

著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
ドクター紹介はこちら
「最近、笑ったときの顔が以前より老けて見える気がする…」
──そんな違和感を覚えている方は多いのではないでしょうか。
その原因、もしかしたら“えくぼ”かもしれません。
えくぼは本来、笑顔を引き立てるチャームポイントとされています。
しかし、位置や形状によっては、ほうれい線のように見えてしまい、結果として老けた印象を与えることもあります。
本記事では、「えくぼ」と「ほうれい線」の違いから、なぜえくぼが老け見えにつながるのか、そしてそれを自然に改善するための美容医療的アプローチについて解説します。
鏡を見るのが楽しくなるような笑顔を取り戻す第一歩として、ぜひ最後までご覧ください。
目次
えくぼとほうれい線の違いとは?
まず明確にしておきたいのが、「えくぼ」と「ほうれい線」は形成されるメカニズムも、医学的な位置づけも異なるということです。
- えくぼ:頬の皮膚と笑筋(表情筋の一種)が癒着していることで、笑ったときに皮膚が引き込まれてできるくぼみ。
- ほうれい線:加齢や皮膚のたるみ、骨や脂肪の減少などによって生じる、鼻の横から口角にかけての溝。
つまり、えくぼは笑顔に伴って現れる「表情と連動するくぼみ」であり、ほうれい線は「構造的に刻まれるしわ」と言えます。
ただし、えくぼが小鼻の横や口角付近にある場合、そのラインがほうれい線と重なって見え、老けた印象を与えてしまうのです。
えくぼがほうれい線のように見える原因5つ
では、なぜ本来は魅力的なえくぼが、老けて見える原因になってしまうのでしょうか。
代表的な5つの要因を順番に見ていきましょう。
①位置や形状
えくぼが、ちょうどほうれい線が生じるライン上(小鼻の横から口角まで)にある場合、見分けがつきにくくなります。
特に縦に長いえくぼは、表情の動きによって溝が強調されて、ほうれい線や笑いじわに見えやすくなります。
②皮膚のハリや弾力の低下
加齢や紫外線によってコラーゲンが減少し、皮膚のハリや弾力が低下すると、えくぼが深く目立ちやすくなったり、形状が変わってほうれい線のように見えることがあります。
③頬のたるみ
頬のたるみが進行することで、えくぼ周辺に余分な皮膚がたまり、くぼみが深く見えるようになります。
これは特に40代以降に起こりやすく、えくぼとほうれい線が連結したように見える原因の一つです。
④笑い方や表情の癖
表情筋の使い方によっては、えくぼそのものが深く入り込むようになることがあります。
表情の癖が長年続くと、えくぼとその付近のラインが深く強調され、笑顔のたびにほうれい線のように見えることがあります。
⑤影の影響
照明の当たり方や暗い環境ではえくぼが深く見え、ほうれい線のような陰影が生まれやすくなります。
写真やオンライン会議などの映像ではコントラストが強調されて、くぼみがしわとして認識されてしまう場合があります。
“ほうれい線のように見えるえくぼ”の改善はセルフケアではできない
「保湿を徹底すれば大丈夫」「マッサージで解消できるかも」――そう思ってセルフケアに励む方も多いのですが、残念ながら“えくぼによる老け見え”は、スキンケアや生活習慣だけでは根本的に改善することは難しいのが現実です。
なぜなら、えくぼは皮膚と筋肉の構造そのものによって形づくられるため、化粧品やマッサージではその癒着や構造を変えることができないからです。
加齢にともなう皮膚のハリの低下やたるみが加わると、セルフケアだけではむしろえくぼが深く強調されてしまうこともあります。
そのため、えくぼがほうれい線に見えて老けてしまう悩みを改善するには、美容医療による「皮膚の厚み強化」「たるみの引き締め」「筋肉の作用コントロール」といった構造的なアプローチが欠かせません。
ここからは、具体的にどのような美容医療が有効なのか、3つの改善アプローチを詳しく解説していきます。
改善アプローチ① えくぼ自体を浅くする治療法
まずはくぼみそのものを浅くし、自然に目立たなくしていく方法です。注入治療が中心となります。
①-1. グロースファクター治療
グロースファクターとは真皮層のコラーゲンを増やす製剤で、皮膚のハリや弾力をアップさせる効果があります。
えくぼのくぼみ部分に注入することで、皮膚の厚みが増し、筋肉の動きに引き込まれにくくなることで、えくぼが目立ちにくくなります。
また、ほうれい線そのものを改善することで、えくぼがほうれい線とつながってラインを強調し、老けて見えてしまう印象を解消することができます。
