著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
最近では、美容医療がとても身近なものとなり、20代からサロン感覚で美容クリニックに通う方が非常に増えてきました。
20代なのにほうれい線が少し目立っていることを気にしていませんか?
これってハイフで治るのかな?
ヒアルロン酸を打つにはまだ早いよな?
ワンチャン顔の筋トレでどうにかなるんじゃないか?
若いからこそ抱える悩みも数多くあります。
今回は、20代ならではのほうれい線のお悩みに対して、若いのに目立ってしまう原因と、早いうちからやっておくべき対策方法をお教えします。
目次
20代でほうれい線ができる原因
20代でみられるほうれい線は、しわではなく「影」のことがほとんどです。
よく見られる特徴は、小鼻のわきがくぼみ、ほうれい線の上の部分のみが深く、口の横まで伸びていないパターンです。
このほうれい線は皮膚の老化やたるみの問題ではなく、生まれつきの骨格や頬の脂肪のボリュームが原因となります。
頬の脂肪量
頬の脂肪量が多いと、そのボリュームによって上からの光が遮られ、ほうれい線の部分に影を落とします。
体重が増えたり、一時的に顔がむくんだときに目立ちやすいです。
生まれつきの骨格
顔の骨格的に、鼻の横の骨の位置が低いと、小鼻の付け根がくぼみやすく、ほうれい線の上の部分が深くなります。
また、頬骨の位置が高いと、頬が大きく張り出し、ほうれい線を境に頬と口元の高低差がはっきりしやすくなり、結果としてほうれい線が目立ちやすくなります。
笑い方のクセ
中には、笑ったときにほうれい線が深く目立つ場合もあります。
これは、笑うときに上唇を上に引き上げる筋肉(上唇挙筋)の働きが強いことによって、ほうれい線の部分の皮膚が折り曲がるためです。
この動きが長期にわたり続くことで、ほうれい線のしわが皮膚に刻まれてしまうため注意が必要です。
20代のためのほうれい線治療
ここまでお話ししましたが、20代のほうれい線は皮膚の老化やたるみが原因でなく、骨格や頬の脂肪量が原因で起こる影のパターンが多いです。
しかしながら、骨格を直すには美容施術の骨切りなど外科的な治療が必要になり、この場合、体への負担も大きく費用も大幅にかかります。
ほかに、より簡単に受けられるアプローチ方法としては、ほうれい線の影を注射の治療で補う方法や、頬の余分な脂肪量をレーザー治療で減少させる方法などがあります。
20代のほうれい線に適応となる治療を、以下で説明します。
グロースファクター治療
グロースファクターとは、皮膚のコラーゲンを増やす作用のある物質です。
もともと私たちの体の中に存在する物質で、皮膚に注入しても安全性に問題はありません。
これをほうれい線に直接注入することで徐々に皮膚が再生し、ほうれい線が目立たなくなります。
注射後も腫れなどのダウンタイムはほとんどなく、1回の治療で数年単位の効果が得られるため、何度も治療をくり返す必要はありません。
また、グロースファクターによって皮膚にコラーゲンが増えることで、ほうれい線の改善だけでなく予防にもつながるため、20代のまだほうれい線が浅いうちから治療をしておくと、10年後の肌の老化具合に明らかに差が出てきます。
ただし、同じ「グロースファクター」という名前の治療でも、クリニックによって使用する製剤や注入方法が異なり、仕上がりにも差が出てくるため、クリニック選びが重要です。
ヒアルロン酸治療
ヒアルロン酸は透明なジェル状の物質で、こちらももとから私たちの体の中に存在する安全な物質です。
ほうれい線にヒアルロン酸を直接注入することで、お肌がふっくらしほうれい線の影が目立たなくなります。
注射後すぐに効果がわかり、ダウンタイムもほとんどないのでお手軽に受けられます。
ヒアルロン酸は皮膚の中でゆっくり分解され吸収されていくため、持続効果は数ヶ月〜2年ほどです。
そのため定期的に治療を受ける必要があります。
ただし、ヒアルロン酸には、血管を圧迫して血流障害を起こしたり、血管塞栓を起こすリスクがあるため注意が必要です。
小鼻のわきのヒアルロン酸注入はハイリスク
特に20代のほうれい線は小鼻のわきがくぼんでいることが多く、この部分には鼻先に血流を送る重要な血管や神経が集中しているため、安易にヒアルロン酸を注入すると非常にリスクが高いです。
最悪の場合、鼻先の皮膚が壊死する可能性もあります。
そのため、小鼻のわきのヒアルロン酸注入は、経験を積んだ医師に施術してもらうか、もしくはグロースファクターの注入を検討すべきです。
グロースファクターは液体状のサラサラした物質であるため、ヒアルロン酸のような血流障害を起こすリスクはありません。
医療レーザー(ハイフ・高周波など)
ハイフ(HIFU)
ハイフは皮膚の深いところにある筋膜に超音波で熱を照射することで、筋膜が引き締まりたるみが改善する機械治療です。
ダウンタイムはほとんどないことが多く、気軽に受けやすい治療です。
