ヒアルロン酸注射の重大なリスクの一つに、皮膚が腐ってしまう「皮膚壊死」があります。
この施術は、多くの美容クリニックで行われており、ヒアルロン酸自体も安全な成分ですが、稀にこのような事態を引き起こすことがあります。
今回は、この皮膚が腐ってしまう症状について、起こる可能性と対処法についてご紹介します。
なぜヒアルロン酸注射で皮膚が腐るのか
ヒアルロン酸はゼリー状の成分ですが、これを注射したときに血管内まで入ってしまうと、血管が詰まることがあります。
また、血管内に入らなくても、注入したヒアルロン酸によって血管が圧迫されてしまうこともあります。
これらによって、血の流れが途絶えてしまい、「血流障害」を引き起こすのです。
そしてこの状態が続いてしまうと、皮膚に栄養が行き届かなくなり、次第に皮膚の色が変わり、最終的に腐ってしまいます。
皮膚が腐ってしまうまでの過程
皮膚が腐ってしまう前の兆候として、治療した箇所が痛んだり、赤みが続いたりします。
また、皮膚が白くなることもあります。
皮膚が腐ってしまったときの対処法
ヒアルロン酸注射の施術後に、皮膚が腐る原因である血流障害が疑われる場合には、すみやかに溶解剤を使って注入したヒアルロン酸を溶かします。
また、患部をあたためて血管を広げ、血の流れを良くしたり、マッサージを行ったりするのも効果的です。
これらによって、皮膚が腐ってしまう前に原因が解消できれば、症状は改善します。
しかし、壊死が始まってしまった場合には、腐ってしまった組織を取り除く、デブリードマンを行わなければなりません。
これを行うと、見た目のみならず、からだにも負担がかかるため、皮膚が腐ってしまう前の早い段階で処置を施すことが大変重要です。