
著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「ほうれい線に人工真皮を入れる治療があると知ったのですが、本当に効果がありますか。」
「ヒアルロン酸より長持ちしそうですが、どんなほうれい線にも向いているのでしょうか。」
最近では、鼻の横のくぼみやほうれい線に対して、人工真皮を挿入・注入する治療を行う美容クリニックもあります。
人工真皮は、特に鼻翼基部(小鼻の付け根)のくぼみが強く、そこからほうれい線が深く見えている方にとっては、選択肢の一つになり得ます。
ただし、ここで注意したいのが、「鼻横のくぼみを改善すること」と「ほうれい線全体を改善すること」は同じではないという点です。
実際、当院には他院で人工真皮による治療を受けたものの、「思っていたほどほうれい線が変わらなかった」「気になっていた部分が残った」とご相談に来られた方が複数いらっしゃいます。
これは人工真皮そのものが「効く・効かない」という単純な話ではありません。
自分が気になっているのは鼻横の骨格的なくぼみなのか、ほうれい線の溝なのか、皮膚表面の折れ癖なのか。それによって適した治療は変わります。
東京リンクルクリニックは、ほうれい線治療を専門に行う美容皮膚科です。美容医療に13年以上携わり、これまで2万件以上のほうれい線を診察・治療してきました。
この記事では、人工真皮によるほうれい線治療の効果や向いているケース、デメリットに加え、実際に人工真皮治療後の患者さんを診察して感じる注意点、ヒアルロン酸・グロースファクター・脂肪注入との違いまで詳しく解説します。
この記事を読んでわかること
- 人工真皮でほうれい線が改善する仕組み
- 人工真皮が特に向いているほうれい線
- 人工真皮を受けてもほうれい線が残るケース
- 人工真皮のメリット・デメリット
- ヒアルロン酸・グロースファクター・脂肪注入との違い
- 人工真皮を受ける前に確認しておきたいポイント
ほうれい線は、鼻横のくぼみ・溝・折れ癖・頬のたるみなど、目立つ原因によって適した治療が異なります。
「人工真皮が自分にも必要なのか」「ほかの治療の方が合っているのか」と迷われている方は、無料メール相談もご利用いただけます。
ほうれい線に人工真皮は一定の効果がある

人工真皮は、ほうれい線に対して効果が期待できる治療の一つです。
ただし、すべてのほうれい線に同じように効果があるわけではありません。
人工真皮が特に力を発揮しやすいのは、鼻翼基部が骨格的にくぼんでいて、その高低差によって鼻横のほうれい線が深く見えているケースです。
鼻翼基部の下に人工真皮を入れて土台を補うことで、鼻横のくぼみが浅くなり、結果としてほうれい線の上部が目立ちにくくなることがあります。
一方、ほうれい線は鼻横だけに存在するものではありません。
鼻横から口角の横にかけて長く続く溝や、その表面に長年の表情の動きによって刻まれた折れ癖、頬のたるみによる影など、複数の要素が組み合わさっています。
そのため、鼻翼基部に人工真皮を入れて上部が改善しても、下側のほうれい線がそのまま残ることがあります。
ほうれい線は一つの構造だけで形成されるものではなく、皮膚・脂肪・筋肉・骨格など複数の要因が関係します。実際、ほうれい線を皮膚型・脂肪型・筋型・骨格後退型・混合型に分類し、それぞれに応じた治療を検討する考え方も報告されています。
▶︎[ほうれい線ができる原因を詳しく見る>]
▶︎[ほうれい線の影が目立つ原因を見る>]
参考文献:Zhang L, Tang MY, Jin R, et al. Classification of nasolabial folds in Asians and the corresponding surgical approaches: By Shanghai 9th People’s Hospital. J Plast Reconstr Aesthet Surg. 2015;68(7):914-919. PubMed
ほうれい線に使われる人工真皮とは

