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ダイエットでほうれい線が目立つ理由|痩せると老けて見える原因と対策

説明


著者
ほうれい線治療専門
東京リンクルクリニック
院長 沖津茉莉子
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ダイエットは成功したはずなのに、鏡を見るたびに気になるのは、口元の影やほうれい線。

体重は落ちた。服も綺麗に着られるようになった。

それなのに、顔だけ疲れて見える。以前より老けた気がする。

そんな違和感に戸惑っている方は少なくありません。

特に30〜40代以降は、ただ痩せればきれいに見えるとは限らなくなります。

頬のボリュームや皮膚のハリが低下し始め、骨格の凹凸も表面に現れやすくなるためです。

実は、ダイエット後にほうれい線が目立つのは、気のせいではありません。

急激に体重を落としたり、もともと頬の脂肪が少なかったりすると、顔を支えていたボリュームが減り、ほうれい線や口元の影が強調されることがあります。

当院でも、10kg近く体を絞った後から口元のしわが気になり始めた方や、マンジャロなどの薬で急速に体重が落ち、それまで気にしていなかったほうれい線が目立つようになった方を診ることがあります。

私自身も、1〜2kg体重が減っただけで、頬の張りが落ち、ほうれい線が目立つと感じることがあります。

この記事では、ダイエットでほうれい線が目立つ理由と、老けて見えるのを防ぐためにできることを、ほうれい線治療を専門に行っている立場から解説します。

ダイエットをするとほうれい線が目立つことがある

結論から言うと、ダイエットによってほうれい線が目立つようになることはあります。

特に注意したいのは、短期間で一気に体重を落とした場合です。

ほうれい線は、皮膚に一本のしわが入っているだけではありません。

頬の脂肪、皮膚のハリ、骨格の段差、表情による折れ癖など、複数の要素が重なって現れます。

急激に体重が減ると、頬の脂肪も減少します。すると、それまで骨格の凹凸を覆っていたクッションが薄くなり、皮膚が余ってたるんだり、鼻横から口元にかけての影が濃く見えたりします。

