
著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
ドクター紹介はこちら
「コラーゲンを飲めば、ほうれい線は薄くなる。」
「コラーゲンサプリを続ければ、肌のハリが戻る。」
そんな広告やSNSを見て、試してみようと思ったことはありませんか。
実際、コラーゲンドリンクやサプリメント、コラーゲン配合化粧品は数多く販売されており、「ほうれい線にはコラーゲン」というイメージを持っている方は少なくありません。
東京リンクルクリニックは、ほうれい線治療を専門とする美容皮膚科です。
当院では、ほうれい線を一本の線として診るのではなく、皮膚に形成された溝と、頬との高低差などによって生じる影を中心に、その背景にある骨格や脂肪、皮膚のハリなどを確認しています。
診療でも、「コラーゲンサプリを何年も飲んでいるのに改善しません」「高価なコラーゲン化粧品を使っていますが、ほうれい線は変わりません」とご相談いただくことがあります。
実際に診察すると、皮膚のハリ低下だけではなく、すでに皮膚に形成された溝や、頬の下垂、鼻横の骨格的なくぼみなどによる影が大きく関係していることは珍しくありません。
結論からいうと、コラーゲンは皮膚のハリや弾力を支える重要な成分ですが、食事やサプリメント、化粧品だけで、すでに形成されたほうれい線の溝や構造的な影を明確に改善することは期待しにくいでしょう。
もちろん、「コラーゲンは意味がない」ということでもありません。
食事、サプリメント、ドリンク、化粧品にはそれぞれ異なる役割があります。大切なのは、「コラーゲンを増やせばほうれい線が消える」と単純に考えず、何ができて、何ができないのかを分けて考えることです。
この記事では、コラーゲンとほうれい線の関係から、食事・サプリメント・ドリンク・化粧品で期待できることと限界、さらにほうれい線を改善したい場合の考え方まで解説します。
この記事を読んでわかること
- コラーゲンとほうれい線の関係
- 食事からコラーゲンを摂る意味
- コラーゲンサプリ・ドリンクで期待できる効果と限界
- コラーゲン配合化粧品でできること
- コラーゲンを増やすだけではほうれい線が改善しない理由
コラーゲンを意識してもほうれい線が変わらない方へ
ほうれい線は、皮膚のハリだけでなく、すでに形成された溝や頬との高低差による影などが重なって目立つことがあります。
「自分の場合は何が原因なのか分からない」という方は、無料メール相談をご利用いただけます。お写真を確認し、院長が一通ずつご返信しています。
コラーゲンは肌に重要でも、補給だけでほうれい線は改善しにくい

コラーゲンは、皮膚の真皮に多く存在し、肌のハリや弾力を支えているタンパク質です。
そのため、「ほうれい線が気になるならコラーゲンを増やせばよい」と考えるのは自然なことです。
しかし、皮膚にコラーゲンが重要であることと、コラーゲンを食べたり飲んだり塗ったりすれば、ほうれい線が改善することは同じではありません。
食事はコラーゲンを作るために必要な栄養素を補う役割があります。経口コラーゲンには、肌の水分量や弾力などを改善する可能性を示した研究があります。化粧品に含まれるコラーゲンも、肌表面の保湿には役立ちます。
一方、すでに目立っているほうれい線には、皮膚のハリ低下だけでは説明できない要因があります。
そのため、それぞれの役割を正しく理解し、過度な効果を期待しないことが大切です。
コラーゲンとほうれい線の関係

