

著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「ほうれい線をなんとかしたい…」
そう思って検索すると、よく目にするのが「成長因子による再生治療」というフレーズではないでしょうか。
「ヒアルロン酸より自然に改善できるらしい」
「肌そのものが若返るって聞いた」
そんな期待と同時に、
「でもリスクは?」「本当に効く?」「どのクリニックを選べばいいの?」という不安もあるはずです。
実は、成長因子による再生治療には見えにくい落とし穴があります。
同じ「成長因子」という名前でも、使う製剤の種類・濃度・投与方法はクリニックごとにバラバラ。
その違いが、
- 自然に若返る人
- 膨らみすぎて後悔する人
- 効果が出ずに損をする人
を分けてしまうのです。
この記事では、美容皮膚科医として多くの症例を診てきた立場から、成長因子による治療の種類・リスク・安全な選び方をわかりやすく解説します。
「後悔しないために必要な知識」を今ここで手に入れてください。
目次
成長因子による再生治療とは?美容医療での役割
ここでは、成長因子治療の基本的な役割や仕組みについて整理し、この記事全体の理解を深めていきます。
成長因子とは?
成長因子(グロースファクター)とは、細胞の再生や修復を促すタンパク質の総称です。
美容医療では、肌内部の線維芽細胞を刺激し、コラーゲンやエラスチンを再生することで、しわやくぼみを内側から改善する治療として使われています。
美容医療での役割とメリット
- 肌そのものが若返るため自然な仕上がり
- ヒアルロン酸のような異物感が少ない
- 数ヶ月かけて徐々に変化するため周囲に気づかれにくい
- 肌質改善や小じわの改善も同時に期待できる
ただし一言で「成長因子」といっても、PRP・FGF・幹細胞・複合製剤など複数種類が存在し、クリニックごとに内容や効果がまったく異なる点が最大の特徴です。
成長因子による再生治療の種類と特徴
ここでは代表的な4種類の成長因子治療を解説します。
種類ごとの効果・リスク・費用感を理解することが、後悔しない第一歩です。
①PRP(多血小板血漿)療法
- 自分の血液から血小板を抽出し、成長因子を利用する治療
- アレルギーが少なく安全性が高い
- 効果はマイルドで、複数回の施術が必要になることが多い
②FGF(線維芽細胞増殖因子)治療
- 真皮の線維芽細胞を刺激し、皮膚の厚みと弾力を回復
- 適切な管理下で高い効果が期待できる
- 濃度や投与方法によってはコラーゲンの過剰増殖(膨らみすぎ)リスクがあるため、経験と技術が重要
③幹細胞・幹細胞上清治療
- 幹細胞やその培養上清を使用
- 総合的な肌質改善や抗炎症効果が期待できる
- 製法や品質の差が大きく、効果が不透明なものも多い
- 治療費が高額になりやすい
④複合成長因子製剤
- 複数の成長因子を組み合わせた製剤
- 多角的な作用を狙える一方、安全性が不明瞭なケースもあり、リスク評価が不可欠
【比較表】代表的な成長因子治療の特徴
治療法 |
主な特徴 |
効果・持続 |
費用相場 |
向いている方 |
注意点 |
PRP |
自己血小板由来 |
マイルド・数ヶ月~ |
数万円~ |
安全重視・初めての方 |
複数回必要・効果に限界あり |
FGF |
線維芽細胞増殖因子 |
比較的高い効果・1〜数年以上 |
数十万円前後 |
