著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
まだ若いのにどうしてほうれい線が目立つのか?
老化ではなく何かしら別の原因があるんじゃないか?
そう考えている方、実はそのとおりです。
20〜30代のうちから、老化の象徴ともいわれているほうれい線が目立つ場合、それは老化が主な原因ではありません。
多くの場合、その原因として
・生まれつきの骨格
・頬の脂肪の量
・笑い方のクセ
・肌質や乾燥
・歯科矯正
これらの5つがあげられます。
いずれも老化とは関係がありません。
ただし、これらの原因によって若いうちからほうれい線が目立ちやすい方は、将来的にここに老化の影響が加わると、そうでない方と比べてほうれい線が悪化するスピードがきわめて速いです。
そのため、若いうちからほうれい線が目立つ方は、原因が老化ではなくて良かった、と安心するのではなく、将来ほうれい線が悪化するリスクが自分は特に高いということを自覚し、できる限り早めに対策を立てることが大事です。
今回その対策法についてもご紹介するので、ぜひ早めの予防をおこない、その若々しさをいつまでも保てるようにしましょう。
目次
若いのにほうれい線ができる原因
若い方でほうれい線が目立つ場合、それはしわというよりも「影」の場合がほとんどです。
よく見られる特徴は、小鼻のわきがくぼみ、ほうれい線が短く、口の横までは伸びていないパターンです。
このタイプのほうれい線は、皮膚の老化やたるみの問題ではなく、生まれつきの骨格や頬の脂肪のボリュームが原因となります。
生まれつきの骨格
顔の骨格的に鼻の横の骨の位置が低いと、小鼻の付け根がくぼみ、ほうれい線の上の方が深くなります。
また、頬骨の位置が高い場合や口元が前に出ている場合、ほうれい線を境に頬と口元の高低差がはっきりしやすくなり、ほうれい線が目立つ傾向にあります。
頬の脂肪の量
頬の脂肪量が多いと、そのボリュームで影ができ、ほうれい線の上の部分が深く目立ちます。
生まれつき頬の脂肪が多い場合や、体重が増加したり、一時的に顔がむくんだときに目立ちやすくなります。
笑い方のクセ
こちらも若い方に多いお悩みですが、笑ったときにほうれい線が深くできるパターンです。
誰しも笑ったときはほうれい線ができますが、特に目立つ方は骨格や頬のボリュームの影響のほか、笑うときに口角や上唇を引き上げる筋肉のはたらきが強いことが原因で生じます。
若いうちは特別気にならなければ治療は必要ありません。
ただし、年齢が上がるにつれて皮膚のハリが低下し、そこにこの筋肉が動きが長期にわたり続くことで、将来的にほうれい線のしわが皮膚に刻まれてしまう可能性があるため早いうちからの予防は大事です。
肌質や乾燥
生まれつきアトピーや乾燥肌の方、皮膚が薄い方はほうれい線の皮膚の表面に浅いしわが刻まれやすく、若い方でもほうれい線が目立つことがあります。
このような皮膚の状態で、さらに笑う筋肉のはたらきが強い場合は、若くてもほうれい線にしわがくっきりと刻まれる可能性が高く特に注意が必要です。
歯科矯正
歯科矯正により頬の筋肉のボリュームが落ちると、若くてもほうれい線が目立つことがあります。
これは噛み合わせの変化により、それまでよく使っていた噛む筋肉(咬筋)をあまり使わなくなったりすると、咬筋が萎縮しボリュームが減少するため、咬筋によって支えられていた皮膚が急激にたるむことによって生じます。
また、突出していた前歯を歯科矯正により引っ込めると、それまで前歯によって支えられていた口元の皮膚がたるみほうれい線が目立つこともあります。
若い方向けのほうれい線対策
上記のとおり、若い方で目立つほうれい線は皮膚の老化やたるみの問題よりも、生まれつきの骨格や頬の脂肪量が原因となって生じることが多いです。
しかし、骨格や脂肪量を根本から直すには美容外科的な治療が必要になり、体への負担やダウンタイムが大きくそれなりのコストもかかります。
より簡単に受けられるアプローチ方法としては、ほうれい線の凹みを注入で補う治療や、頬の余分な脂肪量を機械によって減少させる治療などがあります。
若い方向けのほうれい線治療を、以下にあげます。
グロースファクター治療
グロースファクターとは、皮膚のコラーゲンを増やす作用のある製剤です。
もともと私たちの体に存在する成分であるため、皮膚に注入しても安全性に問題はありません。
これをほうれい線に直接注入することで徐々にコラーゲンが増え、ほうれい線が目立たなくなります。
注射後もダウンタイムはほとんどなく、1回の治療で数年以上の長期的な効果が得られるため、何度もくり返し治療を受ける必要はありません。
また、皮膚にコラーゲンが増えることで、ほうれい線の改善だけでなく予防にもつながるため、笑いグセが強く、放っておくと後々ほうれい線にしわが刻まれる可能性のある方などには非常に有効です。
ただし同じ「グロースファクター」という名前の治療でも、クリニックによって使用する製剤や注入方法が大きく異なるため、仕上がりや得られる効果やリスクにも差があり、クリニック選びが特に重要な治療です。
ヒアルロン酸治療
ヒアルロン酸は透明なジェル状の製剤で、こちらももとから私たちの体に存在する安全な成分です。
ほうれい線にヒアルロン酸を直接注入することで、お肌がふっくらしほうれい線が目立たなくなります。
注射後すぐに効果がわかり、ダウンタイムもほとんどないためお手軽に受けられます。
ヒアルロン酸は皮膚の中でゆっくり分解され吸収されていくため、持続効果は数ヶ月〜2年ほどです。
