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ほうれい線のセルフケア|本当に必要な対策と効果の限界

東京リンクルクリニック院長 沖津茉莉子


著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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40代に入ってから、ほうれい線が急に気になり始めた。

鏡を見るたびに、こんな線、前からあったかなと思う。

特に嫌なのが、夕方の自分。朝はそれほど気にならなかったはずなのに、仕事を終えて鏡を見ると、口元に影ができていて、一気に疲れて老けたように見える。

何とかしたくて、SNSで見つけたマッサージを試してみる。表情筋トレーニングも始める。美顔器や美容液も気になる。

できれば美容医療に頼らず、自分の力で何とかしたい。そう思う方は多いと思います。

ですが、ほうれい線のセルフケアで、私がまずおすすめするのは「保湿」と「紫外線対策」です。

高価な美顔器も、特別な化粧品も、毎日のマッサージも必須ではありません。むしろ私は、ほうれい線を改善するためにセルフケアを頑張りすぎないでほしいと思っています。

東京リンクルクリニックは、ほうれい線治療を専門とする美容皮膚科です。この記事では、実際の診療経験を踏まえ、本当に取り入れたいセルフケアと、効果を期待しすぎない方がよい方法、その限界についてお伝えします。

この記事を読んでわかること

  • ほうれい線のセルフケアで優先したいこと
  • 保湿と紫外線対策の具体的な続け方
  • マッサージ・顔トレ・美顔器の効果と注意点
  • セルフケアで改善できる範囲と、治療を検討する目安

ほうれい線のセルフケアでまずやるべきこと

ほうれい線が気になる方に、私がまずおすすめするのは次の2つです。

  • 保湿:肌の乾燥を防ぎ、乾燥による小じわや口元の見え方を整える
  • 紫外線対策:紫外線による皮膚の光老化をできるだけ防ぐ

特別なことを始める必要はありません。高価な美容液を何種類も重ねるよりも、基本的なスキンケアを無理なく続けることが大切です。

ただし、保湿や日焼け止めは、すでにできた深いほうれい線を消すための方法ではありません。乾燥による細かなしわの見え方を整えたり、将来の皮膚老化を抑えたりすることが主な役割です。

保湿と紫外線対策の具体的な方法

保湿|乾燥による小じわを目立ちにくくする

肌が乾燥すると、口元の細かなしわが目立ち、ほうれい線まで深くなったように見えることがあります。

特に空調の効いた室内で長時間働く方は、夕方になると口元が乾燥しやすくなります。

このような場合は、保湿によって肌表面が整い、小じわやほうれい線の影の見え方が多少和らぐことがあります。

また、保湿は皮膚のバリア機能を保ち、乾燥による刺激を防ぐ上でも大切です。

一方で、ほうれい線の溝の表面には、表情筋の動きによって細かな線が刻まれることがあります。当院では、これを「折れ癖」と呼んでいます。

保湿は肌を健やかに保つために重要ですが、折れ癖そのものの形成や進行を確実に防ぐ効果が証明されているわけではありません。

ただし、すでに深く刻まれた折れ癖が保湿だけで元に戻るわけではありません。

保湿は、乾燥による見え方を整え、肌の状態を維持するためのセルフケアと考えてください。

高価な化粧品である必要もありません。

洗顔後は肌に合った保湿剤を使用し、乾燥しやすい部分には必要に応じて重ねる。刺激を感じる製品は無理に使わない。まずはこれを毎日続けてください。

▶︎[肌タイプに合った保湿方法をみる>]
▶︎[乾燥でほうれい線が目立つ理由をみる>]
▶︎[表情の動きによる折れ癖についてみる>]

参考文献:Moisturizers: The Slippery Road. Indian Journal of Dermatology. 2016.

紫外線対策|頑張るべきセルフケアを一つ選ぶならこれ

セルフケアを一つだけ選ぶなら、私は紫外線対策を優先します。

紫外線によるダメージは皮膚の光老化に深く関係し、長期的な紫外線曝露はコラーゲンを含む皮膚の構造変化や、しわ・たるみなどにつながります。

今日、日焼け止めを塗らなかったからといって、明日ほうれい線が深くなるわけではありません。

しかし、その積み重ねは数年後、10年後の肌に影響します。

日焼け止めは夏だけでなく、年間を通して使用する。

屋外に長くいる日は、汗や摩擦による落ち方に応じて塗り直す。帽子や日傘も併用する。

こうした習慣を長く続けることが、将来の光老化を抑えるために役立ちます。

もちろん、紫外線対策をしても今あるほうれい線は消えません。

それでも、これからの皮膚老化をできるだけ抑えるという意味では、最も優先したいセルフケアだと私は考えています。

▶︎[紫外線が皮膚に及ぼす影響と対策法をみる>]

参考文献:Photoaging: Mechanisms and Prevention. Clinical, Cosmetic and Investigational Dermatology. 2013. / Intrinsic Aging vs. Photoaging of the Skin. International Journal of Molecular Sciences. 2023.