確実な改善を望む方 |
製剤や投与方法の管理必須・膨らみすぎのリスクあり |
幹細胞 |
幹細胞由来成分 |
総合的な肌質改善・長期的 |
高額(数十万~数百万) |
総合的な若返り希望の方 |
品質の差が大きい・効果が不明瞭なものが多い |
複合成長因子 |
複数成長因子を混合 |
多角的効果・製剤によって幅あり |
数万〜数十万円前後 |
クリニック独自の効果を求める方 |
成分の相互作用によるリスクあり |
成長因子による再生治療の最大のリスク
次に、成長因子治療に特有のリスクと、その背景について詳しく見ていきましょう。
1. 膨らみすぎのメカニズムと修正困難性
成長因子による治療を誤った方法で行った場合、線維芽細胞を強力に刺激しコラーゲンを過剰生成することで、数ヶ月後に不自然な膨らみやしこりができることがあります。
一度膨らんだ組織は短期間では自然に戻りにくく、修正が難しいのが特徴です。
2. 過剰投与や混合使用による予測不能なリスク
複数の成長因子を混ぜて使用すると、成分同士が干渉し予測不能な反応が起こるリスクがあります。
また、高濃度や過剰投与など、製剤の管理が曖昧なまま施術すると、強い炎症反応や膨らみすぎ・しこりなどが起こる可能性が高まります。
3. 効果ほぼなし・高額トラブルの実例
逆に、極端に濃度が薄い製剤や有効成分が乏しい製剤では、高額にもかかわらず効果を感じられないケースもあります。
これもまた「同じ名前でも製剤の内容が違う」ことによる典型的なトラブルです。
▶︎[当院グロースファクターのリスクの詳細をみる>]
▶︎[成長因子による膨らみすぎのリスクを徹底的に回避する方法をみる>]
ヒアルロン酸注入との違いと使い分け
ほうれい線の注入治療において最もポピュラーで、よく成長因子による再生治療を比較されるのが「ヒアルロン酸注入」です。
ここからは、成長因子治療とヒアルロン酸注入を比較しながら、それぞれの特徴と適したケースを明確にしていきます。
即効性と持続性の違い
- ヒアルロン酸注入
ジェル状のヒアルロン酸を溝に直接注入し、施術直後から変化がわかる治療。
ただし製剤が吸収されることで効果が消失するため、定期的な追加注入が必要。 - 成長因子治療
肌内部の自己組織を再生させるため、数ヶ月かけてじわじわと自然に変化する。
効果は長期間維持しやすく、肌質改善も同時に得られることが多い。
【比較表】成長因子による治療とヒアルロン酸注入
項目 |
成長因子治療(PRP/FGF/幹細胞) |
ヒアルロン酸注入 |
仕組み |
コラーゲン再生で内側から改善 |
ジェルを注入し物理的にボリューム補填 |
効果の出方 |
数ヶ月かけて徐々に変化 |
即日で変化 |
持続期間 |
1年〜数年以上持続することも |
数ヶ月~2年程度 |
自然さ |
表情の動きに馴染みやすい自然な仕上がり |
部位によって不自然な膨らみが出ることも |
肌質改善 |
あり(ハリ・キメ改善) |
なし |
リスク |
膨らみすぎ・効果不足 |
血流障害・しこり(遅発性結節)・ズレる |
メンテナンス |
少ない(1回で完結することも) |
1年に1回程度の追加注入が必要 |
費用感 |
数万〜数十万円前後(種類により変動) |
数万〜十数万円 |
向いている方 |
自然で長期的な改善を求める方 |
即効性重視の方 |
成長因子orヒアルロン酸、どう選ぶべきか?
