
著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「エラボトックスを打ってから、ほうれい線が深くなった気がする」
「小顔になりたかったのに、頬がこけて老けて見える」
このような変化が起きると、元に戻るのか不安になりますよね。
結論からいうと、エラボトックス後に頬こけやたるみが生じ、ほうれい線が以前より目立って見えることはあります。
ただし、エラボトックスによってほうれい線の溝そのものが必ず深くなるわけではありません。
エラの筋肉が小さくなったことによる輪郭の変化なのか、もともとの溝や皮膚のたるみが目立つようになったのかによって、適切な対処法は異なります。
東京リンクルクリニックは、ほうれい線治療を専門とする美容皮膚科です。
当院では、エラボトックス後にほうれい線が目立つ場合、頬こけや皮膚のたるみによる見た目の変化なのか、もともとあった溝が残っているのかを分けて考えています。
この記事では、エラボトックス後にほうれい線が目立つ原因、元に戻る可能性、改善方法を分かりやすく説明します。
この記事を読んでわかること
- エラボトックス後にほうれい線が目立つ理由
- 何日後から変化が出るのか、元に戻るのか
- 施術後にまず行うべき対処法
- ほうれい線の状態に合う美容医療とその限界
- 次回のエラボトックスで気をつけたいこと
エラボトックス後のほうれい線が気になる方へ
施術後の経過やほうれい線の状態によって、適切な対応は異なります。まずは施術を受けた医療機関にご相談ください。ほうれい線自体については当院の無料メール相談でも承っています。
エラボトックスでほうれい線が目立つ3つの原因

エラボトックスは、噛むときに働く咬筋(こうきん)の動きを弱め、筋肉の厚みを減らしてフェイスラインをすっきり見せる治療です。
ほうれい線を直接治療するものではありませんが、顔全体の立体感が変わることで、口元の印象にも影響する場合があります。
咬筋が小さくなり、皮膚のたるみが目立つ

咬筋が縮小すると、エラの張りが減って下顔面の輪郭が変わります。
もともと皮膚のたるみがある方では、筋肉の厚みが減ったことで皮膚の余りが目立つ場合があります。
ただし、エラの筋肉が小さくなることと、頬の脂肪が実際に下垂することは同じではありません。エラボトックスが必ず頬をたるませるという意味でもありません。
2018年に掲載された680人・計2,036施術の後ろ向き研究では、たるみの報告は4施術(0.20%)でした。特定の施設の集計であり、すべての人に共通する発生率ではありません。
参考文献:Pengら:咬筋ボトックス2,036施術の合併症調査(2018)
頬こけによって顔の陰影が変わる

エラの張りが減ると、頬骨の下や頬のくぼみが以前より強調され、顔が細くなりすぎたように感じることがあります。
この場合、ほうれい線の溝が深くなっていなくても、顔全体の陰影の変化によって口元が老けて見えることがあります。
先ほどの研究では、頬こけが9施術(0.44%)報告されています。研究でいう頬こけと、患者さんが感じるほうれい線の悪化は同じ指標ではありません。
頬こけが気になる場合、ほうれい線だけに注入治療をしても、顔全体の印象が十分に改善しないことがあります。
参考文献:Pengら:頬こけ・たるみを含む有害事象の報告(2018)
もともとの溝や折れ癖が強調される

ほうれい線には、頬との段差による影と、皮膚が折れ曲がることで形成された溝があります。
さらに、笑うなどの表情筋の動きによって皮膚表面に繰り返し刻まれた線を、当院では「折れ癖」と呼んでいます。
エラボトックスで輪郭が変わると、もともとあった溝や折れ癖に目が向きやすくなる場合があります。
「施術後にほうれい線が目立つ」ことと、「施術によって新しく深い溝が形成された」ことは区別して考える必要があります。
ほうれい線が悪化したと感じたときの対処法

まずは追加の美容医療を急がず、施術した医療機関で状態を確認してもらうことが大切です。
エラボトックス後の変化には、薬剤による一時的な筋力低下と、筋肉の厚みが変わることによる輪郭の変化があります。経過も同じではありません。
施術直後から数週間は経過を確認する
ボトックスの筋肉への作用は注射直後に完成するわけではなく、通常は数日かけて現れます。
咬筋のボリュームが小さくなったと感じるまでには、さらに時間がかかることがあります。
数日でほうれい線が深く見えた場合、筋肉の萎縮だけでは説明できないこともあります。腫れ、表情の変化、撮影条件、体重変化なども確認しましょう。
施術前と比較する場合は、同じ照明・角度・表情の写真を使うと判断しやすくなります。
効果が切れれば元に戻る場合と、戻りにくい場合

