
著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「毎日コロコロしていたら、ほうれい線も少し薄くなるのでしょうか。」
「美顔ローラーを使ったあとは顔がすっきりする気がします。続ければ、ほうれい線にも効果がありますか。」とご相談いただくことがあります。
コロコロ美顔ローラーは自宅で手軽に使えるため、ほうれい線が気になり始めたときに試してみたいと思う方も多いでしょう。
実際、フェイスローラーを使用したあとに皮膚の血流が一時的に増加したという研究や、継続使用によって皮膚の弾力などに変化がみられた研究もあります。
そのため、コロコロ美顔ローラーを使うことにまったく意味がないわけではありません。
ただし、「使用後に顔がすっきり見えること」と、「すでに形成されたほうれい線そのものが改善すること」は別です。
ほうれい線には、皮膚が折れ曲がることで形成された「溝」と、頬との高低差や鼻横の骨格的なくぼみなどによって生じる「影」があります。
コロコロしたあとにほうれい線が少し薄く見えたとしても、溝そのものがなくなったとは限りません。肌の状態や顔の見え方が一時的に変化している可能性があります。
東京リンクルクリニックは、ほうれい線治療を専門とする美容皮膚科です。
この記事では、コロコロ美顔ローラーにどこまで効果が期待できるのか、ほうれい線そのものを改善できるのか、正しい使い方や、やりすぎると逆効果になるのかまで、現在わかっている研究と実際のほうれい線の構造をもとに解説します。
この記事を読んでわかること
- コロコロ美顔ローラーに期待できる効果
- コロコロだけでほうれい線を改善できるのか
- 美顔ローラーの使い方と注意点
- やりすぎると逆効果になるのか
- コロコロで変わらないほうれい線への対策
美顔ローラーを続けてもほうれい線が変わらない方へ
ほうれい線は、同じように見えても「溝」が主体なのか、「影」が主体なのかによって適した対策が異なります。セルフケアを続けても変わらない場合は、まず原因を見極めることが大切です。
コロコロ美顔ローラーでほうれい線は改善できる?

結論からいうと、コロコロ美顔ローラーを使ったあとに顔や肌の見え方が一時的に変化する可能性はありますが、すでに形成されたほうれい線の溝や、頬の下垂・骨格による構造的な影までローラーで改善できるとは考えにくいです。
ここで大切なのが、「コロコロしたら少し薄くなった気がする」という実感まで否定する必要はないということです。
フェイスローラーを5分間使用した研究では、使用した頬の皮膚血流が増加し、その変化が少なくとも10分間持続したと報告されています。
また、女性34人を対象に8週間フェイスローラーまたはグアシャを使用した小規模なランダム化比較試験では、フェイスローラー群で皮膚弾力の指標などに改善がみられました。
一方で、これらの研究は「ほうれい線が浅くなった」「ほうれい線を予防できた」ことを直接調べた研究ではありません。
したがって、フェイスローラーには肌への物理的な刺激による変化はあり得ますが、それをそのまま「ほうれい線治療」と考えるのは分けた方がよいでしょう。
▶︎[ほうれい線ができる原因を詳しく見る>]
▶︎[ほうれい線の「影」ができる理由を見る>]
参考文献:Miyaji A, Sugimori K, Hayashi N. Short- and long-term effects of using a facial massage roller on facial skin blood flow and vascular reactivity. Complement Ther Med. 2018;41:271-276. PubMed
Comparative Effects of Facial Roller and Gua Sha Massage on Facial Contour, Muscle Tone, and Skin Elasticity: Randomized Controlled Trial. PubMed
コロコロでほうれい線が薄く見えることがある理由

では、なぜ「コロコロした直後はほうれい線が少しマシに見える」と感じることがあるのでしょうか。
その答えを考えるには、ほうれい線を一本の線としてではなく、「溝」と「影」に分けて見るとわかりやすくなります。
皮膚血流が一時的に変化する可能性
前述した研究では、フェイスローラーを使用した直後に、使用部位の皮膚血流が増加することが確認されています。
肌が温かく感じたり、血色が変わったように感じたりするのは、このような一時的な反応が関係している可能性があります。
ただし、血流が増えたことから「ターンオーバーが正常化する」「コラーゲンが増えてほうれい線を予防できる」とまでは、現在の研究から断定できません。
確認されている効果と、そこから推測されている美容効果を分けて考えることが大切です。
肌や顔の状態によって見え方が変わる
顔や肌のコンディションによっては、頬や口元の立体感、肌の質感や血色などが普段と違って見えることがあります。
そのようなときにローラーを使い、「顔がすっきりした」「ほうれい線が少し目立ちにくくなった」と感じる方はいらっしゃるでしょう。
ただし、ここでも重要なのは、見え方が変化したことと、皮膚に形成された溝が改善したことは同じではないという点です。
肌の弾力に変化がみられた研究もある
2025年に報告された小規模研究では、フェイスローラーを10分間、週5回、8週間使用したグループで、皮膚弾力の指標に改善がみられています。
そのため、継続的な機械刺激が皮膚に何らかの変化を与える可能性まで否定する必要はありません。
ただし、対象者数は34人と小規模であり、フェイスローラー群は17人です。また、評価項目は顔の輪郭や皮膚弾力などで、ほうれい線の深さそのものを評価した研究ではありません。
「肌に変化が起こる可能性がある」ことと、「ほうれい線が治る」ことの間にはまだ距離があります。
参考文献:Comparative Effects of Facial Roller and Gua Sha Massage on Facial Contour, Muscle Tone, and Skin Elasticity: Randomized Controlled Trial. PubMed
コロコロ美顔ローラーの使い方|強くやりすぎないことが大切

