

著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
ドクター紹介はこちら
電車の窓や鏡に映る自分の顔。
「あれ?こんなにほうれい線目立ってたっけ?」とドキッとしたことはありませんか?
思わず焦って、SNSや動画で見かけた“顔の筋トレ”や“フェイシャルマッサージ”を始めたけど、なんとなく前より深くなってない…?
実はそのセルフケア、逆効果になっているかもしれません。
ほうれい線は、ただ「顔のたるみ」だけが原因ではありません。
むしろ、間違った動かし方や摩擦が原因でしわを刻んでしまうことも多いのです。
この記事では「やってはいけないNGケア」から「医学的に正しいケア方法」まで、 専門クリニックだからこそ語れる本当の知識をしっかり解説していきます。
ざっと読むだけで「本当に効果のあるほうれい線のケア方法」が、今日からはっきりとわかるようになります。
目次
ほうれい線は間違ったセルフケアで悪化する
ほうれい線に対して間違ったセルフケアをおこなうと、効果がないどころか悪化につながります。
顔の筋トレでしわが悪化する可能性
口まわりの筋肉をよく動かすことでたるみを予防し、ほうれい線の改善をはかるトレーニングがありますが、これが原因で逆にしわやほうれい線が悪化することがあります。
その理由は、ほうれい線ができる原因は単純に顔のたるみだけでなく、皮膚自体の老化や笑い方の癖など、複数の要因が絡んで生じているからです。
たとえば、皮膚のコラーゲンが低下しハリや弾力が落ちている場合、口元の筋肉を過剰に動かすことで皮膚に負担がかかり、皮膚の表面にしわの跡が残りやすくなります。
そして、顔の筋トレによりこの動作がくり返されることで、結果としてほうれい線が皮膚に刻まれてしまうのです。
特に、乾燥肌の方や、もともとの表情の癖で笑ったときにほうれい線がくっきりと目立つ方は、顔の筋トレを続けることにより皮膚にしわが刻まれる可能性が非常に高いです。
したがって、顔の筋トレはたるみの予防にはつながりますが、すでに出始めているほうれい線を改善することはできず、逆に悪化させる可能性もあるため、やりすぎには注意しましょう。
顔のマッサージでたるみやしみが悪化する可能性
市販の美顔器や顔のマッサージ、フェイシャルエステなどで、たるみが進行したりしみや色素沈着の悪化につながる可能性があります。
これは、皮膚を伸展させたり過剰な圧をかけることで、皮膚の中のコラーゲンやエラスチンの組織が壊れるだけでなく、皮膚と筋肉の結合がゆるみ、皮膚を骨に固定している靱帯が伸びてしまうことが原因です。
また、皮膚を擦ることにより、バリア機能が破壊され小じわの原因になったり、肝斑や色素沈着を引き起こす可能性もあります。
そのため、顔のマッサージはごく軽く、血流やリンパの流れを促す程度のものにしましょう。
ほうれい線対策の基本となる正しいセルフケア方法
自分で簡単にできるほうれい線の正しいケア方法を紹介します。
保湿
最もシンプルですが実は一番重要で、意外と十分にできている方が少ないのが保湿です。
皮膚の乾燥が進むと、小じわの原因になったり、ほうれい線が皮膚の表面に刻まれやすくなります。
保湿を十分におこなうには、スキンケアの順序が大事です。
洗顔後はすぐに化粧水で水分を補い、乳液で油分のバランスを整え、最後にクリームで蓋をする、この工程を欠かさずおこなようにしましょう。
ヒアルロン酸やセラミドなど基本的な保湿成分が十分に含まれた基礎化粧品であれば、高価な美容液や専用のクリームである必要はありません。
紫外線対策
紫外線はほうれい線だけでなく、あらゆるしわ、しみ、たるみの大敵です。
