
著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「歯列矯正をすると、ほうれい線が深くなるのでは」「矯正を始めてから、ほうれい線が目立つ気がする」という方もいるのではないでしょうか。
歯並びをきれいにするための治療で、顔の印象が変わってしまうのは心配ですよね。
結論からいうと、歯列矯正によって口元の形が変わり、ほうれい線が目立ちやすくなる場合はあります。ただし、矯正をすると必ずほうれい線が深くなるわけではありません。
特に大切なのは、歯の移動によって口元の立体感が変わったのか、皮膚に溝ができているのか、もともとの骨格や加齢変化が関係しているのかを分けて考えることです。
東京リンクルクリニックは、ほうれい線治療を専門とする美容皮膚科です。この記事では、これから矯正を検討している方や、矯正中・矯正後の変化が気になる方に向けて、抜歯の影響、ほうれい線が目立つ原因、改善方法を整理します。
この記事を読んでわかること
- 歯列矯正でほうれい線が目立つことがある理由
- 抜歯矯正と非抜歯矯正の違い
- 矯正中・矯正後に確認すべきこと
- ほうれい線が残った場合の治療の選び方
矯正後のほうれい線が気になる方へ
ほうれい線が目立つ理由は、口元の形だけとは限りません。皮膚の溝や骨格的なくぼみなど、複数の原因が重なっている場合があります。
ご不安な点は無料メール相談で承ります。院長が一通ずつご返信しています。
歯列矯正でほうれい線が深くなることはある

歯列矯正は歯並びや噛み合わせを整える治療ですが、歯を動かすことで唇や口元の位置も変わることがあります。
その結果、頬と口元の高低差が変わり、ほうれい線の影が以前より目立つと感じる場合があります。
ただし、口元の位置が変わることと、皮膚に深い溝が新しく刻まれることは同じではありません。
写真でほうれい線が濃く見えても、影の変化が主体の場合と、実際の皮膚の溝が主体の場合では対処法が異なります。
▶︎[ほうれい線の影が濃く見える仕組みを見る>]
▶︎[骨格とほうれい線の関係を見る>]
研究で確認されている変化は比較的小さい
2025年に公表されたシステマティックレビューでは、歯列矯正とほうれい線の関係を調べた7研究が検討されました。
そのうち3研究の統合解析では、抜歯矯正は非抜歯矯正と比べて、ほうれい線の位置が平均0.27mm後方へ変化していました。
統計的には差がありましたが、著者らは臨床的な影響は小さい可能性があると述べています。
これはほうれい線の位置の平均的な変化を測定したもので、見た目の老け感や皮膚の溝の深さが0.27mm変化したという意味ではありません。
また、研究にはバイアスの懸念があり、全員の見た目が同じように変化するという意味ではありません。
矯正後にほうれい線が目立つ主な原因

前歯を後ろに動かして口元の突出感が減った
出っ歯や口元の突出(いわゆる「口ゴボ」)を改善する矯正では、前歯を後方へ移動させることがあります。
前歯の位置が変わると、唇を支える形も変わり、口元が以前よりすっきりして見える場合があります。
これは矯正の目的に合った望ましい変化である一方、頬と口元の高低差が変わることで、ほうれい線の影が強く感じられることもあります。
口元が引っ込んだことだけを理由に「皮膚がたるんだ」と判断することはできません。
抜歯によって歯を後退させる量が大きくなった
抜歯矯正では、歯を並べるためのスペースを確保し、前歯を後ろに移動させることがあります。
そのため、非抜歯矯正と比べて口元の軟部組織が後方へ移動する場合があります。
成人女性52人を対象とした3次元画像研究でも、抜歯群では非抜歯群よりほうれい線周辺の位置変化が大きい傾向が報告されています。
ただし、この研究は少人数の観察研究です。抜歯そのものが必ずほうれい線を深くするという証明ではありません。
もともとの骨格や鼻横のくぼみが目立つようになった
小鼻の付け根にあたる鼻翼基部が骨格的にくぼんでいると、若い頃からほうれい線の上部に影ができやすくなります。
矯正によって口元の形が変わると、それまで気にならなかった鼻横のくぼみが相対的に目立つことがあります。
この場合、歯並びが整ったことと、鼻横の骨格的な高低差は分けて考える必要があります。
矯正期間中に加齢や体重の変化が重なった
歯列矯正は数年単位で進むこともあります。
その間に体重が減ったり、皮膚のハリが変化したりすると、頬のボリュームやほうれい線の見え方も変わります。
矯正前後の写真で違いがあっても、すべてを歯の移動による変化と決めつけることはできません。
特に、矯正前より体重が減っている場合は、頬の脂肪量の変化も確認したいところです。
成人女性52人を対象とした別の研究でも、矯正中・矯正後の頬の軟部組織変化が調べられています。ただし、対象者が限られており、体重減少がほうれい線の変化の原因だと直接証明する研究ではありません。
矯正中と矯正後で対処法は異なる

