
著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「頬杖をつくと、ほうれい線が深くなるって本当?」
「仕事中やスマホを見るとき、つい頬杖をついてしまいます。」と気になっている方もいらっしゃるでしょう。
頬杖は昔から、「顔がゆがむ」「しわが増える」といわれる習慣の一つです。
そのため、「ほうれい線の原因だからやめたほうがいい」と考えている方も少なくありません。
しかし実際には、頬杖だけで深いほうれい線ができるとは考えにくく、頬杖とほうれい線の直接的な因果関係も十分に明らかになっているわけではありません。
一方で、いつも同じ側へ長時間圧力をかける習慣は避けたほうがよいでしょう。
顔への機械的な圧迫については、横向き・うつ伏せ寝による圧迫やずれが皮膚を変形させ、いわゆる「睡眠じわ」に関係する可能性が指摘されています。ただし、これは睡眠時の研究であり、その結果をそのまま頬杖に当てはめることはできません。
東京リンクルクリニックは、ほうれい線治療を専門とする美容皮膚科です。
実際の診療でも、左右差を気にされている方から「いつも同じ側で頬杖をついているのですが、関係ありますか?」と聞かれることがあります。
そのときに大切なのは、頬杖だけを原因と決めつけるのではなく、今見えているほうれい線が皮膚に形成された「溝」なのか、頬や骨格との高低差による「影」なのか、あるいはその両方なのかを見ることです。
この記事では、頬杖がほうれい線へ与える影響や、頬杖の姿勢で行うマッサージの効果、頬杖をやめれば改善するのかについて解説します。
この記事を読んでわかること
- 頬杖だけでほうれい線ができるのか
- 長時間の圧迫とほうれい線の関係
- 頬杖の姿勢で行うマッサージに期待できること
- 頬杖をやめてもほうれい線が残る理由
頬杖をやめてもほうれい線が気になる場合、生活習慣だけではなく、皮膚に形成された溝や骨格・頬との高低差による影などが関係している可能性があります。
ご自身のほうれい線がどのタイプかわからない場合は、無料メール相談または診察でご相談いただけます。
頬杖だけで深いほうれい線ができるとは考えにくい

「頬杖をついているから、ほうれい線ができた」と単純に考える必要はありません。
ほうれい線は、皮膚のハリの低下、頬の脂肪の変化、骨格、表情による動きなど、複数の要素が重なって目立つようになります。
実際、ほうれい線は皮膚だけの問題ではなく、周囲の脂肪区画や支持組織、筋肉、骨格などが関係する複雑な構造です。
そのため、頬杖をつく習慣があるというだけで、現在のほうれい線の原因を説明することはできません。
反対に、頬杖をやめたからといって、何年もかけて形成されたほうれい線がなくなるとも限りません。
大切なのは、頬杖の有無だけを見るのではなく、「今目立っているものは何なのか」を見分けることです。
参考文献:Hong GW, et al. Why Do Nasolabial Folds Appear? Exploring the Anatomical Perspectives and the Role of Thread-Based Interventions. Diagnostics (Basel). 2024;14(7):716.
それでも長時間の頬杖を避けたほうがよい理由

頬杖とほうれい線の直接的な因果関係は明確ではありませんが、だからといって、長時間同じ側を圧迫する習慣を積極的に続ける必要もありません。
頬杖をつくと、頬やフェイスライン、口元に手のひらから圧力が加わります。
一度や二度頬杖をついたからといって、それだけでほうれい線が深くなることを心配する必要はないでしょう。
一方、顔への機械的な圧迫については、横向きやうつ伏せで眠る際に生じる圧迫・ずれ・伸展によって、皮膚にしわや変形が生じる可能性が報告されています。
ただし、これらは睡眠時の圧迫を扱った研究です。
「毎日頬杖をつくとほうれい線が深くなる」と直接証明したものではありません。
そのため、いつも同じ側で長時間頬杖をつく癖があるなら見直すことをおすすめしますが、「頬杖をしていたから、このほうれい線ができた」と思い込む必要はありません。
参考文献:Anson G, Kane MAC, Lambros V. Sleep Wrinkles: Facial Aging and Facial Distortion During Sleep. Aesthet Surg J. 2016;36(8):931-940.
頬杖で皮膚が伸びて、ほうれい線は深くなる?