自然な改善や根本改善を求めるなら成長因子治療、イベント前など即効性を求めるならヒアルロン酸注入がおすすめです。
ただし、ほうれい線はヒアルロン酸による血流障害が起こりやすく、また表情変化によって動きやすい部位なので、安全性や自然さを重視した選択が後悔しないポイントとなります。
成長因子治療にかかる費用とダウンタイム
治療を検討する上で、多くの方が気になるのが費用とダウンタイムです。
ここでは相場だけでなく、比較時の注意点やスケジュールの立て方も解説します。
費用の目安と比較時の注意点
成長因子治療の費用は、数万円〜数十万円と非常に幅があります。
この差は単純な「高い・安い」ではなく、使用する成長因子の種類・濃度・注入範囲・クリニックの方針によって生じます。
- PRP(自己血):比較的低価格(数万円〜)で安全性が高いが、効果はマイルドで複数回必要なことが多い
- FGF(線維芽細胞増殖因子):単剤での使用なら数十万円前後。投与量や注入範囲によって費用が変動することも
- 幹細胞・複合製剤:高額になりやすく、品質のばらつきも大きいため慎重な検討が必要
<費用を比較する際の注意点>
- 「料金だけ」で選ばないこと
→ 安価でも効果が出ない、逆に高額でも安全性が不明確・効果も不十分なケースがある - 表示価格に何が含まれているかを確認
→ 麻酔代・再診料・追加注入の有無が含まれているかを事前に把握 - コストパフォーマンスで判断する
→ 1回で長期間持続するなら、見た目の価格より総合的に割安な場合もある
ダウンタイムと経過の詳細
成長因子治療は、比較的ダウンタイムが少ない施術です。
しかし、注入部位や体質によって症状や期間に違いがあります。
- 腫れ・赤み:数日〜1週間で目立たなくなることが多い
- 内出血:稀に青あざのように出る場合があり、1〜数週間前後で消失
- 効果実感:数ヶ月かけてじわじわと変化
<ダウンタイムをうまく乗り切るためのポイント>
- イベント予定の2〜3週間前までに施術するのがおすすめ
- 注入部位を擦らない・マッサージしない(炎症や成分拡散を防ぐため)
- 激しい運動・サウナ・飲酒は数日〜1週間は控えることで腫れや内出血を軽減
安全なクリニックを選ぶためのチェックポイント
治療効果とリスクは、クリニックの方針と管理体制によって大きく左右されます。
カウンセリング時には以下を重点的に確認しましょう。
カウンセリングで確認すべき3つのこと
- 治療方針や安全性の考え方
(単剤か複合か、混合使用を避けているか、濃度管理の方法) - 症例写真と治療後の経過説明
(自然な仕上がりか、術後数か月後の写真も提示されているか) - 修正対応やフォロー体制の有無
(膨らみすぎや効果不足があった場合の対応方針が明確か)
当院の方針=安全性最優先
当院では単剤の成長因子のみを使用し、
- 成分を混ぜないことで予測不能なリスクを回避
- 濃度・注入方法を症例ごとに設計し、膨らみすぎや効果不足を防止
- カウンセリングでは症例写真や経過を丁寧に説明し、納得いただいた上で施術
という、安全性と自然な仕上がりを重視した治療を行っています。
まとめ|リスクを理解し、安全に効果を得るために
成長因子治療は、種類・濃度・投与方法によって効果もリスクも大きく変わります。
特に、複合製剤の混合使用や過剰投与による膨らみすぎは最大の注意点です。
- 料金の安さ・高額さだけで判断せず、
- 症例写真・安全性・フォロー体制をしっかり確認することで、後悔のない選択ができます。
まずは無料カウンセリングでご相談ください
「自然に若返りたい。でも、リスクは怖い…」
「本当に効果があるのか、正直まだ迷っている…」
そんな気持ちは、多くの方が最初に抱える不安です。
当院はほうれい線治療を専門に行っており、成長因子による再生治療(グロースファクター治療)にも豊富な実績があります。
- 成長因子治療を検討しているが、リスクや失敗が怖い方
- 自分に合う治療法を知りたいが、どれを選んでいいかわからない方
- 費用やダウンタイムを具体的に聞いて、納得してから判断したい方
一歩踏み出すことで、不安は具体的な解決策に変わります。
あなたの今の状態や希望に合わせ、最も自然で安全な方法を一緒に見つけましょう。
当院では無料カウンセリングを行っており、お寄せいただいたご相談メールには、本記事を執筆している院長の私がすべて丁寧にご返信させていただいております。
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