

著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「最近、笑いじわの跡が消えずに肌にずっと残っているような気がする」
「どんなに保湿しても、ファンデーションがほうれい線に溜まって目立ってしまう」
そんな違和感を抱いた瞬間、ふと鏡の中の自分に年齢を感じてしまうことはありませんか?
スキンケアをどんなに頑張っても全然消えない、若い頃はこんな線なかったのに――
その理由は、あなたの気にしているその線が、単なるしわではなく、“折れ癖”という深刻な問題を抱えているからかもしれません。
実は、この肌表面に見られる“折れ癖”は「皮膚の表層がすでに壊れてしまっている状態」であり、セルフケアでは決して改善できず、それどころか放置するとどんどん深く刻まれてしまうのです。
でも、ご安心ください。
美容医療には、折れ癖そのものを薄く改善し、さらに新たな折れ癖がつきにくい肌へ導く「グロースファクター」という方法があります。
この記事では、ほうれい線に折れ癖が付いてしまう仕組みと、自然で長持ちする根本治療・予防法を、美容皮膚科医の視点で詳しく解説します。
あなたが「今の自分に合った一番の解決策」を見つけられるよう、専門的かつ分かりやすくお伝えします。
目次
ほうれい線の“折れ癖”とは?
通常のほうれい線は、骨格による影や、頬のたるみで皮膚が折れ曲がることによってできる「溝」や「細長い凹み」です。
一方、“折れ癖”とは皮膚そのものに刻まれたしわであり、皮膚を軽く伸展させてフラットな状態にしても、肌の表面に線が残るのが特徴です。
折れ癖ができるメカニズム
折れ癖が発生するメカニズムは以下の通りです。
- 表情筋のくり返しの動きや、皮膚への圧力によって、真皮層のコラーゲン繊維が断裂・挫滅
- 皮膚のハリや弾力が低下し、折れ曲がりやすく、折れた跡が元に戻りにくくなる
- 加齢や紫外線、乾燥によって線維芽細胞のダメージ修復能力が低下し、折れた跡がそのまま定着してしまう
さらに、このメカニズムが発生する主な原因を次に解説します。
ほうれい線に折れ癖が付く原因
折れ癖は単なる老化だけでなく、以下のような複数の要因が重なって発生します。
1. 表情筋による繰り返しの負荷
- 笑顔・会話・食事などで同じラインが折れ曲がり続けることが直接的な原因となります。
- 表情が豊かな人やお話好きの人、営業職・接客業の人に多い傾向です。
2. 皮膚のコラーゲン・エラスチンの減少
- 加齢や紫外線による真皮層の劣化によって皮膚が薄く弱くなり、折れ曲がりやすくなります。
- さらに皮膚の弾力の低下が進むと、折れた跡が自然に戻りにくくなります。
3. 元の骨格・皮膚の薄さ
- 元々皮膚が薄い人は、笑いじわの跡が残りやすく、折れ癖が定着しやすい傾向にあります。
- 口元が前に出ているなど骨格的な特徴により、元々笑いじわが出やすい人は要注意です。
4. 生活習慣・外的要因
- 乾燥・睡眠不足・片側噛み・うつ伏せ寝なども折れ癖の悪化の要因となります。
折れ癖はセルフケアで改善できる?