セルフケアで改善できること・できないこと

保湿によって乾燥小じわが目立ちにくくなることはあります。しかし、ほうれい線のすべてがスキンケアで改善するわけではありません。

ほうれい線は、皮膚の表面だけの問題ではないからです。

鼻の横が骨格的にくぼんでいれば、そこに影ができます。

頬の脂肪が厚ければ、頬と口元の境目に段差ができます。

加齢によって皮膚のハリが低下したり、たるみが進んだりすれば、ほうれい線に皮膚が折り重なりやすくなります。

さらに、長年の表情によって皮膚そのものに折れ癖が刻まれることもあります。

このように、ほうれい線は骨格、頬の厚み、たるみ、皮膚の折れ癖など、複数の原因が重なって目立っています。

化粧品を塗っても骨格は変わりません。

マッサージをしても、頬の厚みによる段差や皮膚に刻まれた折れ癖そのものがなくなるわけではありません。

だからこそ、セルフケアで構造的なほうれい線を改善することには限界があります。

私のクリニックにも、何年もマッサージや美顔器を続けてきたものの、ほうれい線が改善しなかったという方が相談に来られます。

診察してみると、そもそも原因がセルフケアでは変えられない部分にあることも少なくありません。

セルフケアを続けていても、原因によっては変化が得られないことがあります。

できることと、できないことがあるのです。

この違いを最初に知っておくだけでも、効果の分からない方法に何年も時間を費やすことは避けられます。

▶︎[ほうれい線ができる原因について詳しくみる>]

セルフケアで改善できるか迷っている方へ。当院では、お顔の写真をもとに、グロースファクター治療の適応について無料メール相談を行っています。

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美顔器・高級化粧品はほうれい線に必要?

数万円から数十万円する美顔器や高級化粧品を見ると、高いものほどほうれい線にも効きそうに感じるかもしれません。

もちろん、それらを否定するつもりはありません。

スキンケアを楽しんだり、肌の手触りがよくなったりすることには意味があります。

ただし、ほうれい線を改善するために購入するのであれば、私は過度な期待はおすすめしません。

実際にメール相談でも、高価な美顔器を購入して毎日使ったのに、ほうれい線が変わらないという相談を受けることがあります。

ただし、機器によって期待できる作用は異なり、骨格的なくぼみや深い溝を家庭用美顔器だけで改善できるとは限りません。

高額なセルフケア用品を次々と試す前に、一度、自分のほうれい線がなぜ目立っているのかを確認した方がよいと思います。

価格だけで効果を判断せず、目的と期待できる範囲を確認することが大切です。

▶︎[基礎化粧品でほうれい線は改善する?効果と限界をみる>]

マッサージは無理に続けなくていい

SNSでは、ほうれい線を消すマッサージが数多く紹介されています。

しかし私は、ほうれい線の改善を目的とした自己流の強いマッサージはおすすめしていません。

マッサージによって一時的にむくみが軽くなり、顔がすっきり見えることはあります。

しかし、それによって骨格のくぼみやたるみ、折れ癖が改善したわけではありません。

強い力で顔をこすったり、皮膚を何度も引っ張ったりしても、構造的なほうれい線が改善する十分な根拠はありません。

それどころか、強い摩擦や刺激によって肌荒れや炎症が起きれば、赤みや乾燥など別のトラブルにつながる可能性があります。

美容のために始めたセルフケアで、肌に新たな負担をかけてしまっては意味がありません。

マッサージをしないと顔がたるむ、と不安になる必要もありません。

効果の分からない方法を無理に続けるくらいなら、私はやらない方がよいと考えています。

▶︎[ほうれい線マッサージは効果がある?やりすぎの注意点をみる>]
▶︎[ほうれい線に効くツボとセルフケアの限界をみる>]

