著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「どうして片側だけこんなにほうれい線が目立つの?」鏡を見て不思議に思ったことはありませんか?
実はこれ、単なる偶然ではなく、笑い方や噛み合わせ、さらにはスマホの見方や寝る姿勢など、日常の些細な習慣が引き起こす”顔のミステリー”なんです。
そして、加齢や紫外線が加わることで、その左右差はますます拡大。
しかも、片側だけ目立つほうれい線は、両側に均等にあるほうれい線より老けた印象を与えることも知っていましたか?
本記事では、美容皮膚科的視点からその原因を紐解き、予防法と治療法を徹底解説!
左右のバランスを取り戻し、自信に溢れた笑顔を手に入れる方法を一緒に探りましょう。
目次
片側だけほうれい線が目立つ原因
顔の片側だけにほうれい線ができる主な原因には以下の3つがあります。
1.笑い方や表情のクセ
日常的な笑い方や表情のクセにより、顔の筋肉(表情筋)が片寄って使われると、よく動かす方の口元の皮膚に負担がかかり、片側のほうれい線だけが深くなることがあります。
たとえば、片側の口角を上げるクセや片方の口元を多く動かす話し方はその原因になります。
また、よく動かす方の筋肉がより発達するため、筋肉の形状や動きのバランスが崩れ、顔のたるみ具合にも左右差が生じ、ほうれい線が片側だけ悪化する原因につながります。
2.骨格や噛み合わせの左右差
生まれつきの骨格や噛み合わせの左右差も、片側のほうれい線が目立つ原因になります。
片方の頬骨の位置が高かったり、片側の下顎が発達していると、左右で皮膚や脂肪や筋肉のつき方に差が生じ、ほうれい線のでき方にも左右差が生じます。
そしてこのような骨格の左右差は、加齢ともに強調される傾向にあります。
また、片側だけで食べ物を噛むクセは、咬筋の左右差をさらに悪化させ、左右で顔のたるみ具合にも差が生じることから、片側だけほうれい線が目立つ原因につながります。
3.姿勢や生活習慣の影響
日常生活での姿勢や行動が、片側のほうれい線形成に影響を与えます。
たとえば、片側の顔を下にして寝る、スマホを片手で操作し続ける、片側に体重をかけて座るなどの習慣によって、顔の片側に集中して重力や筋肉の負荷がかかり、顔の半分のたるみを進行させる原因となります。
また、日常的な運転などで、片側の顔のみ紫外線にさらされる時間が長いと、顔の半分のみ皮膚の老化が急速に進行し、片側のほうれい線を悪化させる大きな原因につながります。
片側のほうれい線を放置するとどうなる?
ほうれい線が進行し深く刻まれる
ほうれい線は加齢によって進行するため、片側のほうれい線を放置すると、徐々深くなり最終的にはほうれい線のしわが皮膚に刻まれます。
刻まれたほうれい線は、皮膚の真皮層の構造が大幅に変化しているため、美容医療でも完全に改善するのが難しくなります。
一般的なヒアルロン酸の注入などでは改善は期待できず、グロースファクター治療のみが適応となります。
顔の左右差が悪化する
片側のみにできるほうれい線は、骨格や筋肉の動きの左右差に起因することが多いため、これを放置すると、加齢とともにほうれい線だけでなく顔全体の左右差がより一層顕著になります。
左右差が拡大すると顔全体のバランスを崩し、見た目に違和感を与えるだけでなく、「老けている」印象を際立たせます。
特に、たるみの影響によって頬やフェイスラインの左右差が目立つようになるため、顔全体の調和が損なわれ、疲れているような印象を与えやすくなります。
見た目年齢が大幅に上がる
片側だけ目立つほうれい線は、両側に均等にあるほうれい線よりも、見る人の視線をそこに集中させます。
その結果、他者に与えるほうれい線の印象が強くなり、全体的に「老けている」「疲れている」といった印象をもたらし、自分自身の見た目年齢に大きな影響を与えます。
また、自分自身にとっても両側よりも片側だけが目立つ場合のほうが違和感も感じやすく、鏡を見るたびに心理的ストレスを感じることがあります。
片側のほうれい線の治療法
グロースファクター治療
グロースファクター治療は、皮膚の自己再生能力を向上させ、しわやほうれい線を根本から修復する高度な美容医療です。
グロースファクターを片側のほうれい線に注入することで、線維芽細胞が活性化され、コラーゲンやエラスチンの生成が促進します。
これにより肌のハリと弾力が回復し、片側だけ目立つほうれい線が自然に改善します。
深く刻まれてしまったほうれい線に対しても唯一有効な治療法です。
さらに、1回の治療によって得られた効果は数年もしくはそれ以上持続するため、定期的な治療の必要性がなく、片側のみ目立つほうれい線にとって最も根本的な改善方法であるといえます。
ヒアルロン酸注入
リフトアップ施術は注入系治療との併用が良い
片側のほうれい線に対してのリフトアップ施術(レーザー治療や糸リフトを含む)は、単独でおこなうのでなくヒアルロン酸やグロースファクターなどの注入治療と併用することで、より有効な改善が期待できます。
この理由は、片側のほうれい線はたるみだけが原因ではなく複数の要因が絡んで生じているため、リフトアップ施術単独でおこなったとしても効果に限界があるためです。
特に、リフトアップをはかるレーザー治療(ハイフや高周波など)は片側のほうれい線に対しては、治療の回数を重ねたところで、進行の予防にはつながりますが、改善を期待できるほどの効果は得られません。
また、糸リフトなどのスレッドリフトでは、必要以上に片側のほうれい線に対する効果を得ようとしてたるみを無理に引き上げようとすると、逆に顔の左右のバランスが崩れたり、皮膚にかかる負担が増えるなど思わぬ副作用が生じる可能性があります。
そのため、リフトアップ施術はそれだけで片側のほうれい線の改善をはかるのではなく、注入治療と併用することで、顔の左右のバランスを整えつつ自然な仕上がりを実現するアプローチが推奨されます。
片側のほうれい線を予防するセルフケア
日常的なスキンケア
肌の乾燥はバリア機能の低下やコラーゲンの減少をもたらし、ほうれい線を悪化させる原因となります。
保湿ケアでは、洗顔後すぐに化粧水で水分を補い、乳液で油分のバランスを整え、クリームで水分や保湿成分を閉じ込めることが重要です。
基本的なスキンケアを徹底することで、ほうれい線の進行を予防し、左右のバランスが整った健康的な肌を維持できます。
紫外線対策
紫外線は肌の真皮層にダメージを与え、コラーゲンやエラスチンを減少させ、ほうれい線の進行を加速させる大きな原因になります。
日焼け止めは季節や天候に関わらず年間を通してこまめに使用し、必要に応じて帽子や日傘を併用し紫外線対策を徹底しましょう。