

著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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ふと鏡を見たとき、「最近、少し老けたかも…」と感じたことはありませんか?
目元のくまや口元にうっすら刻まれた“ほうれい線”に気づいて、思わずギョッとしたという方もいるかもしれません。
「とはいえ男だし」「歳相応だよな」と思いつつも、やはり気になるのが“見た目の印象”。
特に人と会う機会が多い方や、営業・管理職といった立場になるほど、その影響を肌で感じることも増えてきます。
最近では、美容医療を取り入れる男性も年々増加しており、見た目の清潔感や若々しさは、ビジネスの信頼感にもつながる重要な要素と考えられるようになってきました。
実際、男性のほうれい線は女性よりも目立ちやすく、一度深く刻まれるとセルフケアでは改善が難しいケースも少なくありません。
そこで注目されているのが、皮膚の内側からコラーゲン生成を促す「グロースファクター治療」です。
自然な仕上がりと長期的な効果が期待でき、特に男性の深いほうれい線に適したアプローチとして高い評価を得ています。
この記事では、男性特有の肌構造や老化の傾向をふまえ、ほうれい線を根本から改善するための方法を美容皮膚科医がわかりやすく解説します。
「そろそろ本気でなんとかしたい」と感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
男性のほうれい線が目立つ原因とは?
男性のほうれい線が女性に比べて目立ちやすい原因は、以下の4つがあげられます。
皮膚のキメが荒く影が目立ちやすい
男性の皮膚は女性と比べてキメが粗く、表面の光を均一に反射しにくいため、影が濃く見えやすい構造になっています。
そのため、同じ深さのしわでも男性のほうが目立ってしまう傾向があります。
インナードライ肌でしわが刻まれやすい
男性は女性と比べて皮脂分泌が多い一方で、皮膚内部の水分量が少ない乾燥性脂性肌(インナードライ)になりやすいのも特徴です。
乾燥が進むと肌の弾力が低下し、皮膚の表面にしわが刻まれやすくなります。
肌ダメージを受けやすい環境にいる
男性は女性と比べて肌に負担がかかりやすい環境にいることが多いです。
・スキンケア不足
多くの男性は十分なスキンケアの習慣がなく、肌荒れや乾燥により皮膚の老化が早く進み、結果としてほうれい線の悪化につながりやすくなります。
・紫外線の影響
アウトドアや日焼け習慣により長期的な光老化が進行します。一昔前は日焼けサロンが流行った時代もあり、その影響が歳を重ねてから現れる方もいるはずです。
・シェービング
日々の髭剃りによる摩擦でバリア機能が低下しやすく、肌が乾燥や炎症を起こしやすい状態にあります。
進行してから治療に来るケースが多い
男性の場合、女性と比べて美容に対する意識の差もあることから「まだいいか」と放置してしまい、しわが深く刻まれてから来院されるケースが圧倒的に多いです。
この段階では、一般的なヒアルロン酸治療では改善が難しくなります。
男性のほうれい線を消すおすすめ治療
男性のほうれい線は、しわの深さや進行度によって治療法の選び方が変わってきますが、当院が最も効果的と考えるのが「グロースファクター治療」です。
グロースファクターで深いほうれい線を根本から改善
グロースファクターとは、皮膚のコラーゲンやエラスチンの生成を促し、肌そのものを再生へ導く成分です。
もともと体内にも存在する物質であるため安全性が高く、アレルギーのリスクもきわめて低いのが特徴です。
これをほうれい線に注入することで、皮膚の内側からコラーゲンが増え、ハリや弾力が向上し、しわが自然と浅くなっていきます。
1回の治療で数年〜10年以上効果が持続し、ダウンタイムも少ないため、忙しい男性にも適した治療法です。
また、この治療は単なる一時的な対処ではなく、肌自体が修復されるため、得られた効果がすぐに失われることはありません
老化の進行を抑える効果も期待でき、治療後の肌はしわが刻まれにくい状態へと変化していきます。
ただし、グロースファクター治療はクリニックによって使用製剤や注入技術に差があるため、仕上がりや効果にはばらつきが生じます。
信頼できるクリニックで受けることが、納得のいく結果を得るための鍵となります。
ヒアルロン酸注入でほうれい線はどこまで改善できる?
一方で、ヒアルロン酸注射は、皮膚の下に透明のジェル状の製剤を注入し、ほうれい線の凹みを物理的に持ち上げることで即時的に目立たなくさせる治療です。
注射直後から見た目に変化が表れるため、短期的な印象改善を求める方には適しています。
ただし、皮膚内で徐々に吸収されていくため、効果は数か月から1〜2年程度で消えてしまい、継続的なメンテナンスが必要です。
また、皮膚の表面に刻まれたしわに対しては効果が期待できません。
ハイフや高周波治療は本当に効果ある?
ハイフ(HIFU;高密度焦点式超音波)
皮膚の深部の筋膜に超音波を照射することで、熱凝固作用による即時的なリフトアップ効果とコラーゲン生成によるたるみの予防的効果が得られる治療です。
定期的に受けることでほうれい線の進行予防や軽度の改善にはつながりますが、すでに目立っているほうれい線を“消す”といったような直接的な効果は期待できません。
高周波(サーマクール、サーマジェン、ボルニューマ、オリジオなど)
高周波で真皮層や脂肪組織に熱を与えることで、皮膚が引き締まりハリ感が出る治療です。
こちらもほうれい線の予防やたるみの軽度改善をはかる場合は有効な治療です。
ただし、得られる効果は非常にマイルドであるため、より確実な効果を得るにはグロースファクターやヒアルロン酸の注入治療と併用する必要があります。
笑ったときのほうれい線にはボトックスが有効?
