予防 |
浅い~深いしわ・予防 |
深い溝や凹み |
※単独治療でなく、肌の状態に応じて組み合わせ治療を行うことで、最適な結果を導くことが可能です。
ハイフが向いている人・向いていない人
ハイフがどんな方に向いているのか、またどんな方に向いていないのかを、明確に把握しておきましょう。
向いている人
- 30〜40代でたるみ予防・初期の改善を望む方
- まずは手軽に自然な若返りを目指したい方
- 定期的なメンテナンスとして取り入れたい方
向いていない人・不十分な人
- 明らかに目立つほうれい線の溝やしわの改善を目的とする方
- 頬の脂肪が減少して頬こけが目立つ方
- 1回で劇的な変化を求めている方
ハイフの効果の持続期間と治療頻度
ハイフの効果は一度受けたらずっと続くものではありません。ここでは、持続期間と適切な施術頻度についてご説明します。
- 効果のピーク:施術後2〜3ヶ月で最大化
- 持続期間:およそ3〜6ヶ月
- 治療間隔の目安:6ヶ月〜1年に1回程度
※施術を短期間で繰り返しすぎると脂肪減少が進み、「頬こけ」や「こめかみのやつれ」といったリスクが高まるため注意が必要です。
ハイフの副作用・ダウンタイム・注意点
ハイフは比較的リスクの少ない治療ですが、副作用や注意点を理解しておくことは非常に大切です。
よくある反応(通常は数日以内に改善)
- 軽度の赤み、腫れ、むくみ
- ヒリヒリ感や筋肉痛のような違和感
- 一時的な乾燥やつっぱり感
稀に起こりうるリスク
- 熱傷・色素沈着:出力設定が高すぎた場合
- 神経損傷:極めて稀ですが、しびれや動きの違和感が出る可能性あり
- 頬こけ:脂肪層への照射が過剰な場合
→ 安全性を保つには、「顔の構造に詳しく、出力調整ができる医師の施術」が不可欠です。
ハイフ後のアフターケアと注意点
ハイフ後は肌が敏感な状態になっているため、適切なアフターケアが治療効果と肌トラブル予防のカギになります。
避けるべき行動(当日〜2日程度)
- 長風呂・サウナ・激しい運動・飲酒
- レチノールやピーリング成分を含むスキンケア
実践したいセルフケア
- 保湿:セラミド・ヒアルロン酸配合で肌バリアを強化
- 鎮静:CICA(ツボクサエキス)やパンテノールで赤みを抑える
- 紫外線対策:SPF30以上+帽子や日傘の併用を徹底
まとめ|ハイフは正しい理解と選び方がカギ
ハイフは、皮膚を切らずにたるみを引き締めることができる人気の美容施術で、特に30〜40代の軽度なたるみに対しては効果的です。
ダウンタイムが少なく、肌の引き締めやハリ感アップを目指す方にとっては、気軽に取り入れやすい治療法です。
ただし、すでに深く刻まれたほうれい線や構造的なたるみには効果が出にくく、他の治療(グロースファクターやヒアルロン酸など)との併用が必要になるケースもあります。
また、出力設定や照射方法を誤ると副作用やリスクが生じる可能性もあるため、信頼できるクリニックでの施術が重要です。
ハイフを最大限に活かすためには、自分のたるみの状態に合っているかを医師と一緒に見極めることが第一歩です。
必要であれば、他治療との比較や併用も検討しながら、後悔のない選択をしていきましょう。
まずはお気軽に、無料カウンセリングでご相談ください。あなたにとって最適な治療を一緒に考えていきます。