
著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「ほうれい線が顎まで伸びてきた気がします。」
「以前は口元だけだったのに、今では顎の近くまで一本の線のように見えます。」とご相談いただくことがあります。
インターネットでは、「顎まで伸びた線はマリオネットラインであり、ほうれい線ではない」と説明されることもあります。
しかし、実際の診療では、それだけでは説明できないケースもあります。
東京リンクルクリニックは、ほうれい線治療を専門とする美容皮膚科です。
診療を続ける中で感じるのは、「顎まで伸びている」と感じる方では、ほうれい線そのものが口角横を越えて下まで続いているケースと、ほうれい線とマリオネットラインがつながって長く見えているケースの両方があるということです。
前者では口元を囲むような丸みのある弧を描き、後者では口角付近から「ハ」の字のように見えることが多くあります。
見た目は似ていますが、原因が違えば適した治療も変わります。
この記事では、ほうれい線が顎まで伸びて見える2つのパターンと、マリオネットラインとの違い、原因に合わせた改善方法について解説します。
この記事を読んでわかること
- ほうれい線そのものが口角より下まで伸びるケース
- マリオネットラインとつながって長く見えるケース
- 「丸い弧」と「ハの字」で見える違い
- 口角横までと、それより下で治療が変わる理由
ほうれい線が顎まで伸びて見えるのは2つのパターンがある
「ほうれい線が顎まで伸びています。」
診療では、このようにご相談いただくことがあります。
顎まで長く見える線は、すべてが同じものではありません。
実際には、ほうれい線そのものが口角横を越えて続いている場合と、ほうれい線とマリオネットラインが連続して見えている場合があります。
ほうれい線そのものが下まで続いているタイプ

一つ目は、ほうれい線そのものが口角横を越えて下方まで続いているタイプです。
このタイプでは、口角を越えても線の向きが大きく変わらず、口元を囲むような丸みのある弧、いわば「( )」に近い形を描きながら下方へ続いて見えることがあります。
皮膚に形成された溝が、そのまま下方まで連続している状態です。
マリオネットラインとつながって見えるタイプ

もう一つは、ほうれい線とマリオネットラインが連続して見えるタイプです。
この場合は、口角付近で線の方向が変わり、「ハ」の字のような形で口元全体が長く見えることが多くあります。
一見すると顎まで一本の線が続いているように見えますが、ほうれい線と口角より下の変化が連続して見えている状態です。
| ほうれい線が続くタイプ | マリオネットラインとつながるタイプ | |
|---|---|---|
| 見え方 | 丸みのある弧・「( )」に近い | 「ハ」の字に近い |
| 口角付近 | 線の方向が大きく変わらないことが多い | 口角付近から方向が変わることが多い |
| 主な見え方 | 溝が下方まで連続している | 異なる線や影が連続して見える |
ただし、実際には両方の特徴が混在していることもあります。形だけで自己判断するのではなく、どの部分に溝や影があるのかを診ることが大切です。
▶︎[ほうれい線とマリオネットラインは何が違う?見分け方を詳しく見る>]
ほうれい線が下まで伸びて見える原因

ほうれい線は、鼻の横から口角方向へ伸びる顔の構造です。
年齢とともに皮膚や頬、口元に変化が起こると、その線が長くなったり、別の線や影とつながって見えたりすることがあります。
皮膚が折れ曲がって溝が形成される
年齢とともに皮膚のコラーゲンやエラスチンなどが減少すると、皮膚のハリや弾力は低下します。
すると、笑ったときなどに皮膚が折れ曲がりやすくなり、その状態が繰り返されることで、少しずつ溝が形成されます。
この溝が口角横を越えて下方まで続けば、ほうれい線そのものが長く伸びたように見えることがあります。
頬や口元の高低差による影が連続する
ほうれい線の見え方には、皮膚に形成された溝だけでなく、頬や口元との高低差によって生じる影も関係します。
頬や口元の組織が下がると高低差が大きくなり、ほうれい線から口角下まで影が連続して見えることがあります。
そのため、顎まで長く見える線が、すべて皮膚に刻まれた深い溝とは限りません。
▶︎[ほうれい線の「影」が濃く見える原因を詳しく見る>]
▶︎[たるみを治せばほうれい線も薄くなる?詳しく見る>]
ほうれい線とマリオネットラインの違い

ほうれい線とマリオネットラインは、つながって見えることがありますが同じものではありません。
ほうれい線は主に鼻の横から口角方向へ伸びる溝で、マリオネットラインは口角から顎方向へ伸びるしわや溝です。
実際の診療でも、「全部ほうれい線だと思っていました」という方を診察すると、口角付近からマリオネットラインへ移行していることがあります。
一方で、先ほど説明したように、口角横を越えてほうれい線そのものが続いている方もいらっしゃいます。
「顎まで伸びているからマリオネットライン」と決めつけることはできません。
▶︎[口角から顎へ伸びるマリオネットラインの原因と治療法を見る>]
セルフケアでできることと、治療が必要な変化

