

著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「リジュランって最近よく聞くけど、肌が若返るって本当?ほうれい線にも効いたら最高なんだけど…」
そんな期待を胸に、美容医療を検討中のあなた。
SNSでも話題の“肌育注射”“肌再生注射”という言葉に惹かれて、なんとなく美容クリニックの扉をノックしてみたけれど、果たしてその一歩は正解なのか——。
実は、リジュランが得意とするのは“肌表面の細かいしわ”です。
たしかに良質な製剤ですが、すでに深くなったほうれい線に対しては、何度受けたとしても改善にいたらない限界もあるのです。
この記事では、リジュランの基本的な作用から、なぜほうれい線への効果が限定的なのか、そして本当に必要な治療は何かまで、美容皮膚科医の視点でわかりやすく解説します。
最後まで読めば、自分の肌とじっくり向き合いながら、もっと自然で美しい笑顔に近づくヒントが見つかるはずです。
目次
リジュランとは?|成分と作用機序の基本
リジュラン(Rejuran)とは、サケのDNAから抽出したポリヌクレオチドを有効成分とする注入製剤で、別名「サーモン注射」ともよばれています。
ポリヌクレオチドは真皮層の線維芽細胞を活性化することでコラーゲンやエラスチンの生成を促進し、小じわやキメの改善、毛穴の引き締め、肌のハリ・保湿力向上など、肌質全般の底上げが期待できます。
皮膚の浅層に作用するため、目元や口元などの表層の老化に効果を発揮しやすいのが特徴です。
リジュランはなぜ「ほうれい線」への効果が限定的なのか
では、リジュランが“肌に良い”と言われているのに、なぜほうれい線には十分な効果が出にくいのでしょうか。
ほうれい線は皮膚の“構造”の問題
ほうれい線は、加齢による骨格の萎縮や脂肪の下垂、皮膚の菲薄化といった構造的変化が主な原因です。
皮膚表面の浅いしわではなく、皮膚そのものが折れ曲がるようにして形成される深い溝であるため、表層への作用に留まるリジュランでは十分な改善が見込めないのが現実です。
リジュランの限界と視覚的効果
リジュランは表皮から真皮上層に作用し、肌のハリやキメの改善には有効ですが、深い溝を埋める効果は期待できません。
あえて言うならば、肌表面の質感が整うことで光の反射が均一になり、ほうれい線の影が和らいで見えるといった視覚的変化は期待できます。
表面に刻まれた小じわには効果の可能性も
とはいえ、ほうれい線の根本治療法としてリジュランが完全に無力というわけではありません。
ほうれい線の表面にできた浅い小じわや刻まれじわには、リジュランが一定の効果をもたらす可能性があります。
ただし、1回の施術で実感できる効果はきわめてマイルドであり、3〜4回以上の継続治療が前提となります。
ほうれい線の本格的な改善に必要な治療とは?
深いしわの確実な改善をはかるには、リジュランとは異なるアプローチが必要です。
構造的なたるみに対応するには「注入治療」が基本
はっきりと溝が目立つほうれい線には、リジュランではなくヒアルロン酸やグロースファクターなどの注入治療が適応です。
ヒアルロン酸はジェル状の製剤で即時的に溝を埋める対症療法、グロースファクターは真皮層に働きかけてコラーゲン再生を促し、ハリと弾力を向上させる根本治療です。
リジュランは補助的な役割として活用
リジュランは構造的なしわを直接改善する治療ではなく、肌表面の質感を整える“美肌・整肌治療”として有効です。
他の注入治療と併用することで、見た目の印象をさらに引き上げる補助的な役割を担います。
まとめ|リジュランは「浅い層のケア」に特化した治療
リジュランの特性を正しく理解することで、より満足度の高い治療選びが可能になります。
リジュランは、肌表面のハリ・キメ・ツヤといった質感改善に特化した治療法です。
深いほうれい線を消すには力不足ですが、肌の若返りを目的とした併用治療の一環としては非常に有用です。
当院はほうれい線治療を専門におこなっており、メールでの無料カウンセリングも受け付けておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。