人工真皮は組織の土台を補うために使われる
美容医療で「人工真皮」と呼ばれているものには、シート状のものや、細かく加工して注入できるようにしたものなどがあります。
製品や術式によって性質は異なりますが、無細胞化した真皮由来のマトリックスなどを組織内へ入れ、ボリュームや組織の支持を補う目的で使用されるものがあります。
2026年には、中等度から重度のほうれい線に対して、微粒子化した無細胞真皮マトリックスを注入する多施設ランダム化比較試験も報告されています。
ただし、「人工真皮」という名称だけで効果や持続期間を一括りにすることはできません。製剤の種類、シート型か注入型か、治療する層や位置、使用量などによって結果は異なります。
参考文献:Zhang C, Chang X, Chen L, et al. Safety and Efficacy of Micronized Acellular Dermal Matrix Injection for Correction of Moderate to Severe Nasolabial Folds: A Double-Blind, Multicenter, Randomized Controlled, Non-inferior Clinical Trial. Aesthetic Plast Surg. 2026;50(10):3710-3719. PubMed
鼻翼基部に入れる治療は「貴族手術」と呼ばれることもある
ほうれい線治療として人工真皮が注目されている理由の一つが、鼻翼基部への治療です。
鼻翼基部、つまり小鼻の付け根が骨格的に奥まっている方では、鼻の横に深いくぼみができ、その影がほうれい線の始まりのように見えることがあります。
この部分の土台を人工真皮などで補う治療は、いわゆる「貴族手術」と関連して説明されることがあります。
そのため、「人工真皮でほうれい線を治療する」という表現を見た場合でも、実際には鼻横から口角までのほうれい線全体を直接治療しているのではなく、鼻翼基部のくぼみを補っているケースがあります。
ここは治療を検討する上で、ぜひ理解しておいていただきたいところです。
▶︎[鼻翼基部のくぼみが目立つ「くぼみ型ほうれい線」を詳しく見る>]
▶︎[鼻の横のくぼみに対する治療を詳しく見る>]
人工真皮が向いているほうれい線
鼻翼基部の骨格的なくぼみが強い

人工真皮を検討しやすいのは、鼻翼基部の骨格的なくぼみが強い方です。
正面から見たときに小鼻の横が落ち込んで見える、斜めから見ると鼻翼基部が奥まっている、若い頃から鼻横だけほうれい線が目立つ、といった方では、皮膚の老化だけではなく骨格が関係している可能性があります。
このタイプでは、くぼんでいる土台そのものを補う人工真皮は、選択肢の一つになります。
同じ目的でヒアルロン酸が使われることもあります。
▶︎[くぼみ型ほうれい線の骨格的な特徴を見る>]
▶︎[ほうれい線のヒアルロン酸治療について見る>]
ほうれい線の上部、とくに鼻横の影が主な悩み

人工真皮を考えやすいもう一つのケースは、ほうれい線全体というより、小鼻のすぐ横にある深い影やくぼみが主な悩みになっている場合です。
特に、若い頃から鼻横がくぼんでいる方では、頬のたるみがそれほど強くなくても、鼻翼基部と頬との高低差によって上半分のほうれい線が目立つことがあります。
この場合は、ハイフや糸リフトなどで顔全体を引き上げるだけでは、鼻翼基部そのものの位置やくぼみは大きく変わりません。
人工真皮を含め、骨格的なくぼみをどのように補うかという視点が必要になります。
ただし、鼻横から下へ続く溝まで目立つ場合には、人工真皮だけでどこまで改善できるのかを治療前に確認しておくことが重要です。
▶︎[鼻横の影がほうれい線を強調する理由を見る>]
▶︎[骨格的なくぼみによるほうれい線を詳しく見る>]
人工真皮を受けてもほうれい線が残ることがある

ここからは、ほうれい線専門院として実際に人工真皮治療後の患者さんを診察してきた経験からお話しします。
当院には、他院で人工真皮による治療を受けた後に、「思っていたほど変わらなかった」「気になっていたところが残った」とご相談に来られた患者さんが複数いらっしゃいます。
ただし、これは「人工真皮は効果がない」という意味ではありません。
診察していると、患者さんが改善したかった場所と、人工真皮によって治療された場所、あるいは人工真皮が得意とする問題が一致していないケースがあります。
鼻横を治療しても、下側のほうれい線は残りやすい

実際に当院へ来られた患者さんの中に、他院で人工真皮治療を受けたものの、ご本人が気にしていたほうれい線の下側はほとんど変わらなかったという方がいらっしゃいました。
「人工真皮でほうれい線が改善すると思っていたので、思っていたのと違いました」とお話しされていました。
診察すると、残っていたのは鼻翼基部のくぼみだけではなく、そこから下方へ続くほうれい線の溝でした。
そのため当院では、残っている溝に対してグロースファクター治療を行いました。その後は改善が得られ、「とても調子がいいです」とお話しいただいています。
この経験は、人工真皮とグロースファクターのどちらが優れているかという話ではありません。
鼻翼基部のくぼみを補う治療と、鼻横から口元へ続くほうれい線の溝を改善する治療では、目的が違うということです。
人工真皮によって鼻横を治療しても、下方の溝まで十分に改善するとは限りません。
▶︎[ほうれい線の溝に対するグロースファクター治療を見る>]
▶︎[ほうれい線を原因別に詳しく見る>]
人工真皮そのものより「どこを治療するか」も重要

