著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
ドクター紹介はこちら
「朝、鏡を見るたびに、ほうれい線がどんどん深くなっている気がする…」
「昔より疲れて見えるのは、肌のせいかも？」
「若い頃は悩みもなく思いっきり笑えていたのに…」
そんなふうに感じる瞬間、ありませんか？
50代になると、メイクでは隠しきれないほうれい線やフェイスラインのたるみが、急に気になり始める方が多くなります。
若い頃とは違う「戻らない変化」に、なんとなく焦りを感じている方もいらっしゃるかもしれません。
実は、50代のほうれい線は顔の構造的な変化が深く関係しており、自己流ケアだけではどんなに頑張っても改善が難しいのが現実です。
でも、安心してください。
今のあなたの状態に合った適切な治療法と日常ケアを組み合わせることで、50代でも見た目年齢を巻き戻すことは十分に可能です。
本記事では、美容皮膚科医の視点から、50代女性の肌の変化に合わせた「本当に効果のある」ほうれい線対策をご紹介します。
「何をすればいいのか分からない…」という方こそ、ぜひ最後までご覧ください。
目次
50代でほうれい線が目立つのは“構造変化”が進行しているから
40代のうちは、まだ「乾燥」や「表情癖」などによる軽度のほうれい線が主体です。
しかし50代になると、皮膚の老化だけでなく、骨・脂肪・筋肉・靭帯といった「顔の構造そのもの」が変化してきます。
● 顔の骨が痩せてくる：頭蓋骨が全体的に萎縮し、皮膚や脂肪を支える土台が不安定になります。
● 頬の脂肪や筋肉が下垂する：中顔面のボリュームが落ち、ゆるんだ皮膚がほうれい線の溝に上から覆い被さります。
● 皮膚そのものが薄くハリを失ってくる：真皮層のコラーゲンやエラスチンが減り、肌が薄く弱くなって折れ曲がりやすくなります。
このような「構造的な老化」によって、ほうれい線はより深く、長く、目立ちやすくなってしまうのです。
50代に必要な治療とは？注入治療から始めるのが正解
ここで重要なのは、「今の状態に合った治療を選ぶこと」です。
特に50代のほうれい線は、すでにある程度進行していることが多く、セルフケアや基礎化粧品だけでは根本的な改善は難しいのが現実です。
では、何から始めるのが最適なのでしょうか？
結論から言えば、注入治療（ヒアルロン酸やグロースファクター）から始めることが第一選択です。
なぜなら、骨が萎縮し脂肪が下垂して皮膚が折れ曲がっている状態では、「皮膚の内部から直接支え直す」アプローチが欠かせないからです。
治療法の選び方｜50代に本当に必要なアプローチとは？
ヒアルロン酸注入｜即効性があるが“溝埋め”中心
ヒアルロン酸注入は、今あるほうれい線の“溝”を直接埋めて、ふっくらと持ち上げる治療です。
1回の施術で直後から効果を実感でき、比較的手軽な方法です。
ただし、溝が深い場合は注入量が多くなりやすく、不自然に膨らんで見えたり、コストがかさんだりというデメリットもあります。
また、皮膚が菲薄化し「表面に刻まれた浅いしわ」が目立つケースでは、ヒアルロン酸では改善がほとんど期待できません。
グロースファクター治療｜“皮膚自体を若返らせる”根本治療
グロースファクター（成長因子）治療は、皮膚の中の線維芽細胞に働きかけてコラーゲンを再生させる方法です。
・ハリや厚みの低下した皮膚そのものを“再生”させる
・しわが刻まれた皮膚の“質”を改善できる
・効果はゆっくりと出てくるが、自然で長期持続（数年〜10年以上）が可能
といった特徴があり、仕上がりの自然さやコストパフォーマンスの点でも非常に優れています。
ハイフや高周波｜予防にはつながるが改善は難しい
ハイフ（HIFU）や高周波による機械治療は、いずれも非侵襲的に皮膚や筋膜を引き締め、コラーゲン生成を促すことで肌のハリや軽度のたるみ改善に効果があります。
ただし50代では、すでにたるみやほうれい線の構造的な進行が見られることが多いため、これらの機器治療だけで改善をはかるのは難しいのが実情です。
また、過剰な照射は脂肪減少による頬こけや老け見えを招くリスクもあるため、適切な施術範囲と頻度が重要です。
