
著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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鏡に映った自分の口元を見て、ふと胸がざわつく瞬間はありませんか。
「せっかくヒアルロン酸を入れたのに…まだ線が目立つ」
「もっとキレイに消えると思っていたのに…全然変わってない」
「この“うっすら残る影”は何?」
——そんなモヤモヤを抱えたまま、今日このページを開いてくださったのだと思います。
実は、ヒアルロン酸を入れてもほうれい線が十分に消えないのは、
あなたのせいでも、医師の技術不足だけでもありません。
ほうれい線には“骨格”“たるみ”“表情グセ”といった複数の要素が重なっており、
ヒアルロン酸が効くタイプと、効きにくいタイプが最初から存在します。
まずは、あなたのほうれい線がどのタイプなのか。
そして「どうすれば本当に目立たなくできるのか」。
——その“答え”を、このページでわかりやすくお伝えします。
目次
ほうれい線にヒアルロン酸を入れても「消えない」3つの主な理由

理由① ヒアルロン酸の量が足りていない/注入デザイン・技術が最適でない
意外に多いのがこのパターンです。
ほうれい線は「線に沿ってちょんちょんと埋めればよい」ものではなく、
どこに・どれだけ・どの層に注入するかで仕上がりは大きく変わります。
- 量が足りない
- 入れる位置が浅すぎる/深すぎる
- “線をなぞるだけ”のデザインになっている
- 段差の根本原因になっている部分へ入れられていない
これらが重なると、
「入れたのにほとんど変わらない…」という結果になりやすくなります。
理由② 頬のたるみ・脂肪が多く、溝を埋めても影が残るタイプ
ほうれい線は“溝”だけでできているわけではありません。
実際には、
- 頬のたるみ
- 脂肪のボリューム
- 頬骨の位置の高さ
これらが “上から被さる”ように影をつくることで目立ちます。
そのため、ヒアルロン酸で溝を埋めても
「影そのもの」が残ることがあります。
かといって、たるみや脂肪の張り出しの高さに合わせて過剰量のヒアルロン酸を入れると、
今度は 不自然に膨らんだ“ヒアル顔” になってしまう——
ここが構造的な限界です。
理由③ 浅いしわ・折れ癖がメインで、ヒアルロン酸がそもそも適していない
最も見落とされがちなのが、このタイプです。
ヒアルロン酸は
「深部からボリュームを足して持ち上げる治療」
のため、
浅いしわ・ちりめんじわ・折れ癖には本来向いていません。
浅いしわに無理に入れようとすると、
- 表面がモコっと盛り上がる
- 凹凸やしこり
- 不自然な光沢感
といったリスクが高まります。
そして実際のところ、
「ヒアルを入れてもなぜか薄くならない」人の多くは、この③のタイプ。
つまり、そもそも治療選択肢がズレているケースです。
原因別にみる「正しい対処法」|あなたはどのタイプ?

次に上記の3つの理由ごとに、対処方法を見ていきましょう。
理由①タイプ|注入量・デザイン・注入層を見直すと改善するケース
このタイプは、
ヒアルロン酸の再調整でしっかり改善する可能性が高い傾向があります。
改善のポイントは、
“線をなぞる”ではなく「段差の根本」を整えるデザイン
- 適切な注入層(深さ)
- 必要量の見極め(左右差の調整も含む)
経験を積んだ医師であれば、
“どこにどれだけ足すのか”を再構築することで改善できることが多いです。
理由②タイプ|リフトアップ治療との併用が必要なケース
たるみ・脂肪のボリュームが強い場合は、
溝を埋めるだけでは限界があります。
このタイプは治療の順番も重要です。
①糸リフト・フェイスリフト・ハイフ・脂肪吸引などで頬のボリュームを軽くする・持ち上げる
②その上で 必要最小限のヒアルロン酸で段差を整える
という “引き上げ+足し算”の組み合わせが最も自然です。
“ヒアルロン酸だけで解決しようとして膨らませすぎる失敗”を防ぐ意味でも、
非常に理にかなったアプローチです。
▶︎[リフトアップ治療だけではほうれい線は改善しない理由をみる>]
理由③タイプ|ヒアルロン酸ではなくグロースファクターが正解のケース
浅いほうれい線・深く刻まれた折れ癖は、
皮膚そのもののハリの低下が原因になっていることが多く、
ヒアルロン酸ではアプローチできません。
このタイプに向いているのが、
真皮のコラーゲンを増やす「グロースファクター」治療。
- 浅いしわ
- ちりめんじわ
- 折れ癖が深く刻まれている状態
こうした“皮膚表面の質”の問題に強く、
多くの方がヒアルロン酸より自然に改善します。
折れ癖自体が完全にゼロになるわけではありませんが、
- しわが浅くなる
- 影が出にくくなる
- 表情を戻したときに“折れ癖が残りにくい”
こうした変化が期待できます。
そして実際に、
「ヒアルを何度入れてもイマイチだった」という方の多くが、この③に該当します。
ヒアルロン酸注入の仕組みと“得意・不得意”