反対に、鼻横そのものが十分に改善していなかったケースもあります。
他院で「人工真皮を注入する治療を受けた」とお話しされていた患者さんが、改善を感じられず当院へ相談に来られたことがあります。
診察すると、その方が一番気にされていたのは鼻翼基部の際の深いくぼみでした。
しかし、ご本人のお話や治療後の状態を見る限り、その際の部分が残っており、「人工真皮を受けたのに、気になっていた場所が変わっていない」と感じていらっしゃいました。
他院で実際にどの製剤を、どの層へ、どの程度使用したのかまでは確認できないため、なぜその結果になったのかを当院から断定することはできません。
ただ、このような患者さんを診察していると、治療材料の名前だけで選ぶのではなく、自分が一番気になっている場所にその治療がアプローチする予定なのかを確認することが大切だと感じます。
▶︎[鼻翼基部のくぼみが目立つタイプを詳しく見る>]
▶︎[鼻横のくぼみの治療について詳しく見る>]
「人工真皮を受けたが、ほとんど変化しなかった」という相談もある

当院では、このほかにも「ほうれい線に人工真皮治療を受けたけれど、ほとんど変化が分からなかった」というご相談を複数の方から受けています。
その後、残っているほうれい線を診察し、適応がある方にはグロースファクター治療を行い、改善が得られています。
ただし、これも人工真皮そのものの効果を否定するものではありません。
人工真皮の種類、使用量、治療した位置や深さ、元々の骨格、ほうれい線の原因などがそれぞれ異なるため、「なぜ変化が出なかったのか」を後から一つの理由に特定することは困難です。
また、「人工真皮」と呼ばれる材料でも種類や術式によって結果は異なります。ヒト無細胞真皮を用いた過去の小規模研究では、1~3か月ではボリューム増加がみられた一方、多くの症例で24週までに客観的な充填量が治療前に近づいたと報告されています。一方、近年は微粒子化した無細胞真皮マトリックスを用いた別の臨床試験も報告されています。
つまり、「人工真皮」という名称だけから、どの製剤でも同じ効果や持続期間が得られると考えない方がよいでしょう。
▶︎[当院のグロースファクター治療について詳しく見る>]
▶︎[ほうれい線治療の症例を見る>]
参考文献:Davila AA, Buck DW 2nd, Chopp D, et al. A novel prospective three-dimensional analysis of nasolabial fold augmentation. Aesthet Surg J. 2012;32(4):488-494. PubMed
皮膚表面の折れ癖は別に考える必要がある
ほうれい線の溝が長期間続くと、その上の皮膚が表情をつくるたびに繰り返し折れ曲がります。
その結果、表情筋の動きによって皮膚表面に細かな線が刻まれてくることがあります。当院では、この表層の変化を「折れ癖」と呼んでいます。
つまり、「溝」は皮膚が折れ曲がることで形成された構造的な変化、「折れ癖」はその溝の表面に長年の表情筋の動きによって刻まれた表層の変化です。
人工真皮によって深部のボリュームや土台を補えても、すでに皮膚表面に刻まれている折れ癖まで完全になくなるとは限りません。
逆に、鼻翼基部のくぼみがそれほど強くなく、主な悩みが溝や折れ癖であれば、最初から人工真皮とは別のアプローチを検討した方がよい場合があります。
▶︎[ほうれい線の折れ癖について詳しく見る>]
▶︎[溝や皮膚の変化に対するGF治療を見る>]
人工真皮治療を受けた後でも、「鼻横はよくなったけれど下側のほうれい線が残っている」「どこを追加で治療すればよいのか分からない」というご相談は可能です。
現在残っているほうれい線の状態を確認した上で、院長が一通ずつご返信しています。
人工真皮のメリット

