
著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「ヒアルロン酸で埋める以外に、ほうれい線を改善する方法はないの?」
「再生医療なら、ほうれい線を自然に薄くできるの?」
最近は「再生医療」や「肌再生」という言葉を目にする機会が増え、どんな治療なのか気になっている方も多いと思います。
再生医療や肌の再生を目指す治療には、ほうれい線を薄くする効果が期待できるものがあります。ただし、どんなほうれい線にも効くわけではありません。
また、「再生医療」と呼ばれる治療にはいくつか種類があり、実際には同じ治療ではありません。
ほうれい線治療を専門とする東京リンクルクリニックの院長として、治療の違いや、どんなほうれい線に向いているのかをわかりやすく説明します。
この記事を読んでわかること
- 再生医療でほうれい線の改善が期待できる範囲
- 線維芽細胞・PRP・グロースファクターの違い
- ヒアルロン酸との使い分け
- 治療を選ぶ前に知っておきたい注意点
自分のほうれい線に合う治療を知りたい方へ
再生医療やグロースファクターが気になっていても、どの方法が適するかはほうれい線の状態によって異なります。お写真をもとにした無料メール相談も承っています。
再生医療でほうれい線は改善できるのか

はい。再生医療の中には、ほうれい線のしわを薄くする効果が研究で確認されている治療があります。ただし、すべてのほうれい線に効くわけではありません。
例えば、自分の皮膚から採った細胞を増やして注入する治療では、ほうれい線のしわが改善したという研究があります。ただし、治療の方法が違えば、同じ効果が出るとは限りません。
ほうれい線が目立つ理由は、肌のハリ不足だけではありません。鼻の横のくぼみや、頬のたるみが関係していることもあります。
そのため、肌に働きかける治療が向いている方もいれば、別の治療の方が合っている方もいます。
参考文献:Smith SR, et al. A multicenter, double-blind, placebo-controlled trial of autologous fibroblast therapy for the treatment of nasolabial fold wrinkles. Dermatol Surg. 2012. PubMedを見る>
「再生医療」と「肌再生治療」は同じではない

再生医療とは、体の細胞などの力を利用して、傷んだ部分の回復を目指す医療です。一方、美容医療で使われる「肌再生」という言葉は、もっと広い意味で使われることがあります。
日本では、細胞を使う一部の治療には、法律で決められた手続きが必要です。「肌再生」と書かれていても、法律上の再生医療とは限りません。
ただし、どちらの名前が付いているかだけで、効果の大きさは決まりません。大切なのは、実際にどんな治療をするのかということです。
制度に関する資料:厚生労働省|再生医療等提供計画の提出等について>
ほうれい線の再生医療にはどんな種類がある?
代表的な治療は、次の4つです。
| 治療 | 用いるもの | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 自家培養線維芽細胞 | 自分の皮膚から採って増やした細胞 | 細胞を増やして注入。ほうれい線への効果を調べた研究がある |
| PRP | 自分の血液から取り出した成分 | 血液に含まれる成分を利用。効果にはまだ不明な点がある |
| グロースファクター注入 | 成長因子を含む製剤 | 肌のハリに関わる成分を注入。細胞そのものは入れない |
| 幹細胞培養上清・エクソソーム関連施術 | 細胞を育てた後の液体など | 効果や安全性には、まだわからないことが多い |
自家培養線維芽細胞治療|自分の肌の細胞を増やして注入する

線維芽細胞(せんいがさいぼう)は、肌のハリを保つコラーゲンなどを作る細胞です。この治療では、自分の皮膚から細胞を少し採り、数を増やしてから注入します。
この治療は、ほうれい線のしわが薄くなるかどうかを調べた研究で、一定の改善が確認されています。ただし、全員に同じ効果が出るわけではありません。
ヒアルロン酸と比べた研究もありますが、まだわからないこともあります。「細胞を使う治療なら何でも同じように効く」というわけではありません。
細胞を採ることや、増やすための時間が必要です。何度か通院する場合もあり、費用は高くなる傾向があります。効果が何年続くかは、治療によって違います。
参考文献:Smith SR, et al. Dermatol Surg. 2012. PubMedを見る>
Eimpunth S, et al. A pilot study comparing the efficacy of autologous cultured fibroblast injections with hyaluronic acid fillers for treating nasolabial folds. Sci Rep. 2023. PubMedを見る>
PRP療法|自分の血液に含まれる成長因子を利用する