表情筋トレーニングはやりすぎに注意

ほうれい線対策として、口を大きく動かしたり、頬を膨らませたりする表情筋トレーニングもよく紹介されています。

顔の筋肉を動かすこと自体が悪いわけではありません。

ただし、顔の運動による若返り効果については研究の質や数に限界があり、ほうれい線が確実に改善すると結論づけられるほど十分な根拠はありません。

そして特に注意したいのは、ほうれい線を消そうとして同じ強い表情を何度も繰り返すことです。

もともと笑ったときにほうれい線が深く折れ込む方では、強い表情の反復によって折れ癖がかえって目立つ可能性があります。

診察でも、動画を見ながら顔トレを続けているのにほうれい線が改善せず、口元の細かなしわまで気になるようになったという相談を受けることがあります。

もちろん、その変化がすべてトレーニングによるものとは断定できません。

ただ、ほうれい線を消すために無理に続ける必要もありません。

続けるほど線が深く見える、口元のしわが増えた気がする、顔が疲れる。

そのように感じるのであれば、一度やめてみることをおすすめします。

セルフケアは、頑張れば頑張るほど効果が現れるものではありません。

効果と安全性がはっきりしない方法については、やらないという選択も大切です。

▶︎[顔の筋トレでほうれい線は改善する?効果と注意点をみる>]
▶︎[ためしてガッテンのほうれい線対策は本当に効く?をみる>]

マッサージや保湿を続けてもほうれい線が変わらない場合は、原因を確認することが大切です。当院では写真による無料メール相談を行っています。

無料メール相談はこちら>

来院予約はこちら>

参考文献:Evidence of the Effectiveness of Facial Exercises for Facial Rejuvenation: A Systematic Review. Aesthetic Surgery Journal. 2014.

食事・睡眠・体重管理も大切なセルフケア

肌の老化を予防するためには、スキンケアだけでなく生活習慣も大切です。

十分な睡眠をとり、極端な食事制限を避け、必要な栄養をとる。

喫煙しているのであれば禁煙を考える。

ストレスをため込みすぎず、休める時間をつくる。

どれも、明日ほうれい線が消える方法ではありません。

しかし、肌全体の健康を保ち、長期的な老化をできるだけ緩やかにするためには大切です。

▶︎[ほうれい線に効果的な食事|肌のハリを守る栄養をみる>]

特に注意したいのが、急激なダイエットです。

短期間で体重を大きく落とすと、頬の脂肪も減少し、以前よりほうれい線が目立つことがあります。

実際に診療していても、ダイエット後に急にほうれい線が気になるようになった、顔だけ老けたように感じるという相談は少なくありません。

特に、もともと頬の脂肪が少ない方や、鼻の横に骨格的なくぼみがある方では、体重が減ることで顔の骨格が目立ちやすくなり、ほうれい線の影が強調されることがあります。

だからといって、ほうれい線のためにダイエットをやめる必要はありません。

健康のために減量が必要な方もいます。

大切なのは、極端な食事制限だけで短期間に体重を落とすのではなく、必要な栄養をとりながら無理のないペースで減量することです。

▶︎[ダイエットでほうれい線は改善する?をみる>]

また、喫煙は皮膚老化に関連する要因の一つです。肌全体の健康を守るという意味でも、禁煙は重要です。

睡眠不足やストレスについても同じです。

睡眠時間を増やしたからといって、ほうれい線が浅くなるわけではありません。

しかし、慢性的な睡眠不足やストレスによって生活リズムや食生活が乱れれば、肌のコンディションにも影響します。

▶︎[寝不足だとほうれい線が悪化する理由をみる>]
▶︎[ストレスでほうれい線が悪化する理由と対策をみる>]

美容のために特別なことを始める前に、まず日々の生活を整える。

地味に見えますが、長期的な若々しさを保つためには大切なセルフケアです。

セルフケアで変わらない場合は、原因を確認する

この記事で、私が最もお伝えしたいのはここです。

ほうれい線がすでに気になっているのであれば、セルフケアだけで変わらない場合は、原因を確認することも選択肢です。

マッサージを半年続ける。

変わらないから美顔器を買う。

それでも変わらないから、今度は高価な美容液を試す。

それでも変化がないなら、別の方法を探し続ける前に、原因を確認するという選択肢があります。

私は患者さんに、ほうれい線の折れ癖について紙の折り目を例に説明することがあります。

一度軽く折った紙なら、広げるとある程度元に戻ります。

しかし、同じ場所を何度も折り続ければ、折り目は深く残ります。

ほうれい線の折れ癖も似ています。

若いうちは笑ったときだけ線ができ、真顔になると元に戻っていたものが、年齢とともに真顔でもうっすら残るようになる。

さらに時間が経つと、その線が深く刻まれていく。

このような変化は珍しくありません。

長年深く刻まれたしわは、治療を行っても完全に消すことが難しい場合があります。一方、比較的浅い段階であれば、選択できる治療や期待できる変化が異なることもあります。

だからこそ、気になり始めた段階で一度、専門家や医療機関に相談するのもよいと思っています。

もちろん、相談したからといって必ず治療を受ける必要はありません。

まず、自分のほうれい線がなぜ目立っているのかを知る。

それだけでも意味があります。

原因が分かれば、今すぐ治療した方がよいのか、セルフケアを続けながら様子を見てもよいのかも判断しやすくなります。

原因を知らないままセルフケアを続けるより、最初に方向性を確認しておく。

その方が、遠回りしないと私は考えています。

▶︎[ほうれい線治療の選び方|失敗しないための基本をみる>]
▶︎[ほうれい線の予防法|セルフケアから美容医療までをみる>]