適度な紫外線はビタミンD合成に必要で、不足すると骨粗しょう症の原因ともなりますが、通常の日常生活をする上で紫外線の照射量が不足することはほとんどありません。
長時間屋外に出るときは帽子や日傘やサングラスなどで遮光し、日焼け止めをこまめに使用するようにしましょう。
紫外線には、肌に赤みや色素沈着をもたらす紫外線B波(UVB)と、しわやたるみなど肌老化の原因となる紫外線A波(UVA)の2種類があります。
このうち紫外線A波(UVA)は、冬場や天候の悪い日でも多く降り注ぎ、窓ガラスを通過して屋内にも到達するため、日焼け止めの使用は日々怠らないようにしましょう。
生活習慣の見直し
ほうれい線の原因となる皮膚の老化は、生活習慣を見直すことで予防できます。
食生活の改善
皮膚の老化の予防につながるポイントは以下の3つです。
- タンパク質を十分に摂る
皮膚のハリや弾力を保つために必要なコラーゲンやエラスチンはタンパク質から作られます。 - ビタミンやミネラルを十分に摂る
ビタミンB・C・Eは皮膚の健康を維持する上で重要です。
ミネラルでは特にカルシウムが皮膚の水分保持やターンオーバーを維持する上で重要です。 - 糖質を摂りすぎない
糖質を過剰に摂取するとAGEs(糖化最終生成物)いう物質がつくられ、これを糖化といいます。
AGEsが皮膚に沈着すると、しみや黄ぐすみのほか、皮膚のコラーゲンを破壊ししわやたるみの原因となります。
また、糖質が代謝される際にビタミンB群が消費されるため、ビタミン不足による肌荒れや肌の老化が生じやすくなります。
十分な睡眠
睡眠を十分にとることで成長ホルモンが分泌され、日中に受けた皮膚のダメージの修復にはたらきます。
そのため睡眠不足が続くと皮膚のダメージが蓄積されいていき、しわやたるみの原因となります。
成長ホルモンが分泌されるピークは入眠後3〜4時間であるとされているため、睡眠の前半は特にしっかりと深く寝るようにしましょう。
ストレスを溜めない
ストレスを受けるとコルチゾールというホルモンが分泌され、皮膚のバリア機能の低下をもたらし肌荒れや乾燥を引き起こしたり、皮膚のコラーゲン量を減少させて肌老化の原因となることが知られています。
適度な運動や趣味の時間を確保するなど、適度に心身のリラックスをはかりましょう。
セルフケアで限界を感じたら、美容医療の併用も視野に
セルフケアはあくまで“予防”や“進行の抑制”が目的であり、すでに目立ってしまったほうれい線を根本から改善するのは難しいのが現実です。
そんなときは、美容医療の力を借りるのも選択肢の一つです。
なかでもグロースファクター治療は、真皮層の線維芽細胞を活性化し、コラーゲンやエラスチンの生成を促すことで、肌の内側からしわを改善する治療法です。
1回の注射の施術により、数年以上にわたる持続効果が得られる点も大きな魅力です。
また、ヒアルロン酸注入は、ほうれい線の溝をふっくらと持ち上げる即効性のある治療法で、見た目の変化をすぐに感じたい方におすすめです。
セルフケアと適切な医療の併用によって、より確実で納得感のあるほうれい線対策を実現することができます。
まとめ
ほうれい線に対して間違ったセルフケアをおこなうと、効果が得られないどころかほうれい線の悪化につながります。
また、セルフケアはほうれい線を改善する効果は期待できず、あくまでもほうれい線の予防や、進行を遅らせる目的でおこなうものです。
正しいセルフケアでほうれい線の進行を遅らせ、同時にすでに出てしまっているほうれい線の症状に対しては適切な治療をおこなう、それが今後長年にわたりほうれい線と付き合う上で重要なポイントです。
当院はほうれい線治療を専門におこなっているクリニックです。
メールでの無料カウンセリングもおこなっておりますので、ほうれい線が気になり始めた方は、いつでもお気軽にご相談ください。