美顔ローラーは商品によって材質や形状、推奨される使用時間・使用方法が異なります。そのため、基本的には使用する商品の説明書に従うことが前提です。
そのうえで、顔に使用するときに共通して意識したいのは、「強くやればやるほど効果が高くなるわけではない」ということです。
ほうれい線を消そうとして、ローラーで溝を押し伸ばす必要もありません。
使用するときは、次のような点に注意してください。
- 痛みが出るほど強く押さない
- 皮膚を強く引っ張るように転がさない
- 赤みが残るほど繰り返さない
- ニキビや湿疹など炎症がある部分には使用しない
- ローラー部分を清潔に保つ
- メーカーが推奨する使用方法・使用時間を守る
「効かせるために強くコロコロする」のではなく、肌へ余計な負担をかけない範囲で使用することが大切です。
コロコロ美顔ローラーが逆効果になることはある?

通常の使い方で、美顔ローラーを使うこと自体が「ほうれい線を悪化させる」と断定できる医学的根拠はありません。
一方で、痛みを感じるほど強く押したり、皮膚を強く引っ張ったり、同じ場所を何度も往復したりする使い方を積極的におすすめする理由もありません。
特に「ほうれい線を伸ばしたい」と思って、線の上を強くこすり続ける必要はありません。
ほうれい線の溝は、皮膚表面をローラーで伸ばすことで物理的に消えるものではないからです。
コロコロで変わらないからといって、さらに強く、長く行うのは避けましょう。
▶︎[ほうれい線のセルフケアでできること・できないことを見る>]
コロコロだけでは変わりにくいほうれい線

では、ローラーを続けても変わらないほうれい線は何が違うのでしょうか。
ほうれい線は、単純に皮膚のコラーゲンが減るだけでできるものではありません。
当院では診察するとき、まず「溝」と「影」のどちらが強いかを見ています。
皮膚に形成された「溝」
笑ったときなどに繰り返し皮膚が折れ曲がり、加齢による皮膚の変化なども重なると、真顔でも皮膚に溝が残るようになります。
このような溝は、表面をローラーで動かしたからといって物理的に消えるものではありません。
さらに、溝の表面には長年の表情筋の動きによる細かな「折れ癖」が重なっていることもあります。
頬の下垂や骨格による「影」
頬の組織が下がると、ほうれい線との間に高低差が生まれ、影が強く見えることがあります。
また、もともと鼻横の骨格がくぼんでいる方では、若い頃から鼻の横に影ができやすいことがあります。
これらは顔の立体構造そのものによって生じる影なので、ローラーを表面で転がすだけで原因そのものを変えることは困難です。
コロコロと一緒にできるほうれい線のセルフケア

ほうれい線が気になると、ローラーだけでなく、マッサージや表情筋トレーニングなど、いろいろな方法を一度に始めたくなるかもしれません。
しかし、自宅で行うケアは「刺激を増やす」ことばかり考える必要はありません。
保湿で乾燥による小じわを目立ちにくくする
肌が乾燥すると、ほうれい線周辺の細かな小じわや肌表面の凹凸が目立ち、光の当たり方によって線が濃く見えることがあります。
化粧水だけで終わらせず、乳液やクリームなども使いながら肌の乾燥を防ぐことは、毎日の基本的なケアとして大切です。
ただし、保湿によって皮膚に形成された深い溝そのものが消えるわけではありません。
紫外線対策を続ける
紫外線は皮膚のコラーゲンやエラスチンなどに影響し、長期的な皮膚老化の一因になります。
美顔ローラーを追加すること以上に、日焼け止めや帽子などで日常的な紫外線対策を続けることは、将来的な肌老化を抑えるうえで重要です。
マッサージや表情筋トレーニングはやりすぎない
ローラーを使い、さらに長時間マッサージをして、その後に表情筋トレーニングまで行う必要はありません。
セルフケアはたくさん組み合わせれば比例して効果が高くなるわけではなく、摩擦や表情の繰り返しを増やしすぎる可能性もあります。
特にすでに折れ癖が目立つ方は、「ほうれい線を消したいから」と口元を大きく何度も動かすことが必ずしも適しているとは限りません。
▶︎[ほうれい線マッサージの正しいやり方・避けたい方法を見る>]
コロコロで変わらないほうれい線は原因に合わせて考える