「年齢とともにコラーゲンが減ると、ほうれい線が深くなる」と聞いたことがある方も多いでしょう。
実際、加齢に伴う真皮の変化は、ほうれい線が目立ちやすくなる要因の一つです。
ただし、ほうれい線はコラーゲン量だけで決まるわけではありません。
コラーゲン減少で皮膚のハリが低下する
真皮では、コラーゲンやエラスチンなどが皮膚の構造を支えています。
年齢とともにこうした真皮の構造が変化すると、皮膚は若い頃と比べてハリや弾力を失いやすくなります。
若い頃は笑ったときにほうれい線部分の皮膚が折れ曲がっても、真顔に戻るとほとんど目立たないことがあります。
しかし、皮膚のハリが低下すると、長年にわたって繰り返し折れ曲がっている部分に構造的な変化が生じ、次第に溝として残りやすくなります。
さらに、その溝の表面に長年の表情筋の動きによる細かな線が刻まれることがあります。当院では、これを折れ癖として考えています。
つまり、真皮のコラーゲン減少などによる皮膚のハリ低下は、ほうれい線の溝を形成・目立たせる要因の一つです。
ほうれい線にはコラーゲン以外の原因もある
ここが、「ほうれい線にはコラーゲンがよい」と考えるときに見落とされやすい部分です。
ほうれい線には、皮膚に形成された溝だけでなく、頬との高低差などによって生じる影があります。
例えば、頬に厚みがある方や頬が下垂している方では、頬とほうれい線部分との高低差が大きくなり、線に沿って構造的な影が生じます。
また、鼻横の骨格的なくぼみが深い方では、その部分に影ができることで、ほうれい線が実際以上に深く見えることがあります。
こうした要因は、皮膚のコラーゲン量だけで決まるものではありません。
だからこそ、「コラーゲンを増やせばほうれい線が改善する」というほど単純ではないのです。
実際の診療でも、「肌のハリが落ちたからほうれい線が深くなったと思っていました」という方を診察すると、皮膚よりも頬との高低差による影が大きく影響していることがあります。
▶︎[ほうれい線ができる原因を詳しく見る>]
▶︎[ほうれい線の影が目立つ仕組みを見る>]
食事からコラーゲンを摂る意味

「コラーゲンが肌にいいのなら、多く含まれた食べ物を食べればいいのでは?」と思う方もいるでしょう。
結論として、食べたコラーゲンが、そのまま顔のコラーゲンになるわけではありません。
コラーゲンは消化の過程でアミノ酸やペプチドに分解され、腸から吸収された後、体内で利用されます。
そのため、「昨日食べた手羽先が、今日ほうれい線のコラーゲンになる」という仕組みではありません。
一方で、食事が無意味ということではありません。
皮膚を含む体の組織を作るためには、十分なタンパク質を摂ることが必要です。また、コラーゲン合成にはビタミンCをはじめとする栄養素も関係しています。
特定の「コラーゲン食品」だけを大量に食べるより、肉・魚・卵・大豆製品などからタンパク質を摂り、野菜や果物なども含めたバランスの良い食事を続ける方が、健康な皮膚を維持する上では大切です。
食事はほうれい線を直接改善する治療ではありませんが、肌の土台を整えるという意味では重要なセルフケアです。
コラーゲンサプリ・ドリンクで期待できること

「コラーゲンサプリは飲んでも意味がない」という意見がある一方で、「飲み始めてから肌の調子がよくなった」と感じる方もいます。
では、実際の研究ではどうなのでしょうか。
経口コラーゲンについては、これまで複数のランダム化比較試験やメタ解析が行われています。
2023年に発表された26件のランダム化比較試験を対象としたメタ解析では、加水分解コラーゲンの摂取によって、肌の水分量や弾力が改善する傾向が報告されました。
一方、2025年に発表された23件のランダム化比較試験のメタ解析では、すべての研究をまとめると肌の水分量・弾力・しわに改善がみられたものの、企業から資金提供を受けていない研究や質の高い研究に限定すると、明確な効果は確認されませんでした。
さらに2026年の最新のシステマティックレビュー・メタ解析でも、水分量や弾力の改善可能性は示された一方で、研究間のばらつきが大きく、追跡期間が短いことや、報告の不十分さ、企業関与などが課題として指摘されています。
現在の研究を総合すると、「全く意味がない」と言い切ることも、「確実に肌が若返る」と言い切ることも難しい、というのが妥当な位置づけです。
そして、ここでもう一つ重要なのが、研究で評価されている「肌の水分量・弾力・しわ」と、ほうれい線を同じものとして考えないことです。
皮膚の状態が多少改善したとしても、すでに形成された溝や、頬・骨格などによる構造的な影まで変わるわけではありません。
当院でも、「何年もコラーゲンサプリを飲んでいるのに、ほうれい線は変わりません」とご相談いただくことがあります。
診察すると、皮膚のハリ低下だけでなく、すでに形成された溝や頬との高低差による影が大きく関係していることは珍しくありません。
そのため、サプリメントやドリンクは、ほうれい線を治す方法としてではなく、肌全体のコンディションをサポートする選択肢の一つとして考えるのが現実的です。
コラーゲンドリンクの研究や飲む期間、サプリとの違いなどは、別の記事で詳しく解説しています。
▶︎[コラーゲンドリンクの効果と限界を詳しく見る>]
▶︎[ほうれい線とサプリメントの関係を見る>]
参考文献:Pu SY, et al. Effects of Oral Collagen for Skin Anti-Aging: A Systematic Review and Meta-Analysis. Nutrients. 2023;15(9):2080. PubMedで見る
Myung SK, et al. Effects of Collagen Supplements on Skin Aging: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Am J Med. 2025. PubMedで見る
Moltó-Balado P, Simeó-Monzó A. Oral Collagen Supplementation for Skin Hydration and Elasticity: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Aesthetic Med. 2026;2(3):17. 論文を見る
コラーゲン配合化粧品でできること

