
著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「最近、ほうれい線が気になってきた。」
「アンチエイジングを始めたいけれど、何をすればいいのか分からない。」
このように感じて検索された方も多いのではないでしょうか。
アンチエイジングという言葉はよく耳にしますが、その意味は人によって様々です。
高価な化粧品やサプリメントを思い浮かべる方もいれば、食事や運動、美容医療をイメージする方もいます。
東京リンクルクリニックは、ほうれい線治療を専門とする美容皮膚科です。
診療では、「何か良いアンチエイジングはありませんか?」というご相談をいただくことがあります。
しかし、お話を伺うと、本当に知りたいのは「若返る方法」ではなく、「今より老けて見えないためには何をすればいいのか」ということがほとんどです。
日焼け止めは毎日塗った方がいいのか。高い化粧品を使った方がいいのか。コラーゲンやサプリメントは必要なのか。食事や運動を変えればほうれい線も薄くなるのか。
様々な情報があるからこそ、「結局、何から始めればいいの?」と迷ってしまうのではないでしょうか。
ほうれい線のアンチエイジングで大切なのは、特別なことを一つ始めることではありません。
将来の変化をできるだけ緩やかにするために、効果が期待できることから優先して、無理なく続けることです。
そして、すでにセルフケアだけでは変えにくいほうれい線がある場合には、それを「努力不足」と考えず、必要に応じて別の方法を考えます。
この記事では、今日から始めたいほうれい線のアンチエイジングと、化粧品やコラーゲン、サプリメント、マッサージなどへの考え方、美容医療を考えるタイミングまで解説します。
この記事を読んでわかること
- ほうれい線のアンチエイジングで優先したいこと
- 化粧品・食事・コラーゲン・サプリメントに期待できること
- セルフケアを続けてもほうれい線が残る理由
- 美容医療を考えるタイミング
「まだ治療をするほどではない気がする」という方へ
セルフケアで様子を見てよい状態なのか、すでに自分では変えにくいほうれい線なのか分からない段階でもご相談いただけます。
ほうれい線のアンチエイジングは「何を足すか」より「何を優先するか」

アンチエイジングというと、新しい美容液を使う、サプリメントを飲む、美顔器を買うなど、「何かを足すこと」を考えがちです。
もちろん、それらを取り入れることが悪いわけではありません。
しかし、ほうれい線のために本当に大切なことを考えると、まず優先したいのはもっと基本的なことです。
紫外線から皮膚を守ること。乾燥を防ぐこと。極端な食生活を避け、睡眠や運動を含めて健康状態を整えること。
こうしたことは地味に見えるかもしれませんが、アンチエイジングは一度の特別なケアより、長く続く毎日の積み重ねの影響を受けます。
一方で、ここで知っておきたいことがあります。
これからほうれい線が深くなるのをできるだけ防ぐことと、すでにあるほうれい線を元に戻すことは同じではありません。
予防のために続けたいことと、今ある変化を改善するために必要なことを分けて考えると、「何をやればいいのか」がかなり整理しやすくなります。
まず優先したいのは紫外線対策と保湿です
「アンチエイジングのために今日から何か一つ始めるなら?」と聞かれたら、私はまず紫外線対策を見直すことをおすすめします。
紫外線対策

紫外線によるダメージは皮膚の光老化に関係し、長期的な紫外線曝露によってコラーゲンや弾性線維を含む皮膚の構造が変化します。
ほうれい線は骨格や頬の状態など様々な要因によって目立ちますが、皮膚のハリが低下すれば、折れ曲がる部分にはより溝が形成されやすくなります。
そのため、日焼け止めを使用する、帽子や日傘を取り入れる、強い日差しを長時間浴びるときは特に注意するといった習慣は、将来の皮膚を守る上で大切です。
今日、日焼け止めを塗らなかったからといって、明日ほうれい線が深くなるわけではありません。
しかし、数年、10年という単位で考えると、毎日の積み重ねには意味があります。
参考文献:Mineroff J, Nguyen JK, Jagdeo J. The Importance of Photoaging Prevention in All Skin Types: An Update on Current Advancements. J Drugs Dermatol. 2024;23(1):1306-1310. PubMed
保湿

