

著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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鏡を見るたびにふと感じる「なんとなく口元が老けて見える」という印象。
でも、よく見てみても深いしわがあるわけでもないし、たるみが極端に進んでいるわけでもない——
そんな方に共通しているのが、「ほうれい線の影」です。
実はこの“影”、実年齢より老けて見える原因の一つでありながら、意外と見落とされがち。
しわと勘違いしてスキンケアを続けていても、影の原因が残っている限り、印象はなかなか改善しません。
本記事では、そんなほうれい線の「影」と「しわ」の違いを明らかにしながら、影ができる原因や、即効でできる解消法、そして影そのものをなくすための治療法まで、専門的かつわかりやすくご紹介します。
「最近なんだか疲れて見える」——そのモヤモヤ感、この記事でスッキリ解消しましょう。
目次
ほうれい線の「影」と「しわ」はどう違う?
一見すると同じように見える「ほうれい線の影」と「ほうれい線のしわ」ですが、実は全く異なる要因で生じます。
「影」とは、頬のたるみや厚みによって光が均一に当たらず、ほうれい線部分が暗く見えてしまっている状態です。
つまり、皮膚そのものに折り目が付くなどの構造変化が起きているのではなく、頬と口元との高低差によって陰影が強調されることで生じます。
このタイプのほうれい線は、顔の角度や光の当たり方によって濃さが変化しやすいのが特徴です。
一方で「しわ」は、皮膚の折り目や表面に刻まれた線のことを指します。
これは加齢に伴うコラーゲンやエラスチンの減少、長年の表情の癖、乾燥や紫外線などによって皮膚そのもののハリや弾力が低下し、皮膚が菲薄化することで生じる現象です。
しわは皮膚を引っ張っても消えにくく、常に目立つ状態であることが特徴です。
つまり、影は“光と立体構造の問題”、しわは“皮膚の質の変化”によるものであり、同じ「ほうれい線」と呼ばれるものでも必要なケアや治療法が大きく変わってくるのです。
ほうれい線に影ができる原因
ほうれい線の”影”が目立つ背景には、いくつかの骨格的、肌質的な要因が関係しています。
頬の厚みやたるみ
まず、頬のたるみが強い場合、またはたるみがなくても頬の脂肪や皮膚による厚みがある場合、頬と口元との高低差が生じやすくなります。
すると、頬の余分なボリュームによってほうれい線の影が強調されるようになります。
これは頬骨の位置が高いなど、生まれつきの骨格に由来する場合も多く、若年層でも影が目立つことがあります。
鼻の横のくぼみ
鼻翼基部の陥凹、いわゆる「鼻横のくぼみ」が目立つ場合も、その部分に影ができやすくなります。
骨格的にこの部分の凹みが強い場合、皮膚が折れ曲がっていなくても線のような影が生じ、しわと誤認されることも少なくありません。
毛穴やくすみ
さらに、たるみ毛穴やくすみといった皮膚表面の状態も、ほうれい線の影を強調させる要因の一つです。
特に、ほうれい線部分の毛穴が開いていると光の反射が乱れ、肌の凹凸が強調されて暗く見えるようになります。
また、ほうれい線部分にはくすみが溜まりやすく、暗い場所などではその色ムラのコントラストが際立つことで、実際以上に“影”が目立って見える原因となります。
ほうれい線の影を消す即効ケア
影のように見えるほうれい線には、メイクやセルフケアである程度印象を和らげることが可能です。
メイクでのカバー
即効性を最重視するなら、メイク術の活用が効果的です。
ファンデーションは厚塗りせず薄く均一に広げた上で、肌よりワントーン明るいコンシーラーをほうれい線と交差するように放射状にのせていきます。
その後、頬に向かって円を描くようにぼかすことで影を飛ばす効果が得られます。
さらに、目頭の下から顎にかけて軽くハイライトを入れることで、ほうれい線の印象を紛らわすことができます。
マッサージやツボ押しでむくみ解消
マッサージやツボ押しも血行促進や筋肉の緊張緩和に役立ちます。
特に小鼻の横や口角周辺のリンパを流すことでむくみが軽減され、ほうれい線周囲の影が一時的に目立たなくなる効果も期待できます。
また、適度な皮膚への刺激を習慣的に続けることでコラーゲン生成のサポートとなり、引き締めやリフトアップにもつながるため、軽度の影によるほうれい線や予防目的としては有効なケア法と言えるでしょう。
ただし、やりすぎは逆効果にもなるため要注意です。
ほうれい線の影を消す治療法
ほうれい線の「影」は「しわ」とは異なる性質を持つため、適した治療法も異なります。
影ができる原因に応じてアプローチを分けることが大切です。
糸リフトやハイフ(HIFU)
頬のたるみや厚みによって影が生じている場合は、フェイスリフトや糸リフトといったリフトアップ施術が有効です。
これにより頬全体を引き上げることで、ほうれい線の影を軽減することができます。
また、ハイフや高周波といった機械治療では、筋膜や脂肪を内側から引き締める作用があり、たるみで生じる影を軽度に改善したり予防する効果があります。
ヒアルロン酸や脂肪注入
鼻の横のくぼみが原因で影ができている場合は、ヒアルロン酸や脂肪注入などの注入治療が有効です。
皮膚の深部にボリュームを補填することで、くぼみを埋めて影を目立たなくすることができます。
また、グロースファクター治療はくぼみを大幅に底上げする効果はないものの、局所的にコラーゲンを増やし皮膚の厚みをもたらす作用があるため、鼻の横のくぼみが軽度の場合はナチュラルに改善させることが可能です。
毛穴やくすみの肌改善治療
また、たるみ毛穴やくすみによって影のコントラストが強調されている場合には、レーザー治療やピーリング、外用薬などの肌質改善や美白治療が効果的です。
皮膚表面の凹凸や色ムラを均一に整えることで光の乱反射が減り、影の強調を防止できます。
まとめ
ほうれい線の「影」と「しわ」とでは原因が異なり、改善のためのアプローチ方法も変わってきます。
影が目立つ場合は、骨格や頬のたるみ、肌の質感など多くの要素が関与しているため、状態に応じてリフト治療、注入治療、肌質改善などを組み合わせることが重要です。
まずは自身の「影」の原因を正しく見極めることが、適切なケアと治療への第一歩になります。
当院はほうれい線治療を専門におこなっており、お客様一人ひとりのご状態やご希望に合わせた治療計画のご提案が可能です。
メールでの無料カウンセリングもおこなっていますので、当院のメールアドレス宛に「メールカウンセリング希望」と記入し、お気軽にご相談ください。
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