鼻翼基部の構造的なくぼみにアプローチできる
人工真皮の大きなメリットは、皮膚表面だけではなく、鼻翼基部の構造的なくぼみに対してボリュームを補えることです。
特に、鼻横の深いくぼみがほうれい線を強調している場合には、くぼみを浅くすることで鼻横の影が目立ちにくくなることがあります。
これは、皮膚のハリを改善する治療やリフトアップ治療とは異なる役割です。
ヒアルロン酸とは異なる方法でボリュームを補える
鼻翼基部のくぼみを補う代表的な注入治療にはヒアルロン酸があります。
ヒアルロン酸はその場でボリュームを確認しやすく、即効性が高いというメリットがあります。
一方で、鼻周囲は重要な血管が走行する部位です。ヒアルロン酸が血管内へ入るなどして血管閉塞が起こると、血流障害による皮膚壊死や、まれではあるものの視覚障害など重大な合併症につながる可能性があります。
人工真皮には人工真皮特有のリスクがありますが、ヒアルロン酸とは治療方法そのものが異なるため、リスクの種類も同じではありません。
▶︎[ほうれい線のヒアルロン酸治療について見る>]
▶︎[ヒアルロン酸の血管閉塞などのリスクを見る>]
人工真皮のデメリット・リスク

シート状の人工真皮では外科的な処置が必要になる
人工真皮を鼻翼基部へ挿入する方法では、注射だけで終わる治療とは異なり、組織を剥離して人工真皮を入れる外科的な操作が必要になる場合があります。
そのため、手術に抵抗がある方やダウンタイムをできるだけ短くしたい方には向かないことがあります。
なお、人工真皮には注入型として使用されるものもあるため、「人工真皮=すべて同じ手術」と考えるのも正確ではありません。
腫れ・内出血・感染などの可能性がある
組織を剥離したり移植材料を入れたりする治療では、腫れ、内出血、痛み、感染などのリスクがあります。
また、治療方法によっては左右差、位置のずれ、凹凸、違和感などが問題になる可能性もあります。
注入型の人工真皮についても、使用する製剤によって起こり得る副作用は異なります。治療を検討する際には、「どのくらい変わるか」だけでなく、使用する材料、挿入・注入方法、ダウンタイム、起こり得る合併症まで確認することが大切です。
人工真皮を入れればほうれい線全体が消えるわけではない
ここが、ほうれい線治療として人工真皮を検討する際に最も注意していただきたい点です。
鼻翼基部のくぼみが改善しても、下方へ続く溝や折れ癖、頬のたるみが残れば、ほうれい線全体としては残って見えることがあります。
人工真皮の効果があったとしても、患者さんが「ほうれい線全部がなくなる」と期待していた場合には、結果とのギャップが生じる可能性があります。
治療前に、「人工真皮によって自分のほうれい線のどの部分が、どの程度変わる予定なのか」を確認しておくことが重要です。
▶︎[自分のほうれい線の原因を詳しく見る>]
▶︎[ほうれい線を消す方法をまとめて見る>]
人工真皮・ヒアルロン酸・グロースファクター・脂肪注入の違い

ほうれい線治療では、「どの治療が一番優れているか」ではなく、何を改善したいのかによって選択肢が変わります。
| 治療 | 特に得意な問題 | 即効性 | 骨格的なくぼみの直接補正 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 人工真皮 | 鼻翼基部などの構造的なくぼみ | ○ | ○ | 組織の土台・ボリュームを補う |
| ヒアルロン酸 | 骨格的なくぼみ・ボリューム不足 | ◎ | ◎ | 即効性が高いが血管閉塞などに注意 |
| グロースファクター | ほうれい線の溝・皮膚のハリや厚み | △ | × | 時間をかけて自然な改善を目指す |
| 脂肪注入 | 広い範囲のボリューム不足 | ○ | ○~◎ | 自家組織を使用するが採取・注入が必要 |
鼻翼基部を直接補いたいなら人工真皮やヒアルロン酸