より効果的な結果を求める場合は、ヒアルロン酸やグロースファクターの注入治療と併用するのが理想的です。
糸リフトやフェイスリフト｜注入治療の補助的な位置付け
糸リフトや外科的なフェイスリフト（切開リフト）は、頬のたるみを物理的に引き上げることで、ほうれい線の影をある程度軽減する効果があります。
ただし、糸リフトの持続期間は数ヶ月〜1年程度と短く、たるみの一時的な引き上げにとどまるため、根本治療とは言えません。
また、切開リフトであっても、ほうれい線の折れ曲がった“溝”そのものを浅く平らにすることはできません。
たるみによるほうれい線の影は引き上げによってやや改善されても、深く凹んだ溝や刻まれたしわにはアプローチできないのが現実です。
そのため、ほうれい線をより効果的に目立たなくするには、ヒアルロン酸やグロースファクターによる注入治療との併用が理想的です。
治療法の比較と選び方
| 治療法 | 即効性 | 持続性 | リスク・デメリット | 向いているケース |
|---|---|---|---|---|
| ヒアルロン酸注入 | ◎ | △（数ヶ月～2年） | 不自然な膨らみ、血管閉塞のリスク | 溝を一時的に浅くしたい場合 |
| グロースファクター治療 | △ | ◎（数年以上） | 効果発現に時間がかかる | 根本的な若返りを目指す場合 |
| HIFU（ハイフ） | ⚪︎ | △（数ヶ月〜半年） | 照射の仕方によっては頬コケのリスク | 軽度のたるみの改善や進行予防に |
| 糸リフト | ◎ | △（数ヶ月～1年） | 内出血・引きつれ・感染など | 即時にリフトアップしたい場合 |
構造変化を伴う50代のほうれい線を効果的に改善する場合、まずはヒアルロン酸やグロースファクターの注入治療を第一選択とするのが正解です。
頬のたるみによるほうれい線の影が顕著な場合は、同時にまたは注入治療後にリフトアップ治療を組み合わせることで、よりバランスの取れた若返り効果を得ることができます。
セルフケアは“進行予防”と“治療効果の維持”に役立つ
治療を受けたからといって、スキンケアをおろそかにしてよいわけではありません。
50代の肌は外的ストレスにも弱くなっているため、日常の丁寧なケアが治療効果を維持するカギになります。
保湿ケア
乾燥は皮膚のバリア機能を低下させ、しわやたるみを助長します。
洗顔後すぐに化粧水・美容液・クリームで保湿し、セラミドやヒアルロン酸などの成分を含むスキンケアを取り入れましょう。
紫外線対策
紫外線は肌の弾力を支えるコラーゲンを直接的に破壊し、ほうれい線を悪化させます。
季節や天候に関わらず日焼け止めを使用し、2～3時間おきにこまめに塗り直しましょう。
帽子や日傘、飲む日焼け止めなどの併用も効果的です。
抗酸化ケア
老化の原因となる「酸化」を防ぐには、ビタミンC・Eやポリフェノールなどの抗酸化成分を含む食事やサプリが有効です。
腸内環境を整える発酵食品もおすすめです。
表情筋トレーニング
加齢で緩みがちな表情筋は、簡単なトレーニングで鍛えられます。
「あ・い・う・え・お」の口元体操や、頬を引き上げる動きなどを1日数分続けるだけでも効果があります。
ただし、やりすぎは表情じわの悪化のリスクにもつながるため注意しましょう。
50代のほうれい線は“構造的な老化”だからこそ注入治療が必要
50代で目立つほうれい線の多くは、単なる乾燥や表情癖ではなく、顔の構造自体の老化現象が関係しています。
そのため、「塗る」「マッサージする」といった自己流ケアだけでは改善が難しく、中から支える注入治療が根本改善の鍵となります。
なかでも、グロースファクター治療は皮膚を若返らせる唯一の注入治療として、コスト・仕上がり・持続性のバランスに優れています。
「何をしてもダメだった」ではなく、「まだ、正しい方法を知らなかっただけ」。
一歩踏み出すだけで、未来の自分が変わります。
当院では年代別のほうれい線治療に特化した施術を提供しており、お客様一人ひとりに最適なプランをご提案しています。
メールでの無料カウンセリングもおこなっていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
