

著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「最近、電車の窓に映った自分を見たら、ほうれい線の影にギョッとした」
「口紅を塗らないと、口元の老け感がひどい」
「夕方になるとファンデーションがほうれい線にたまるのが嫌…」
——こうした小さな変化に気づいたとき、急に不安になりませんか?
ほうれい線は顔の印象を一気に老けさせるサイン。実際に「年齢を感じさせる一番のしわ」と言われています。
でも、安心してください。ほうれい線は“予防が9割”。
一度深く刻まれてしまうと改善がなかなか難しくなりますが、早いうちからしっかりと予防を始めれば、5年後・10年後に大きな差が出てきます。
とはいえ、数ある予防法の中で結局はどれがいいの?
その答えはシンプルです。
- セルフケアでは UVケアと保湿が最重要
- 美容医療では グロースファクターが最も予防に効果的
これを軸に、生活習慣の改善・補助的ケア・美容医療を組み合わせるのが最短ルートです。
この記事では、セルフケアから最新の美容医療まで「取りこぼしなく全て」を比較・解説します。
今日からできるシンプルな習慣から、将来を変える最新治療まで、あなたに合った“ほうれい線予防の答え”を見つけてください。
目次
ほうれい線予防法の全比較(セルフケア vs 美容医療)
まずは「どんな方法があるのか」を全体像として理解しておくことが大切です。
セルフケアと美容医療、それぞれの予防法を比較し、自分に合う選択肢を見極めましょう。
方法 |
狙い |
予防効果 |
実感まで |
持続感 |
費用感 |
注意点 |
紫外線対策 |
コラーゲン破壊を防ぐ |
★★★★★ |
数週〜 |
継続次第 |
低 |
塗り忘れ・ムラ |
保湿 |
バリア機能・キメ改善 |
★★★★★ |
数日~ |
継続次第 |
低 |
成分刺激に注意 |
食生活・睡眠改善 |
ホルモンの乱れ・糖化防止 |
★★★★☆ |
数週~ |
継続次第 |
低 |
継続が難しい |
摩擦を減らすケア |
バリア機能の維持 |
★★★★☆ |
数週〜 |
継続次第 |
低 |
スクラブ・ゴシゴシNG |
顔マッサージ |
血行促進・むくみ軽減 |
★★☆☆☆ |
直後 |
短い |
低 |
摩擦や強圧は逆効果 |
表情筋トレーニング |
表情筋の維持 |
★★☆☆☆ |
数週~ |
継続次第 |
低 |
やりすぎ注意 |
美顔器・ローラー |
血行促進・むくみ軽減 |
★★☆☆☆ |
直後 |
短い |
中 |
摩擦や高出力は逆効果 |
サプリメント |
栄養補助・抗酸化作用 |
★★☆☆☆ |
数週~ |
継続次第 |
低~中 |
単独では効果限定的 |
グロースファクター |
ハリ・弾力アップ |
★★★★★ |
1~6か月 |
長期 |
中 |
腫れ・内出血 |
リジュラン・スネコス |
キメ・潤い改善 |
★★★☆☆ |
数週~ |
中期 |
中 |
腫れ・内出血 |
ハイフ |
筋膜の引き締め |
★★★☆☆ |
即時 |
中期 |
中 |
頬こけリスク |
糸リフト |
たるみの予防 |
★★★☆☆ |
即時 |
中期 |
高 |
引きつれ・拘縮 |
ボトックス |
表情じわ抑制 |
★★★☆☆ |
数日~1週 |
数か月 |
中 |
表情の違和感 |
ヒアルロン酸 |
溝の改善(予防には×) |
☆☆☆☆☆ |
即時 |
半年~2年 |
中 |
血流障害リスク |
👉この比較表だけ見てもセルフケアでは「UVケアと保湿」が、美容医療では「グロースファクター」が予防法として特に優れていることがわかります。
ほうれい線予防のステップ|どの順番でやるべき?