ただし、前述のとおり、20代のほうれい線は皮膚のたるみが原因で生じることは少ないため、ハイフによる改善はほぼ期待できません。
若い方によくある「ハイフを受けたらほうれい線が目立たなくなったが、数日間で戻ってしまった」というケースは、ハイフの照射後、肌に軽度のむくみが生じ、そのむくみによって肌が張り、一時的にほうれい線が目立たなくなったパターンがほとんどです。
この場合、むくみが引けば数日で元に戻るため、根本的な治療にはつながっていません。
高周波(サーマクール、サーマジェン、インモード、オリジオなど)
最近若い年代で受ける方が多くなってきた機械治療です。
高周波で皮膚の真皮や皮下組織に熱を与えることで、皮膚や脂肪組織が引き締まります。
20代のほうれい線の中でも、頬の脂肪量が多いことが原因で目立っているケースは、高周波によって脂肪組織を引き締めることで、改善につながる場合があります。
ただし、1回の治療の効果は、注入の治療と比べてごくマイルドであるため、何度か治療をくり返す必要があります。
また、得られる効果にも限界があり、注入治療ほどの効果は得られないため、結果としてコストパフォーマンスは高いとは言えません。
ボトックス治療
ボトックスには筋肉の過剰な働きを抑える作用があります。
20代でも、笑ったときにほうれい線がぐっと深くなるケースは、上唇を上に引く筋肉(上唇挙筋)の動きが強いため、この筋肉にボトックスを打つことでほうれい線が深くなるのを抑えられます。
一方、無表情のときにもほうれい線が出ている場合は、ボトックスは効果がありません。
糸リフト(スレッドリフト)
糸の表面にコグ(小さなトゲ)の付いた医療用の溶ける糸を皮膚の中に挿入し、たるみを引き上げる治療です。
糸が皮膚の中で吸収される過程でコラーゲンが生成し、たるみの予防につながります。
ただし、前述のとおり、20代のほうれい線は皮膚のたるみが原因で生じていないことや、そもそもほうれい線の部分は糸で引き上げても、元に戻りやすい部位であることから、最適な治療であるとは言えません。
自分でできるほうれい線ケア
保湿
よく「ほうれい線専用クリーム」といったような、ほうれい線に塗ることでしわの改善をはかる市販の化粧品を見かけます。
これは皮膚を保湿することでしわの予防にはつながりますが、それ以上の改善につながる効果は期待できません。
とはいえ、皮膚が乾燥した状態では、20代であってもほうれい線のしわが定着しやすくなるため、日常的な保湿ケアは重要です。
皮膚の保湿が十分に保てるものであれば、数多くの美容成分が配合された高価なクリームである必要はありません。
日焼け対策
紫外線は皮膚にダメージを与え、コラーゲンを減少させ、しわやたるみの大きな原因となります。
季節に関わらず日焼け止めクリームをこまめに使用し、適宜帽子や日傘で遮光するなど、日常的な紫外線対策をしっかりおこないましょう。
汗を多くかいたり長時間屋外にいるような場合は、飲む日焼け止めの併用も有効です。
家庭用美顔器
最近では、家庭用の高周波やイオン導入など、自宅で使用できる美容機器が数多く市販されています。
こういった機器はやらないよりは良いのかもしれませんが、しわやほうれい線を改善できるものでありません。
もし、しわやほうれい線がすでに出てしまっている場合は、家庭用美顔器に固執するのではなく、早めに美容クリニックなどの専門施設に相談するのが良いでしょう。
顔のマッサージ
アンチエイジングや小顔を目的として、頻繁に顔のマッサージを受けることで、逆に皮膚に過剰な負担がかかり、しわやたるみの悪化につながる可能性があります。
ご自宅やサロンで顔のマッサージをおこなう場合は、やり過ぎには気をつけましょう。
表情筋トレーニング
ほうれい線周りの筋肉を鍛えることで、表情筋の衰えによる顔のたるみやほうれい線の予防を目的としたものです。
費用もかからず自宅でも簡単におこなえるため、お手軽な方法ではありますが、予防以上の効果は期待できず、過度なトレーニングは逆に皮膚の負担になり、しわの悪化につながるため、やり過ぎには気をつけましょう。
まとめ
20代でほうれい線が目立つ場合、生まれつきの骨格や頬の脂肪量が原因のことがほどんどです。
若い頃からほうれい線が出始めている方は、放っておくと将来的に老化の影響も加わり、皮膚にくっきりとしわが刻まれたようなほうれい線にまで進行する可能性があります。
20代のうちから保湿や紫外線対策など、ご自身でおこなえるスキンケアを習慣づけ、ほうれい線の進行を予防しましょう。
また、すでにほうれい線が目立っていて、少しでも改善をはかりたい場合は、早めに美容クリニックなどの専門機関に相談すると良いでしょう。
当院では、ほうれい線を改善し、進行を予防するグロースファクター治療をおこなっております。
20代の方でも多くの方が当院でほうれい線の治療を受けられています。
メールでの無料カウンセリングもおこなっておりますので、ほうれい線でお悩みの方はぜひ一度お気軽にご相談ください。