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美容皮膚科医が教える【ほうれい線を消す】正しいメイク法

説明


著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「朝のメイクで完璧に仕上げても、夕方になるとほうれい線にファンデが溜まってみっともない…」

「コンシーラーで徹底的に隠したつもりでも、なぜかよけいに目立つ気がする…」

そんな経験、ありませんか?

年齢を重ねると、メイクで隠したい部分が増える一方で、「隠せば隠すほど老けて見える」というジレンマに直面します。

でも実は、ほうれい線に対する「メイク」の考え方そのものを変えることで、若見えの第一歩になることをご存知したか?

本記事ではほうれい線治療を専門とする美容皮膚科医の視点から、メイクでほうれい線を目立たせないための「正しいカバー法」と「NGメイク」を徹底解説。

さらには「メイクで限界を感じたときどうするべきか?」に対して、美容医療の活用法もさらっとご紹介します。

厚塗りでもごまかしでもない。顔の立体構造を理解した“戦略的なメイク”と、必要に応じた美容医療の選択肢を知ることで、あなたの印象は驚くほど変わります。

ほうれい線をカバーするメイクの正しい考え方

まず当然のことながら。メイクではほうれい線そのものを“消す”ことはできません。

ほうれい線は、皮膚自体の凹みや加齢に伴う骨格や脂肪の変化によって生じる「構造的な問題」だからです。

メイクでは構造を根本から変えることができないため、その“見え方”を調整し、視覚的に目立たなくさせることを目標とします。

ほうれい線ができる原因を詳しくみる>

メイクでカバーできるのはほうれい線の「色調」と「質感」

ほうれい線が目立つ様々な要因のうち、メイクがターゲットとするものは「影やくすみによる色調」と「皮膚表面の質感の乱れ」です。

頬のたるみによりほうれい線部分に「」ができていたり、溝の内部に「くすみ」が溜まることで、ほうれい線全体のトーンが落ちていると、遠目や暗い場所で見たときに「しわ」として認識されやすくなり、老け見えの原因となります。

また、ほうれい線の表面に毛穴が縦に潰れてできた「たるみ毛穴」や、乾燥によって生じた「小じわ」がある場合、それらの凹凸により光が均一に反射されず、他の滑らかな部分とのコントラストが強調されて、ほうれい線全体の印象が強調されることがあります。

メイクではこれらの「色調」を光で補正し、肌表面の「質感」を滑らかに整えることで、ほうれい線の目立ちを抑えることが可能です。

暗い場所でほうれい線が目立つ理由をみる>

ほうれい線のカバーメイクを成功させるための基本原則

ほうれい線をメイクでカバーする上でまず重要なのは、メイク前のスキンケアと肌のコンディション作りです。

乾燥した状態ではファンデーションやコンシーラーが皮膚表面のしわに入り込みやすく、かえってほうれい線を強調してしまいます。

保湿を十分におこなった上で、凹凸を補正する下地を適切に選び、光の錯視を利用したハイライトやチークで顔全体の立体感を調整することが、自然で若々しい印象をつくるポイントです。

ほうれい線に効果的な基礎化粧品について知る>

美容皮膚科医が注意喚起するNGメイク

よくある誤解の一つが、「コンシーラーでほうれい線を埋めて隠す」という考え方です。

実際には、コンシーラーを厚く塗ることでかえってほうれい線が強調されてしまい、時間の経過とともにヨレや溜まりの原因となります。

また、明るすぎるカラーを選ぶと、自然光の下では白浮きして不自然に見えることがあります。

さらに、コンシーラーの質感がマットすぎると顔の立体感が失われ、メリハリのない平坦な印象を与え、かえって老けて見える可能性があります。

メイクがよれてほうれい線に溜まる原因と対策法をみる>

美容皮膚科医がすすめるほうれい線の正しいメイクアイテムと使い方

ほうれい線を目立たなくさせるメイクは、「隠す」のではなく「錯覚で軽減させる」発想が効果的です。

構造的な溝そのものを埋めることは困難でも、光の調整や肌の質感を整えることで、視覚的な印象は大きく変わります。

ここでは、美容皮膚科医の視点から、肌への負担を最小限に抑えつつ、ほうれい線を目立ちにくくするメイク方法について解説します。

化粧下地|乾燥と凹凸を同時にケアするベース作り

加齢とともに、ほうれい線周囲は毛穴が縦につぶれてできる「たるみ毛穴」が目立ったり、乾燥による「小じわ」や「キメの乱れ」が生じやすく、メイクのノリが悪くなりがちです。