PRPは、自分の血液から取り出した成分を肌に注入する治療です。血液に含まれる、傷の回復などに関わる成分の働きを利用します。
肌のハリや小じわの改善を目的に使われますが、深いほうれい線にどのくらい効くかは、まだはっきりしていません。
PRPについては多くの研究がありますが、使う方法が研究ごとに違います。そのため、ほうれい線への効果を一つの数字で表すことはできません。
PRPだけを注入する場合と、別の薬剤を組み合わせる場合でも、効果や注意点は変わります。
参考文献:Platelet-Rich Plasma in Facial Rejuvenation: A Systematic Appraisal of the Available Clinical Evidence. 2021. PubMedを見る>
グロースファクター注入|成長因子の働きを利用する
グロースファクターは、肌のコラーゲン作りなどに関わる成分です。肌に注入し、ハリやしわの改善を目指します。
グロースファクターを注入する治療と、自分の細胞を増やして戻す治療は、別のものです。 また、使う成分や注入方法はクリニックによって異なります。
当院では、ほうれい線の溝や、笑うときの動きで肌に刻まれた「折れ癖」に対して、グロースファクターを使っています。効果は少しずつ現れ、通常1〜6か月ほどかけて変化していきます。
効果が長く続く方もいますが、個人差があります。また、注入量が多すぎると、しこりや不自然な膨らみにつながるおそれがあるため、慎重な治療が必要です。
ただし、ほかの再生医療と比べて、必ず効果が高いと証明されているわけではありません。
▶︎[当院のグロースファクター治療の効果・経過・リスクを見る>]
幹細胞培養上清・エクソソーム|まだわからないことが多い治療

「幹細胞培養上清(かんさいぼうばいようじょうせい)」は、細胞を育てた後の液体です。「エクソソーム」は、細胞から出るとても小さな粒のことです。どちらも、細胞そのものを注入する治療とは違います。
美容医療で使われることもありますが、製品によって中身が違います。ほうれい線にどのくらい効くのか、長く使って安全なのかについては、まだ十分にわかっていません。
注射で使う場合は、感染や体の反応などにも注意が必要です。国も、こうした治療の安全性や取り扱いについて検討を進めています。
関連資料:厚生労働省|再生医療等に関する更新情報>
厚生労働省|エクソソーム・細胞培養上清の法令上の取扱いに関する検討資料>
再生医療が向いているほうれい線・向いていないほうれい線
ほうれい線ができる理由は人によって違います。自分の状態に合った治療を選ぶことが大切です。
皮膚のハリ低下や浅い溝が目立つ場合

年齢とともに肌のハリが減ると、ほうれい線が目立ちやすくなります。
このような場合は、肌のハリを改善する治療が選択肢になります。ただし、治療によって効果の出方は違います。
表情の動きによって折れ癖が刻まれている場合

笑うときなどの顔の筋肉の動きで、肌が何度も折れ曲がると、細かなしわが残ることがあります。当院ではこれを「折れ癖」と呼んでいます。
折れ癖は、単なる乾燥とは違います。ヒアルロン酸などでくぼみを埋めるだけでは、十分に薄くならないことがあります。
鼻横の骨格的なくぼみや頬のたるみが主体の場合

鼻の横が骨格の形によってくぼんでいる場合、肌の再生を目指す治療だけでくぼみを埋めるのは難しいことがあります。グロースファクターで周りの溝が薄くなり、影が少し目立ちにくくなる場合はありますが、骨格のくぼみそのものを埋める治療ではありません。
頬のたるみが原因なら、ハイフやリフトアップ治療が合う場合もあります。
▶︎[頬のたるみでほうれい線が目立つ場合の治療を詳しく見る>]
再生医療とヒアルロン酸はどう違うのか