「毎日押していると、皮膚が伸びてしまうのでは?」と心配される方もいらっしゃいます。
確かに皮膚は力が加われば一時的に変形します。
しかし、日常生活で頬杖をつくことによって皮膚が伸び、それだけで深いほうれい線が形成されるとまでは現在の知見からはいえません。
そもそも、ほうれい線は単なる「押された跡」ではありません。
加齢に伴って頬の軟部組織が変化すると、ほうれい線の深さや幅、見え方も変化します。ほうれい線周囲の脂肪も一枚の塊ではなく、複数の脂肪区画に分かれており、それぞれの変化が顔の立体感に関係します。
つまり、頬杖という一つの習慣だけで、ほうれい線全体を説明することはできません。
参考文献:Rohrich RJ, Pessa JE. The Fat Compartments of the Face: Anatomy and Clinical Implications for Cosmetic Surgery. Plast Reconstr Surg. 2007;119(7):2219-2227.
頬杖の姿勢で行うマッサージは効果がある?

美容サイトやSNSでは、「肘を机につき、頬杖の姿勢でほうれい線周辺をマッサージする」という方法が紹介されることがあります。
ここでいう「頬杖」は、腕を安定させ、ほうれい線をマッサージしやすくするための姿勢です。
普段のように頬を長時間押し続ける頬杖とは意味が異なります。
では、このようなマッサージでほうれい線は改善するのでしょうか。
フェイスローラーを用いた小規模研究では、5分間の使用後に頬の皮膚血流が一時的に増加したことが報告されています。
そのため、マッサージ後に肌の状態やむくみなどが変化し、ほうれい線が一時的にすっきり見えることはあるでしょう。
ただし、この研究はほうれい線の溝が改善することを示したものではありません。
皮膚が折れ曲がることで形成された「溝」や、鼻横の骨格的なくぼみ、頬との高低差による「影」は、マッサージとは分けて考える必要があります。
また、強い力で皮膚をこすったり、長時間押したりする必要はありません。
マッサージを行うのであれば、「強く押せばほうれい線が消える」と考えず、肌へ余計な摩擦を加えないようにしましょう。
▶︎[マッサージでほうれい線にできること・できないことを見る>]
参考文献:Miyaji A, Sugimori K, Hayashi N. Short- and long-term effects of using a facial massage roller on facial skin blood flow and vascular reactivity. Complement Ther Med. 2018;41:271-276.
頬杖をやめれば、ほうれい線は改善する?

頬杖をやめること自体はおすすめします。
特に、いつも同じ側へ長時間体重をかけるような癖があるのであれば、わざわざ続ける必要はありません。
ただし、すでにできているほうれい線が、頬杖をやめるだけで薄くなるとは考えないほうがよいでしょう。
頬杖をやめてもほうれい線が残っているからといって、「もう元に戻らないほど皮膚を伸ばしてしまった」という意味でもありません。
もともと頬杖とは別に、皮膚の溝や頬・骨格との高低差による影が目立っていた可能性があります。
ですから、頬杖をやめても変化がない場合には、次に「何が残って見えているのか」を考えてみましょう。
頬杖をやめても残るなら「溝」と「影」を見る
東京リンクルクリニックでは、ほうれい線を一本の線として見るのではなく、主に「溝」と「影」に分けて考えています。
真顔でも線が残るなら「溝」

皮膚が繰り返し折れ曲がることで構造的な変化が形成されると、真顔でもほうれい線が残るようになります。
これが当院でいう「溝」です。
さらに、溝の表面には長年の表情の動きによって細かな線が刻まれることがあります。
当院では、表情の動きにより皮膚表面に刻まれた線を「折れ癖」と呼んでいます。
頬杖をやめても真顔で同じ場所に線が残っている場合、頬杖よりも、このような皮膚側の変化を考える必要があります。
▶︎[ほうれい線の折れ癖について詳しく見る>]
▶︎[ほうれい線の溝に対するグロースファクター治療を見る>]
角度や光で濃さが変わるなら「影」

一方、ほうれい線がそれほど深くなくても、頬と口元の高低差や鼻横の骨格的なくぼみによって暗い影ができることがあります。
影が主体の場合は、光の当たり方や顔の角度によってほうれい線の濃さが変わりやすいのが特徴です。
「片側だけほうれい線が深い」と思っていても、実際には溝そのものの深さではなく、左右の頬の厚みや骨格の違いによって影の出方が違っていることもあります。
▶︎[ほうれい線の「影」と「溝」の違いを詳しく見る>]
▶︎[鼻横のくぼみとほうれい線の関係を見る>]
頬杖をやめてもほうれい線が変わらない場合、原因は頬杖ではなく、皮膚の「溝」や骨格・頬との高低差による「影」にある可能性があります。
ご自身では判断しにくい場合は、写真による無料メール相談または診察をご利用ください。
セルフケアで変わらないほうれい線には治療という選択肢もある