矯正中は治療計画と口元の変化を確認する
矯正中にほうれい線が気になった場合は、まず担当の矯正歯科医へ相談してください。
前歯を今後どの程度後退させる予定なのか、口元の突出感がどのように変わる見込みなのかを確認すると、現在の変化を理解しやすくなります。
ただし、ほうれい線だけを理由に抜歯方針や歯の移動を自己判断で変更することはおすすめしません。
噛み合わせ、歯周組織、歯の移動に必要なスペースなどを含めて総合的に判断する必要があるためです。
美容医療の判断よりも、まずは矯正歯科で治療計画を確認することを優先してください。
矯正後は同じ条件の写真で比較する
矯正後にほうれい線が深くなったと感じる場合は、治療前の写真と比べてみましょう。
正面だけでなく、斜め方向、真顔、笑顔も比較すると、どの部分が変わったのか分かりやすくなります。
照明の向き、表情、体重が違うと、同じほうれい線でも濃さが変わって見えることがあります。
口元の形が変わったのか、鼻横の影が強くなったのか、皮膚に残る溝が深くなったのかを区別することが大切です。
歯並びを戻せばほうれい線も戻るとは限らない
矯正後の見た目が気になっても、歯を元の位置へ動かせば必ず改善するとはいえません。
ほうれい線には皮膚や脂肪、骨格など複数の要因が関係しているためです。
再矯正は歯や歯周組織への負担も考慮する必要があります。
歯列や噛み合わせの問題がない場合、ほうれい線だけを改善する目的で再矯正を選ぶ前に、原因を十分に確認しましょう。
ほうれい線の影や皮膚の溝が主体であれば、歯の位置を変えても希望する変化が得られないことがあります。
矯正後に残ったほうれい線の改善方法

改善方法は、何が目立っているかによって変わります。
| 主な状態 | 検討する方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| 皮膚のハリ低下・溝 | 皮膚を対象とした注入治療など | 効果・持続性・リスクに個人差 |
| 鼻横の骨格的なくぼみ | ボリューム補正など | 鼻翼基部の注入には血管障害リスク |
| 頬の下垂による影 | たるみ治療 | 皮膚に刻まれた溝は残る場合あり |
皮膚の溝が主体ならグロースファクターなどの注入治療
矯正後に口元の形が変わっていても、実際に目立っているのが皮膚の溝であれば、歯列ではなく皮膚への治療を検討することがあります。
当院で行うグロースファクター治療は、真皮のハリや厚みの改善を目指す注入治療です。
ただし、骨格的なくぼみを直接埋める治療ではなく、効果の現れ方や持続期間には個人差があります。
矯正後のほうれい線に対するグロースファクターの効果を直接検証した十分な比較研究があるわけではないため、矯正歴だけで適応を判断することはできません。
鼻横のくぼみや深い溝にはヒアルロン酸も選択肢

鼻横の骨格的なくぼみが強い場合には、ヒアルロン酸でボリュームを補う方法があります。
深い溝もある程度浅くできる場合がありますが、表情の動きによって皮膚表面に刻まれた細かい「折れ癖」への効果には限界があります。
一方、鼻翼基部は血管閉塞による皮膚壊死や視覚障害などの重大な合併症に注意が必要な部位です。
治療を検討する際は、期待できる変化とリスクの両方を確認してください。
▶︎[ほうれい線へのヒアルロン酸注入を詳しく見る>]
▶︎[表情による折れ癖が残る仕組みを見る>]
頬のたるみが主体なら引き締め・リフト治療

頬の下垂によってほうれい線の影が強くなっている場合は、ハイフや糸リフトなどが選択肢になることがあります。
ただし、これらは頬の組織を引き締めたり引き上げたりする治療であり、皮膚に形成された溝そのものを直接浅くする治療ではありません。
▶︎[ハイフで改善できること・できないことを見る>]
▶︎[糸リフトが向くほうれい線を見る>]
矯正後のほうれい線をどう改善するか迷っている方へ
口元の形の変化と、皮膚の溝や骨格による影は、治療方法が異なります。原因に合う方法を検討するため、まずはご相談ください。
ご不安な点は無料メール相談で承ります。院長が一通ずつご返信しています。
歯列矯正とほうれい線のよくある質問

抜歯矯正をすると必ずほうれい線が深くなりますか?
いいえ。抜歯矯正では口元の位置が変わることがありますが、ほうれい線が必ず深くなるわけではありません。
歯を後退させる量、もともとの骨格、皮膚の状態などによって見え方は異なります。
非抜歯矯正ならほうれい線への影響はありませんか?
非抜歯矯正でも口元や周囲の軟部組織が変化することはあります。
抜歯の有無だけでなく、歯をどの方向にどの程度動かすかが重要です。
矯正中にほうれい線が目立ってきたら、治療を中止すべきですか?
自己判断で中止することはおすすめしません。
まず担当の矯正歯科医に相談し、現在の歯の移動と今後の治療計画を確認してください。
マウスピース矯正ならほうれい線は悪化しませんか?
マウスピースかワイヤーかという装置の違いだけで、ほうれい線への影響を判断することはできません。
どの歯をどれだけ動かす計画か、もともとの口元の形はどうかによって変わります。
矯正が終わってから美容医療を受けた方がよいですか?
矯正中は口元の形が変化しているため、最終的な状態を確認してから美容医療の適応を判断する方が分かりやすい場合があります。
ただし、一律に何か月待つべきという決まりはありません。歯科治療の予定や美容医療の種類も含めて、担当医に相談してください。
まとめ|矯正後のほうれい線は原因を分けて判断する

歯列矯正によってほうれい線の見え方が変わることはありますが、矯正が必ずほうれい線を深くするわけではありません。
抜歯の有無だけでなく、前歯の移動量、もともとの骨格、皮膚のハリ、体重や加齢による変化などが関係します。
矯正中ならまず矯正歯科医へ相談し、矯正後なら同じ条件の写真で変化を確認することが大切です。
その上で、皮膚の溝、鼻横のくぼみ、頬のたるみのどれが中心なのかを見極めれば、必要な治療を選びやすくなります。
ご自身の状態に合う判断の参考になれば幸いです。