「塗るコラーゲン」という言葉を見ると、肌のコラーゲンそのものが増えそうな印象を受けるかもしれません。
しかし、一般的なコラーゲン配合化粧品を皮膚に塗ったからといって、コラーゲンがそのまま真皮まで届き、新しい真皮のコラーゲンになるわけではありません。
皮膚には外部から異物が入り込むのを防ぐ角層のバリア機能があり、通常のコラーゲンは皮膚を通過しにくい性質があります。
では、コラーゲン配合化粧品は意味がないのでしょうか。
もちろん、そうではありません。
コラーゲンは化粧品では保湿成分として利用されており、肌表面の水分を保つことに役立ちます。
肌が乾燥すると、表面の細かな小じわや凹凸が目立ち、光の当たり方によってほうれい線周辺も実際以上に目立って見えることがあります。
そのため、日々の保湿によって肌表面の状態を整えることには意味があります。
ただし、保湿によって一時的な見え方が整うことと、すでに形成されたほうれい線の溝や折れ癖そのものが改善することは別です。
また、保湿成分はコラーゲンだけではありません。セラミド、ヒアルロン酸、グリセリンなどさまざまな成分があるため、「コラーゲン配合」という表示だけで化粧品を選ぶ必要もありません。
自分の肌に合った保湿剤を継続して使用することの方が大切です。
▶︎[ほうれい線が気になる人の化粧品選びを見る>]
▶︎[乾燥でほうれい線が目立つ仕組みを見る>]
参考文献:Sionkowska A, et al. Collagen Based Materials in Cosmetic Applications: A Review. Materials (Basel). 2020;13(19):4217. PubMedで見る
コラーゲンを減らさないために大切な生活習慣