そのため定期的に治療を受ける必要があります。
また、ヒアルロン酸には血管を圧迫して血流障害を起こしたり、血管塞栓を起こすリスクがあるため注意が必要です。
マシーン治療(ハイフ・高周波など)
ハイフ(HIFU)
ハイフは皮膚の深部にある筋膜に超音波を照射することで、筋膜が引き締まりたるみが改善する機械治療です。
ダウンタイムはほとんどなく、気軽に受けやすい治療の一つです。
ただし上記のとおり、若い方のほうれい線は皮膚のたるみが原因で生じることは少ないため、ハイフによる改善はあまり期待できません。
高周波(サーマクール、サーマジェン、インモード、オリジオなど)
最近若い年代で人気のある機械治療です。
高周波で皮膚や脂肪に熱を与えることで、皮膚が引き締まったり脂肪が減少する治療です。
頬の脂肪が原因でほうれい線が目立っている場合は、高周波で脂肪を減少させることである程度改善につながることもあります。
しかし、1回の治療で得られる効果は、注入の治療と比べるとマイルドであるため、ある程度の効果をを得るためには何度か治療をくり返す必要があります。
また、それにも限界があり、注入治療ほどの効果は期待できないため、結果的な費用対効果が高いとはいえません。
ボトックス治療
ボトックスには筋肉の過剰なはたらきを抑える作用があります。
若い方のほうれい線のお悩みに多い、笑ったときにほうれい線が深くなるケースでは、上唇を引き上げる筋肉(上唇鼻翼挙筋・上唇挙筋)のはたらきが強い場合が多く、この筋肉にボトックスを打つことでほうれい線が深くなるのを抑えることができます。
一方、無表情のときにもほうれい線が出ている場合は、ボトックスは効果がありません。
糸リフト(スレッドリフト)
糸の表面にコグ(小さなトゲ)の付いた医療用の溶ける糸を皮膚の中に挿入し、たるみを引き上げる治療です。
糸が皮膚の中で吸収される過程でコラーゲンが生成し、たるみの予防につながります。
ただし上記のとおり、若い方のほうれい線は皮膚のたるみが原因になることは少なく、また、ほうれい線の部分は糸で引き上げても元に戻りやすいことから、最適な治療であるとはいえません。
自分でできるほうれい線ケア
保湿
皮膚が乾燥すると、角層のキメが荒くなりほうれい線のしわが目立ちやすくなります。
特に笑ったときにほうれい線が深く入るような方では、乾燥状態が続くと若くてもそのしわが皮膚に刻まれやすくなるため、しっかりとした保湿ケアが大事です。
保湿のポイントは、洗顔後に化粧水で水分を補い、乳液で油分のバランスを整え、最後に水分が逃げないようクリームで蓋をする、必ずこの順番を守ることです。
基礎化粧品はきちんとした保湿ができるものであれば十分で、多種類の美容成分を含んだ高価な美容液などは必ずしも必要ありません。
紫外線対策
紫外線は皮膚にダメージを与えコラーゲンを破壊し、しわやたるみの大きな原因となります。
季節や天候に関わらず日焼け止めをこまめに使用し、適宜帽子や日傘で遮光するなど、日常的な紫外線対策をしっかりおこないましょう。
汗を多くかいたり長時間屋外にいるような場合は、飲む日焼け止めの併用も有効です。
また、肌老化の原因となる紫外線A波(UVA)は窓ガラスを通過し屋内や車内にも到達するため、対策を怠らないようにしましょう。
美顔器
最近では、家庭用の高周波やイオン導入など、自宅で使用できる美容機器が数多く市販されています。
こういった機器はやらないよりは良いのかもしれませんが、しわやほうれい線を改善するためのものでありません。
しわやほうれい線がすでにでき始めている場合は、家庭用美顔器に固執するのではなく、早めに美容クリニックなどの専門機関に相談すると良いでしょう。
マッサージ
アンチエイジングや小顔を目的として、頻繁に顔のマッサージをおこなうことで、逆に皮膚に過剰な負担がかかり、しわやたるみの悪化につながる可能性があります。
ご自宅やサロンで顔のマッサージをおこなう場合は、やり過ぎには気をつけましょう。
表情筋トレーニング
口まわりの筋肉を鍛えることで、表情筋の衰えによる顔のたるみやほうれい線の予防を目的としたものです。
費用もかからず自宅でも簡単におこなえるため、お手軽な方法ではありますが、予防以上の効果は期待できません。
過度なトレーニングは逆に皮膚の負担になり、ほうれい線やしわの悪化につながるため、やり過ぎには気をつけましょう。
まとめ
まだ若いのにほうれい線が目立つ場合、それは老化によるものではなく、生まれつきの骨格や笑い方のの問題であることがほとんどです。
ただし、若いうちからほうれい線ができている方は、その後老化によりほうれい線が悪化するスピードも他の方と比べて速いため、できる限り早めの対処や予防が必要であることは間違いありません。
ほうれい線は放っておくと将来的に皮膚にしわとして刻まれることが多く、こうなってしまうといざ治療をしようとしても簡単にはいかなくなります。
ほうれい線が目立ちはじめている場合は、ご自宅でのスキンケアや紫外線対策など日常的にできる予防法から実践しましょう。
また、すでにほうれい線が目立っていて改善を希望する場合は、セルフケアでは限界があるため早めに美容クリニックなどの専門施設に相談すると良いでしょう。
当院はほうれい線治療を専門とするクリニックです。
20〜30代のお若い方でも、ほうれい線の改善や予防のために、多くの方が治療を受けられています。
メールでの無料カウンセリングもおこなっておりますので、ほうれい線でお悩みの方はぜひ一度お気軽にご相談ください。