ではなぜ、ヒアルロン酸で「消える」「消えない」ほうれい線があるのでしょうか。以下で理由を見ていきましょう。
ほうれい線は「骨格」「たるみ」「表情グセ」が重なった複合的な悩み
ほうれい線は単純な“線”ではなく、
- 骨格の形状
- 頬のたるみ・厚み
- 皮膚のハリの低下
- 表情筋の動き
これらが複雑に絡み合って現れます。
そのため、
同じ「ほうれい線」に見えても、原因は人によって全く異なり、適した治療法もそれぞれ異なるのです。
▶︎[ほうれい線ができる原因をみる>]
ヒアルロン酸は「深部からボリュームを足す」治療
ヒアルロン酸は主に、
- 皮下組織(皮膚の下の層)
- 皮下の骨膜上
など “深い層に入れて段差を持ち上げる治療” に向いています。
深く沈み込んだ溝やくぼみ・ボリュームロスが主因の場合、とても相性がいい治療です。
ヒアルロン酸が苦手なケース|浅いしわ・折れ癖タイプ
ただし、浅いしわに対しては不向きです。
浅いしわをヒアルロン酸で埋めようとすると、
- 表面がデコボコする
- 不自然なテカリ感が出る
- しこりっぽく見える
といった“ヒアルロン酸の弱点”が出やすくなります。
つまり、浅いしわや折れ癖は
「ヒアルで消えない」のではなく「ヒアルでは消せないタイプ」なのです。
「消せる治療法」は何か?|ヒアルロン酸・グロースファクター・リフトアップの役割
それでは、ヒアルでは消えない3つの原因に対し、最終的にどの治療法が適しているのか、以下に整理してみました。
1. ヒアルロン酸注入|深い溝やボリューム不足の補正に向いている治療

ほうれい線のヒアルロン酸注入は、
- 即効性
- デザイン性
- 施術直後の満足度の高さ
これらが魅力で、多くのクリニックで人気です。
ただし対応できるのは主に、
理由①タイプの一部分(注入量・デザイン改善で溝を埋める)
理由②タイプのほんの一部分(たるみによる段差を少し軽減させる)
であり、
すべてのほうれい線がヒアルだけで消えるわけではありません。
2. グロースファクター治療|浅いしわ・折れ癖タイプに適した「再生治療」

グロースファクターは、
真皮のコラーゲン生成を促して “皮膚そのものを若返らせる” 作用があります。
そのため、
- 浅いほうれい線(真皮の折れ曲がりが問題)
- 深く刻み込まれた折れ癖(表皮だけでなく真皮までダメージがある状態)
こうした“真皮層”が原因となる悩みには非常に適しています。
(ただし表皮の折れ癖を完全に消すことはできません。)
「ヒアルで効果が薄い人ほど、グロースファクターで改善する」
というケースは本当に多いです。
3. リフトアップ治療|頬のたるみ・ボリュームを「持ち上げる」治療

理由②タイプの根本原因は
“上から被さる頬のたるみ・脂肪”です。
ヒアルロン酸をどれだけ入れても、
この “影を生むボリューム” が動かない限り、完全には消えません。
そこで効果的なのが、
- 糸リフト・フェイスリフト
- ハイフ・高周波
- 脂肪吸引
などの リフトアップ・タイトニング系の治療。
「引き上げ・引き締めた上で最小限のヒアル」で整えると、
自然で若々しい仕上がりになります。
▶︎[リフトアップケアだけでほうれい線は消えない理由をみる>]
まとめ|「ヒアルロン酸で消えない」には、明確な3つの理由がある

ヒアルロン酸を入れてもほうれい線が消えない理由は、次の3つのどれかに必ず当てはまります。
理由① 注入量・デザイン・注入層が最適でない
理由② 頬のたるみや脂肪の“影”が強い
理由③ 浅いしわ・折れ癖で、ヒアルロン酸が向かない
そして、選ぶべき対処法もそれぞれ異なります。
①は、ヒアルロン酸のデザインを見直すことで改善するケースが多い
②は、糸リフトやハイフなど「引き上げる治療」と併用が必要
③は、浅いしわに適したグロースファクターが正解
つまり「ヒアルが悪い」「失敗した」のではなく、
あなたのほうれい線のタイプと治療法が合っていなかっただけということも多いのです。
ほうれい線は“溝・たるみ・表情グセ”が複雑に絡むため、
自分のタイプを正しく知ることが、改善の近道になります。
当院はほうれい線治療を専門に行っており、患者様のご状態やご希望に応じて、最適な治療法をご提案いたします。
無料カウンセリングも実施しており、お寄せいただいたご相談メールには、本記事を執筆している院長の私がすべて丁寧にご返信いたします。
ほうれい線でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。