大きな違いは、肌そのものの変化を目指すか、注入したものでくぼみを埋めるかという点です。
| 比較項目 | 細胞治療・肌再生治療 | ヒアルロン酸 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 肌の変化を目指す(治療により異なる) | くぼみや溝を埋める |
| 効果の現れ方 | 少しずつ変化するものが多い | 注入後、早く変化が出る |
| 骨格的なくぼみ | くぼみを直接埋めるのは難しい | くぼみを埋める方法として使われる |
| リスク | 治療によって腫れ、感染、しこりなど | 腫れ、内出血、血管が詰まることによる重い合併症など |
ヒアルロン酸は早く変化が出る一方、肌に刻まれた細かなしわには限界があります。また、鼻の横などでは、まれに血管が詰まり、皮膚の壊死や視力の障害につながる危険があります。
再生医療や肌再生治療も、治療によって回数や効果が出るまでの期間が違います。必ず長持ちするとは限りません。
再生医療とほかの治療で迷っている方へ
皮膚の溝を改善したいのか、鼻横のくぼみや頬のたるみが気になるのかによって、治療の選択は変わります。まずは現在の状態を確認することが大切です。
実際の診療では|「再生医療」という名前だけで治療を選ばない

当院が大切にしているのは、治療の名前よりも、何が原因でほうれい線が目立っているのかを見極めることです。
例えば、笑った後に細かなしわが残る方と、真顔でも鼻の横に深い影がある方では、必要な治療が違うことがあります。
当院では、溝や折れ癖にはグロースファクターを中心に考えます。一方、鼻の横のくぼみにはヒアルロン酸、頬のたるみにはリフトアップ治療が合う場合もあります。
以前にPRPやヒアルロン酸を受けたことがある方は、治療の順番や間隔にも注意が必要です。
「再生医療だから必ず自然」「自分の細胞だから絶対に安全」「一度受ければ一生続く」と考えず、自分に合う方法を選ぶことが大切です。
再生医療の費用と注意点

費用は治療名だけでは比較できない
細胞を採って増やす治療は、そのための費用がかかります。PRPやグロースファクターも、施術内容や回数によって料金が変わります。
1回の料金だけでなく、何回受ける必要があるのか、全部でいくらかかるのかを確認しましょう。
当院のほうれい線グロースファクター治療は、両側180,000円(税込・麻酔代込み)、初診料3,300円です。
治療を受ける前に確認したいこと
どの治療にもリスクがあります。腫れ、感染、しこり、左右差など、どんな問題が起こり得るかを事前に確認しましょう。
細胞を使う再生医療を受ける場合は、国が定める手続きに沿って行われているかも確認しましょう。ただし、手続きをしているからといって、必ず効果があるわけではありません。
効果についてどんな説明があるか、何回必要か、もし問題が起きたときにどう対応してもらえるかを確認すると安心です。
制度に関する資料:厚生労働省|再生医療等提供計画の提出等について>
よくある質問

再生医療でほうれい線は完全に消えますか?
必ず消えるわけではありません。しわが薄くなる可能性はありますが、鼻の横のくぼみや頬のたるみが原因の場合は、別の治療が必要なこともあります。
再生医療の効果は何年続きますか?
治療によって違います。長く続く場合もありますが、何年続くかを全員に約束できるわけではありません。
グロースファクターは再生医療ですか?
グロースファクターは、肌のコラーゲン作りなどに関わる成分です。自分の細胞を採って増やす再生医療とは違いますが、肌の再生を目指す治療として紹介されることがあります。
PRPとグロースファクターはどちらがよいですか?
どちらがよいかは、ほうれい線の状態や治療の方法によって違います。当院では溝や折れ癖にグロースファクターを中心に使っていますが、すべてのPRPより優れていると証明されているわけではありません。
まとめ|再生医療はほうれい線の原因に合わせて選ぶ
再生医療や肌再生治療には、ほうれい線を薄くする効果が期待できるものがあります。ただし、効果や注意点は治療によって違います。
大切なのは「再生医療」という名前だけで選ばず、自分のほうれい線の原因に合った治療を選ぶことです。
ほうれい線の治療を検討している方へ
当院ではほうれい線の状態や治療歴を確認し、グロースファクターで改善が期待できる部分と、ほかの治療が適する部分をご説明しています。