コロコロ美顔ローラーを使ってもほうれい線が変わらないからといって、セルフケアのやり方が悪いとは限りません。
そもそも、ローラーでは変えにくい原因が主体になっている可能性があります。
診療でも重要なのは、「もっと強くコロコロした方がいいのか」ではなく、今見えているほうれい線の何が残っているのかを見極めることです。
溝が主体の場合
真顔でも皮膚に線が残っており、頬を軽く引き上げても溝そのものが残る場合は、皮膚側への治療を検討します。
当院で行っているグロースファクター治療も、主にこの皮膚に形成された「溝」を治療対象としています。
グロースファクターは骨格的なくぼみをボリュームで埋めたり、下がった頬を引き上げたりする治療ではありません。
そのため、「ほうれい線なら何でもグロースファクター」という考え方ではなく、溝がどの程度関与しているかを診察したうえで判断することが重要です。
▶︎[ほうれい線の溝に対するグロースファクター治療を見る>]
鼻横の骨格的なくぼみによる影が主体の場合

若い頃から鼻の横がくぼんでいる方や、鼻横から強い影が始まっている方では、骨格による高低差が関係していることがあります。
この場合は、ヒアルロン酸などボリュームを補う治療が選択肢になることがあります。
ただし、鼻横は血管閉塞などの重大な合併症に注意が必要な部位です。単純に「くぼんでいるから埋める」と考えるのではなく、適応とリスクを十分に検討する必要があります。
頬の下垂による影が主体の場合

頬を少し引き上げるとほうれい線の影が明らかに弱くなる場合は、頬の下垂が大きく関係している可能性があります。
このような場合には、ハイフ、糸リフト、フェイスリフトなど、状態に応じてリフトアップ治療を検討することがあります。
ただし、頬を引き上げても皮膚の溝が残る方も少なくありません。
その場合は「リフトアップが効かなかった」のではなく、影は改善しても、別の要因である溝が残っていると考えた方が実際の状態を理解しやすくなります。
よくある質問

コロコロ美顔ローラーは毎日使ってもいい?
商品によって材質や構造、推奨される使用方法が異なるため、基本的にはメーカーが案内している使用頻度に従ってください。毎日使う場合でも、赤みや痛みが残るほど強く使用する必要はありません。
ほうれい線の上を直接コロコロしてもいい?
軽く使用する程度であれば、必ずしもほうれい線の上を避ける必要はありません。ただし、溝を伸ばそうとして強く押したり、皮膚を引っ張りながら何度も往復したりする必要はありません。
コロコロすると顔がたるむ?
通常の使用で「ローラーを使うと必ず顔がたるむ」とまではいえません。一方で、強い力で皮膚を引っ張ったり、摩擦を繰り返したりする使い方を積極的におすすめする理由もありません。
コロコロ美顔ローラーは逆効果になる?
美顔ローラーそのものがほうれい線を必ず悪化させるという根拠はありません。ただし、痛みや赤みが残るほど強く押す、皮膚を強く引っ張る、同じ場所を何度も往復するなど、肌に負担をかける使い方は避けた方がよいでしょう。
どのくらい続ければほうれい線への効果がわかる?
現在のところ、「何週間使えばほうれい線が改善する」という明確な期間を示せる医学的根拠はありません。8週間のフェイスローラー使用で皮膚弾力などの変化を認めた研究はありますが、ほうれい線そのものを評価した研究ではありません。
まとめ|コロコロは一時的な変化とほうれい線の改善を分けて考える

コロコロ美顔ローラーは、決して「意味のない美容器具」と言い切れるものではありません。
使用直後に皮膚血流が増加した研究や、継続使用によって皮膚弾力などに変化がみられた小規模研究もあります。
一方で、現在のところ、コロコロ美顔ローラーによってほうれい線そのものを改善・予防できるとまでは証明されていません。
実際にコロコロしたあとに「少し薄くなった」と感じるのであれば、その変化まで否定する必要はありません。ただし、それが皮膚に形成された溝の改善なのか、肌や顔の見え方が一時的に変化しただけなのかは分けて考える必要があります。
コロコロで変わらないからといって、さらに強くこする必要はありません。
セルフケアで変わりにくくなってきたと感じたら、「何が自分のほうれい線を目立たせているのか」を確認し、原因に合った対策を選ぶことが大切です。
コロコロを続けてもほうれい線が変わらない方へ
東京リンクルクリニックでは、ほうれい線を「溝」と「影」に分けて確認し、それぞれの状態に合わせた治療をご提案しています。無料メール相談には院長が一通ずつご返信しています。







