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ほうれい線ボトックスはどこに打つ?効果・適応と注意点を医師が解説

説明


著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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「ほうれい線にボトックスを打つと薄くなるのでしょうか。」

「ほうれい線のボトックスは、どこに打つのですか?」とご相談いただくことがあります。

額や眉間、目尻などの表情じわにボトックスが使われることはよく知られているため、「ほうれい線もボトックスで簡単に消せるのでは」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

実際、表情筋の動きが強く関係して、笑ったときにほうれい線が強調される一部の方では、ボトックスが選択肢になることがあります。

ただし、ここには大きな注意点があります。

ボトックスは、ほうれい線の「溝」そのものを埋めたり、皮膚にすでに形成された溝を直接浅くしたりする治療ではありません。

また、ほうれい線周囲には笑顔や口の動きに関わる複数の表情筋があるため、単純に「ほうれい線の横へ打てばよい」という治療でもありません。

東京リンクルクリニックは、ほうれい線治療を専門とする美容皮膚科です。

当院では、ほうれい線を皮膚に形成された「溝」、骨格や頬との高低差によって生じる「影」、さらに表情筋の動きなどに分けて診察しています。

その中でボトックスが作用するのは、主に「筋肉の動き」です。

この記事では、ほうれい線のボトックスはどこに打つのか、どのようなほうれい線に効果が期待できるのか、反対にボトックスでは改善しにくいケース、治療前に知っておきたい注意点まで詳しく解説します。

この記事を読んでわかること

  • ほうれい線のボトックスはどこに打つのか
  • ボトックスが向いているほうれい線
  • ボトックスでは改善しにくいほうれい線
  • 治療前に知っておきたい注意点
  • ボトックス以外の治療が向いているケース

自分のほうれい線にボトックスが合うのか分からない方へ

ほうれい線は、筋肉の動きだけでなく、皮膚の溝や骨格、頬の厚みなどが重なって目立っていることがあります。状態を確認したうえで、適した治療をご提案します。

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ほうれい線にボトックスは効く?

ボトックスは、ボツリヌストキシンの作用によって神経から筋肉への信号を抑え、注入した部位の筋肉の働きを一時的に弱める治療です。

そのため、眉間や目尻など、筋肉の動きによって目立つ「表情じわ」と相性のよい治療です。

ほうれい線でも、笑ったときに上唇が強く引き上げられ、表情筋の動きによってほうれい線が強調されるケースでは、ボトックスによって見え方が変わることがあります。

一方、真顔でもすでに皮膚に「溝」が形成されている場合や、鼻横の骨格的なくぼみ、頬との高低差などによって「影」ができている場合は、筋肉の働きを弱めるだけでは十分に改善できません。

つまり、「ほうれい線がある=ボトックスが効く」ではなく、ほうれい線の何が目立っているのかによって適応が変わります。

▶︎[自分のほうれい線ができた原因を詳しく見る>

ほうれい線のボトックスはどこに打つ?

「ほうれい線にボトックスを打つ」と聞くと、ほうれい線の線に沿って直接注射するイメージを持つ方もいるかもしれません。

しかし、ボトックスはヒアルロン酸のように、ほうれい線の溝やくぼみを埋めるために注入する治療ではありません。

ボトックスを検討する場合は、笑ったときの上唇や鼻翼の動き、左右差などを確認し、どの表情筋の働きが強く関係しているのかを診察したうえで注入部位を判断します。

上唇や鼻翼の動きに関係する筋肉を評価する

ほうれい線周囲には、上唇を引き上げる上唇挙筋上唇鼻翼挙筋、さらに笑顔の形成に関係する複数の表情筋があります。

これらの筋肉の働きが強いと、笑ったときに上唇や鼻翼周囲が大きく動き、ほうれい線が強調されて見えることがあります。

ただし、「ほうれい線にはこの筋肉、この位置」と一律に決められるわけではありません。

口元の表情筋は互いに影響しながら笑顔を作っているため、どの筋肉をどの程度弱めるかによって、ほうれい線だけでなく笑顔そのものの見え方も変わる可能性があります。

そのため、ほうれい線へのボトックスでは、線そのものを見るだけではなく、真顔と笑顔の両方を確認して適応を判断することが重要です。

ガミースマイルを伴う場合

ガミースマイルとは、笑った際に上唇が大きく引き上がり、歯茎が目立って見える状態です。

ガミースマイルには骨格や歯・歯肉など複数の原因がありますが、上唇を引き上げる筋肉の働きが強いタイプでは、ボトックスが治療の選択肢になることがあります。

実際に、ガミースマイルに対するボツリヌストキシン治療では、上唇鼻翼挙筋や上唇挙筋などが注入対象として報告されています。

このような方では、ガミースマイルの改善に伴って、笑ったときのほうれい線の見え方にも変化が出る場合があります。

参考文献:Wang X, et al. Dose and injection site of botulinum toxin type A for gummy smile management: A systematic review and bibliometric analysis. Toxicon. 2024;249:108058. PubMed

