説明


著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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朝、鏡で寝起きの顔を見て、「あれ、ほうれい線がくっきりしている」と感じたことはありませんか?
前日特別なことをしていたわけでもないのに、朝だけ老けて見える──そんな“寝起きの老け顔”は、多くの人が経験しています。

実はこれは単なる疲れではなく、皮膚の状態・水分バランス・寝る姿勢・表情筋の使い方など、複数の要因が重なって生じるもの。

しかも放置すると、「朝だけ目立つ線」が次第に「常に残る溝」へと定着・進行していきます

本記事では、ほうれい線専門クリニックの院長である私が、
寝起きにほうれい線が目立つ原因と、今夜からできる具体的な対策を専門的に解説します。

寝起きにほうれい線が目立つのはなぜ?|一時的な現象? or 老化のサイン?

ほうれい線が寝起きに深く見えるのは、
むくみ・乾燥・圧迫・筋肉の緊張といった複数のメカニズムが関係しています。

つまり「寝ている間に何が起きていたか」で、翌朝の印象が左右されるのです。

①むくみで影が強調される

寝ている間、顔は心臓と同じくらいの高さに位置しているため、リンパや静脈の流れが起床時より滞ります。

塩分やアルコールを多く摂取した翌朝にほうれい線が深く見えるのは、まさに水分滞留による“むくみ型ほうれい線”。

皮膚が膨張して下がることで、ほうれい線部分の影が強調されて見えてしまうのです。

②寝相・枕の圧迫で「折れ癖」が付く

横向きやうつ伏せ寝は、片側の頬が長時間圧迫されるため、皮膚に「折れ癖」が付きやすくなります。
朝起きたとき、明らかに片側だけほうれい線が深い人は、この寝跡じわタイプの可能性が高いでしょう。

こうした圧迫が毎晩続くと、徐々に真皮層のコラーゲンが変形し、溝が固定化して戻らなくなってしまいます。

③乾燥・水分不足でハリが低下

就寝中は体温が下がり、皮膚の水分蒸発が進みます。
特に暖房・冷房の効いた室内では、肌表面の水分が奪われ、弾力を支えるコラーゲン線維が一時的にしぼむことで、皮膚がたるみ、翌朝のほうれい線が目立ちやすくなります。

④歯ぎしりや食いしばり癖の影響

夜間の“歯ぎしり”や“食いしばり癖”も寝起きの線に影響します。
無意識の間に咬筋が過剰収縮することで表情筋のバランスが崩れ、その動きに沿った“線”が固定化されていきます。

朝の速攻対処法|寝起きのほうれい線をすぐに目立たなくさせる方法

「今すぐどうにかしたい!」という朝のために、即効性のある3ステップを紹介します。

①冷却&リンパ流しでむくみをリセット

起きたらまず“冷やす→流す”。
冷やしタオルで頬を軽く押さえ血管を引き締めた後、フェイスラインから鎖骨へ向かって指の腹で軽くなでます。

親指を使わず、人差し指と中指で優しく“なでる”程度がベスト。
強くこすると摩擦で炎症を起こし、逆にしわの原因になります。

▶︎[ほうれい線の正しいマッサージ方法をみる>

②朝のスキンケアは「保湿+ハリ成分」でバリアを作る

洗顔後、化粧水で水分を与えたら、ヒアルロン酸やペプチドを含む美容液を重ねましょう。
最後にクリームで蓋をして水分の蒸発を防ぐことで、皮膚のハリが復活します。
特に口元専用の保湿クリームは、寝起きの乾燥じわに効果的です。

▶︎[肌タイプ別のスキンケア方法をみる>

③メイクで“光を味方にする”

ファンデーションなどの厚塗りはかえってヨレてほうれい線を強調させます。
ほうれい線の溝の上に明るめのコンシーラーを軽くのせ、頬中央にハイライトを入れると、影が飛び若々しい印象になります。