イメージとしては、クッションの中身が減り、表面の布がたわむような状態です。

ダイエット自体が悪いわけではありません。

問題なのは、体や皮膚が変化に追いつけないほど急速に痩せることや、必要な栄養まで削ってしまうことです。

ダイエットでほうれい線が目立つ原因3つ

1.余った皮膚がたるみ、ほうれい線の上に影ができる

ダイエットで顔の脂肪が減ると、皮膚や皮下組織を内側から支えるボリュームも少なくなります。

若い頃は多少体重が変化しても皮膚が戻りやすいですが、30代以降はコラーゲンやエラスチンが徐々に減少し、皮膚の弾力も低下していきます。

その状態で急に顔の脂肪が減ると、皮膚がわずかに余り、頬が下方向へたわみやすくなります。

そのたるみがほうれい線の上に重なることで、影が濃く見えるのです。

つまり、ダイエット後のほうれい線は、必ずしも皮膚に深いしわが刻まれたとは限りません。

明るい場所ではそれほど気にならないのに、夕方や上から光が当たったときだけ急に深く見える場合は、溝そのものより、たるみによる影の影響が大きい可能性があります。

▶︎[ほうれい線の“影”が目立つ原因と対策法をみる>

2.顔の脂肪が減り、骨格の凹凸があらわになる

同じように痩せても、ほうれい線が目立つ人と目立たない人がいます。その差を左右する要素の一つが骨格です。

口元が前に出ている方、鼻の横がくぼんでいる方、頬と口元の高低差が大きい方は、もともとほうれい線の部分に影ができやすい傾向があります。

普段は頬の脂肪が骨格の段差を包み、表面をなだらかに見せています。

しかし、ダイエットによって脂肪が減ると、その凹凸が表面に現れやすくなります。

このタイプでは、皮膚表面を保湿したりマッサージしたりしても、骨格による高低差までは変えられません。

痩せたことで新しくほうれい線ができたというより、脂肪に隠れていた骨格の特徴が目立つようになったと考えたほうが近いでしょう。

▶︎[ほうれい線が目立つ骨格の特徴をみる>

3.栄養不足によって皮膚のハリも低下する

急激なダイエットでは、脂肪だけでなく、皮膚のハリを保つために必要な栄養まで不足しやすくなります。

皮膚の状態を維持するには、たんぱく質に加えて、鉄、亜鉛、ビタミンC、必須脂肪酸など、様々な栄養素が必要です。

ところが、食事量を極端に減らす、脂質をほとんど摂らない、サラダだけで済ませるといった方法では、肌の材料が不足しやすくなります。

その結果、頬のボリュームが減るだけでなく、皮膚そのもののハリも低下し、以前からあった折れ癖や細かいしわまで目立ちやすくなります。

▶︎[ほうれい線対策に必要な栄養素についてみる>
▶︎[ほうれい線が目立つ原因の総まとめをみる>

ほうれい線が目立ちやすくなる痩せ方

特に注意したいのは、1〜2か月で5kg、10kgと一気に体重を落とす方法です。

減量のスピードが速いほど、顔の脂肪も急に減りやすく、皮膚が変化に追いつけないことがあります。

食事制限だけに偏ったダイエットにも注意が必要です。たんぱく質や脂質まで削ってしまうと、体重は減っても、肌のハリや頬の張りまで失われやすくなります。

また、マンジャロなどのGIP/GLP-1受容体作動薬や、その他のGLP-1関連薬を使用し、食欲が大きく低下した結果、短期間で急速に痩せるケースもあります。

これらの薬は、肥満や糖代謝異常の治療として有用です。薬そのものが顔を老化させるというより、急速な体重減少に伴って顔の脂肪も減ることで、やつれやほうれい線が目立つと考えられます。

もともと体脂肪や頬の脂肪が少ない方は、さらに注意が必要です。

体重全体ではわずか1〜2kgの変化でも、顔の印象が大きく変わることがあります。

ほうれい線を目立たせないダイエットの進め方

大切なのは、体重の数字だけを追いかけないことです。

美容の観点では、何kg落ちたか以上に、どのくらいの速度で落ちたか、頬のボリュームがどこまで減ったかが重要です。

すでに頬がこけ始めている、口元の影が急に濃くなった、疲れて見えるようになった場合は、本当にこれ以上の減量が必要なのか、一度立ち止まって考える必要があります。

体としてはまだ痩せられても、顔はすでに痩せすぎていることがあるからです。

食事では、たんぱく質を十分に摂り、脂質を極端に避けないことも大切です。

鉄や亜鉛、ビタミン類を含め、特定の食品だけに偏らないようにしましょう。

また、同じ明るさと角度で、正面と斜めから顔写真を定期的に撮っておくと、体重計だけでは分からない変化に気づきやすくなります。

30〜40代以降は、ただ細くなることより、やつれて見えない範囲で体重を管理することが重要です。

ダイエット後に目立つほうれい線はセルフケアで戻せる?