鼻翼基部そのものが深くくぼんでいて、そこを明確にボリューム補正したい場合には、人工真皮やヒアルロン酸が目的に合う場合があります。
特にヒアルロン酸は注入直後から変化が分かりやすい治療です。
ただし、鼻翼基部は血管走行の点から慎重な注入が必要な部位です。
▶︎[ヒアルロン酸が向いているほうれい線を見る>]
▶︎[ヒアルロン酸治療の安全性について見る>]
ほうれい線の溝にはグロースファクターという選択肢もある
グロースファクターは人工真皮やヒアルロン酸のように、大きなボリュームを物理的に入れて骨格的なくぼみを補う治療ではありません。
当院では、ほうれい線の溝に対してグロースファクターを少量ずつ注入し、皮膚内部のコラーゲン産生などを促すことで、時間をかけて溝を浅くしていく治療を行っています。
効果は治療直後に完成するものではなく、一般的には1~6か月ほどかけて徐々に現れます。
鼻翼基部のくぼみがある場合でも、グロースファクターによって皮膚の厚みやハリ、併存する溝が改善することで、影がある程度目立ちにくくなることがあります。
ただし、人工真皮やヒアルロン酸のように骨格的なくぼみを直接、大きくボリューム補正する治療ではありません。
この違いを理解して治療を選ぶことが大切です。
▶︎[グロースファクターによるほうれい線治療を詳しく見る>]
▶︎[グロースファクター治療の症例を見る>]
ボリューム不足が広い場合には脂肪注入も選択肢

顔全体のボリュームロスが大きい場合には、自分の脂肪を採取して注入する脂肪注入が選択肢になることもあります。
一方、脂肪の採取が必要で、注入した脂肪のすべてがそのまま残るわけではありません。しこりや凹凸などにも注意が必要です。
ほうれい線の一部分だけを改善したいのか、顔全体のボリューム不足も同時に補いたいのかによって、適応は変わります。
人工真皮を検討する前に確認したい3つのこと

人工真皮そのものが自分に向いているかどうかだけでなく、治療を受ける前に確認しておきたいことがあります。
当院には、他院で人工真皮治療を受けた後に「思っていたところが変わらなかった」と相談に来られる方がいます。
そのような患者さんを診察していると、治療材料の選択だけではなく、「自分がどこを改善したいのか」と「実際にどこを治療する予定なのか」を治療前に一致させておくことが非常に重要だと感じます。
① 気になるのは鼻横なのか、下まで続くほうれい線なのか
まず鏡を見たときに、自分がどの部分を一番気にしているのかを確認してみてください。
小鼻のすぐ横にある深いくぼみが気になるのであれば、鼻翼基部の骨格的なくぼみが大きく影響している可能性があります。このようなケースでは、人工真皮などで土台を補う治療が適していることがあります。
一方、「鼻横だけではなく、口元近くまで続いている線をなくしたい」という場合は注意が必要です。
鼻翼基部を人工真皮で補っても、その下に続くほうれい線の溝まで同じように改善するとは限りません。
人工真皮を検討するときは、単に「ほうれい線を治療する」と考えるのではなく、ほうれい線のどの部分を改善したいのかまで具体的に考えておくことが大切です。
▶︎[鼻横のくぼみが目立つタイプを詳しく見る>]
▶︎[ほうれい線の原因を詳しく見る>]
② 人工真皮をどこまで入れる予定なのか
もう一つ確認していただきたいのが、実際にどこを治療する予定なのかです。
人工真皮という治療名だけを確認するのではなく、鼻翼基部のどこを、どの程度改善する計画なのかを担当医に確認しておくとよいでしょう。
特に鼻翼基部の際が一番気になっているのであれば、その部分がどの程度改善する見込みなのかを治療前に確認しておくことが大切です。
「人工真皮を使うかどうか」だけではなく、「人工真皮をどこに、どの範囲まで使用する予定なのか」も重要です。
③ 人工真皮で改善しない部分が残る可能性も確認する
人工真皮を検討するときには、「どのくらい改善するか」だけでなく、「どの部分は残る可能性があるのか」も確認しておくことをおすすめします。
鼻翼基部のくぼみが改善しても、鼻横から口角方向へ続く溝、皮膚表面に刻まれた折れ癖、頬のたるみによる影などは残ることがあります。
この説明がないまま「人工真皮でほうれい線を治療する」とだけ聞くと、鼻横から口元までのほうれい線全体が改善するとイメージしてしまうかもしれません。
人工真皮で改善できる部分と、別の治療が必要になる可能性のある部分をあらかじめ理解しておけば、治療後の「思っていたのと違った」というギャップを減らせます。
ほうれい線の溝が残る場合にはグロースファクター、骨格的なくぼみを直接ボリューム補正したい場合にはヒアルロン酸、頬のたるみが主体の場合にはリフトアップ治療など、残っている原因によって次の選択肢は異なります。
▶︎[ほうれい線の溝に対するグロースファクター治療を見る>]
▶︎[ヒアルロン酸が向いているほうれい線を見る>]
▶︎[リフトアップとほうれい線の関係を見る>]
よくある質問

