著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「ヒアルロン酸注入は手軽に美しくなれる魔法」…そう思っていませんか?
確かにその即効性は魅力的ですが、打ちすぎるとどうなるかご存じでしようか。
不自然な「整形顔」やしこりの形成、さらには恐ろしい血流障害のリスクまで。
しかも、一度打ちすぎると「もっと注入しなきゃ」という依存のループに陥る危険性も!
でも安心してください。本記事では、ヒアルロン酸の打ちすぎがもたらすリスクをわかりやすく解説するとともに、リスクを回避しつつ自然な美しさを保つコツをお伝えします。
正しい知識を持って、安心して美しさを追求するための第一歩を踏み出しましょう。
目次
ヒアルロン酸の打ちすぎがもたらす5つのリスク
1. 不自然な見た目になる
ヒアルロン酸の過剰注入は、顔全体のバランスを崩し、不自然な印象をもたらす原因となります。
特に頬や唇への注入では、必要以上に膨らんだり、重たく浮腫んだような印象になることがあります。
注入直後は適切に見えても、時間が経つとヒアルロン酸が過剰に膨張するなどして、特有の「整形顔」として周囲に違和感を与えることもあります。
不自然な仕上がりを防ぐには、注入量を適切にコントロールする医師の経験と技術が不可欠です。
2. ヒアルロン酸のしこりができる
過剰な注入は、皮膚内でヒアルロン酸が不均一に凝集し、しこりが形成されるリスクを高めます。
これらのしこりは触れると硬く感じたり、見た目に不自然な凹凸を生じる場合があります。
しこりが大きくなれば、溶解剤を使用して対処する必要がありますが、完全に治療するのは難しいこともあります。
特に同じ部位に繰り返し注入することで、しこりのリスクはさらに増加します。
3. 血流障害のリスクが高まる
大量のヒアルロン酸が血管を圧迫すると、血流障害が起こる可能性があります。
場合によっては、皮膚の壊死や炎症を引き起こすだけでなく、鼻や目の周辺では失明に至ることもあります。
また、誤って血管内に注入されると「血管塞栓」という重篤な合併症を招く危険性もあります。
リスクを最小限に抑えるため、施術者の解剖学的知識と慎重な注入技術が求められます。
4. たるみや小じわの原因になる
過度なヒアルロン酸注入は、皮膚のハリや弾力性の維持に悪影響を及ぼします。
ヒアルロン酸が吸収された後、皮膚の表面のたるみや薄くなった部分が目立ち、小じわの原因となる場合があります。
また、過剰に注入された箇所では皮膚が不自然に引き伸ばされ、自己修復能力が低下するリスクもあります。
これにより、吸収後時間が経っても皮膚が元の状態に戻るのが難しくなり、さらなる治療が必要になることがあります。