ボトックスによる筋肉の動きの抑制は、一般に時間とともに弱まります。
一方、咬筋の厚みや皮膚のたるみがどこまで戻るかには個人差があります。もともとの加齢変化や体重の変動が重なっている場合、見た目が完全に元通りになるとは限りません。
2024年の大規模な後ろ向き研究では、追跡できた有害事象について改善が報告されています。ただし、報告された有害事象の多くは咬筋の一部が膨らむ症状であり、ほうれい線が必ず元に戻ることを証明した研究ではありません。
数週間から数か月の経過を施術医と確認し、変化が落ち着いてから追加治療の必要性を判断するのが基本です。
参考文献:Nishikawaら:咬筋ボトックス後の有害事象の経過(2024)
笑顔が不自然になった場合は施術医に相談する

笑いにくい、口角の動きに左右差があるといった変化は、咬筋以外の筋肉にも薬剤の影響が及んだ場合などに起こり得ます。
こうした表情の変化は、ほうれい線の見え方にも影響します。
自己判断で別の場所にボトックスを追加せず、施術医に注入部位・量・時期を確認してもらってください。
飲み込みにくさ、息苦しさ、全身の筋力低下などがある場合は、経過観察せず速やかに医療機関を受診してください。
参考文献:Yehら:咬筋ボトックスの有害事象に関する文献レビュー(2018)
エラボトックス後のほうれい線に対する美容医療

エラボトックス後のほうれい線を改善する方法は、何が目立っているかによって異なります。
頬こけ、たるみ、皮膚の溝は別の問題です。エラの筋肉を元に戻す目的で、ほうれい線へ注入治療をするわけではありません。
グロースファクター|皮膚の溝や折れ癖への治療
ほうれい線の溝が以前からあり、輪郭の変化によって目立つようになった場合には、皮膚そのものへの治療を検討できます。
当院のグロースファクター治療は、皮膚のハリや厚みの改善を目指す注入治療です。効果は徐々に現れるため、即効性を求める治療ではありません。
ただし、頬こけで失われたボリュームを直接補う治療でも、エラの筋肉を回復させる治療でもありません。
エラボトックス後の輪郭がまだ変化している時期は、ほうれい線の状態を正確に評価しにくいため、施術時期を慎重に判断します。
グロースファクターにも腫れ、内出血、しこり、過剰な組織増生などのリスクがあります。
ヒアルロン酸|くぼみや深い溝への治療

鼻の横の骨格的なくぼみや、はっきりした深い溝が主な原因なら、ヒアルロン酸によるボリューム補正が選択肢になります。
注入後に変化を確認しやすい一方、過量に注入すると笑ったときに不自然になる場合があります。
また、ほうれい線周辺には重要な血管があり、血管閉塞による皮膚壊死や視覚障害など、まれでも重大な合併症があります。
エラボトックス後の頬こけを、ほうれい線へのヒアルロン酸だけで補おうとすると、適切でない場合もあります。
ハイフ・高周波|軽いたるみへの補助

皮膚の緩みが軽度であれば、ハイフや高周波治療による引き締めを検討する場合があります。
ただし、深く刻まれたほうれい線の溝を直接浅くする効果には限界があります。
頬こけが強い方では、照射部位や出力によっては望ましくないボリューム減少につながる可能性があるため、慎重な判断が必要です。
糸リフト・切開リフト|たるみが強い場合の選択肢

頬の下垂が目立つ場合には、糸リフトや切開リフトによって組織を引き上げる方法もあります。
ただし、糸リフトによる引き上げ効果には持続の限界があり、中顔面のほうれい線が十分に改善しない場合があります。
切開リフトはより大きなたるみの改善を目指せますが、手術に伴う傷跡、神経障害、血腫などのリスクがあります。皮膚の溝そのものは残ることもあります。
エラボトックスによる一時的な変化だけを理由に、すぐにリフト手術を選ぶ必要はありません。
▶︎[ほうれい線への糸リフトの効果と限界を見る>]
▶︎[切開リフトで改善できる部分と残る溝を見る>]
原因別に見る治療の選び方

