

著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
ドクター紹介はこちら
「メイクではもう隠しきれない…」
鏡を見るたびに気になる、鼻の脇から口元にかけての深いライン――ほうれい線。
その原因の一つが、“骨格的なくぼみ”であること知っていましたか?
いわゆる「貴族手術(鼻翼基部プロテーゼ)」は、この構造的な凹みを根本から補正できる治療法です。
たしかに、適応が合えば立体感のある若々しい顔立ちに整えることが可能です。
でもいったんお待ちください。プロテーゼは万能ではなく、リスクやダウンタイムも伴います。
実際には、ヒアルロン酸・脂肪注入・グロースファクターといった“注入系”の治療でも、ほうれい線の状態によっては十分な効果が得られるケースも少なくありません。
特に「笑ったときに目立つほうれい線」には、グロースファクターのような自然な再生アプローチが効果的です。
この記事では、鼻翼基部プロテーゼのリスクや限界を踏まえつつ、注入系治療との違いや適応を徹底比較。
あなたのほうれい線悩みに最適な解決法を見つけるヒントをお届けします。
目次
貴族手術(鼻翼基部プロテーゼ)のリスクやデメリット
鼻翼基部のプロテーゼによるほうれい線治療は、骨格的なくぼみを根本から改善できる手術ですが、いくつかのリスクや注意点があります。
腫れ・感染・違和感などの合併症
鼻翼基部へのプロテーゼは口腔内(上唇の裏側)を小さく切開して挿入するため、外見上の傷は残りませんが、施術後には腫れ・内出血・感染といったリスクが伴います。
特に、挿入時に傷口から細菌が侵入すると、発赤・熱感・痛み・化膿などの感染症状が現れる可能性があり、抗生剤の投与などが必要になります。
また、体質によってはプロテーゼを異物と認識し拒絶反応を起こすケースもあり、慢性的な炎症やしこりや違和感が残ることがあります。
抜去や修正が必要になるケースも
プロテーゼは一度挿入すれば永久的に効果が持続すると思われがちですが、経年変化によって位置がずれるリスクや、外的な衝撃により移動する可能性もあります。
特に手術時に骨膜固定が不十分な場合や、術後に強いマッサージなどをおこなった場合、プロテーゼがわずかに動いてしまい、左右差、隆起感、違和感などの原因になることがあります。
また、プロテーゼは体内で劣化することは基本的にありませんが、加齢による顔貌の変化に合わなくなる可能性はあります。
このようなケースでは、見た目のバランスを保つために10〜15年を目安に入れ替えを検討する場合もあります。
ただし明確な使用期限があるわけではないため、経過観察を続け、必要に応じて修正や交換を判断するのが一般的です。
貴族手術(鼻翼基部プロテーゼ)vs ほうれい線の注入治療
では実際にほうれい線の治療法として、貴族手術(鼻翼基部プロテーゼ)と他の注入治療(脂肪注入・ヒアルロン酸・グロースファクター)ではどのような違いがあるのでしょうか。
以下に、治療法ごとの特徴や適応部位、メリット・デメリットを比較した一覧表を示し、違いを解説します。
治療法 | 即効性 | 持続期間 | デザインの自由度 | 鼻翼基部の陥凹 | 笑ったときのほうれい線 |
---|---|---|---|---|---|
プロテーゼ | △(術後1週間〜) | ◎(10年以上) | △ | ◎ | △ |
脂肪注入 | △(術後1週間〜) | ◎(定着すれば半永久) | △ | ⚪︎ | ⚪︎ |
ヒアルロン酸 | ◎(施術直後〜) | △(1年前後) | ◎ | ◎ | ⚪︎ |
グロースファクター | △(術後1ヶ月〜) | ⚪︎(数年以上) | ⚪︎ | ⚪︎ | ◎ |
脂肪は定着すれば半永久的だが回数が必要
脂肪注入は自身の体の別の部位から採取した脂肪を注入するため、アレルギーのリスクが少なく、定着すれば半永久的な効果が期待できます。
ただし、ほうれい線はよく動く部位でもあるため、1回の注入では十分に定着しないことが多く、2〜3回の施術を要することがほとんどです。
また、脂肪注入はピンポイントで凹みを改善するにはやや不向きで、他の注入治療より細かいデザインの調整が効きにくい点がデメリットといえます。
そのため鼻翼基部のくぼみが強い場合には、ヒアルロン酸やプロテーゼの方がより立体的な補正に優れていることもあります。
ヒアルロン酸は定期的なメンテナンスが必要
ヒアルロン酸は注入治療の中でも即効性があり、注入量や位置の調整がしやすくデザインの自由度が高いのが特徴です。
鼻翼基部の凹みが強い場合でも、硬さのあるヒアルロン酸を骨膜上に注入することでプロテーゼに匹敵するくぼみの持ち上げ効果が得られます。
ただし、注入したヒアルロン酸は徐々に体内に吸収されてなくなるため、1年に1回ほどのメンテナンスが必要となります。
さらに注意すべきは、血流障害のリスクで、特に鼻翼基部はハイリスク領域であり、重篤な場合は皮膚壊死や失明などの重大な合併症につながる危険性があります。
グロースファクターは笑ったときのほうれい線にも自然に効く
グロースファクター治療は、皮膚内部の線維芽細胞に作用してコラーゲンの再生を促し、肌のハリを根本から完全する再生医療的なアプローチです。
ヒアルロン酸や脂肪注入、プロテーゼのように物理的に“凹みを埋める”治療ではないため、鼻翼基部の深い骨格的なくぼみを持ち上げる力は弱いものの、浅めのほうれい線や笑ったときに現れる動的なしわにも自然に馴染んで改善しやすいという特長があります。
また、他の治療では改善が見込めない皮膚表面に刻まれたしわに対し、完全に消すことは難しいものの、ある程度の改善が期待できます。
さらには、1回の施術で数年以上の長期的な効果が得られるため、ナチュラルな仕上がりと根本改善を重視する方には最適な選択肢です。
まとめ
鼻翼基部の陥凹が強い場合は、プロテーゼによる立体的な補正がほうれい線の改善には有効な選択肢となりますが、リスクやデメリットも考慮する必要があります。
陥凹が軽度~中等度のほうれい線には他の注入治療も適応となることが多く、特に笑ったときに出る動的なほうれい線には、グロースファクターによるアプローチも自然で効果的です。
当院はほうれい線治療を専門におこなっており、お客様一人ひとりのご状態やご希望に合わせた治療計画のご提案が可能です。
メールでの無料カウンセリングもおこなっていますので、当院のメールアドレス宛に「メールカウンセリング希望」と記入し、お気軽にご相談ください。
院長の私が直接ご返信させていただきます。