人工真皮でほうれい線は完全に消えますか
人工真皮によって鼻翼基部のくぼみが改善し、ほうれい線の上部が目立ちにくくなることはありますが、ほうれい線全体が必ず完全に消えるわけではありません。
特に、下方へ続く溝、皮膚表面の折れ癖、頬のたるみなどが併存している場合には、それぞれ別のアプローチが必要になることがあります。
人工真皮とヒアルロン酸はどちらがよいですか
一概にどちらがよいとはいえません。
ヒアルロン酸は即効性が高く、注入量を調整しながら骨格的なくぼみを補いやすい治療です。一方で、血管閉塞による皮膚壊死や視覚障害などに注意が必要です。
人工真皮はヒアルロン酸とは異なる方法で組織を補いますが、外科的な処置が必要になる術式では、腫れ・内出血・感染など別のリスクがあります。
どの程度のボリューム補正を希望するのか、ダウンタイムをどこまで許容できるのかなども含めて判断します。
▶︎[ほうれい線のヒアルロン酸治療を見る>]
▶︎[ヒアルロン酸の安全性について詳しく見る>]
人工真皮とグロースファクターはどちらがよいですか
目的が異なります。
鼻翼基部の深いくぼみを直接ボリューム補正することが目的であれば、人工真皮の方が目的に合う場合があります。
一方、鼻横から口角方向へ続くほうれい線の溝や皮膚のハリ・厚みを自然に改善したい場合には、グロースファクターが適していることがあります。
当院では人工真皮治療後にほうれい線が残ってご相談に来られ、残っている溝にグロースファクター治療を行って改善したケースも複数経験しています。
これはグロースファクターが人工真皮より優れているという意味ではなく、治療している問題が異なるためです。
▶︎[グロースファクターによるほうれい線治療について詳しく見る>]
人工真皮を受けた後でもグロースファクター治療はできますか
人工真皮治療後でも、状態によってグロースファクター治療を検討できる場合があります。
ただし、使用された人工真皮の種類、治療した部位、時期、現在の状態などを確認した上で判断する必要があります。
他院で人工真皮治療を受けた後にグロースファクターをご希望の場合は、分かる範囲で治療名・製剤名・治療時期・治療部位をお知らせください。
▶︎[GF治療について詳しく見る>]
人工真皮を受けたのに変化がない場合はどうすればよいですか
まずは、人工真皮がどこに使用されていて、自分が現在どの部分を気にしているのかを分けて考えることが大切です。
鼻翼基部は改善しているものの下方の溝が残っている場合もあれば、そもそも一番気になっていた場所への変化が少ない場合もあります。
「人工真皮が効かなかった」と一括りにせず、現在残っている問題を改めて診断した上で次の治療を検討するとよいでしょう。
まとめ|人工真皮は「ほうれい線のどこを治すか」を確認して選ぶ

人工真皮は、ほうれい線治療の選択肢の一つです。
特に鼻翼基部の骨格的なくぼみが強く、鼻横の影によってほうれい線が深く見えている方では、構造的なくぼみを補う方法として検討できます。
一方で、人工真皮を入れれば鼻横から口元までのほうれい線全体が同じように改善するわけではありません。
当院には、他院で人工真皮治療を受けたものの、「気になっていた下側のほうれい線が残った」「ほとんど変化を感じなかった」とご相談に来られた方が複数いらっしゃいます。その後、残っている溝に対してグロースファクター治療を行い、改善が得られたケースもあります。
大切なのは、人工真皮・ヒアルロン酸・グロースファクターといった治療名から選ぶのではなく、「自分のほうれい線のどこが、なぜ目立っているのか」を確認してから治療を選ぶことです。
鼻横の骨格的なくぼみを直接補いたいのであれば人工真皮やヒアルロン酸、ほうれい線の溝や皮膚の変化を改善したいのであればグロースファクターなど、それぞれ得意な役割があります。
人工真皮を検討している方も、すでに人工真皮治療を受けたもののほうれい線が残っている方も、まずは現在気になっている場所と、その原因を正しく見極めることが、治療を選ぶ上で重要です。
「人工真皮を受けたけれど、ほうれい線が残っている」「自分のほうれい線はどの部分を治療すればよいのか分からない」という方は、無料メール相談もご利用いただけます。
現在の状態を確認した上で、院長が一通ずつご返信しています。









