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基礎化粧品でほうれい線はどこまで消える?有効成分の効果や限界とは

説明


著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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鏡を見るたび、ふと目に入る“ほうれい線”。

「昨日より深くなってない?」「このまま年々刻まれていくのかな…」と不安に感じたことはありませんか?

多くの方が、“保湿を頑張れば薄くなるはず”、“美容液を変えれば少しマシになるかも”と、スキンケアの見直しに希望を託します。

しかし実は、ほうれい線はただの「乾燥によるしわ」ではないのです。

実際は、骨の萎縮、脂肪の下垂、皮膚の菲薄化といった顔全体の構造変化によって現れる老化の産物。

つまり、肌表面からのアプローチだけで消そうとするのは、少し無理のある話なんです。

とはいえ「化粧品では何もできない」と切り捨てるのはナンセンス。

本記事では、ほうれい線ができるメカニズムと、化粧品がもたらす効果とその限界を科学的に解説しつつ、注目の有効成分(ナイアシンアミド、レチノール、ニールワン)についてもご紹介します。

「なんとなく」ではなく「理屈で選ぶ」スキンケアで、ほうれい線対策に本気で向き合いたい方へ。

これからのケア製品選びが変わる、正しい知識をお届けします。

ほうれい線はなぜできる?基礎化粧品で改善できるか?

ほうれい線は年齢とともに誰にでも現れる変化の一つですが、その背景には単なる乾燥や表情じわだけとは異なる、顔全体の構造的な老化が関与しています。

ほうれい線の根本原因は「骨・脂肪・皮膚」の加齢変化にあり

ほうれい線は単なる皮膚表面のしわではなく、加齢に伴う顔の構造の変化によって生じる複合的な現象です。

その主な原因は、「骨の萎縮」「脂肪の下垂」「皮膚の菲薄化」の3つに分けられます。

まず、加齢により顔の骨格が萎縮し、皮膚や脂肪を支える土台が次第に縮小していきます。

これによって組織は重力に負けて下垂し、ほうれい線が形成されやすくなります。

中でも頬上部に位置するメーラーファットは加齢とともに下方へ移動し、靭帯の弛みや支持組織の脆弱化と相まってほうれい線を一層深くする要因となります。

さらに、皮膚の真皮層レベルではコラーゲンやエラスチンの産生が低下し、徐々にハリや弾力が失われていきます。

その結果、頬のたるみの重さや表情のくり返しによって折れ曲がった皮膚が元に戻りにくくなり、やがてその折れ癖が“しわ”として定着していくのです。

基礎化粧品でアプローチできるのは「皮膚の表面」まで

このように、ほうれい線の根本には構造的な老化が存在しており、化粧品でアプローチできる範囲には限界があります。

現在の日本では薬事法により、「化粧品」と表示されるスキンケア用品は「角層」までの作用しか認められておらず、たとえ真皮層への影響が期待できるものであったとしても堂々と掲げることはできません。

したがって、化粧品ができるのはあくまでも「乾燥を防ぎ、皮膚表面のキメやハリを一時的に整えること」にとどまります。

それでも、日常的なスキンケアによって肌表面のコンディションを維持することには意義があります。

特に乾燥が要因となる小じわやちりめんじわの予防や、表情筋の動きによるしわが皮膚の表面に刻まれるのを防ぐという点において、化粧品は有用です。

また、キメが整うことで光が均一に反射されるようになり、ほうれい線の影が強調されることの軽減にもつながります。

暗い場所でほうれい線が目立つ理由をみる>

つまり化粧品は、根本的な治療には至らないものの、“進行予防”と“見た目の印象の改善”を目的とした対症的アプローチとしては有用であるといえます。

ほうれい線対策に効果的な基礎化粧品の選び方

日常的なスキンケア製品を選ぶ際、効果的な成分や分類を正しく理解することが、満足度の高いケアにつながります。

化粧品・医薬部外品・医薬品の違いを理解して正しく選ぶ

基礎化粧品を選ぶうえでまず理解しておきたいのが、「化粧品」「医薬部外品」「医薬品」という薬事法的なカテゴリの違いです。

化粧品は肌を健やかに保つためのものであり、保湿・清浄・肌荒れ防止といった目的で使用され、原則として「角層まで」の作用に限定されています。

一方、医薬部外品(薬用化粧品)は一定の有効成分を含有し、厚生労働省の認可を得た範囲での「予防的効能」を標榜することが許されています。

特定の有効成分に関しては、角層より深い層、すなわち基底層や真皮での作用が示唆されており、しわ改善や美白といった効果が期待されます。

ほうれい線の予防に必要な成分(ヒアルロン酸・セラミド)

ほうれい線の進行を予防し、肌表面のコンディションを良好に保つためには、保湿力を高め、バリア機能を補う成分が不可欠です。

中でも代表的なのがヒアルロン酸セラミドです。

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸は、もともと皮膚内に存在する高保水性成分で、肌の水分を保持し、ふっくらとハリ感を与える作用があります。肌が乾燥するとキメが乱れ、しわが目立ちやすくなるため、ヒアルロン酸による肌表面の潤いの補給はほうれい線の予防において非常に重要です。