多くの方がまず試すセルフケアですが、その限界を理解することが重要です。
改善ではなく「予防」「悪化の防止」にとどまる理由
大前提として理解しておくべき点は、折れ癖は「皮膚の表層がすでに壊れてしまっている不可逆的な状態」であるため、美容液やマッサージで治すことはできないということです。
これを知らずにセルフケアだけに固執して無理して治そうとすると、無駄な時間やコストがかかるだけでなく、逆に折れ癖を悪化させてしまう可能性もありす。
たとえば、たるみに効きそうな表情筋トレーニングを過度に継続することで、口角の周囲に無理な負荷がかかり、折れ癖の食い込みが深く定着してしまうことさえあります。
そのため、セルフケアはあくまでも「これ以上悪化させないため」の補助的手段であることを、きちんとわきまえる必要があります。
「予防」に有効なセルフケア
とはいえ、折れ癖の定着・進行防止のためには、毎日のセルフケアを無下にしてはいけません。
- 紫外線対策(日焼け止めのこまめな使用、日傘・帽子の活用)
- 保湿・抗酸化成分によるスキンケア(ビタミンC、ナイアシンアミド、レチノール等)
- 表情癖の見直し(片側で噛む、うつ伏せ寝の回避)
以上のような、今後の進行を防ぐためのケアを習慣づけましょう。
美容医療での改善と現実的な限界
ここからは、折れ癖の改善に有効な美容医療について詳しく説明します。
完全に「消しゴムのように消す」治療は存在しない
まず、念頭に置くべきことは、残念ながら美容医療にも「限界」があります。
- 折れ癖は真皮層レベルの損傷であり、100%完治はほぼ不可能
- ただし、美容医療の介入で大幅な改善+進行予防は可能
理想と現実のギャップを理解した上で、冷静に最適な選択をしましょう。
“折れ癖”を伴うほうれい線に対する主な治療法と特徴
ここからは「折れ癖」に対する複数の治療法を比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
①ニードルRF・肌育注射
ポテンツァなどの機械治療や、リジュランやスネコス・ジュベルックといった肌育系の注射治療を繰り返し施術することで、徐々に肌質を改善する方法です。
- 微細な針+高周波/肌育成分で真皮の再生を促す
- 複数回(5〜10回)の施術が必要、徐々に改善
- コストと時間がかかるが、総合的な肌質改善を目指す人に適応
②ヒアルロン酸注入(溝は埋まるが折れ癖は改善できず)
選ばれる方の多い治療ですが、折れ癖には効果が期待できないことを理解しておきましょう。
- 溝を直接埋めるため、ほうれい線全体の印象を浅く目立たなくさせることは得意
- ただし、折れ癖の原因である皮膚表層の構造は修復できず、根本改善は期待できない
- 表情に追従できず、笑ったときに不自然な段差や膨らみが目立つことがある
- 血流障害や遅発性結節のリスクも軽視してはならない
③グロースファクター治療(根本改善+予防も可能)
折れ癖の改善で最も有効とされる治療法です。
- 成長因子を真皮に注入し、コラーゲン・エラスチン再生を誘導
- 1回で確実な改善が期待でき、効果は数年〜10年以上持続
- 表情変化に自然に馴染み、不自然さや違和感がほとんどない
- 皮膚のハリ・弾力を高め、新たな折れ癖がつきにくくなる予防効果も併せ持つ
④ボトックス・糸リフトの併用
症状や希望に応じて補助的に組み合わせる方法です。
- 表情筋の動きを弱めるボトックスは「折れ込み予防」に有効
- 中顔面のたるみが強い場合は糸リフトで引き上げを併用
▶︎[ほうれい線のボトックス治療の詳細をみる>]
▶︎[ほうれい線の糸リフトの詳細をみる>]
治療法比較表(折れ癖に対する治療)
各治療法を比較することで、自分に合う方法を選びやすくなります。
治療法 |
即効性 |
持続性 |
自然さ |
回数 |
予防効果 |
折れ癖への適応度 |
主なリスク |
ニードルRF・肌育注射 |
△ |
1~2年 |
◎ |
5~10回 |
⚪︎ |
△(徐々に改善) |
軽度の赤み・内出血 |
ヒアルロン酸 |
◎ |
数ヶ月〜2年 |
△ |
1回 |
△ |
×(ほぼ効果なし) |
血流障害・遅発性結節 |
グロースファクター |
△(1~6ヶ月) |
数年~10年以上 |
◎ |
1回 |
◎ |
◎(根本改善+予防) |
軽度の腫れ・内出血 |
グロースファクター治療の「改善+予防」効果
グロースファクターは折れ癖を薄くするだけでなく、皮膚のハリや弾力を回復し、今後折れ癖がつきにくい肌へ導くという二重の効果があります。
- 施術後1〜6ヶ月でコラーゲン再生が進み、折れ癖が浅く目立ちにくくなる
- 同時に皮膚の強化・再構築が進むことで、将来のしわ・折れ癖予防にもつながる
- 若い世代でも「早期治療=将来の老化対策」として有効
つまり、今の折れ癖改善だけでなく「未来の自分の肌」への投資にもなる治療といえます。
まとめ|折れ癖は「改善+予防」で早期対応を
この記事のポイントを最後に振り返りましょう。
- 折れ癖は皮膚構造の破壊による不可逆的な状態で自然には治らない
- セルフケアは予防に有効だが改善は医療のみ
- ヒアルロン酸は折れ癖改善にはほぼ効果なし
- グロースファクターなら1回で改善+予防効果も高く、長期的なエイジングケアに最適
しっかり理解していただけたら幸いです。
カウンセリングのご案内
ほうれい線の折れ癖の改善・予防は早めの対応が鍵です。
当院はほうれい線治療を専門とするクリニックで、患者様一人ひとりのご希望やご状態に合った最適な治療法をご提案します
無料カウンセリングも行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
この記事を執筆しております院長の私が、直接メールにてお返事をさせていただきます。