

著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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メイクを直すたびに、ほうれい線にファンデーションが溜まって気になる──。
しっかり保湿をして、高級な美容液まで使っているのに、この線だけがどうしても消えてくれない──。
そんなストレスを感じたことはありませんか?
多くの人が「年齢のせいだから仕方ない」と思い込みますが、実はそれは単なるほうれい線ではなく、すでに“しわ”として刻まれてしまっているサインかもしれません。
実は、ほうれい線には大きく分けて二つの正体があります。
一つは、骨格や脂肪の下垂によって皮膚が沈み込んで現れる「溝」。
そしてもう一つが、肌の表面の折れ癖が長年のダメージによって深くなる「刻まれじわ」です。
特に後者は、保湿やマッサージといったセルフケアでは決して消えることはなく、むしろ放置すればどんどん深く進行し、改善が難しくなってしまいます。
では、この「刻まれじわ」はどうすれば改善できるのでしょうか。
実は、数ある美容医療の中でも本当に有効な答えは一つしかありません。
──それがグロースファクター治療です。
この記事では、ほうれい線専門クリニックの院長である私が、
- ほうれい線の「溝」と「刻まれじわ」の違い
- なぜセルフケアでは刻まれじわが改善できないのか
- グロースファクター治療が唯一、刻まれじわに効果を発揮する理由
- 各治療法(ヒアルロン酸・ボトックス・ハイフ・糸リフトなど)の限界と適応
を詳しく解説します。
あなたが今感じている「もう治せないかも」という不安を、自信に変えるための確かな方法を、この機会に知っておきましょう。
目次
ほうれい線の「溝」と「刻まれたしわ」は別物
ほうれい線と一言でまとめられがちですが、実際には大きく分けて「構造的な溝」と「皮膚そのものに刻まれたしわ」という2つの要素があります。
一つは「溝」としてのほうれい線です。
これは加齢による骨格や脂肪の変化によって皮膚が沈み込み、細長い凹みとして現れるもので、このタイプにはヒアルロン酸などの注入治療やフェイスリフトなどのリフトアップ施術が効果的です。
もう一つが、今回のテーマである「刻まれたしわ」です。
表情の繰り返し動作や、紫外線や乾燥によるダメージ、さらには加齢によるコラーゲンやエラスチンの減少によって皮膚の構造が傷付き、表情筋の折れ癖が固定化することで、無表情でも肌表面に線が残る状態を指します。
この段階に入ると、ヒアルロン酸やフェイスリフトといった治療法では改善が難しくなります。
セルフチェック|あなたのほうれい線はどちらのタイプ?
- 仰向けになると薄く目立ちにくくなる → 溝タイプの可能性大
- 仰向けになっても変化なし → 刻まれじわタイプの可能性大
- 笑ったあとに線が残る/ファンデーションが線状に溜まりやすい → 刻まれじわが始まっているサイン
このように、多くの人がひとくくりに「ほうれい線」と呼んでいるものでも、“溝”と“刻まれたしわ”では原因も適応治療も全く異なるのです。
刻まれたしわはセルフケアでは決して改善できない
刻まれじわは「皮膚の表層がすでに傷つき、壊れてしまっている状態」であるため、簡単なケアでは治すことができません。
保湿や紫外線対策は“進行の予防”にすぎない
化粧品での保湿や日焼け止めは、将来的にしわを増やさない・悪化させないためにはとても大切です。
しかし、すでに現れてしまったしわを治したり目立たなくさせる力はなく、あくまでも“進行の予防”にとどまります。
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表情筋トレーニングやマッサージが逆効果になることも
一見肌に良さそうな表情筋トレーニングですが、特定の動き(あいうえおの「い」や、口角を横に引く動作)によって、表情じわや刻まれじわが悪化するリスクがあります。
また、強すぎるマッサージや美顔器などの過度な刺激により、真皮層のコラーゲン線維が断裂し、逆にしわやたるみを進行させてしまう恐れもあります。
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セルフケアをどんなに頑張っても良くならない理由
刻まれじわは皮膚の表層はすでに壊れ始めている状態であり、肌表面から何を塗っても刺激を与えても、その構造自体を一から再構築させることは決してできません。
だからこそ改善には医療的なアプローチが必須なのです。
唯一の有効な治療法 「グロースファクター治療」
ほうれい線の表面に刻まれたしわを本当に改善できるのは、美容医療の中でもグロースファクター治療だけです。
ヒアルロン酸は溝の補正には有効ですが表層のしわには届かず、リフト治療はたるみ改善が中心で、ボトックスも表情じわの定着予防にしか適応がありません。
一方、グロースファクターは真皮の線維芽細胞を刺激し、コラーゲンやエラスチンを再生させることで、刻まれたしわを内側から押し上げ、自然に薄くしていきます。