セルフケアは治療後も続けるべき

セルフケアだけで構造的なほうれい線を改善することには限界があります。

しかし、治療を受けたからといってセルフケアが不要になるわけではありません。

グロースファクターやヒアルロン酸などで今あるほうれい線を改善しても、加齢そのものが止まるわけではないからです。

治療で今あるほうれい線を改善し、セルフケアでこれからの老化をできるだけ予防する。

この2つを組み合わせることが大切です。

治療後も基本的なスキンケアや紫外線対策、生活習慣を続けることで、肌全体の健康を保つことにつながります。

セルフケアと美容医療は、どちらか一方を選ぶものではありません。

それぞれにできることと、できないことがあります。

役割を分けて上手に取り入れることが、自然な若々しさを長く保つための現実的な方法だと私は考えています。

▶︎[グロースファクター治療の詳細をみる>]
▶︎[ヒアルロン酸注入の詳細をみる>]

よくある質問

ニベアやワセリンでほうれい線は改善しますか?

保湿には役立ちますが、骨格や頬の形によるほうれい線の影や深い溝を改善するものではありません。

乾燥によって口元の細かなしわが目立っている場合は、保湿によって肌表面が整い、見え方が多少和らぐことはあります。

ただし、骨格によるくぼみや頬の厚みによる影、たるみなどが変わるわけではありません。

▶︎[ワセリンでほうれい線は改善する?効果と注意点をみる>]

▶︎[ニベアでほうれい線は改善する?保湿ケアの限界をみる>]

レチノール化粧品はほうれい線に効果がありますか?

レチノールには、光老化による細かなしわなどの皮膚変化に対する効果が報告されています。

ただし、構造的なほうれい線を単独で改善するものではありません。

ほうれい線が目立つ原因が骨格や頬の厚み、たるみなどにある場合は、レチノールを使用しても原因そのものは変わりません。

また、レチノールは刺激や乾燥を感じることもあるため、使用する場合は肌の状態を見ながら取り入れることが大切です。

ローラー美顔器は使わない方がよいですか?

使用すること自体が問題なのではありません。

ただし、ほうれい線を消そうとして強い力で何度も皮膚をこすったり、長時間使用したりすることはおすすめしません。

使用後に赤みや痛み、ヒリヒリ感が出るのであれば、一度使用を中止してください。

▶︎[美顔ローラーでほうれい線は改善する?効果と注意点をみる>]

片側だけほうれい線が深い場合もセルフケアで改善できますか?

ほうれい線の左右差には、骨格や頬の厚み、表情の動きなど、様々な要素が関係しています。

原因によってはセルフケアだけで左右差を改善することは難しいため、左右差が目立って気になる場合は、一度原因を確認することをおすすめします。

▶︎[片側だけ目立つほうれい線|原因と対策をみる>]
▶︎[片側だけ目立つほうれい線の治療法をみる>]

ほうれい線が気になり始めたら、いつ治療を検討すればよいですか?

私がおすすめしているのは、気になり始めた段階で一度相談することです。

必ずしも、その場で治療を受ける必要はありません。

ただ、ほうれい線は原因によって適した治療が異なります。

早い段階で自分のほうれい線の原因を知っておけば、必要のないセルフケアに何年も時間や費用をかけずに済むこともあります。

まとめ|セルフケアは基本を無理なく続ける

ほうれい線のセルフケアについて、私の考えはシンプルです。

肌を健やかに保ちたいなら、保湿と紫外線対策を続ける。

すでに目立っているほうれい線を改善したいなら、原因を見極めて必要に応じて治療を検討する。

セルフケアは大切ですが、できることには限界があります。

一方で、美容医療を受ければセルフケアが必要なくなるわけでもありません。

予防と改善を分けて考え、それぞれに適した方法を選ぶことが大切です。

セルフケアを続けても以前よりほうれい線が目立ってきたと感じるのであれば、一度専門家に相談してみてください。

セルフケアを頑張りすぎず、自分の状態に合った方法を選んでいただければと思います。

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