著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「ハイフをすれば、ほうれい線が消えるはず！」
そんな期待を抱いてクリニックの扉を叩く方は少なくありません。
実際に、ハイフ（HIFU＝高密度焦点式超音波）は、筋膜のゆるみによる“たるみ”を改善する非侵襲的な若返り施術として高い人気を集めています。
たしかに、ハイフによる即時的なリフトアップ効果は、ほうれい線の見た目の印象を一時的に改善し、熱の力でコラーゲン生成が促進されることで、たるみの予防効果ももたらします。
でも実は、ハイフだけを受け続けたからといって、すでに目立っているほうれい線を根本的に改善することはできません。
それは、ほうれい線は単なる“たるみ”の問題ではなく、加齢による骨や脂肪の構造的な変化や、皮膚そのものの質の低下が関与する複合的な問題だからです。
本記事では、美容皮膚科医の視点から、ハイフの本来の役割とその限界、そして本当に効果的な治療法についてわかりやすく解説します。
「自分には何が必要なのか？」を見極めるために、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ハイフだけでは“ほうれい線が消えない”本当の理由とは？
まず押さえておきたいのが、「ハイフでほうれい線はほとんど変化しなかった」と感じる方が少なくないという事実です。
その原因は、大きく分けて2つあります。
骨や脂肪の構造変化による“たるみだけではない”ほうれい線の原因
加齢とともに顔の骨（特に上顎骨）が萎縮し、頬の脂肪が下垂してくると、皮膚を支える構造が失われて深い溝や影が生まれます。
こうした立体的で構造的な変化は、単純に筋膜を引き締めるだけのハイフでは補いきれません。
つまり、ハイフではアプローチできない原因が存在するということです。
加齢による皮膚の菲薄化とほうれい線の折れ曲がり
もう一つの原因は、ほうれい線の部分で皮膚が薄くなる「菲薄化（ひはくか）」が進行していることです。
加齢によって真皮層のコラーゲンが減少しハリや弾力が低下すると、頬のたるみの重みに皮膚が耐えきれず、折れ曲がりやすくなります。
この“折れ曲がり”が深い溝やしわとなって現れるのが、ほうれい線です。
ハイフにもコラーゲン生成を促す効果はありますが、すでに深く刻まれた折れ曲がりを“立て直す”ほどの強力な再生力は期待できません。
そのため、改善にはより直接的なアプローチが必要になります。
ハイフの原理と作用──たるみ予防と即時的な印象変化
ハイフ（高密度焦点式超音波；HIFU）は、肌の深層、特にSMAS筋膜に熱エネルギーをピンポイントに照射し、コラーゲンの収縮と新生を促進する医療機器治療です。
熱凝固作用によって筋膜が収縮することで、施術直後から軽度なリフトアップ効果が生じ、肌にハリが出たような見た目の変化を感じやすくなります。
さらに、熱ダメージを受けた組織が修復される過程でコラーゲン生成が促され、将来的なたるみ予防にもつながるというメリットがあります。
そのため、ほうれい線ができ始めでまだ浅く、「早めに予防対策をしたい」という方には有効な治療法です。
▶︎［ハイフ（HIFU）とは何か？詳細をみる＞］
▶︎［ほうれい線のでき始めにするべき対策法をみる＞］
本格的な改善には注入治療が必要
「すでに目立ってしまっているほうれい線をどうにかしたい」という場合、ハイフ単独では限界があります。
このようなケースでは、ヒアルロン酸やグロースファクターといった注入治療との併用が必要になります。
ヒアルロン酸注入｜即時的な凹み改善
ヒアルロン酸は、皮膚の凹みに直接ボリュームを与えることで、ほうれい線を浅く見せる治療法です。即効性が高く、1回の施術で変化を実感しやすい点がメリットです。
ただし、時間とともに体内に吸収されるため、効果を維持するには定期的な再注入が必要です。 つまり、対症療法としては有効でも、根本治療とは言えないのです。
根本治療として注目されるグロースファクター
「見た目だけでなく、肌そのものを若返らせたい」 そんな方におすすめなのが、グロースファクター（成長因子）治療です。
グロースファクターは、真皮層の線維芽細胞に働きかけ、コラーゲンやエラスチンの再生を促します。
皮膚の厚みや弾力が高まり、ほうれい線の“土台そのもの”が改善されていくのが特徴です。
ヒアルロン酸のようにボリュームを補うのではなく、肌そのものを内側から再生させる点で、根本的かつ自然な若返り効果が期待できる治療です。
▶︎［グロースファクター治療の詳細をみる＞］
▶︎［グロースファクターとヒアルロン酸の違いをみる＞］
ハイフは“予防”と“補助”、改善には注入治療を組み合わせて
ハイフは、たるみを改善する非侵襲的な施術として有効ですが、「ほうれい線をなくすための治療」ではありません。
あくまでも、「これ以上深くしないための予防」や「老けた印象を整える補助」としての位置づけです。
深く刻まれてしまったほうれい線の改善には限界があるため、注入治療との併用が現実的かつ効果的です。
中でもグロースファクターは、皮膚の再生力を引き出し、たるみによる構造的な影を自然に浅くしていく治療として注目されています。
まとめ｜「ハイフでは消えなかった」方こそ、適切な治療選びを
ハイフで思ったような効果を感じられなかった方の多くが、「自分のほうれい線の原因」が単なる“たるみ”だけでなかったことに後から気づかれます。
だからこそ、構造的な原因を正しく見極め、肌の状態に合わせたアプローチが必要です。
当院はほうれい線治療を専門に行っており、メールでの無料カウンセリングも受け付けております。
本記事を執筆した院長が直接ご対応いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