ボトックスが向いているほうれい線

笑ったときにほうれい線が強く目立つ

真顔ではそれほど目立たないものの、笑ったときや話したときにほうれい線が急に深く見える場合は、表情筋の動きが見え方に大きく関係している可能性があります。

この中でも、上唇を引き上げる筋肉の働きが強い場合などでは、ボトックスを検討できることがあります。

ただし、笑ったときにほうれい線が出ること自体は正常な顔の動きです。

笑顔を作れば誰でも頬と口元の境界は強くなります。そのため、「笑うとほうれい線が出る」という理由だけでボトックスが適応になるわけではありません。

▶︎[笑ったときだけほうれい線が目立つ原因と治療を見る>

ガミースマイルなど上唇の動きが強い

ガミースマイルなど、上唇を引き上げる筋肉の働きが強いことが明らかな場合には、ボトックスの適応を検討しやすくなります。

ただし、ガミースマイルの原因が骨格や歯肉側にある場合には、筋肉へのボトックスだけでは十分な改善が得られないこともあります。

ボトックスでは改善しにくいほうれい線

真顔でも皮膚に溝ができている

長年皮膚が折れ曲がることで、真顔でもほうれい線の「溝」が残るようになることがあります。

ボトックスは筋肉の働きを弱める治療なので、すでに形成された皮膚の溝そのものを直接浅くする治療ではありません。

このような溝が主体の場合、当院ではグロースファクター治療を中心に検討しています。

▶︎[ほうれい線の溝を改善するグロースファクター治療を詳しく見る>

鼻横の骨格的なくぼみや影が強い

ほうれい線が目立つ原因は、筋肉だけではありません。

上顎や鼻翼基部周囲の骨格的なくぼみ、頬との高低差によって影が強く見えている場合があります。

このような骨格的なくぼみが主体の場合、ボトックスで筋肉の働きを弱めても、くぼみそのものがなくなるわけではありません。

ヒアルロン酸は、こうした骨格的なくぼみによる影を改善する際に選択肢になります。また、深い溝ではヒアルロン酸によってある程度浅くできることがありますが、浅い溝には改善の限界があり、溝の表面に長年の表情によって刻まれた「折れ癖」には基本的に効果を期待しにくい治療です。

▶︎[ほうれい線にヒアルロン酸が向くケースを詳しく見る>

頬の下垂による影が強い

加齢などによって頬の位置が下がると、頬と口元の高低差が大きくなり、ほうれい線の影が強く見えることがあります。

この場合も、ボトックスだけで頬の位置を引き上げることはできません。

頬の下垂が主体であれば、ハイフなどの引き締め治療が補助的な選択肢になることがあります。ただし、ハイフだけで皮膚に形成された深い溝を消すことはできません。

▶︎[ハイフでほうれい線が薄くなる人・残る人の違いを見る>

ほうれい線にボトックスを打つ前に知っておきたい注意点

ほうれい線周囲へのボトックスでは、効果だけでなく、笑顔や口元の動きへの影響も考えて治療する必要があります。

ここでは治療を検討するうえで特に重要な点だけを簡潔に解説します。

笑いにくさや不自然な表情が出る可能性がある

ほうれい線周囲の筋肉は、単に「しわを作る筋肉」ではなく、笑顔や上唇の動きにも関わっています。

そのため、注入する位置や量、薬剤の拡散などによっては、笑顔の左右差、笑いにくさ、口元の違和感などが生じる可能性があります。

特に口元は、見た目だけでなく日常的な口の動きにも関係する部位です。そのため、ほうれい線を目立たなくすることだけを考えて筋肉の働きを強く抑えすぎないことが重要です。

▶︎[鼻の下が伸びる・麺がすすれない?ほうれい線ボトックスのデメリットを見る>

参考文献:Coté TR, et al. Complications with the use of botulinum toxin type A for cosmetic applications and hyperhidrosis. Semin Cutan Med Surg. 2007;26(1):29-33. PubMed

効果は一時的

ボトックスによる筋肉への作用は永久ではありません。

時間の経過とともに作用は弱くなるため、効果を維持したい場合には再治療が必要になります。

なお、持続期間は使用する製剤、注入部位、量、筋肉の強さなどによって異なるため、「必ず3か月」と一律に考えるものではありません。

ガミースマイルに対する研究では、効果は時間とともに低下し、12〜24週程度の経過が報告されています。

参考文献:Wang X, et al. Dose and injection site of botulinum toxin type A for gummy smile management: A systematic review and bibliometric analysis. Toxicon. 2024;249:108058. PubMed