「いきなり美容医療を受けるべきか、それともまず生活改善からか」と悩む人も多いと思います。
以下で実際にどの順番で取り組むべきかを確認しましょう。
1. 最低限必須のセルフケア(全ての方が今日からすべき)
- UVケア
- 保湿
- 摩擦を減らすケア
- 睡眠・食事・生活改善
👉 ここをサボると、どんな治療をしても効果が長持ちしません。
2. 補助的なセルフケア(余裕があれば追加を検討)
- 顔マッサージ
- 表情筋トレーニング
- 美顔器・美顔ローラー
- サプリメント・ビタミン剤
👉 やりすぎると逆効果になるものもあるため注意。
3. 美容医療で「実感のある予防」
- グロースファクター(最も効果的)
- 肌質改善注射(リジュランなど)
- ハイフ
- 糸リフト
- ボトックス
- その他機械治療
👉 本気で将来のほうれい線を防ぎたいなら、ここまで検討する価値あり。
予防につながる「セルフケア」を深掘りして全解説
「自宅でできること」を徹底するかどうかで、ほうれい線の進行スピードは大きく変わります。
ここでは、予防効果が高いものから補助的なものまで、セルフケアを詳しく解説します。
①紫外線対策
紫外線は、真皮層に存在するコラーゲンやエラスチンといった肌のハリや弾力を維持する線維を分解してしまうため、肌の土台そのものを弱らせ、たるみやしわを確実に生み出す最大の原因になります。
これは「ゴムを日に当て続けると劣化して脆くなる現象」と同じであり、対策を怠れば時間と共にほうれい線が深く刻まれていくことは避けられません。
👉 日焼け止めは PA++++かつSPF30〜50 を選び、2〜3時間ごとにこまめに塗り直すのが理想です。
また、しわやたるみの原因となるUVAは窓ガラスを通過し屋内にも到達するため、家の中でも油断は禁物です。
②保湿
肌が乾燥すると角質層が乱れ、肌表面に小さな凹凸が増えることで光が乱反射し、ほうれい線の影が実際以上に濃く見えるようになります。
逆にしっかり潤いを与えることで光が均一に反射し、しわや影が薄く見えるだけでなく、バリア機能が改善されて紫外線ダメージにも強い肌になります。
👉 朝晩のスキンケアに加えて、日中も乾燥を感じたら「追い保湿」を行うのがおすすめです。
成分としてはヒアルロン酸やセラミド、ナイアシンアミドを含む化粧品が効果的です。
③摩擦を減らす
毎日のスキンケアやクレンジングの際に肌をこすりすぎると、それだけで表皮のバリアが壊れて乾燥や炎症が進み、結果的にほうれい線を深める要因になります。
👉 クレンジングは短時間でやさしく済ませ、タオルで水分を拭くときはゴシゴシせず押さえるようにしましょう。
また、枕カバーは摩擦の少ないシルクやサテン素材を選ぶと安心です。
④生活習慣の見直し(睡眠・食事・嗜好品)
不規則な生活は肌の修復機能を大きく低下させ、しわやたるみを助長します。
睡眠不足は成長ホルモンの分泌を減少させ、喫煙はコラーゲンを分解する酵素を増やし、過度な飲酒は糖化を進めて肌の弾力を低下させます。
👉 食生活ではタンパク質、ビタミンC、亜鉛などの栄養素をしっかり取り入れ、急激な体重変動も避けることが大切です。
▶︎【ほうれい線に効果的な食事をみる>】
▶︎【喫煙が老化にもたらす影響をみる>】
▶︎【糖質過多が老け見えにつながる理由をみる>】
⑤顔マッサージ
適度なマッサージは血流を良くしてむくみを軽減する効果がありますが、強い圧や摩擦を伴うマッサージはかえって肌の負担となり、逆にほうれい線を悪化させてしまう危険性もあります。
👉 行う場合はオイルやクリームを使って摩擦を減らし、週2〜3回・短時間で済ませるのが理想です。
⑥表情筋トレーニング
表情筋を鍛える顔トレーニングは、一部の筋肉のバランスを整えて口元を引き上げる効果がある一方で、やりすぎると特定の筋肉が過剰に発達し、しわを刻む動きが増えてしまうリスクがあります。
👉 週2〜3回程度に留め、正しいフォームで行うことが必要です。
⑦美顔器・美顔ローラー
超音波やEMSなどの美顔器は、血流促進や一時的なむくみ改善に効果があるものの、摩擦や高出力を長時間肌に当てると逆に肌のバリアを壊してしまいます。
👉 あくまで補助的な手段として、セルフケアの基本(UVと保湿)を守った上で取り入れることが望ましいです。
⑧サプリメント
コラーゲンやビタミンCを含むサプリメントは、食事で不足しがちな栄養を補う役割はありますが、直接的にほうれい線を予防する効果は限定的です。
👉 「サプリに頼れば予防できる」と考えるのではなく、あくまでバランスの良い食生活を補う位置づけとして取り入れるのが正解です。
しっかり予防できる「美容医療」をわかりやすく全解説
セルフケアで土台を整えたら、さらに将来のリスクを下げるために検討すべきなのが美容医療です。
ここからは、代表的な治療法をそれぞれ詳しく解説していきます。
①グロースファクター治療
グロースファクターは、成長因子を注入することで真皮の線維芽細胞を活性化し、コラーゲンやエラスチンの生成を促進して肌の奥から弾力を回復させる治療です。
