著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
顔の表情筋トレーニングは、顔のたるみやほうれい線の対策として、最も手軽に試せる方法です。
しかし、間違ったやり方をするとしわの悪化につながります。
今回は、顔の筋トレの注意点と、ほうれい線に対しては果たしてどこまで効果があるのか、解説していきます。
顔の筋トレでしわが悪化する
表情筋トレーニングを過度におこなったり、間違ったやり方でおこなうと、しわやほうれい線が悪化することがあります。
筋肉をくり返し大幅に動かすことで、皮膚に負担がかかり、皮膚の表面にしわが刻まれてしまいます。
ほうれい線を改善しようと口周りの筋肉を過剰に動かすことが、逆にしわを定着させ、老けて見える原因になってしまうのです。
このため、表情筋のトレーニングには注意が必要です。
注意点については後で説明します。
顔の筋トレの有効性
それでは、実際のところ、表情筋トレーニングは顔の老化対策に有効なのでしょうか?
顔の筋肉は、体の筋肉と同じで、使わないと衰え、萎縮します。
また、表情筋は「皮筋」とよばれ、皮膚と一体化した筋肉であることも特徴です。
そのため、表情筋が衰えることで皮膚が緩み、顔のたるみにつながります。
顔がたるむと頬が下に下がり、ほうれい線やマリオネットラインの原因となります。
したがって、顔の筋トレも正しくおこなえば、顔のたるみやしわの予防に有効です。
顔の筋トレに関わる筋肉
では実際に、どの筋肉を動かせばいいのでしょう?
表情筋トレーニングに関わる筋肉は以下があります。
・前頭筋(ぜんとうきん):眉を上に上げる筋肉
・皺眉筋(すうびきん):眉を内側に引き、眉間にしわを寄せる筋肉
・眼輪筋(がんりんきん):まぶたをぎゅっと閉じる筋肉
・鼻根筋(びこんきん):眉を下に引き下げる筋肉
・鼻筋(びきん):鼻の穴をふくらませる筋肉
・口輪筋(こうりんきん):口をすぼめる筋肉
・上唇挙筋(じょうしんきょきん):前歯を見せて笑う筋肉
・口角下制筋(こうかくかせいきん):口角を下に引き下げる筋肉
・頤筋(おとがいきん):下唇を前に突き出す筋肉
・咬筋(こうきん):噛みしめたり食いしばる筋肉
このように表情筋トレーニングでは、顔の引き締めたい部分とそれに一致する筋肉をきちんと理解し、意識して動かすことが重要です。
むやみに動かしても意味がありません。
また、前述したとおり、表情筋を過度に動かしすぎると、しわの悪化につながるため注意が必要です。
顔の筋トレの注意点
表情筋トレーニングでは、以下の注意が必要です。
・表情じわが跡に残るほど過度におこなわない
・すでに表情じわが定着している部分にはおこなわない
表情じわとは、笑ったり泣いたり怒ったり、顔の表情をつくったときに一時的に寄るしわです。
表情じわは通常、無表情のときには出ません。
ただし、表情をつくる動きが過度にくり返されることにより、皮膚の表面にしわが刻まれ、無表情のときでもしわが定着した状態になってしまいます。
また、しわではありませんが、咬筋の鍛えすぎはエラ張りの輪郭になったり、口角下制筋の鍛えすぎは口角が下がりやすくなる原因にもなるため、特にやりすぎには注意しましょう。
顔の筋トレはほうれい線に有効か
前述のとおり、顔の筋トレは正しくおこなえば、顔のたるみやほうれい線の予防に有効とお話ししましたが、残念ながらすでにでてしまっているほうれい線に対しては、ほとんど効果がありません。
その理由は、ほうれい線は顔のたるみだけでなく、皮膚のコラーゲンの低下など、皮膚自体の老化が原因でできている場合が多いからです。
皮膚の老化が原因でできているほうれい線に対し、顔の筋トレをおこなっても、予防以上の効果は期待できない上、ほうれい線に負担がかかり皮膚の表面にしわが刻まれて定着してしまいます。
そのため、すでに目立ってしまっているほうれい線に対しては、筋トレではなく、美容クリニックなどで適切な治療を受けるのが良いでしょう。
すでにできているほうれい線の治療
すでに目立ってしまっているほうれい線の治療には、グロースファクターやヒアルロン酸などの注入系の治療が最適です。
グロースファクターとは、ほうれい線に注入することで皮膚の中のコラーゲンが増え、ほうれい線が浅く目立たなくなる治療です。
1回の注射で確実に効果が得られ、数年以上は効果が長持ちします。
ヒアルロン酸はほうれい線に注入することでお肌がふっくらし、ほうれい線が目立たなくなります。
こちらは数ヶ月〜1年ほどの効果なので、定期的に受ける必要がありますが、即効性があるのがメリットです。
グロースファクターもヒアルロン酸ももともと私たちの体の中に存在する物質なので、安全面では問題はありません。
まとめ
顔の筋トレは、顔のたるみやほうれい線に予防に効果的ですが、過度のやり過ぎはしわの悪化につながります。
また、すでにできてしまっているほうれい線に対しては効果は期待できません。
ほうれい線は放っておくと年齢と共に進行します。
すでに目立ち始めているほうれい線は、美容クリニックなどの専門機関で早めの治療を受けると良いでしょう。
当院はしわやほうれい線治療を専門におこなっております。
あなたの今のほうれい線には、どのような治療が最適かご提案できます。
メールでの無料カウンセリングもおこなっておりますので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。