多くの場合、1回の治療で効果が期待でき、持続性も高いため、現実的に「刻まれじわを改善できる唯一の方法」と言えます。
さらに大きな利点は、「改善」だけでなく「予防」にもつながることです。
皮膚そのものを強化し、ハリと弾力を取り戻すことで、今後新たな折れ癖やしわが刻まれるのを防ぐ予防効果が期待できます。
早い段階で受けておくほど、将来的な老化スピードを緩やかにできるのです。
もちろん、深く刻まれた強いしわは完全には消せず、また表情筋による折れ癖は残ることもありますが、それでも刻まれしわに対して最も確実かつ将来を見据えたアプローチができる治療は、グロースファクター以外にありません。
比較表|治療ごとの「ほうれい線・しわ」に対する効果の違い
以下にほうれい線に対する代表的な治療法を挙げ、比較しました。
各治療法の“得意分野と限界”を比較すると、他の治療ではなぜ刻まれじわに効果がないのか一目でわかります。
治療法 |
刻まれじわ(表面の折れ癖) |
深い溝(骨格・脂肪由来) |
たるみによる影 |
笑いじわ(表情じわ) |
グロースファクター |
◯ 真皮を再生し、刻まれじわを内側から改善。ただし100%消すのは難しく、折れ癖は残る。 |
◎ ハリや弾力を向上させ皮膚の折れ曲がりを立ち上がらせる。 |
△ 頬のたるみの被さりが強い場合は影が残りやすい。 |
◯ 皮膚の弾力を上げることで表情の動きを保ったまましわを浅くする。完全にはなくせない。 |
ヒアルロン酸注入 |
× 表層の刻まれじわには無効。 |
◎ ボリュームを補い溝を底上げして埋める。 |
△ 同上。 |
△ 表情の動きに製剤が追従できず、不自然に膨らんで見えることも。 |
ボトックス |
×固定化された刻まれしわには効果なし。 |
× 溝を埋める効果はなし。 |
× たるみは変化なし。 |
◯ 表情筋の動きを抑え、笑いじわの深まりを防止。 |
リフトアップ施術(ハイフ/糸リフト/外科リフト) |
× 表層の刻まれじわには無効。 |
△ 溝を直接埋める効果はないが、リフトで影を軽減する場合あり。 |
◎ たるみを直接引き上げ、影を改善。 |
× 表情の動きによるしわには無効。 |
比較表を見ると以下のポイントがわかります。
- 刻まれじわ → 唯一有効なのは「グロースファクター」
- 深い溝 → 「ヒアルロン酸」か「グロースファクター」
- たるみによる影 → 「リフトアップ施術」が第一選択
- 笑いじわ → 「ボトックス」か「グローファクター」
ぜひ治療法選びの参考にしてください。
他の治療が「刻まれたしわ」には効かない理由
グロースファクター治療の以外の方法で、刻まれたしわを十分に改善できる治療法はありません。
ヒアルロン酸注入|溝には有効だがしわには不向き
ヒアルロン酸はジェル状の製剤で凹みを埋める治療で、骨格や脂肪の減少により皮膚が沈み込んでできる「溝」には有効です。
しかし皮膚表層の構造を変化させることはできないため、刻まれたしわに対しては効果が見込めません。
▶︎【ほうれい線のヒアルロン酸注入の詳細を見る>】
ボトックス|表情じわには有効だが、定着してしまうと治せない
ボトックスは表情じわの深まりを抑えるのに有効ですが、一度肌表面に折れ癖が定着してしまうと、それを改善することはできません。あくまでも「表情じわの定着予防」のための治療法ということを理解しておく必要があります。
▶︎【ほうれい線のボトックス治療の詳細をみる>】
ハイフや糸リフト|たるみ改善には有効だが、刻まれじわは残る
ハイフや糸リフトは下垂を引き上げる治療で、輪郭のもたつき改善やたるみがほうれい線の上に乗っかることで生じる影には効果的ですが、皮膚そのもの刻まれじわには作用せず「リフトしても線はそのまま残ってしまう」ケースがほとんどです。
▶︎【ほうれい線のリフトアップ治療の詳細をみる>】
まとめ|刻まれじわ改善と予防を両立する唯一の方法
ほうれい線と一口に言っても、骨格や脂肪の沈み込みによる「溝」と、皮膚そのものに刻まれた「しわ」とでは原因も治療法も大きく異なります。
特に「刻まれじわ」はセルフケアで改善できるものではなく、ヒアルロン酸・ボトックス・リフトアップ施術といった他の治療でも十分な効果は得られません。
唯一改善が期待できるのは、真皮のコラーゲンやエラスチンを再生し、内側から皮膚表面を再構築するグロースファクター治療だけです。さらに、肌そのものを強化する作用があるため、今後のしわ形成を防ぐ「予防効果」も同時に期待できます。
もちろん深い刻まれじわや強い表情筋の影響による折れ癖には限界があるものの、それでも最も現実的かつ確実に「刻まれじわ」を薄くし、同時に将来の老化スピードを緩やかにできる選択肢はグロースファクター以外にありません。
当院はほうれい線治療を専門に行っており、患者様のご状態やご希望に応じて、最適な治療法をご提案いたします。
無料カウンセリングも実施しており、お寄せいただいたご相談メールには、本記事を執筆している院長の私がすべて丁寧にご返信いたします。ほうれい線でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。