さらに、1回の注射の治療で得られる効果は数年〜10年以上続き、その後も肌が再構築されることで、将来的な老け見えの予防につながります。
仕上がりも自然に肌になじみ、表情の動きや肌質に違和感や異物感が生じない点も魅力です。
①-2. ヒアルロン酸注入
透明のジェル状の製剤であるヒアルロン酸をえくぼの部分に注入することで、えくぼのくぼみが持ち上がり目立たなくなります。
ただし、えくぼの部分の皮膚と筋肉の癒着が強いとヒアルロン酸をうまく注入することができず、注入できてもえくぼの周囲にヒアルロン酸が流れてしまい、改善につながらない場合があります。
ヒアルロン酸の場合、持続効果は数ヶ月〜2年ほどです。
改善アプローチ② えくぼ周囲のたるみを引き締める治療法
皮膚がたるむと、えくぼの周囲にたるみが寄ることでくぼみがより深く目立ってしまいます。
そこで有効なのが、皮膚の引き締め治療です。
②-1. ハイフ・高周波
ハイフや高周波などの機械で皮膚に熱を与えてたるみを引き締め、えくぼの周囲に皮膚がたまるのを防ぎます。
熱によって皮膚のコラーゲン生成がうながされ、ハリや弾力がアップし、筋肉の動きに皮膚が引き込まれにくくなる効果も期待できます。
ただし、1回の治療で得られる効果は注入系の治療と比べるとマイルドであるため、定期的に複数回の治療を受ける必要があり、その効果にもある程度の限界があります。
②-2. 糸リフト・ショッピングリフト
糸リフトは表面にコグ(トゲ)の付いた医療用の溶ける糸を頬に挿入し、皮膚のたるみを引き上げることでえくぼの周囲に皮膚がたまるのを改善できます。
機械の治療と比べて引き上げの効果がわかりやすいですが、長期的には維持できず、数ヶ月程度の持続効果です。
一方、えくぼ自体に直接アプローチするという点では、糸リフトよりショッピングリフトがより優れています。
ショッピングリフトは極細の短い溶ける糸を皮膚に多数挿入し、皮膚のたるみを引き締める治療です。
えくぼの周囲に集中的におこなうことで皮膚のコラーゲン生成がうながされてもたつきが引き締まり、皮膚にハリが出ることで筋肉の動きに引き込まれにくくなります。
ただし、1回の治療で得られる効果は注入系の治療と比べるとマイルドであるため、定期的に複数回の治療を受ける必要があります。
改善アプローチ③ 筋肉の引き込みを抑える治療法
笑ったときのえくぼは筋肉の動きによって強調されます。その働きをコントロールすることで、えくぼを浅く見せることができます。
③-1. ボトックス
ボトックスは筋肉の過剰なはたらきを抑える作用があります。
笑ったときのえくぼは多くの場合、笑筋とよばれる口を横に引く表情筋の動きによって皮膚が引き込まれて生じるため、この笑筋にボトックスを打つことでえくぼが深く入りにくくなります。
ただし、副作用で笑いにくくなったり、笑顔が不自然にみえる可能性があります。
また、ボトックスの持続効果は3ヶ月前後であるため、定期的に治療を受ける必要があります。
よくあるご質問(FAQ)
Q:えくぼとほうれい線、どちらなのか判断がつきません。
A:医師の診察で原因を明確にできます。
表情によって現れる場合はえくぼの可能性が高く、無表情の状態でも溝があればほうれい線の可能性があります。
Q:グロースファクターは本当に長持ちしますか?
A:少なくとも数年以上は効果が持続し、その後は徐々に自然老化の影響を受けますが、10年以上経過しても治療を受けていないときと比べて明らかに改善効果が持続していることがほとんどです。
Q:笑顔が不自然にならないか心配です。
A:ボトックスは注意が必要ですが、グロースファクターやショッピングリフトであれば、表情に影響を及ぼさない自然な仕上がりが可能です。
まとめ|えくぼとほうれい線を正しく見分け、自然に改善するために
えくぼは本来魅力的な要素ですが、位置や皮膚の状態によってはほうれい線のように見えてしまい、老けた印象につながることがあります。
このような悩みは、美容医療の正しい知識と経験をもとに、自然な形で改善できます。
特にグロースファクター治療は、自然な印象と長期的な効果を両立できる優れた選択肢です。
当院では「ほうれい線」や「えくぼ」の違いにお悩みの方への無料カウンセリングを実施しております。
自分に適した治療が何かを正しく知ることが、美容医療における最良の第一歩です。
メールでの無料カウンセリングもおこなっており、お寄せいただいたご相談メールには、本記事を執筆している院長の私がすべて丁寧にご返信いたします。どうぞお気軽にご相談ください。