皮膚に形成された溝は残ることがある

表情筋の動きが弱くなって、笑ったときのほうれい線が多少目立ちにくくなったとしても、真顔ですでに形成されている溝まで同じように改善するとは限りません。

「笑ったときだけ気になるのか」「真顔でも溝が残っているのか」を分けて考えることが大切です。

ボトックス以外のほうれい線治療

ほうれい線の原因が筋肉の動き以外にある場合は、ボトックス以外の治療を検討します。

グロースファクター|皮膚に形成された溝

当院では、皮膚が繰り返し折れ曲がることで形成されたほうれい線の「溝」に対して、グロースファクター治療を重視しています。

グロースファクターは、ヒアルロン酸のように大きなボリュームを加えて形を変えるのではなく、皮膚側から徐々に溝を改善していく治療です。

表情筋そのものの動きを止めないため、笑顔をできるだけ変えずにほうれい線の溝を改善したい方にも適しています。

当院では必要以上に投与せず、他の注入製剤と混ぜずにグロースファクター単剤で治療しています。

▶︎[グロースファクターの効果・持続・リスクを詳しく見る>

ヒアルロン酸|骨格的なくぼみ・影

ヒアルロン酸は、鼻横などの骨格的なくぼみによってほうれい線の影が強くなっている場合に、即効性のある選択肢です。

深い溝をある程度浅くすることもできますが、浅い溝には改善の限界があり、溝の表面に長年の表情によって刻まれた「折れ癖」には基本的に効果を期待しにくい治療です。

また、ほうれい線・鼻翼基部周囲は血管閉塞による皮膚壊死や視覚障害などの重大な合併症に注意が必要な部位です。

▶︎[ヒアルロン酸の失明・壊死リスクと安全性を詳しく見る>

ハイフなど|頬の下垂による影

頬の下垂によってほうれい線の影が強くなっている場合は、ハイフなどの引き締め治療によって見え方が改善することがあります。

ただし、ハイフは皮膚に形成された深い溝そのものを直接治療するものではなく、ほうれい線治療では補助的な位置づけになります。

▶︎[ハイフを受けてもほうれい線が残る理由を見る>

よくある質問

ほうれい線そのものにボトックスを打つのですか?

ほうれい線の溝を埋めるように、線に沿ってボトックスを注入する治療ではありません。

ボトックスは筋肉の働きを弱める治療なので、表情を確認し、ほうれい線の見え方に関係している筋肉を評価したうえで注入部位を判断します。

ほうれい線のボトックスは何単位打ちますか?

一律に「何単位」と決めることはできません。

使用する製剤によって単位の考え方が異なるうえ、目的とする筋肉、筋力、左右差、笑顔への影響などを考えて調整する必要があります。

特に口元は少量の違いでも表情へ影響する可能性があるため、単位数だけで治療の良し悪しを判断することはおすすめできません。

笑ったときのほうれい線にはボトックスが効きますか?

表情筋の過剰な動きが大きく関係している場合には、見え方が改善する可能性があります。

ただし、笑ったときにほうれい線が出ること自体は正常です。また、すでに皮膚に溝や折れ癖が形成されている場合は、筋肉の動きを弱めるだけでは十分に改善できないことがあります。

ボトックスの効果はどのくらい続きますか?

製剤、注入部位、量、筋肉の強さなどによって異なります。

効果は永久ではなく、時間の経過とともに弱くなるため、維持を希望する場合には再治療が必要になります。

真顔でも目立つほうれい線には何が向いていますか?

真顔でも目立つ場合は、皮膚に形成された溝、骨格的なくぼみによる影、頬の下垂などが関係している可能性があります。

当院では、溝が主体ならグロースファクター、骨格的なくぼみによる影ならヒアルロン酸など、何が目立っているのかを診察したうえで治療を選びます。

まとめ|ほうれい線のボトックスは「どこに打つか」より適応の見極めが重要

ほうれい線へのボトックスは、ほうれい線の線そのものに打って溝を消す治療ではありません。

上唇や鼻翼周囲などの表情筋の動きが強く関係している一部のケースでは選択肢になりますが、皮膚に形成された溝や、骨格的なくぼみによる影を直接改善することはできません。

また、ほうれい線周囲は笑顔を作る複数の筋肉が関係するため、注入する位置や量によっては笑いにくさや表情の左右差などが生じる可能性があります。

「ほうれい線があるからボトックス」ではなく、自分のほうれい線の何が目立っているのかを見極めてから治療を選ぶことが大切です。

東京リンクルクリニックでは、ほうれい線の溝・影・表情の動きなどを診察し、一人ひとりの状態に合わせて治療をご提案しています。

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