保湿も、毎日無理なく続けたい基本的なケアです。
ただし、保湿剤によって深いほうれい線の溝そのものがなくなるわけではありません。
乾燥すると皮膚表面の細かなしわが目立ち、口元全体が疲れて見えることがあります。
そのため、肌に合った保湿剤を使い、乾燥から皮膚を守ることが大切です。
高価な化粧品である必要はありません。
「何を塗ればほうれい線が消えるか」と探し続けるより、まず乾燥させないことを毎日続ける方が現実的です。
体の内側からできるアンチエイジングもあります

「できれば化粧品だけではなく、体の内側から整えたい」と考える方もいらっしゃるでしょう。
この考え方自体は間違っていません。
健康な皮膚を維持するためには、タンパク質をはじめ、ビタミンやミネラルなど様々な栄養素が必要です。
十分な睡眠や適度な運動も、皮膚だけでなく身体全体を健やかに保つ上で大切です。
ただし、ここでも「健康な皮膚を維持すること」と「すでに形成されたほうれい線を改善すること」は分けて考える必要があります。
特定の食品を食べたり、睡眠時間を増やしたり、運動を始めたりしただけで、鼻横の骨格的なくぼみや皮膚に形成された深い溝が元に戻るわけではありません。
だからといって、食事や睡眠、運動に意味がないわけでもありません。
「ほうれい線を消すため」だけではなく、これからの皮膚や身体を健やかに保つために続けるもの、と考えるとよいでしょう。
食事、栄養、睡眠、運動など、体の内側からできることについては別の記事で詳しく解説しています。
▶︎[食事・睡眠・運動など、体の内側からできることを詳しく見る>]
コラーゲンやサプリメントは必要?

アンチエイジングについて調べていると、「コラーゲンを飲んだ方がいい」「このサプリを飲めば肌が若返る」といった情報も目にします。
特に、ほうれい線が気になり始めると、できるだけ手軽な方法で内側から補いたいと考えるのは自然なことだと思います。
経口コラーゲンについては、皮膚の水分量や弾力などへの改善を示した研究がある一方で、研究の質や資金源などを考慮すると、有効性について慎重な解釈が必要とする報告もあります。
少なくとも、「コラーゲンを飲めば、ほうれい線の溝や骨格による影がなくなる」と考えることはできません。
サプリメントも同じです。
食事だけでは不足しやすい栄養素を補うという役割はありますが、「ほうれい線の治療」として使うものではありません。
高価だから効く、多く飲めば効くというものでもありません。
必要性がある場合には取り入れながら、アンチエイジングの中心をサプリメントだけに置かないことが大切です。
▶︎[コラーゲンは食べる・飲む・塗るで何が違う?詳しく見る>]
参考文献:Myung SK, Park Y. Effects of Collagen Supplements on Skin Aging: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Am J Med. 2025;138(9):1264-1277. PubMed
高い化粧品やマッサージを頑張りすぎなくても大丈夫です