頬杖をやめたり、セルフケアを続けたりしてもほうれい線が変わらない場合は、今ある「溝」や「影」そのものへの治療を検討する方法もあります。
セルフケアで変わらない「溝」は、生活習慣だけの問題ではなく、すでに皮膚側に形成された構造的な変化として考える必要があります。
ただし、「ほうれい線」という見た目が同じでも、適した治療は一つではありません。
皮膚に形成された「溝」が主体の場合
当院では、ほうれい線の溝に対してグロースファクターを用いた治療を行っています。
グロースファクターは、ヒアルロン酸のようにゲル状の物質で溝を埋めるのではなく、皮膚のコラーゲン生成を促すことで、時間をかけて自然な改善を目指す治療です。
鼻横の骨格的なくぼみ・影が主体の場合
鼻横の骨格的なくぼみが強い場合には、ヒアルロン酸などでボリュームを補う方法が選択肢になることがあります。
一方、グロースファクターも、真皮のハリや厚み、併存する溝が改善することで、鼻横のくぼみや影がある程度目立ちにくくなることがあります。
ただし、骨格的なくぼみそのものを直接ボリュームで補正する効果は、ヒアルロン酸のほうが得やすいでしょう。
鼻翼基部は血管閉塞などに注意が必要な部位でもあるため、適応を慎重に判断することが大切です。
▶︎[鼻横のくぼみに適した治療を詳しく見る>]
▶︎[ほうれい線のヒアルロン酸治療を詳しく見る>]
頬のたるみが主体の場合

頬の下垂による高低差が大きい場合には、たるみに対する治療を検討することもあります。
ただし、リフトアップ治療で頬を引き上げても、皮膚に形成された深い溝や折れ癖まで十分に改善するとは限りません。
▶︎[たるみによってほうれい線が目立つ場合の改善方法を見る>]
大切なのは、「頬杖をやめても治らなかったから、もっと強くマッサージしよう」と考えるのではなく、今残っているほうれい線の原因を見直すことです。
よくある質問

頬杖を1日数分つく程度でも、ほうれい線はできますか
一時的に頬杖をついた程度で、それだけを原因としてほうれい線ができると心配する必要はないでしょう。
ただし、同じ側へ長時間圧力をかけ続ける習慣がある場合には、見直すことをおすすめします。
頬杖はほうれい線の左右差の原因になりますか
頬杖とほうれい線の左右差との直接的な因果関係は明らかではありません。
ほうれい線の左右差には、もともとの骨格や頬の厚み、表情の動きなど複数の要因が関係します。
「いつも頬杖をついている側だけ深い」という場合でも、頬杖だけを原因と決めつけないことが大切です。
頬杖の姿勢でマッサージしても大丈夫ですか
肘を机につき、腕を安定させるための姿勢と、普段の頬杖は分けて考えてよいでしょう。
ただし、強く皮膚をこすったり、長時間押し続けたりする必要はありません。
マッサージで一時的に見え方が変わることはあっても、すでに形成されたほうれい線の溝そのものを改善する方法ではありません。
頬杖をやめれば、ほうれい線は薄くなりますか
頬杖をやめることはおすすめしますが、それだけですでにあるほうれい線が薄くなるとは限りません。
変化がない場合には、皮膚に形成された溝や、頬・骨格との高低差による影など、別の原因が主体になっている可能性があります。
まとめ|頬杖だけを原因と思い込まないことが大切

頬杖だけで深いほうれい線ができるとは考えにくく、頬杖とほうれい線の直接的な因果関係も十分に明らかになっているわけではありません。
いつも同じ側で長時間頬杖をつく癖があるのであれば見直したほうがよいですが、「頬杖をしていたから、このほうれい線ができた」と思い込む必要はありません。
また、頬杖の姿勢で行うマッサージによって一時的に見え方が変わることはあっても、皮膚に形成された溝や骨格・頬との高低差による影を改善するものではありません。
頬杖をやめてもほうれい線が残っているのであれば、皮膚の「溝」なのか、立体的な「影」なのかを一度分けて考えてみてください。
頬杖という一つの習慣だけを気にするより、自分のほうれい線がなぜ目立っているのかを知ることが、適切な対策を選ぶ第一歩になります。
「頬杖をやめてもほうれい線が残っている」「自分のほうれい線は溝なのか影なのか分からない」という方は、無料メール相談もご利用いただけます。
現在の状態を確認した上で、院長が一通ずつご返信しています。






