

著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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ほうれい線が目立ってきてメイクでカバーしきれない…
でも、ほうれい線にヒアルロン酸を打つと口元が膨らんで見えそうだし、なんとなく抵抗があるな…
頬をリフトアップさせるヒアルロン酸の注入法があるって聞いたけど、その方が良さそう?
そう思って調べていた方、美的なセンスがありますね。
たしかに、ほうれい線に直接注入するだけでは、頬のたるみはどうにもできず、注入をくり返すばかりになって、最後はパンパンに…?
そう心配になる気持ち、よくわかります。
ヒアルロン酸リフトは、ほうれい線を膨らませるのではなく、頬の高い位置に杭を打つように注入することで、頬のたるみが引き上がり、顔全体の印象が若々しくブラッシュアップされる魅力的な方法。
でも実は、頬のたるみが強すぎると、満足の行く結果につながらなかったり、ほうれい線だけに着目した場合では、確実な変化が得にくかったりと、知っておくべき注意点もあるんです。
この記事では、ヒアルロン酸リフトが適しているほうれい線の状態と、ほうれい線部分の糸リフトとの比較、さらには、ヒアルロン酸リフトと併用することで綺麗に仕上がる治療法まで、詳しく解説いたします。
読み終えると、自然にかつ確実に、若返る方法がきっと見つかると思いますよ。
目次
ほうれい線のヒアルロン酸リフトとは?
ほうれい線のヒアルロン酸リフトとは、ほうれい線の溝に直接ヒアルロン酸を注入するのではなく、顔の支持構造を補強することで頬をリフトアップさせ、間接的にほうれい線を改善する治療法です。
ほうれい線のできる原因は、骨格の変化や頬の脂肪の下垂、皮膚のコラーゲンの減少など複数の要因が関与しています。
そのため、単にほうれい線の溝を埋めるだけでは、バランスの取れた改善につながりにくいこともあり、頬のリフトアップを目的としたヒアルロン酸注入が有効な手段の一つになります。
この方法では、顔の土台となる骨や靭帯の構造を補強し、頬全体を持ち上げることで、ほうれい線の目立ちを軽減させます。
過剰な直接注入による不自然な膨らみを防ぎながら、自然な若々しさを取り戻すことが可能です。
ほうれい線のヒアルロン酸リフトで注入する位置と量
ほうれい線のヒアルロン酸リフトでは、頬の上部の以下のポイント(CK1〜CK4)に、杭を打つようにヒアルロン酸を注入することで、頬全体のリフトアップにつながります。
- CK1:頬骨の最も高い位置。ここを補強することで、頬全体のリフトアップにつながります。
- CK2:頬骨上でCK1のやや内側。中顔面の支持を強化し、ほうれい線の影を軽減させます。
- CK3:頬の中央部。ボリュームロスを適切に補うことで、中顔面の下垂を防ぎます。
- CK4:顔の側面、頬骨の直下。頬の脂肪が少なくコケている場合に注入することで引き上がります。
これらのポイントに適切な量のヒアルロン酸を注入することで、顔全体のバランスを整えつつ、頬のリフトアップ効果を最大限に引き出すことが可能です。
なお、注入量の目安は、両頬のCK1〜CK3で、アラガン社のボリューマをトータル1〜2cc程度です。
CK4は頬コケの程度に応じて、両頬で1〜2ccが目安となります。
ヒアルロン酸リフトが適応となるほうれい線
ほうれい線のヒアルロン酸リフトは、特に以下のようなほうれい線のタイプに効果的です。
頬のたるみが軽度のほうれい線
頬が軽く下垂し、ほうれい線がまだ浅くでき始めの状態では、ヒアルロン酸リフトによる改善が期待できます。
一方、中等度以上のほうれい線では、ヒアルロン酸リフトだけでは十分な改善につながりにくい場合が多く、ほうれい線部分の直接注入も同時に検討すべきです。
頬のボリュームロスが原因となるほうれい線
頬の脂肪や筋肉が減少し、余った皮膚が下垂することでほうれい線の影が目立つ場合、適切な位置にボリュームを補うことで頬が引き上げられ、ほうれい線の陰影を軽減させることができます。
さらに、チークトップが高くなることで顔全体の重心が上方に移動し、溌剌とした若々しい印象を得ることができます。
一方、頬の脂肪が多く余分なボリュームによって影ができているような場合には、逆効果になる可能性もあるため、適応の判断が求められます。
自然なリフトアップを求める場合
ほうれい線部分へのヒアルロン酸の直接注入を避けたい場合、ヒアルロン酸リフトによってナチュラルな改善が可能です。
治療前後のほうれい線だけを比較した場合、変化の度合いは少ないですが、顔全体のバランスは改善されるため、若々しい印象作りには最適です。
ただし、頬のたるみが強い場合では、ナチュラルな変化を求める場合でも、ある程度の注入量が必要になるため、その分の維持費がかかってしまいます。
ほうれい線のヒアルロン酸リフトのデメリット
重度のほうれい線や刻まれたほうれい線には効果がない