つまり「皮膚そのものを補強して皮膚の折れ曲がりや折れ癖の定着を防ぐ」という、セルフケアでは不可能な領域にアプローチできる唯一の方法なのです。
👉 効果の実感は1〜6か月後に現れ、数年〜10年以上持続するため、予防と改善を同時に叶える治療です。
ただし製剤の質や注入技術によって仕上がりが変わるため、信頼できる医師に相談することが不可欠です。
②肌質改善注射(リジュラン・スネコスなど)
ポリヌクレオチドなどの再生因子を含む注射は、肌そのものの修復力を高めてキメを整え、潤いを改善する作用があります。
小じわや乾燥の改善に優れており、特に「ちりめんじわ」に効果的です。
👉 効果は数週間後から実感でき、持続は数か月ほど。ダウンタイムは軽度の腫れや内出血程度で済みます。
1回の施術による効果はマイルドですが、3〜4回繰り返すことで安定しやすくなります。
③ハイフ(HIFU)
ハイフは超音波エネルギーを筋膜(SMAS層)に届けることで熱変性を起こし、皮下組織を収縮させて輪郭を引き締める治療です。
たるみによるほうれい線の進行を遅らせる効果があります。
👉熱凝固による即時的な引き締めに続き、たるみの予防となる効果は1ヶ月以降に現れ、持続は半年〜1年ほど。
ほうれい線の溝そのものを浅くする効果は乏しいものの、顔全体の「たるみ予防」としては有効です。
④糸リフト(スレッドリフト)
特殊な溶ける糸を皮下に挿入してたるみを物理的に引き上げる治療で、糸が周囲のコラーゲン生成を促すため肌のハリ改善やたるみの予防効果も期待できます。
👉直後からリフトアップ効果を実感できますが、持続は数か月〜1年ほどです。
ただし、その後もコラーゲン生成によってたるみ予防の効果が長期的に続くため、ほうれい線の直接的な改善というよりは予防的な治療と考えると良いでしょう。
⑤ボトックス
ボトックスは筋肉の動きを弱めることで、表情による「折れ癖」を防ぐ効果があります。
笑ったときに深く目立つしわや、ガミースマイルを伴うほうれい線に対して有効です。
👉 効果は数日〜1週間後から現れ、3〜4か月持続します。
表情の不自然さや口元が動きにくくなるリスクもあるため、経験豊富な医師に依頼することが大切です。
番外編:ヒアルロン酸(予防には不向き)
ヒアルロン酸は皮膚の深部に注入して溝を物理的に埋める治療で、改善効果は即時に得られます。
ただし予防目的としては不向きであり、あくまでも「すでに深くなったほうれい線に対する対症療法」としての位置付けです。
👉 効果は数か月〜2年ほど持続しますが、血管塞栓やしこり(遅発性結節)などのリスクもあるため注意が必要です。
その他の機械治療
- フラクショナルレーザー:肌の入れ替えを促し、ハリを底上げする
- IPL(光治療):しみやくすみ・赤みを改善し、ほうれい線の色調のコントラストが強調されにくい肌に近づける
- RF(高周波):真皮層に熱を照射し肌を引き締め、コラーゲン生成を活性化する
👉 いずれも単独でのほうれい線に対する予防効果は限定的であり、基本的にはグロースファクターと併用することでより高い相乗効果が得られます。
今予防治療を受けておくと10年後に差がつく
「適切な予防をした人 」と「何もしなかった人・自己流ケアだけに頼った人」の未来は、10年後・20年後に想像以上に大きな差となって現れます。たとえば、こんなイメージです。
長年セルフケアだけを徹底してきたAさんは、確かに同年代より肌にハリがあり綺麗でしたが、40歳を迎える頃には鼻の横から口角にかけてうっすらと溝が見え始め、「笑ったときの折れ癖」が皮膚表面にわずかに残るようになっていました。
一方、セルフケアに加えて、ほうれい線が深くなる前からグロースファクター治療を取り入れていたBさんは、同じ40歳でもほうれい線がほとんど目立たず、思いっきり笑っても皮膚に線が残りませんでした。
両者の違いは、「皮膚そのものの強さ・しなやかさ・折れ癖の付きにくさ」 にあり、その差は同窓会など人前に出たときの印象でも一目瞭然となったのです。
まとめ
ほうれい線は「できてから治す」よりも「できる前に防ぐ」ほうが、時間的にも費用的にも圧倒的に効率的です。
- セルフケアの二本柱=紫外線対策+保湿 は、誰にとっても欠かせない最初のステップであり、これを怠るとどんな高価な施術をしても十分な効果は持続しません。
- 美容医療の第一選択肢=グロースファクター は、肌そのものを強化し、将来的に刻まれるはずの折れ癖を未然に防ぐ唯一の方法であり、予防と改善を同時に実現できる治療です。
- ハイフや糸リフト、肌質改善注射などは補助的に組み合わせることで効果をさらに底上げでき、輪郭や肌表面の質感まで含めたトータルな若々しさをサポートします。
👉 結局のところ、未来のほうれい線を左右するのは「皮膚そのものの強さ」を今から育てられるかどうか であり、そのためには「日々のセルフケア」と「グロースファクターによる予防的アプローチ」を組み合わせることが、最短かつ最も確実な道です。数年後の自分に後悔しないためにも、今日から一歩を踏み出すことをおすすめします。
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