セラミド

セラミドは角層の細胞間脂質として存在し、バリア機能の維持に欠かせない成分です。加齢や外的刺激によりセラミドが減少すると、乾燥や炎症が起こりやすくなり、肌の弾力が低下します。セラミドを補うスキンケアは、乾燥小じわの予防や肌の土台作りに役立ちます。

これらの成分を含む製品は、加齢による皮膚の菲薄化やバリア機能の低下をサポートし、肌をしなやかに保つための予防的ケアに適しています。

ほうれい線の改善に有効な成分(ニコチンアミド・レチノール・ニールワン)

実際に、ほうれい線対策において注目される医薬部外品の有効成分には以下のようなものがあります。

ただし、注意すべき点は、これらの成分が確実に基底層や真皮層に浸透するか否かは、製剤の調合(濃度や皮膚への浸透率)や使用方法(順序や頻度)によっても大きく左右されるため、必ずしも期待通りの効果が得られるとは限らないということです。

ナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)

水溶性ビタミンB群の一種で、しわ改善と美白の効能が認められている有効成分です。線維芽細胞を活性化してコラーゲン生成を促進し、同時に肌内部の炎症やメラニン生成を抑制する作用があります。また、表皮の水分保持力を高めることで、小じわやハリの改善にも寄与します。

レチノール(ビタミンA誘導体)

真皮のコラーゲン生成と表皮のターンオーバーを促進します。初期には刺激を伴うことがありますが、低濃度であれば継続使用も可能です。加齢による皮膚機能の低下を補う成分として注目されています。

ニールワン®

ポーラが開発した日本で初めて「しわ改善効能」を取得した有効成分で、紫外線などで活性化する酵素「好中球エラスターゼ」の活性を抑え、コラーゲンやエラスチンの分解を防ぎます。光老化によるしわの進行を抑制する独自のメカニズムが特徴です。

化粧品でできるほうれい線ケアと医療的アプローチの違い

ほうれい線の対策法は、「化粧品によるセルフケア」と「美容医療」とでは役割が異なり、それぞれの特徴を理解することが効果的な改善につながります。

化粧品で可能な「保湿・予防・維持」のケアとは?

基礎化粧品を使ったほうれい線対策では、主に乾燥予防や肌表面のハリ・弾力の維持が目的となります。

具体的には、保湿成分(セラミド、ヒアルロン酸など)や有効成分(ナイアシンアミド、レチノールなど)を含んだ製品を用いて表皮のコンディションを整えることで、小じわを防いだり表情じわの定着を抑えることが可能です。

ただし、これらの作用は角層レベルに限定されるため、骨格の変化や脂肪の下垂といった構造的な原因にはアプローチすることができません。

したがって、化粧品によるケアはあくまで“予防”と“維持”にとどまることを理解しておく必要があります。

すでに目立つほうれい線に効果的な美容医療

 

以上で述べたとおり、化粧品だけでほうれい線を改善するには限界があります。

すでに目立ってしまっているほうれい線に対しては、以下のような医療的なアプローチの併用が必要な有効な選択肢です。

グロースファクター治療|皮膚の再生を促す根本的アプローチ

グロースファクターをほうれい線に直接注入することで、真皮層のコラーゲン生成が促され、ハリや弾力が向上して皮膚の根本的な若返り効果が得られる治療です。

基礎化粧品では届かない皮膚の深部にはたらきかけ、自己組織を再生させる作用があり、1回の注射の施術により数年以上にわたる持続効果が得られる点が特長です。

ヒアルロン酸注入|即効性のあるほうれい線の溝改善

透明のジェル状の製剤を皮膚の深部に注入することでボリュームロスを補い、ほうれい線の凹みや溝を浅く目立たなくさせる治療法です。

注入直後からはっきりとした効果を実感できるのがメリットですが、ヒアルロン酸は皮膚内で徐々に吸収されてなくなるため、1年に1回ほどの定期的な施術が必要となります。

ハイフや高周波の機械治療|たるみ改善とほうれい線予防の補助治療

超音波焦点式(HIFU)や高周波といった機械により、皮膚の深部に熱ダメージをもたらすことでコラーゲン生成を刺激し、ほうれい線の進行予防や頬のたるみの軽度改善に効果的です。

ただし、ほうれい線部分の菲薄化した皮膚のコラーゲンを局所的に増やして溝を改善するような効果はないため、あくまでもほうれい線治療としては補助的なもので、より明確にアプローチする場合はグロースファクターやヒアルロン酸の注入治療との併用が効果的です。

このように、化粧品は予防と緩和の手段、医療は再構築の手段として位置づけられ、両者をうまく組み合わせることが重要です。

まとめ|化粧品は予防とケア、医療は構造的改善

ほうれい線に対する化粧品の役割は、乾燥予防や肌表面のコンディションを整えることにあり、進行の予防や印象の改善に有効です。

一方で、骨格・脂肪・皮膚などの構造的な変化によって生じるほうれい線の改善をはかるには、美容医療によるアプローチが必要です。

目的や状態に応じて、スキンケアと美容医療を適切に組み合わせることが、最も効果的なほうれい線対策となります。

当院はほうれい線治療を専門におこなっており、メールでの無料カウンセリングも受け付けておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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