「マッサージを続ければ短くなりますか。」
「表情筋を鍛えれば改善しますか。」とご質問をいただくこともあります。
保湿や紫外線対策は、皮膚の健康を保ち、乾燥や紫外線による皮膚老化を防ぐ上で大切です。
また、むくみがある場合には、マッサージなどによって一時的に口元がすっきり見えることもあります。
一方で、すでに形成された溝や、骨格的なくぼみ、たるみによる高低差そのものをセルフケアだけで元に戻すことは困難です。
セルフケアを続けることには意味がありますが、「顎まで伸びて見える線を短くする」ことを目的とする場合には、その線が何によってできているのかを確認する必要があります。
▶︎[ほうれい線のセルフケアでできること・できないことを見る>]
顎まで伸びる線は部位によって適した治療が変わる
顎まで伸びて見える線では、「どの治療が一番良いか」ではなく、どの部分に何が起きているのかを診断することが重要です。
口角横までの溝にはグロースファクター
皮膚が折れ曲がることで形成されたほうれい線の溝が主体であれば、皮膚そのものへアプローチする治療が適していることがあります。
当院では、このようなほうれい線にグロースファクター治療を行っています。
グロースファクターは、皮膚のコラーゲン生成などを促すことで、皮膚のハリや厚みを改善し、溝を自然に目立ちにくくしていく治療です。
一方、溝の表面には、長年の表情筋の動きによって「折れ癖」が刻まれていることがあります。
当院では、このような溝の表面に刻まれた表層の変化を「折れ癖」と呼んでいます。
折れ癖もグロースファクターによる改善は期待できますが、皮膚表層まで刻まれた変化であるため、完全に消しきれないことがあります。
▶︎[ほうれい線の折れ癖はなぜ残る?詳しく見る>]
▶︎[グロースファクターでほうれい線を改善する仕組みを見る>]
鼻横の骨格的なくぼみが強い場合
鼻の横に骨格的なくぼみがある方では、その高低差によってほうれい線の上部に構造的な影が生じることがあります。
大きなボリューム補正が必要な場合には、ヒアルロン酸が選択肢になります。
ただし、鼻周囲やほうれい線周辺には重要な血管が走っており、ヒアルロン酸注入ではまれながら血管塞栓による皮膚障害や視覚障害などの重い合併症が報告されています。
▶︎[鼻横のくぼみはなぜできる?原因と治療法を詳しく見る>]
参考文献:Lowe S. Hyaluronic Acid Dermal Filler-Associated Vascular Occlusion-A Review of Prevention and Management Strategies. J Cosmet Dermatol. 2026;25(5):e70884. PubMed
グロースファクターは、骨格的なくぼみそのものを大きなボリュームで補う治療ではありません。
一方で、皮膚のハリや厚み、併存する溝を改善することで、鼻横の影がある程度目立ちにくくなる場合があります。
そのため、骨格による影がどの程度強いのか、溝がどの程度関係しているのかを診た上で治療を選びます。
口角より下にはヒアルロン酸やリフトアップ治療

口角より下では、マリオネットラインや口元のボリューム不足、フェイスラインのたるみなど、ほうれい線とは異なる要因が関係していることが多くあります。
そのため、この部分にはヒアルロン酸や、たるみの程度に応じたリフトアップ治療が適していることがあります。
見た目が一本につながっていても、上から下まで同じ治療を行えばよいわけではありません。
▶︎[ほうれい線・マリオネットラインなど口元のしわの治療法を見る>]
当院のグロースファクター治療は口角横まで
「顎まで続いているなら、全部グロースファクターで治療できますか。」
このようなご質問をいただくことがあります。
当院では、ほうれい線に対するグロースファクター治療の施術範囲を口角横までとしています。
たとえ、ほうれい線そのものが口角より下まで丸く続いて見える場合でも、当院ではそれより下までグロースファクターを注入することはしていません。
口角より下は、マリオネットラインや口元のボリューム、フェイスラインのたるみなど、別の要因が複雑に関係する部位だからです。
そのため、口角横までのほうれい線にはグロースファクターを、それより下のしわや溝にはヒアルロン酸やリフトアップ治療を検討します。
「顎まで一本につながって見える」という見た目だけで治療を決めるのではなく、部位ごとに原因を分けて考えることが大切です。
よくある質問

ほうれい線は本当に顎まで伸びることがありますか?
あります。
ほうれい線そのものが口角横を越えて下方まで続いている方もいらっしゃいます。
一方で、ほうれい線とマリオネットラインがつながることで、顎まで長く見えている場合もあります。
顎まで続く線はすべてマリオネットラインですか?
いいえ。
口角付近から「ハ」の字のように方向が変わる場合にはマリオネットラインが連続していることが多い一方、丸みのある弧を描きながらほうれい線そのものが下まで続く方もいらっしゃいます。
ただし、両方の特徴が混在していることもあるため、形だけで判断できるとは限りません。
片側だけ顎まで長く見えることもありますか?
あります。
骨格や頬のボリューム、表情の動きなどには左右差があるため、片側だけ溝や影が強く、ほうれい線が長く見えることがあります。
グロースファクターだけで顎まで改善できますか?
当院では、ほうれい線に対するグロースファクターの施術範囲は口角横までです。
それより下のしわや溝には、原因に応じてヒアルロン酸やリフトアップ治療を検討します。
まとめ|顎まで続く線は「どこから何が続いているか」が重要
顎まで伸びて見える線には、ほうれい線そのものが丸みのある弧を描きながら続いている場合と、マリオネットラインとつながって「ハ」の字のように長く見えている場合があります。
見た目は似ていますが、原因が違えば適した治療も変わります。
東京リンクルクリニックでは、口角横までのほうれい線にはグロースファクターを、それより下のしわや溝にはヒアルロン酸やリフトアップ治療を検討しています。
大切なのは、顎まで続く線を一つのしわとして考えるのではなく、どの部分に溝や影、たるみがあるのかを診断した上で治療を選ぶことです。
自分に合うほうれい線治療を知りたい方へ
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