下地には、単なる化粧もちの補助としてではなく、肌表面の凹凸を整え、乾燥を抑えるスキンバリア的な役割が求められます。

セラミドヒアルロン酸などの保湿成分をベースに、シリコン系のポリマーが含まれている製品は、肌の凸凹にフィットしやすくファンデーションのヨレや溜まりを防ぎます。

過剰に皮脂を吸収するマット系下地より、水分保持重視のタイプが適しています。

コンシーラー|厚塗りを避け“影や色むらをぼかす”補整術

ほうれい線をコンシーラーで完全に塗り潰そうとすると、かえって際立ってしまうのはよくある失敗です。

ほうれい線の溝に成分が溜まり、時間とともに崩れやすくなるためです。

正しい使い方は、ほうれい線の影を柔らかく中和する目的で、肌よりわずかに明るい色のコンシーラーを溝と交差させるように数箇所にのせることです。

無理に指で叩き込まず、ブラシやスポンジで軽くなじませることで、厚みの出ない自然な補整が可能になります。

影がもはやコンシーラーでもカバーできない場合はこちら>

ファンデーション|水分と油分のバランスがカギ

乾燥やキメの乱れの目立つ肌には、パウダーファンデーションの粉はなじみにくく、ほうれい線の溝に入り込むことでしわ印象を強調します。

そこで推奨されるのが高保湿のリキッドタイプ、または艶感を出しやすいクッションファンデーションです。

肌と一体化するような薄付きで、皮膚の動きにも追従しやすいため、よく動くほうれい線部分にも成分が溜まりにくくなります。

仕上げに使用するパウダーも、マットタイプではなく光の拡散性を持つ微粒子タイプが適しています。

ファンデーションがよれてほうれい線にたまる原因をみる>

ハイライトとチークの“錯視”を戦略的に使う

目尻の下から頬骨にかけてカーブ状にハイライトを入れることで、顔全体が引き上がったような立体感が得られます。

また、小鼻の脇からほうれい線の外側にかけて光を足すことで、ほうれい線と頬の境目に自然な明るさが生まれ、影が薄く見えるようになります。

ただし、ほうれい線の溝の中にハイライトを入れてしまうと逆効果になるため、影の外縁をなぞるように入れるのがポイントです。

チークは黒目の外側から頬骨の高い位置に、やや横長に入れることで、顔の重心が上がり、ほうれい線から視線をそらす効果があります。

なんなら本格的にリフトアップしたらほうれい線は改善するのか?>

メイクでカバーしきれないほうれい線への美容医療的アプローチ

ほうれい線は単なる肌表面の影ではなく、骨格・脂肪・皮膚・筋肉などの構造的な変化が複雑に絡んで生じる老化現象です。

たとえメイクで一時的に目立たなくできても、深くなるほうれい線の進行を抑えることは困難で、放置しておくと徐々にメイクによるカバーも難しくなっていきます。

ここでは、美容医療によってほうれい線にアプローチする方法をご紹介します。

ヒアルロン酸注入

ほうれい線の溝に直接ヒアルロン酸を注入し、皮膚の深部から凹みをふっくらと持ち上げ、浅く目立たなくさせる治療法です。

即効性があるため、注入後から明らかな効果を実感できます。

ただし、注入したヒアルロン酸は皮膚内で徐々に吸収されてなくなるため、1年に1回ほどの定期的なメンテナンスが必要です。

グロースファクター治療

グロースファクターをほうれい線に注入することで線維芽細胞を活性化し、コラーゲンやエラスチンの生成を促す再生医療的アプローチです。

1回の注射により数年以上にわたり効果が持続するため、何度も施術をくり返す必要がなく、ほうれい線の根本的な改善とその後の進行の予防にもつながります。

ハイフや高周波の機械治療

ハイフ(HIFU)や高周波(RF)の機械で皮膚深層に熱エネルギーを与えることで、即時的なたるみの改善とコラーゲンの再構築によるほうれい線の予防的効果が期待できます。

ほうれい線そのものに対する直接的な効果は得にくいものの、軽度のたるみによって生じるほうれい線であれば、頬を引き締めることにより、その影を少し目立たなくできる可能性があります。

メイクと医療、それぞれの役割を理解して上手に使い分けを

ほうれい線は加齢による構造的な変化で生じるため、メイクで完全に“消す”ことはできません。

しかし、正しいアイテム選びと使い方次第で、色調や質感を整え、印象を大きく変えることは可能です。

一方で、すでに深くなってしまいメイクでカバーしきれないほうれい線に対しては、ヒアルロン酸やグロースファクターの注入治療など美容医療の力を借りることで、より確実な改善も期待できます。

「印象を整えるメイク」と「構造にはたらきかける医療」、それぞれの強みを理解し最適なバランスで取り入れることが、ナチュラルに若々しく見せる一番の近道です。

当院はほうれい線治療を専門におこなっており、メールでの無料カウンセリングも受け付けておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。