ほうれい線が気になると、「もっと良い化粧品に変えた方がいいのでは」「毎日マッサージをした方がいいのでは」と考える方もいます。
しかし、アンチエイジングは頑張れば頑張るほど効果が高くなるものではありません。
例えば、化粧品には保湿や肌表面を整える役割がありますが、価格が高いほど骨格や深い溝まで改善できるわけではありません。
マッサージも、一時的にむくみが軽くなり顔がすっきり見えることはありますが、鼻横の骨格的なくぼみをなくしたり、皮膚に形成された溝を元へ戻したりする方法ではありません。
顔ヨガや表情筋トレーニングも同様です。
表情筋を動かすこと自体が悪いわけではありませんが、「ほうれい線を消すために強く動かせば動かすほどよい」とは考えない方がよいでしょう。
特に、ほうれい線を消そうとして皮膚を強くこするケアはおすすめしていません。
何か新しい方法を次々と追加するより、毎日続けたい基本的なことを続け、効果が期待しにくいものには期待しすぎない。
これもアンチエイジングでは大切な考え方です。
▶︎[マッサージ後だけほうれい線が薄く見える理由を見る>]
▶︎[顔の筋トレでできること・できないことを見る>]
それでもほうれい線が残るのは、努力が足りないからではありません

診療では、「化粧品も変えました」「サプリメントも飲んでいます」「マッサージも続けています」という方にお会いすることがあります。
それでも改善しないと、「何かもっと効果のあるアンチエイジングをしなければ」と、新しい方法を探し続けてしまう方もいます。
しかし、実際にはセルフケアが足りないのではなく、セルフケアだけでは変えにくい部分がほうれい線を目立たせていることがあります。
当院では、ほうれい線を一本の線として見るのではなく、主に「溝」と「影」に分けて考えています。
皮膚に形成された「溝」

ほうれい線では、表情を作るたびに同じ部分の皮膚が繰り返し折れ曲がります。
それが長年続くことで、真顔でも残る構造的な「溝」が形成されることがあります。
例えば、一度深く折れた紙は、その後丁寧に扱っても、折れ目そのものが簡単にはなくなりません。
ほうれい線も同じように、すでに構造的な変化が生じている場合には、予防のためのセルフケアだけで元の状態に戻すことは難しくなります。
骨格や頬との高低差による「影」

ほうれい線が濃く見えるのは、皮膚の溝だけが理由ではありません。
鼻横にもともと骨格的なくぼみがある方では、その部分に影ができやすくなります。
また、頬の厚みや位置が変化すると、頬と口元の高低差が大きくなり、ほうれい線の影が強調されることがあります。
このような影も、保湿や食事、サプリメントだけでなくすことはできません。
溝の表面に重なる「折れ癖」

さらに、皮膚に形成された溝の表面には、長年の表情筋の動きによって細かな折れ癖が刻まれることがあります。
当院では、これを溝そのものとは分けて考えています。
溝は皮膚が折れ曲がることで形成された構造的な変化であり、折れ癖はその表面に刻まれた表層の変化です。
こうした構造的な変化が目立つようになると、アンチエイジングのための生活習慣は続けながらも、「今あるほうれい線をどうするか」は別に考えた方がよい場合があります。
▶︎[「しわは深くないのに暗く見える」影の正体を見る>]
▶︎[真顔でも細い線が残る「折れ癖」について詳しく見る>]
美容医療を考えるのは、セルフケアでは変えにくい部分が気になったとき
アンチエイジングのために、すべての方が美容医療を受ける必要があるわけではありません。
紫外線対策や保湿、生活習慣を整えながら自然に年齢を重ねたい、という考え方ももちろんあります。
一方で、セルフケアを続けても真顔でほうれい線が残るようになったり、鼻横の影が強くなったりすると、「これ以上何を頑張ればいいのだろう」と感じることがあります。
そのようなときは、一度美容医療を検討してもよいタイミングです。
大切なのは、「アンチエイジングならこの治療」と決めることではありません。
皮膚に形成された溝が主体なのか、鼻横の骨格的なくぼみによる影が強いのか、頬の下垂が関係しているのかによって、適した治療は異なります。
例えば、皮膚の溝にはグロースファクターなど皮膚側へアプローチする治療、骨格的なくぼみにはヒアルロン酸などの注入治療、頬の下垂が強い場合にはハイフや糸リフトなどが選択肢になることがあります。
ただし、ここで重要なのは治療名を覚えることではありません。
自分でできることは続けながら、自分では変えにくい部分だけを必要に応じて治療する。
それくらいの距離感で美容医療を考えてよいと思います。
▶︎[自分のほうれい線にはどんな治療が合う?原因別に見る>]
▶︎[ほうれい線のグロースファクター治療について詳しく見る>]
セルフケアを続けているのに、ほうれい線が変わらない方へ
まだ治療を受けると決めていなくても、今見えているほうれい線がセルフケアで予防できるものなのか、すでに治療の対象になる変化なのかを確認することができます。
東京リンクルクリニックが考えるアンチエイジング