エラボトックス後に目立つ変化が、どこに起きているかで治療の選択肢は変わります。
| 気になる変化 | 主な対応 | 注意点・限界 |
|---|---|---|
| 施術後の一時的な表情の変化 | 施術医への相談・経過観察 | 追加の注入治療を急がない |
| 頬こけ・顔全体の陰影 | 輪郭全体を評価し、必要ならボリューム補正などを検討 | ほうれい線だけの治療では解決しない場合がある |
| 皮膚のたるみ | 状態に応じてハイフ・高周波・リフト治療を検討 | 頬こけがある場合は照射や引き上げの適応を慎重に判断 |
| ほうれい線の溝・折れ癖 | グロースファクターなど、溝に対する治療を検討 | エラの形や頬こけそのものは改善しない |
| 鼻横のくぼみ・深い溝 | ヒアルロン酸などを検討 | 血管閉塞など重大な合併症に注意 |
いずれも、エラボトックスによる変化が落ち着いた後に、診察で適応を判断することが大切です。
エラボトックス後のほうれい線に、どの治療が合うか迷う方へ
まずは施術医に経過を確認した上で、皮膚の溝が残っているのか、頬のボリュームやたるみが主な原因なのかを見極めることが大切です。当院ではほうれい線について無料メール相談を承っています。
エラボトックスで老けて見えるのを防ぐ方法

これから施術を受ける方は、小顔効果だけでなく、頬こけやたるみが目立つ可能性も考慮しましょう。
注入量と施術間隔を慎重に決める
咬筋が大きい方と、もともとエラが張っていない方では、適切な治療計画が異なります。
必要以上の量や短い間隔で繰り返すことを避け、前回の効果と顔全体の変化を確認してから次回の施術を検討することが重要です。
繰り返し注入の長期的な影響については、まだ十分に分かっていない点もあります。
参考文献:咬筋への反復ボトックス後の筋肉量変化を評価した小規模研究
もともとの頬こけ・たるみを確認する
施術前から頬がこけている方や、皮膚のたるみが気になる方では、エラの張りが減ることで別の悩みが目立つ可能性があります。
正面だけでなく斜めや横からも顔を確認し、エラの筋肉が本当に小顔を妨げているのかを診察で判断してもらいましょう。
小顔効果と老け見えのリスクを比較する
エラが小さくなることが、必ずしも顔全体の若々しさにつながるとは限りません。
フェイスラインをすっきりさせたいのか、頬こけを避けたいのか、どちらを優先するかを施術前に伝えることが大切です。
すでにほうれい線が気になる場合は、そのことも施術医に伝えておきましょう。
エラボトックスとほうれい線のよくある質問

エラボトックスでほうれい線が深くなるのは何日後ですか?
決まった日数はありません。筋肉の動きへの作用は数日から現れますが、咬筋の縮小による輪郭変化はさらに時間をかけて生じます。
注射直後に変化を感じた場合は、ほかの原因も含めて施術医に相談してください。
ボトックスの効果が切れれば元に戻りますか?
筋肉の動きは時間とともに回復するのが一般的ですが、咬筋の厚みや皮膚のたるみ、ほうれい線の見え方まで必ず元に戻るとは限りません。
気になる変化が続く場合は、経過を写真で比較しながら診察を受けましょう。
エラボトックスを繰り返すと、たるみやすくなりますか?
反復注入によって咬筋のボリューム減少が続く場合がありますが、すべての方でたるみが進むと証明されているわけではありません。
施術のたびに頬こけや皮膚の余りを評価し、必要性と間隔を見直すことが大切です。
ほうれい線を改善するためにエラボトックスは有効ですか?
エラボトックスは咬筋を小さくする治療であり、ほうれい線の溝を直接改善する治療ではありません。
ほうれい線が主な悩みなら、まず原因を確認してから治療を選ぶことをおすすめします。
エラボトックス後にグロースファクター治療はできますか?
エラボトックスを受けたこと自体が、ほうれい線のグロースファクター治療を一律に妨げるわけではありません。
ただし、輪郭や表情が変化している途中では治療範囲を正確に判断しにくいため、施術時期は個別に検討します。
ご相談の際は、エラボトックスを受けた日、注入量、現在の変化をお知らせください。
まとめ|エラボトックス後は原因を見分けて対処する

エラボトックス後にほうれい線が目立つようになった場合、咬筋の縮小による輪郭変化、頬こけ、皮膚のたるみ、もともとの溝など、複数の要素が考えられます。
まずは施術医に相談し、時間経過とともに改善する変化なのかを確認することが大切です。
その上で、ほうれい線の溝が残っている場合には、状態に合った治療を検討します。
当院では、ほうれい線の状態を確認し、グロースファクターが適しているかどうかも含めてご案内しています。無理に施術をおすすめすることはありません。