コラーゲンについて考えると、「何を食べれば増えるのか」「何を飲めば補えるのか」に意識が向きがちです。
しかし、健康な皮膚を維持するためには、体の外からコラーゲンを補うことだけでなく、皮膚のコラーゲンが過剰に傷つく原因を減らすことも重要です。
紫外線対策
特に大きな影響を与えるのが紫外線です。
紫外線による慢性的な皮膚へのダメージは光老化と呼ばれ、真皮のコラーゲンや弾性線維などの細胞外マトリックスに変化を起こします。
紫外線によってMMPと呼ばれる酵素群の発現や活性が高まり、コラーゲンなどの細胞外マトリックスの分解が進むことも知られています。
そのため、日焼け止めや帽子などによる日常的な紫外線対策は、将来的な皮膚のハリ低下を抑える上で重要です。
▶︎[紫外線による肌老化を詳しく見る>]
参考文献:Feng C, et al. Matrix Metalloproteinases on Skin Photoaging. J Cosmet Dermatol. 2024;23(12):3847-3862. PubMedで見る
食事や喫煙などの生活習慣
皮膚の健康を保つためには、特定の美容成分だけに頼らず、十分な栄養を摂ることも大切です。
極端な食事制限を避け、タンパク質やビタミン類などを含むバランスの良い食事を心がけましょう。
また、喫煙は皮膚老化との関連が知られているため、肌の健康という面からも禁煙が望まれます。
つまり、コラーゲンサプリを追加する前に、紫外線対策や食事、喫煙など、日常的に皮膚へ影響する要因を見直すことも大切です。
美容医療にはコラーゲン産生を促す治療もある
ここまで読んで、「では、本当に皮膚のコラーゲンを増やしたい場合はどうすればいいの?」と思われた方もいるかもしれません。
美容医療には、皮膚へ直接働きかけ、創傷治癒や細胞への刺激などを利用してコラーゲン産生やリモデリングを促すことを目的とした治療があります。
例えば、レチノイド、レーザー、高周波(RF)なども、その代表的な選択肢です。
当院で行っているグロースファクター治療も、真皮の線維芽細胞へ働きかけ、コラーゲンなどの産生を促すことで皮膚のハリや溝の改善を目指す治療です。
ただし、「コラーゲンを増やす治療なら、どのほうれい線にも効果がある」というわけではありません。
当院では、皮膚に形成された溝が主体の場合に、グロースファクター治療を選択肢の一つとして考えます。
一方、鼻横の骨格的なくぼみなどによる構造的な影が強い場合、グロースファクターによって皮膚に厚みやハリが出ることで多少目立ちにくくなることはあっても、骨格的なくぼみそのものをボリュームで補う治療ではありません。
また、頬の下垂による構造的な影が主体であれば、リフトアップ治療など、原因となっている立体構造への治療を検討することがあります。
そのため美容医療でも、「何が一番コラーゲンを増やせるか」だけで選ぶのではなく、自分のほうれい線では溝と影のどちらが目立っているのかを確認した上で、原因に合った治療を選ぶことが重要です。
▶︎[グロースファクター治療の仕組みを詳しく見る>]
▶︎[ほうれい線治療を原因から選ぶ考え方を見る>]
コラーゲンとほうれい線のよくある質問
コラーゲンを毎日飲めば、ほうれい線は改善する?
経口コラーゲンには、肌の水分量や弾力などを改善する可能性を示した研究があります。
ただし、研究の質や企業関与などを考慮すると効果の確実性にはまだ限界があり、毎日飲めばほうれい線そのものが改善するとまでは言えません。
特に、すでに形成された溝や構造的な影は、コラーゲンを飲むだけでは変えにくい部分です。
コラーゲンが多い食べ物を食べれば、顔のコラーゲンも増える?
食べたコラーゲンが、そのまま顔の皮膚へ移動してコラーゲンになるわけではありません。
消化・吸収された後、体内で必要に応じて利用されます。
特定の食品だけを多く食べるよりも、十分なタンパク質やビタミン類を含むバランスの良い食事を続けることが大切です。
コラーゲン入り化粧品は意味がある?
あります。ただし、主な役割は真皮のコラーゲンを増やすことではなく、肌表面を保湿して状態を整えることです。
乾燥による細かな小じわや凹凸が目立ちにくくなることはありますが、すでに形成された深い溝を化粧品だけで改善することは難しいでしょう。
コラーゲンが減るとほうれい線は深くなる?
真皮のコラーゲン減少などによって皮膚のハリや弾力が低下すると、ほうれい線部分に溝が形成されやすくなる要因の一つになります。
ただし、ほうれい線の深さはコラーゲン量だけで決まるわけではありません。
頬の厚みや下垂、骨格的なくぼみなどによる影も大きく関係するため、同じ年齢でもほうれい線の見え方には個人差があります。
コラーゲンを増やす美容医療にはどのようなものがある?
レチノイド、レーザー、高周波(RF)、グロースファクター治療など、皮膚のコラーゲン産生やリモデリングを促すことを目的とした治療があります。
ただし、コラーゲンを増やせばすべてのほうれい線が改善するわけではありません。
ほうれい線の溝が主体なのか、構造的な影が主体なのかによって適した治療は異なります。
まとめ|コラーゲンだけでなく溝と影から考える

コラーゲンは、肌のハリや弾力を支える重要な成分です。
食事には皮膚を作るために必要な栄養素を摂る役割があり、経口コラーゲンには肌の水分量や弾力を改善する可能性が示されています。コラーゲン配合化粧品も、肌表面の保湿には役立ちます。
ただし、コラーゲンが肌に重要であることと、コラーゲンを補給すれば、すでに目立っているほうれい線が改善することは別です。
ほうれい線には、皮膚に形成された溝と、頬との高低差や骨格などによって生じる影があります。
そのため、「コラーゲンを増やせばよい」と考えるだけではなく、自分のほうれい線で何が目立っているのかを確認し、その原因に合った対策を選ぶことが大切です。
自分のほうれい線の原因を知りたい方へ
東京リンクルクリニックでは、皮膚に形成された溝、頬との高低差による影、その背景にある骨格や脂肪などを確認し、一人ひとりの状態に合わせて治療をご提案しています。
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