当院では、アンチエイジングとは年齢に逆らうことではなく、その方らしい自然な若々しさを保つことだと考えています。
若い頃とはまったく違う顔を目指すことでも、必要以上にボリュームを増やしたり、不自然に引き上げたりすることでもありません。
「以前より疲れて見えるようになった。」
「笑っていないときにも、ほうれい線が残るようになった。」
そのような変化の中で、どこを改善すると自然に見えるのかを考えることが大切です。
アンチエイジングのために、すべてのことを完璧にする必要もありません。
紫外線対策をする。乾燥させない。身体の健康を整える。必要のないケアは増やしすぎない。
その上で、自分では変えにくい部分が気になるようになったら、美容医療を選択肢の一つとして考える。
「何歳だから何をする」ではなく、今の自分に必要なことだけを選ぶことが、無理なく続けられるアンチエイジングだと考えています。
よくある質問

40代や50代からアンチエイジングを始めても遅くありませんか?
遅すぎることはありません。
紫外線対策や保湿、生活習慣を整えることは、年齢にかかわらず皮膚や身体の健康を保つために大切です。
「もっと早く始めればよかった」と考えるより、今から続けられることを始める方がよいでしょう。
男性でもほうれい線のアンチエイジングは同じですか?
基本的な考え方は同じです。
男性でも、紫外線対策や保湿、生活習慣を整えることは大切です。
また、ほうれい線が目立つ背景には皮膚だけでなく、骨格や頬の厚みなども関係するため、性別だけで対策を決めるものではありません。
高い化粧品を使った方がアンチエイジングには効果がありますか?
価格が高いほど、ほうれい線への効果も高いとは限りません。
まずは紫外線対策と保湿を基本にし、化粧品に何を求めるのかを考えて選ぶことが大切です。
骨格的なくぼみや、すでに形成された深い溝まで化粧品だけで変えることはできません。
アンチエイジングのために美容医療は必要ですか?
必ずしも必要ではありません。
セルフケアでできることを続けながら自然に年齢を重ねたい方もいらっしゃいます。
一方で、セルフケアでは変えにくい溝や影が気になるようになった場合には、美容医療を選択肢の一つとして考えることができます。
大切なのは、治療を受けることそのものではなく、自分がどこまで改善したいのかです。
まとめ|ほうれい線のアンチエイジングは「頑張りすぎない」ことも大切です

アンチエイジングというと、新しい化粧品、サプリメント、美顔器、美容医療など、何かを次々に追加しなければならないように感じるかもしれません。
しかし、本当に大切なのは、すべてを行うことではありません。
紫外線対策や保湿など優先したいことを続け、食事や睡眠、運動を含めて身体を健やかに保つこと。
そして、コラーゲンやサプリメント、マッサージなどにはできることとできないことがあると知っておくことです。
それでもほうれい線が残る場合、それはアンチエイジングを頑張っていないからとは限りません。
皮膚に形成された溝や、骨格・頬との高低差による影など、自分では変えにくい部分が目立っていることもあります。
セルフケアでできることは無理なく続ける。
そして、自分では変えにくい部分が気になるようになったときだけ、必要な美容医療を検討する。
「アンチエイジングに良いもの」を探し続けるのではなく、今の自分に必要なことを選びながら続けていくことが、自然な若々しさにつながると考えています。







