

著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
ドクター紹介はこちら
「ほうれい線が気になるけど、手術は避けたい」 そんな方に人気の治療法が糸リフト(スレッドリフト)です。
皮膚を切らずにたるみを引き上げられる手軽さから、30〜50代を中心に注目を集めていますが、
果たして本当に糸リフトだけでほうれい線は改善するのでしょうか?
実は、糸リフトには“効果が出る人”と“出ない人”がはっきり分かれます。
なぜなら、ほうれい線の原因は単純なたるみだけではなく、
- 骨の萎縮
- 脂肪の下垂
- 皮膚の菲薄化(薄くなること)
といった構造的な老化現象が複雑に絡み合っているためです。
本記事では、糸リフトの仕組み・効果・持続期間・限界について詳しく解説するとともに、
ヒアルロン酸やグロースファクターと組み合わせることで、より自然で根本的な改善を目指す方法もご紹介します。
ほうれい線のお悩みから解放される第一歩を一緒に踏み出しましょう。
目次
糸リフトとは?仕組みとほうれい線への基本的な効果
糸リフトは皮膚の下に特殊な医療用の吸収糸を挿入し、皮膚や脂肪組織を物理的に引き上げるリフトアップ施術の一つです。
糸には「コグ」と呼ばれる突起がついており、組織に引っかかることで頬のたるみを持ち上げ、結果的にほうれい線の影を軽減する効果が期待されます。
さらに、糸の挿入によって組織を修復する線維芽細胞が活性化し、コラーゲンの生成が促進されることで、肌のハリ感アップやたるみの予防につながるという副次的効果もあります。
このような作用により、糸リフトは“見た目年齢”を若返らせる即効性のある治療法として人気を集めています。
糸リフトでほうれい線が改善しない理由
糸リフトはたるみによる影を引き上げることで、結果的にほうれい線が“浅くなったように見える”場合もあります。
しかし、ほうれい線の溝そのものを埋めるわけではなく、構造的な原因にはアプローチできないため、改善効果には限界があります。
実際に多くの方が期待する「ほうれい線が完全に消える」効果は、糸リフト単体では難しいのが現実です。
医学的に見る“ほうれい線”の構造と3つの原因
美容皮膚科医の視点から見ると、ほうれい線は以下の三層的な要因によって形成されます:
- 骨の萎縮:加齢に伴い、鼻翼基部や上顎骨が痩せることで、皮膚や脂肪の支えが失われる
- 脂肪の下垂:中顔面の脂肪(メーラーファットなど)が下がることで、溝の上に覆いかぶさる
- 皮膚の菲薄化:コラーゲンやエラスチンの減少により皮膚が薄くなり、しわが刻まれやすくなる
糸リフトは「脂肪の位置」に関して一時的に引き上げることが可能ですが、骨の構造や皮膚の質そのものを変えることはできません。
糸リフトの効果が続く期間と再治療のタイミング
糸リフトの持続効果は一般的に数ヶ月〜1年程度とされます。
糸が体内に吸収される過程でコラーゲン産生が促進されますが、リフトアップ効果自体は徐々に弱まっていきます。
また、表情筋が活発な口元では、糸の効果が他部位より短くなる傾向があり、定期的なメンテナンスが必要です。
糸リフトの副作用・ダウンタイム・費用相場
副作用・ダウンタイム
- 腫れ・内出血:数日〜1週間
- 引きつれ感やツッパリ感:1〜2週間程度
- まれに感染・左右差・凸凹が生じる場合も
費用相場
- 1回あたり15万円〜40万円程度が目安
- 本数や使用糸の種類(PDO, PLLAなど)により変動
ヒアルロン酸・グロースファクターとの併用で効果を最大化
糸リフトだけではカバーしきれないほうれい線の原因に対し、注入治療を併用することでより自然で持続的な若返りが可能になります。
ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸注入は、透明のジェル状の製剤をほうれい線の溝に直接注入することで、皮膚を深部からボリュームアップさせ凹みを埋める治療法です。
即効性があり、微調整もしやすい治療です。
グロースファクター治療
一方、グロースファクター治療は、成長因子とよばれる物質が線維芽細胞を活性化し、皮膚内部のコラーゲンやエラスチンの生成を促すことで、肌そのものを再生へと導きます。
ほうれい線の根本的な改善と長期的な予防効果が期待できます。
糸リフトに向いている人・向いていない人
向いている人
- 軽度〜中等度のたるみが気になる
- リフトアップしたいが手術には抵抗がある
- ダウンタイムが取れない
向いていない人
- 骨の萎縮が進んでいる(中〜高齢)
- 皮膚が非常に薄く、溝が深い
- 1回で劇的な変化を期待している
このような場合は、糸リフト単体ではなくヒアルロン酸・グロースファクターとの併用が推奨されます。
まとめ|“引き上げ”と“再生”で自然にほうれい線を改善する方法
糸リフトは、たるみによる影を軽減し、顔全体の重心を引き上げるのに非常に有効です。
しかし、骨や皮膚の構造的な老化が進んでいる場合には限界があります。
根本的にほうれい線を改善したいなら、“支える”だけでなく“再生する”アプローチが必要です。
当院では、ほうれい線専門クリニックとして医学的根拠に基づいたカウンセリングを通じ、最適な治療法をご提案しています。
メールでの無料カウンセリングもおこなっておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。