笑ったときだけ目立つタイプのほうれい線には、ボトックス注射が有効なケースもあります。
これは筋肉の動きを一時的に抑えることで、表情じわが刻まれるのを防ぐものですが、無表情の状態でのほうれい線に対しては効果がないため、適応を見極めることが大切です。
糸リフトでほうれい線は引き上がる?
糸の表面にコグ(小さなトゲ)の付いた医療用の溶ける糸を皮膚の中に挿入し、たるみを引き上げる治療です。
糸が皮膚の中で吸収される過程でコラーゲンが生成し、将来的なたるみの予防にもつながります。
ただし、ほうれい線にアプローチする際の中顔面は後戻りもしやすく、効果も限定的であるため、糸リフト単独での治療ではなく他の治療と組み合わせて行う方がより良いでしょう。
男性が自宅でできる!ほうれい線を消すセルフケア
自宅でできるシンプルな保湿ケア
まず、最も基本でありながら重要なのが「保湿」です。
洗顔後は、化粧水で肌に水分をしっかり与え、その後乳液やクリームで水分の蒸発を防ぐことがポイントです。
特に髭剃り後は、肌のバリア機能が低下しているため、乾燥しやすくなっており、保湿ケアが欠かせません。
高価な美容液を使う必要はありませんが、毎日きちんとしたスキンケアを継続することがしわ予防につながります。
紫外線はほうれい線を深くする
次に、紫外線対策も非常に重要です。
紫外線は皮膚の真皮にダメージを与え、コラーゲンを破壊し、しわやたるみの進行を加速させます。
男性は女性に比べて日焼け止めを使用する習慣が少ない傾向がありますが、これは見た目の老化を早める大きな原因の一つです。
日差しの強い日はもちろん、曇りの日や室内にいるときでも、日焼け止めを使用する習慣をつけることが肌を守る第一歩です。
家庭用美顔器は有効?
最近では、家庭用の高周波やイオン導入など、自宅で使用できる美容機器が数多く市販されています。
このような機器は予防としては有効かもしれませんが、しわやほうれい線を改善するためのものでありません。
しわやほうれい線がすでに目立ち始めている場合は、家庭用美顔器に頼り続けるよりも、早めに美容クリニックなどの専門機関に相談すると良いでしょう。
顔のマッサージは逆効果?
アンチエイジングや小顔を目的として頻繁に顔のマッサージをおこなうことで、逆に皮膚に過剰な負担がかかり、しわやたるみの悪化につながる可能性があります。
ご自宅やサロンで顔のマッサージをおこなう場合は、やり過ぎには気をつけましょう。
表情筋トレーニングは効果ある?
口まわりの筋肉を鍛えることで、表情筋の衰えによる顔のたるみやほうれい線の予防を目的としたものです。
費用もかからず自宅でも簡単におこなえるため、お手軽な方法ではありますが、明確な改善は期待できません。
過度なトレーニングは逆に皮膚の負担になり、ほうれい線やしわの悪化につながるため、やり過ぎには気をつけましょう。
ほうれい線と一緒に治療したい男性の人気部位
ほうれい線以外に男性で悩まれる方が多く、ほうれい線治療と一緒に受けることが多い治療部位を紹介します。
額や眉間のしわも改善!男性に人気のボトックス治療
目を見開いたときに出る額の横じわや、眉をひそめたときや物よく見るときに出る眉間の縦じわは、男性で特に目立つことの多いしわです。
これらのしわは表情を動かしたときにできる表情じわとよばれるもので、ボトックス治療で改善が可能です。
ボトックスを額や眉間の筋肉に打つことで、筋肉の過剰なはたらきが抑えられ、表情じわができにくくなり、皮膚の表面にしわが刻まれることを予防できます。
マリオネットラインの影も一緒に消したい男性へ
マリオネットラインとは口角の両側から下顎にかけて伸びるしわや影のことです。
マリオネットラインは頬のたるみが主な原因で生じますが、ほうれい線と位置が近いことからつながって見えたり、両方目立って見えることが多いため、ほうれい線と一緒に治療を希望される方が多いです。
マリオネットラインを根本的に改善する場合には、フェイスリフトなどの大がかりな外科治療が必要となりますが、軽度であればヒアルロン酸の注入治療で目立たなくすることが可能です。
まとめ|男性のほうれい線は消せる?専門医の見解
男性のほうれい線は、女性よりも肌の構造や生活習慣の影響を受けやすく、しわが深く刻まれやすいという特徴があります。
そのため、気づいた段階でスキンケアや紫外線対策といった予防をしっかりおこない、症状が進行してしまう前に対策を講じることが非常に重要です。
そして、すでに目立ち始めたほうれい線を“本気で消したい”場合には、皮膚の構造自体に働きかける医療的アプローチが必要になります。
特にグロースファクター治療は、刻まれたしわの改善と予防の両方に効果があり、男性のほうれい線治療において最も有効な選択肢といえるでしょう。
当院は、ほうれい線治療を専門とする美容クリニックとして、男性のお客様にも多くご来院いただいております。
治療のご相談は、メールによる無料カウンセリングからも受け付けておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。