▶︎[ほうれい線を消すメイクテクニックをみる>

根本から防ぐ|寝起きにほうれい線が目立ちにくくする習慣

「朝だけ出る」段階で対策できれば、深い溝への進行を防げます。
日常習慣を少し見直すだけでも、翌朝の印象は変わります。

①枕と寝方の見直し

最も肌に負担をかけないのは仰向け寝。
横向き寝を続けると、片側の皮膚が圧迫されるため、左右差の原因になります。
枕は「首を支え、頬が沈まない高さ(5〜7cm前後)」を目安に選びましょう。

②寝る前の水分・塩分・アルコールの制限

夜にラーメンやお酒を摂ると、翌朝はほぼ確実に顔がむくみます。
水分は寝る2時間前までにコップ1杯。塩分やアルコールは控えめを意識しましょう。

③保湿と睡眠環境の整備

加湿器の使用やナイトマスクの併用で、睡眠中の水分蒸発を防ぎましょう。
夜のスキンケアは「化粧水→美容液→クリーム→ナイトパック」の順で、保湿の層を作ることがポイントです。

④食いしばり癖をゆるめる

寝ている間や日中の食いしばり癖は、頬の筋肉(咬筋)を硬直させ、口角を下に引き下げることでほうれい線を悪化させる一因になります。まずは普段から「上下の歯を軽く離す」意識を持つことが大切です。
夜間の強い食いしばりにはマウスピースやボトックス注射も有効です。

寝起きのほうれい線が“消えない”ときは要注意

朝だけでなく、昼や夕方にも線が消えずに残るようになったら、
それは皮膚の折れ曲がり(溝)が固定化しているサインです。

セルフケアで変わらない場合の選択肢

寝方や保湿、生活習慣の見直しを続けても、ほうれい線が“常に残る”ようになってきた場合、それは皮膚の土台(真皮層)や脂肪層のゆるみが関係していることが多いです。
こうした構造的なたるみは、セルフケアでは改善が難しいため、皮膚内部からの再生や引き締めを目的とした治療が有効になります。

軽度であれば、ハイフや高周波などの「引き締め系治療」でハリを取り戻すことが可能です。
一方で、ほうれい線の溝が明確に刻まれている場合は、肌そのものを再生させるグロースファクター(成長因子)注入がより効果的です。

グロースファクター治療の特徴

ヒアルロン酸のように物理的に「膨らませる」治療ではなく、自分のコラーゲンやエラスチンの産生を促し、肌そのものを再生させるのがグロースファクター治療です。

施術後は肌内部にハリと弾力が戻り、現状のしわが改善するだけでなく、寝起きに“跡が付きにくい肌”へ変化していくのも特徴の一つです。
日々のむくみや圧力による折れ癖が残りにくくなり、朝のほうれい線が出にくくなります。

仕上がりは非常に自然で、1回の施術で効果は数年〜10年以上持続します。

美容皮膚科医としてのアドバイス

「寝起きだけ線が目立つ」という人の多くが、実は初期のたるみサインを見逃しています。
早めに専門医に相談すれば、少ない治療回数で改善できるケースも多いです。

まとめ|「寝起きだけ」のほうれい線は、老化の初期サインかもしれません

朝だけほうれい線が目立つ現象は、多くの場合「むくみ」「乾燥」「寝相」「食いしばり」などの一時的な要因によるものです。
しかし、それを放置すると、皮膚や筋肉の形状が少しずつ変化し、やがて“戻らない溝”へと定着・進行していきます。

まずは、寝方・保湿・生活習慣の見直しで、翌朝のむくみや乾燥を防ぐこと。
それでも改善しない場合は、皮膚内部のコラーゲンを再生させるグロースファクター治療など、医療的なケアを検討してもよいでしょう。

「朝だけ老けて見える」を防ぐことは、単に印象を若返らせるだけでなく、今後の老化をゆるやかにする“最初の一歩”になります。
今日からできるケアで、明日の朝の顔を変えていきましょう。

当院はほうれい線専門クリニックとして、グロースファクター治療を中心に、「自然な仕上がり」「長期持続」「将来の予防」を実現できる治療を提供しています。

無料カウンセリングも実施しており、お寄せいただいたご相談メールには、本記事を執筆している院長の私がすべて丁寧にご返信いたします。ほうれい線でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。