ほうれい線が進行し深く目立つ場合や、皮膚の表面にしわが刻まれた状態のほうれい線では、ヒアルロン酸リフトによる改善はほぼ期待できません。
この場合、他のリフト治療やほうれい線の直接注入の併用などを検討する必要があります。
持続期間が短いため維持費がかかる
ヒアルロン酸は時間とともに体内で分解・吸収されるため、1年に1回程度の定期的なメンテナンスが必要です。
そのため、長期的な維持を考えた場合、それなりのコストがかかります。
過剰な注入による不自然な仕上がりのリスク
過剰な量の注入や、不適切な位置に注入することで、目的とする効果が得られなかったり、頬が膨らみすぎるなど不自然に仕上がるリスクがあります。
また、ヒアルロン酸リフトを長期にわたり続けることで、注入後の状態に見慣れてしまい、ヒアルロン酸が十分に吸収される前に不必要な追加注入をくり返すケースがみられます。
その結果、不自然な見た目になるだけでなく、ヒアルロン酸が過剰に蓄積され頬の重みが増し、結果的にほうれい線の悪化につながる可能性も考えられます。
ほうれい線の糸リフトとの比較
ほうれい線の改善をはかるリフトアップ施術には、ヒアルロン酸リフトのほか、ダウンタイムが少ないもので、ほうれい線部分(中顔面)の糸リフトがあげられます。
施術法 | 効果の即時性 | 持続期間 | 仕上がり | ダウンタイム | 適応 |
---|---|---|---|---|---|
ヒアルロン酸リフト | 即時的 | 約1年 | 自然でマイルドな変化 | 数日〜1週間程度の軽度の腫れやむくみ | たるみが軽度のほうれい線 |
ほうれい線の糸リフト | 即時的 | 数ヶ月 | リフトアップ効果は明確 | 数日間の軽度の腫れ | たるみが軽度〜中等度以上のほうれい線(ただし他治療との併用が必要) |
両者を比較すると、ヒアルロン酸リフトは、頬のたるみが軽度なほうれい線に適しており、自然な仕上がりとチークトップのボリュームの改善が特徴です。
ほうれい線だけを見ると変化の度合いはマイルドですが、顔全体としての若返り効果を得られ、持続効果も長期とはいえないものの糸リフトよりは長く持ちます。
一方、糸リフトはより強い引き上げ効果があるため、頬のたるみが中等度以上の場合では、ヒアルロン酸リフトより明確な変化が得られます。
ただし、効果の持続は数ヶ月程度と短く、長期的な改善にはつながりにくいと言えます。
ヒアルロン酸リフトには限界があるので直接注入との併用が有効
ヒアルロン酸リフトは、たるみの少ない軽度のほうれい線に対しては、頬のリフトアップによって改善をはかる有効な治療ですが、中等度以上のほうれい線に対する効果には限界があります。
そのため、すでに目立っているほうれい線を確実に改善したい場合では、以下の治療との組み合わせが効果的です。
ヒアルロン酸のほうれい線への直接注入
ほうれい線の溝を埋めるために、適量のヒアルロン酸を直接ほうれい線に注入します。
ヒアルロン酸リフトより確実にほうれい線を目立たなくさせることができます。
ただし、直接注入ばかりに頼ると、頬のたるみの進行に伴い注入量が増え、口元が重たく膨らんだ印象になる可能性があるため、ヒアルロン酸リフトや他のリフトアップ施術と組み合わせておこなうことで、注入量を軽減でき、より理想的な仕上がりに近づけることができます。
グロースファクターによるほうれい線治療
グロースファクターとよばれる液体製剤をほうれい線に直接注入することで、皮膚内の線維芽細胞が活性化され、コラーゲンが生成されることによりハリや弾力が生じ、ほうれい線が確実に改善する治療です。
ヒアルロン酸と違い皮膚を膨らませるのではなく、皮膚自体にハリをもたらす治療であるため、ヒアルロン酸を直接ほうれい線に注入した場合に起こりうる、口元が膨らみすぎるデメリットも極めて低いです。
ただし、グロースファクターでは、ほうれい線部分は根本的に改善されますが、頬のたるみの状態は変化しないため、ヒアルロン酸リフトなどのリフトアップ施術と組み合わせることで、よりバランスの取れた若返り効果を得ることが可能です。
まとめ
ヒアルロン酸リフトは、ほうれい線の溝に直接ヒアルロン酸を注入するのではなく、顔の支持構造を補強し、頬をリフトアップすることで間接的にほうれい線を目立たなくさせる治療法です。
特に、頬のたるみが軽度のほうれい線や、頬のボリュームロスが原因となるほうれい線の改善に適しています。
ただし、中等度以上のほうれい線や刻まれたしわには確実な効果が得にくいため、ヒアルロン酸の直接注入やグロースファクター治療との併用がより効果的です。
また、口元を不自然に膨らむリスクを懸念する場合は、グロースファクター治療がより適しています。
当院はほうれい線治療を専門におこなっており、お客様一人ひとりのご状態やご希望に合わせた治療計画のご提案が可能です。
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