ダイエット後にほうれい線が気になると、マッサージや表情筋トレーニングで元に戻せないかと考える方は多いと思います。

むくみの影響が強い場合は、マッサージなどで一時的にすっきり見える可能性はあります。

しかし、脂肪が減ったことによる皮膚のたるみや、骨格による影をセルフケアで元に戻すことはできません。

むしろ注意したいのは、強いマッサージです。

ほうれい線を薄くしたいからといって、頬や口元を強くこすったり、引き上げるように繰り返し刺激したりすると、摩擦や牽引によって皮膚に負担がかかります。

強く行うほど効果が高まるわけではなく、かえってたるみや肌荒れを助長する可能性があります。

▶︎[ほうれい線に効くマッサージについてみる>

表情筋トレーニングも同じです。

表情筋を動かすこと自体が悪いわけではありませんが、口を横に強く引く、すぼめるといった動作を繰り返すと、ほうれい線の部分に折れ目がつきやすくなります。

▶︎[表情筋トレーニングの注意点をみる>

一方で、保湿や紫外線対策は、すでに目立つ影を消す治療ではないものの、乾燥による細かいしわや皮膚の老化を防ぐためには重要です。

セルフケアは進行予防には役立ちますが、失われたボリュームや骨格の段差まで変えられるものではありません。

▶︎[ほうれい線のセルフケアについてみる>

それでもほうれい線が気になる場合は、原因に合わせて治療を選ぶ

ダイエット後のほうれい線は、原因によって向いている治療が異なります。

ボリューム減少や骨格のくぼみが主体の場合

痩せたことで頬の支えが減り、鼻横から口元にかけての高低差が強くなった場合は、ヒアルロン酸などの注入治療が選択肢になります。

失われたボリュームを補い、影を浅くするという意味では理屈に合った治療です。

ただし、ほうれい線の溝だけを埋めると、不自然に膨らんで見えることがあります。

また、鼻の横は重要な血管が通る部位であり、注入には十分な解剖学的知識と慎重な判断が必要です。

▶︎[鼻の横のくぼみの治療法についてみる>
▶︎[ほうれい線のヒアルロン酸注入についてみる>

皮膚の折れ癖や浅いしわが主体の場合

頬を軽く持ち上げても皮膚表面に線が残る場合は、単なる影ではなく、皮膚に折れ癖がついている可能性があります。

このタイプでは、ボリュームを補うだけでは線が残ることがあります。皮膚のハリや折れ癖に働きかける治療を検討したほうがよい場合があります。

当院では、このような皮膚の折れ癖や浅い溝に対して、グロースファクター治療を行っています。

▶︎[折れ癖とは?原因と対策法をみる>
▶︎[グロースファクター治療の詳細をみる>

ハイフや糸リフトだけで解決しようとしない

ダイエット後のたるみに対して、ハイフや糸リフトを思い浮かべる方もいると思います。

軽いたるみが主体であれば、補助的に役立つことはあります。

ただし、脂肪が減って骨格の影が目立っている場合や、皮膚に折れ癖が残っている場合は、引き上げるだけでは十分に改善しません。

ダイエット後のほうれい線は、すべてを「たるみ」と考えると治療選びを間違えます。

減ったボリュームを補う必要があるのか、皮膚の折れ癖を改善する必要があるのかを見極めることが重要です。

▶︎[糸リフトのほうれい線に対する効果と限界についてみる>
▶︎[ハイフだけでほうれい線は改善しにくい理由をみる>

体重が安定しても気になるなら、一度相談を

痩せた直後は、栄養状態や水分量の変化によって、一時的に顔がやつれて見えることがあります。

体重と食生活が安定することで、印象が多少戻る方もいます。

そのため、ダイエット直後に焦って治療を受ける必要はありません。

ただし、体重が安定して数か月経っても頬のこけや口元の影が目立つ、少し体重を戻しても変わらない、皮膚表面の線が残っている場合は、構造的な変化が主体になっている可能性があります。

何が原因なのか分からないまま、美顔器やマッサージ、ハイフなどを次々に試すより、一度原因を見極めたほうが遠回りを防げます。

▶︎[ほうれい線治療の上手な選び方についてみる>

よくある質問

ダイエットで目立ったほうれい線は、体重を戻せば改善しますか?

頬のボリューム減少が主な原因で、痩せてから日が浅い場合は、少し体重が戻ることで影が和らぐことがあります。

ただし、皮膚のたるみや折れ癖が残っている場合は、体重を戻しても完全には元に戻らないことがあります。

顔だけ太らせることはできますか?

基本的には困難です。

体重が増えれば顔にも脂肪がつく可能性はありますが、脂肪がつく部位を選ぶことはできません。

顔だけを狙ってふっくらさせることは難しいため、必要に応じて治療を検討します。

マンジャロなどの薬をやめたほうがいいですか?

使用目的と健康状態によります。

肥満や糖代謝異常がある方にとって、マンジャロなどの薬は有用な治療です。

顔の印象が気になるからといって、美容面だけを理由に自己判断で中止するのはおすすめしません。

急速な体重減少によって顔のやつれやほうれい線が気になる場合は、処方医に相談し、減量ペースや治療方針を見直すことが大切です。

ほうれい線が気になるなら、ダイエットをやめるべきですか?

必ずしもダイエットをやめる必要はありません。

大切なのは、減量の必要性とペースを考え、顔の変化も確認しながら進めることです。

健康のための体重管理は重要ですが、必要以上に体重を落とし、顔の若々しさまで削るような痩せ方は避けたほうがよいでしょう。

まとめ|痩せることより、やつれて見えないことを大切に

ダイエットでほうれい線が目立つのは、珍しいことではありません。

顔の脂肪が減って皮膚が余る。骨格の凹凸が表面に現れる。栄養不足によって皮膚のハリが落ちる。

こうした変化が重なると、体は細くなっても、顔だけ老けたように見えることがあります。

だからこそ、体重の数字だけを追いかけないでほしいと思います。

どのくらいの速度で痩せているのか。頬がこけていないか。口元の影やしわが強くなっていないか。

そこまで確認して初めて、美容面でも成功したダイエットと言えるのではないでしょうか。

最近痩せてからほうれい線が気になり始めた方は、まず減量を急ぎすぎていないか、食事内容が偏っていないかを見直してみてください。

体重が安定しても改善しない場合は、何が原因でほうれい線が目立っているのかを一度きちんと見極めることをおすすめします。

当院は、ほうれい線治療を専門に行っています。メールでの無料カウンセリングも実施しており、お寄せいただいたご相談には、本記事を執筆している院長の私がすべて返信いたします。

ほうれい線でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

《参考文献》

Soft Tissue Facial Changes Following Massive Weight Loss: A Review and Stepwise Approach
Plastic and Reconstructive Surgery Global Open. 2024

The Clinical Importance of the Fat Compartments in Midfacial Aging
Plastic and Reconstructive Surgery Global Open. 2014

Radiographic Midfacial Volume Changes in Patients on Glucagon-Like Peptide-1 Receptor Agonists
Otolaryngology–Head and Neck Surgery. 2025

Photoaging and the Skin: Clinical Signs, Histopathologic Features, Prevention, and Treatment
Clinics in Dermatology. 2013

Skin Aging: Pathophysiology and Current Market Treatment Approaches
Current Aging Science. 2021